高校生艦長と自衛艦の航海日誌   作:みたらし饅頭

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過去編です。
最近筆が進みにくいものでして・・・因みに後5話でアニメ編修了です。
それ以降は・・・・お楽しみに(ゲス顔)

あっ、VITA版で吹雪とケッコンしました。(≧▽≦)
法被姿もええのぉ!

11月の劇場版公開までにアニメ編間に合うかね?(´・ω・`)
そして予告版を見ておもったのですが・・・・・・劇場版の内容で吹雪やほかのキャラが本当に意味もなく沈んだのなら、私は監督と脚本を絶対に許さない。絶対にだ!!(吹雪提督)


第二特別戦目「霧先の過去の出会い」

古き良き日本の風景が残る山間に位置する田舎の村。

そんな場所の川で水遊びをする少年達がいた。

その中でも特に平凡そうなある少年は、川で泳ぐ魚やカエルを同じ年頃の少年少女と共に追いかけたりして遊んでいた。

微笑ましく、実に風景にあっている光景であった。

そんな光景が続くかとおもいきや、平凡な少年はある違いに気づいた。

 

「あれ?あそこに誰かいるよ?」

「誰もいないじゃん。」

「誰もいなよ?友成君の見間違いだよ。」

「いるよ!見てくる!」

 

平凡な少年、そんな彼は後に海上自衛隊所属護衛艦の艦長、そして横須賀鎮守府所属の海軍中佐となる「霧先友成」であった。

同年代の少年少女から人影を見たところには誰もいないと言われ、幼い思考らしくムキになった彼は一人で人影を見た茂みへと飛び込んだ。

後ろから引き留める声が響いてくるが、彼には聞こえるはずもなく、ただひたすらに茂みの奥へと突き進んでいった。

 

「・・・あれ?誰かいたはずなのに・・・・。」

 

しかし、どれだけ進んでも人影は見えず獣道が続くばかり。

あても無く彷徨っていると、偶然にも開けた場所に出た。

 

「ここ・・・お寺?」

 

そこは近くの古びた神社だった。

年季を感じさせる境内の中を霧先が歩いていると、二人の少女が本堂に腰かけているのを見つけた。

 

「あっ!いた!」

 

霧先は大声をあげ、それに驚いた少女達は本堂から足を滑らせて落っこちた。

それを見て放っておく事ができなかった霧先は、急いでその少女達の元へと駆け寄った。

 

「大丈夫?」

「え、えぇ。少し驚いただけだから・・・・。」

「いててて・・・・この体になれないなぁ・」

 

そういうと滑り落ちた少女達は起き上がった。

一人はパッと見では霧先よりも少し年上位の見た目で、小豆色の髪を黄色いリボンでまとめており、髪と同じ色の目は透き通っている。

服装も、今の時代では珍しい小豆色の着物と桃色の袴であった。

もう一人は中学生ぐらいで紅色の長い髪を赤いリボンで二つに分けて結っており、服はノースリーブにスカート、しかもへそ出し状態という開放的な服装であった。

そんな服装を気にすることもない霧先は平然と少女達に声をかけた。

 

「僕は霧先友成!お姉ちゃん達は?」

「私?私は・・・・・神風型駆逐艦一番艦、神風よ。」

「白露型九番艦、改白露型駆逐艦の江風だ。」

「かみかぜがた?しらつゆがた?くちくかん?良く分からないけど宜しくね、神風お姉ちゃん、江風お姉ちゃん!」

 

神風と江風を恐れることなく、純粋無垢な笑顔をむける霧先。

そんな笑みを向けられた神風と江風は自然と笑顔になった。

それからはトントン拍子で進んでいった。

霧先は毎日神風と江風に会うために神社へと赴き、そこで神風からいろんな遊びや話を教えてもらい、江風と日が暮れるまど遊んでから家に帰る。

そんな日々を繰り返していくうちに、霧先と神風、江風の仲は急速に深まっていったのだった。

 

