IS学園にやって来た黒竜使い   作:雪風@イグニスター

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第十一話 姉と妹

遊矢のデュエルの後の授業は、全く頭に入って来なかった。遊矢の使った見たことの無い召喚方法…【ペンデュラム召喚】だったか?あれは一体なんだったのか…。

 

 

「…一旦舞網市に戻って零児に聞いてみる必要があるな」

 

 

彼奴なら【ペンデュラム召喚】について何か知っているかもしれない。

 

 

「…遊騎、いる?」

 

 

教室の扉の方から俺を呼ぶ声が聞こえた。そこには簪がいた。

 

 

「簪?どうしたんだよ…」

 

「今時間大丈夫?大丈夫ならちょっと話がある」

 

「?ああ…まぁ大丈夫だけど」

 

「じゃあ着いてきて」

 

 

簪はそう言うと歩いていく。俺も後ろから着いていこうとした時。

 

 

「お待ちになってください!!」

 

 

セシリアが俺を引き留めた。

 

 

「どうかしたか?セシリア」

 

「どうかしたではありません!!あの方はどなたですの!?遊騎さんとはどういったご関係で…!?」

 

「落ち着けセシリア。簪は元々今俺の使っている部屋にいた人で、えーっと、あれだ!デュエリストだ!!」

 

 

今とは全く関係の無いことを言った俺を見ていた他の奴等は、だからどうしたと言いたげにこっちを見ていた。俺だってこんなこと言いたかった訳じゃないやい。

 

 

「…つまり、遊騎さんとあの方は現在同じ部屋で過ごしているということですね」

 

 

今の話をどう聞いたらそういう答えになるのか問い質したくなったが、間違っていないため俺は笑顔で固まった。

 

 

「いや…えーと…」

 

「どうなんですか!?」

 

「はいその通りですごめんなさい!」

 

 

怖いよセシリア。何でそんなに怒ってるの!?

 

 

「…きます」

 

「はい?」

 

「わたくしも着いていきます!」

 

 

なんて言ってきた。俺は良いが簪は良いと言うだろうか…。

 

 

 

 

 

 

「遊騎。どういうことか聞かせて」

 

 

はい。案の定怒ってます。

 

あの後セシリアが着いてくると言って結局俺が折れ、着いてくるのを許可した。しかし、話をして完全に簪を見失ったため、近くの人に簪が何処へ向かったかを聴き、俺達はその場所へ向かった。そこは整備室で、中には簪が待っていた。が、そこでセシリアが着いてきたことを確認すると、一気に不機嫌になり、今に至るということだ。

 

 

「…遊騎。私は怒ってないよ。だから理由を教えて」

 

 

簪が上目遣いでそう言ってきた。そんな姿にドクンッと心臓が跳ね上がるのを感じるが、隣のセシリアが冷たい目で此方を見ているのに気づき、首を降る。

 

 

「まぁあれだ。セシリアは友達だし、折角だから簪の事を紹介もしたかったしな」

 

 

嘘は言っていない。実際いつか簪にセシリアを紹介するつもりだったし。今回は偶々こういったタイミングになってしまっただけだ。

 

 

「…まぁ良いよ。そう言うことにしておく」

 

 

どうやら助かったようだ。

 

 

「でしたら自己紹介をさせてください」

 

「うん。良いよ」

 

「わたくしはセシリア・オルコット。現在はこのIS学園でデュエリストとして頑張っていますわ!よろしくお願いします」

 

「…更識簪。一応日本の代表候補生」

 

 

二人は笑顔で手を握りあった。だが、その笑顔が物凄く怖い。何故かは分からないが、物凄く怖い。

 

 

「そ、それで簪。どうして俺を呼んだんだ?」

 

 

この空気に耐えきれなくなり俺は尋ねた。

 

 

「…話を聞いてほしいの」

 

 

簪の表情は暗くなる。そう感じた俺とセシリアは、

 

「分かった。言ってくれ」

 

「困っているのなら言ってください。わたくしも手を貸しますわ」

 

 

と言った。

 

 

「…ありがとう。二人共」

 

 

簪は笑顔でそう言った。

 

 

「実はさっき、私のお姉ちゃんが私のもとに来たの」

 

 

簪の姉?この学園にいるのか?