 

 

 

そして幾日か立った日の夕方、霧先はいつも通り二人に別れを告げて帰路へ着いた。

その姿を見送った二人は夕暮れに目を向けて言葉を漏らした。

 

「あれから60年ね・・・・。」

「終わったのって45年だっけ?江風は43年に沈んじまったからなぁ。」

「そうでしたね・・・あれから60年、日本は変わり子供たちも変わったわ。」

「だな~空襲やら配給に悩まされる事もないし、平和だよな。」

「・・・・この先の日本が心配ですが。」

「あぁ、自衛隊だっけ?世知辛い世の中だよな、自分たちが助けてもらってるのがどーして分かんねえんだか!」

「カッカしないでください・・・少なくともこれから変わる余地はありますから。」

「かねぇ?」

 

日本の変化と今後について話し合いながら沈む太陽をみる神風と江風。

嘗て祖国の為に決死の想いで戦った軍艦たちは、太陽が沈み切るまでを眺めていた。

 

 

 

 

「・・・・。」

「ほら友成、早くいかないと。」

「やだ・・・。」

「おいおい、親父さんを困らせるなよな?」

「でもお姉ちゃんたちと居たい!」

 

霧先が引っ越すことになった日、霧先は神社で駄々をこねていた。

どうしても神風と江風と離れたくない霧先は二人の説得に耳を貸さなかった。

 

「友成!いい加減にしなさい!日本男児たるものが駄々をこねてどうするのです!」

「だ、だって!お姉ちゃんたちと居たいもん!}

 

神風が声を張り上げて叱るが、それでも霧先は納得しなかった。

その様子に江風はお手上げ状態だった。

 

「ここまで懐かれるとはなぁ・・・しゃあねぇ、約束するか。」

「そうね・・・友成、私たちはいつか必ずああなたの所に戻る。だからこれを持って待っててくれる?」

 

奥の手を取り出した神風と江風。

それは指二本分程の木の板で、両面に神風と江風の名前と艦種、艦番号が彫られていた。

 

「これを・・・?」

「そう、絶対に戻ってくるから。」

「約束だぜ!」

「・・・わかった、絶対だよ!」

 

神風は微笑みかけ、江風はにんまりと笑って霧先に約束をした。

霧先もそれを了承し、木の板を受けとってから二人に別れを告げた。

 

「・・・またね、神風お姉ちゃん、江風お姉ちゃん。」

「ええ、またね。」

「またな、友成!」

 

二人との別れを終えた霧先は神社の階段を駆け下り、自分の家へとひた走った。

その後姿を見送った神風と江風は境内で立ち尽くしていた。

 

「・・・・顔がすごいことになってますよ。」

「だってぇ・・・!友成が引っ越すんだぞぉ!!スビッ!」

「はぁ、とりあえず鼻水を洗い落してください。私たちも行かないといけないんですから。」

「・・・・本当に、会えるのかな?」

「そこは神頼みです。さぁ、行きましょう。」

 

そういった神風の姿はだんだんと透けていき、江風の姿も透けていった。

そして完全に二人の姿は見えなくなり、境内には静寂のみが取り残された。

寂しい風が吹く中、一枚の桜の花びらが舞い上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁあ・・・朝か。」

 

その出来事から10年後、成長した霧先は軽巡寮内にある自分の部屋で起床した。

目覚まし時計を切り、のそのそとベットから起き上がる。

手短なところに置いてある自分のスマホで時刻を確認し、立ち上がってから湯沸かし器の電源を入れる。

そして湯が沸いてからコーヒーを一杯淹れて一息つく。

 

「久しぶりにあの夢だよ・・・・。」

 

霧先は自分のスマホに取り付けてある木の板を眺めながらそう呟く。

淹れたコーヒーを飲み干すと、早々に部屋を出て食堂へと向かい、朝食をとって今日も業務を再開する。

姉と慕った少女達との再会を心待ちにして。

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