 

 

「私のお姉ちゃんはロシアの国家代表で、この学園の生徒会長なの」

 

 

…ハァッ!?

 

 

「生徒会長!?簪の姉がか!!」

 

「うん」

 

 

前に織斑先生話を聞いたことがある。IS学園の生徒会長は学園最強がなる決まりがあると。つまり簪の姉って…。

 

 

「学園最強?」

 

「うん。お姉ちゃんはこのIS学園の最強だよ」

 

 

隣でセシリアは驚いた表情をしていた。そりゃそうだ。いきなりそんな話を聞かされれば誰だって驚く。

 

 

「…で、その生徒会長がどうしたんだ?」

 

「…私は、昔お姉ちゃんに自身を否定されたことがある。だから私はお姉ちゃんとは違う道を歩みたいの。だから私はデュエルを始めた。実際にデュエルをやってみて凄く面白くって、私はデュエリストになりたくなった。けど…」

 

 

そこまで話すと表情はさらに暗くなる。

 

 

「お姉ちゃんは私にデュエリストになるなと言ってきた。その話をお父さんにもして塾に行かせてももらえなくなった。その後ほぼ無理矢理代表候補生にされてこの場所に入学させられた」

 

 

簪はどんどん辛そうになっていく。

 

 

「私は…ヒック…自分の人生を歩みたいのに…お姉ちゃんは私に日本の国家代表になれって…言って…私の専用機の開発が中止になって…やっと…やっと自由になれるって思ったのに…お姉ちゃんは私の専用機を…別の場所に作ってもらうって…私は…私は…!」

 

 

俺はそこまで聞いて簪を抱き寄せた。

 

 

「もういい…もういいんだ。今まで辛かったよな、苦しかったよな。安心しろ。俺が何とかしてやる」

 

「…どうやって?」

 

「お前の姉にあって直接話をする。お前がどれだけ辛いのか、苦しいのか、それを全部教えてきてやる!!」

 

「うっ…ぁぁ…」

 

「今は泣いとけ。泣けるときは泣いた方がいい」

 

「ッ…うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

 

 

俺は泣いてる簪の頭を撫でる。隣のセシリアは少し残念そうな、ちょっと悔しそうな、そんな表情で此方を見ていた。

 

さて、しかしどうするか。話を聞く限りだと相当な堅物だ。そんな奴をどうやって説得するか…。ッ!?

 

 

「誰だッ!!」

 

 

俺は後ろを振り返るが、そこには誰もいない。しかし未だに殺気を放ち続けている辺り…

 

 

「そこに隠れてるやつ…こっちは気づいてんだよ。出てこい!」

 

「遊騎?」

 

「遊騎さん?」

 

 

俺がそう言うと、二人は少し困惑しながら此方を見る。そして、柱の陰から水色の髪の女性が現れた。何処と無く簪ににている。恐らくこの人が…。

 

 

「生徒会長の更識先輩…ですか?」

 

「…ええ、そうよ。私が生徒会長の更識楯無よ」

 

 

更識先輩は此方を睨み付けながらそう答えた。

 

 

「何か用ですか?」

 

「ええ。簪ちゃんに話があったの」

 

 

先輩はそう言って簪の方へ顔を向ける。

 

 

「簪ちゃん。さっき企業と話をしたわ。新しくISを作ってくれる場所を見つけたから明日一緒に行くわよ」

 

 

ヤバイ!

 

 

「待って下さい!簪の話を聞いてください!簪は自分の夢が出来て、今その夢を叶えようと頑張ってるんです!」

 

「…それで?」

 

「え?」

 

「それがどうしたのかしら?簪ちゃんの夢って、デュエリストの事でしょ。そんなの認められないわ。簪ちゃんには日本の国家代表になってもらうんだもの」

 

なんだよそれ…どうして簪の夢を認めないんだよ!

 

 

「どうして…」

 

「簪ちゃんに強くなってもらうためよ。その為には簪ちゃんには国家代表になってもらう必要があるの」

 

「でも簪は!!」

 

「もういいかしら?私も忙しいの」

 

 

そう言って先輩は歩いていってしまう。

 

 

「待って下さい…」

 

「待たないわ。それじゃあ簪ちゃん、また明日」

 

 

ふざけんな…そんなの認めるか!!

 

 

「待て…っつってんだろうがあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 

 

俺はおもいっきり怒鳴った。流石に驚いたのかこっちへ振り返る。

 

 

「…何かしら?」

 

「何かじゃねぇだろうが!!簪がどれだけ辛いのかお前は考えたことあんのかよ!!こいつはあんたに否定されてからずっと頑張って来たんだぞ!!なのにあんたはその努力すら否定すんのかよ!!!!」

 

「ッ…それで?」

 

 

ッ!!こいつは!!!!

 

 

「簪は夢を叶えたいためにずっと一人で努力してきたんだ!!自分の人生を自分の物にするために!!あんたがやってるのは簪を縛り付けて自分の物にしてるだけだ!!!」

 

「違うッ!!」

 

「いいや、違わないね。あんたは簪を縛り付けてる。自分の物みたいにな。…簪は物じゃねぇ!!立派に生きてる人間だ!!!!これ以上こいつの人生を無茶苦茶にすんじゃねぇ!!!!」

 

「違うって言ってるでしょッ!!」

 

 

俺を睨みながら叫んだ。完全に先輩は此方に敵意を剥き出しにしている。此方も負けじと睨み付ける。

 

 

「…」

 

「…おい、勝負しろよ」

 

 

セシリアはハッとなって此方を見る。

 

 

「遊騎さん!?正気ですの!?」

 

「ああ。確かにこいつは最強かもしれない。だけど倒さねぇと簪を救えない!」

 

「…いいわ。相手してあげる。あなた一人で私と戦うのかしら?」

 

「馬鹿言うな。俺が勝手も意味ねぇだろうが。簪!二人で倒すぞ!!」

 

 

いきなり自分の名前を出された簪は驚いた表情をして此方を見る。

 

 

「…無理だよ。勝てっこないよ」

 

「無理なんかじゃない!!俺が一緒に戦う!!それにデュエリストになりたいんだろ?だったらこんなところで諦めるな!!夢は自分で掴め!!そのサポートはしてやる!」

 

 

簪は俯いていたが、俺の声を聴き、顔をあげる。

 

 

「分かった…分かったよ、遊騎!お姉ちゃん!私と…ううん、私達と勝負して!私達が勝ったら、私はデュエリストになる!負けたら、お姉ちゃんの言うことを聞く!」

 

 

先輩は最初こそ驚いていたが、すぐに平静を取り戻して俺達を見る。

 

 

「分かったわ。十分あげる。その間に準備しなさい」

 

 

そう言い残し、整備室を出ていった。




こんにちは!スノウです。


遊騎「はいよ。遊騎だ。よろしく!」


今回のゲストはこの方!!


簪「こんにちは。更識簪です」

遊騎「よろしくな、簪」

簪「うん。よろしく」


しかし遊騎さん。楯無さんと戦うことになってしまいましたが…勝算はあるんですか?


遊騎「勝算?ねぇよそんなの」

簪「えっ!?」


ちょっと!!それ大丈夫なんですか!?


遊騎「大丈夫だよ。俺がするのはデュエルだ。それに勝たないと簪を助けられないからな」

簪「遊騎…ありがとう」

遊騎「気にすんなよ」


仲良きことは美しきかな…それではそろそろ…


遊騎・簪「「お楽しみは、これからだ!!」」


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