IS学園にやって来た黒竜使い   作:雪風@イグニスター

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第十二話 可能性

あれから俺達は急いでデッキを調整し、ISバトルの会場へ向かった。そこにはかなりの数の観客が来ていた。恐らく先輩の信者か何かだろう。恐らくこの中で俺達を応援してくれるのは一夏やセシリアのように仲の良い奴等だけだろう。

 

 

「ッ…お姉ちゃんの親衛隊の人たちだ」

 

「親衛隊?…そこまでするかよ…」

 

 

恐らくこれは俺達二人の戦意を削る為の作戦だろう…。けど、

 

 

「それがどうした。こんな状況でデュエルしてこそのデュエリストだ!例え応援してくれる奴がいなくても全力でぶつかる」

 

「…うん。頑張ろう!遊騎!」

 

「ああ、ちょっと待て」

 

 

俺はそう言って二枚のカードを簪に渡す。

 

 

「もしかしたら今回のデュエルで役立つかもしれない。デッキに入れておいてくれ」

 

「ッ!!良いの?」

 

「ああ」

 

「ありがとう!」

 

 

簪は喜んでカードを受け取った。

 

簪に渡したカードは昔友人とのデュエルで俺が使ったカードだ。恐らくこのカード達が簪を守ってくれるはずだ。

 

 

「行くぞ!簪!!」

 

「うん!」

 

 

俺達はステージに向かった。そこには既にISを纏った楯無先輩が待っていた。

 

 

「待っていたわ。あなたたち二人を倒して、簪ちゃんには国家代表になってもらう」

 

 

まだそんな世迷い言言ってやがるのか。もういい…。話すだけ無駄だとわかり、俺はデュエルディスクを起動する。

 

 

『アクションフィールド、【海底都市 アトランティス】発動!!』

 

 

アクションフィールドが発動し、フィールドが変化していく。それは、古代に海底に沈んだ都市、アトランティスだった。

 

 

「行くぞ簪!!」

 

「うん!勝ってお姉ちゃんにわからせる!!」

 

「来なさい!全力で叩き潰してあげるわ!」

 

 

俺と簪はデュエルディスクにデッキをセットし、オートシャッフル機能を起動する。

 

 

「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!!」

 

「モンスターと共に地を蹴り宙を舞い…フィールド内を駆け巡る!!」

 

「見よ!!」

 

「これぞ!!」

 

「「デュエルの最終進化系!!アクショ~ン…デュエル!!」」

 

 

掛け声と同時に、アクションフィールド内にアクションカードが飛び散りデュエルがスタートした。

 

 

「先行は俺だ!俺は手札から【伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)】を召喚!!」

 

 

伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)

効果モンスター

星1/闇属性/ドラゴン族/攻 0/守 0

「伝説の黒石」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードをリリースして発動できる。

デッキからレベル7以下の「レッドアイズ」モンスター1体を特殊召喚する。

(2):このカードが墓地に存在する場合、

自分の墓地のレベル7以下の「レッドアイズ」モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターをデッキに戻し、墓地のこのカードを手札に加える。

 

俺達のフィールドに、黒い石が現れた。その黒い石は強く光を放ち始める。

 

 

「【伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)】の効果発動!!このカードをリリースし、デッキからレベル7以下の【レッドアイズ】モンスターを特殊召喚する。来い!!【真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)】!!」

 

 

真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)

通常モンスター

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守2000

真紅の眼を持つ黒竜。

怒りの黒き炎はその眼に映る者全てを焼き尽くす。

 

黒い石は砕け、中から一匹のドラゴンが姿を表した。

 

 

「行くぞ【レッドアイズ】!!俺はカードを二枚伏せてターンエンドだ」

 

これで取り敢えずは牽制にはなる筈だ。俺はレッドアイズに跨がり、空からアクションカードを探す。しかし…、

 

 

「ッ!?避けろッ!!」

 

 

すぐ下から先輩の攻撃は迫っており、俺はレッドアイズに指示を出す。間一髪のところで攻撃を避け、俺は再びアクションカードを探そうとするが、先輩の武器が槍の以上、目を背けるわけにいかない。

 

 

「仕方ない…。アクションカードは拾えるときに拾おう。今は目の前の敵に集中だ」

 

「そうね。お姉さんを無視してカードを探していたら後ろから刺しちゃうかもだしね」

 

 

先輩は面白そうに言うが、ちっとも冗談にも聞こえず、笑えない。

 

 

「ッ!!私のターン!!ドロー!!」

 

 

簪のターンになったようだ。

 

 

「私は手札から【H(ヒロイック)C(チャレンジャー)サウザンド・ブレードを召喚!!」

 

 

H(ヒロイック)C(チャレンジャー)サウザンド・ブレード

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1300/守1100

「H・C サウザンド・ブレード」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):1ターンに1度、手札から「ヒロイック」カード1枚を捨てて発動できる。

デッキから「ヒロイック」モンスター1体を特殊召喚し、

このカードを守備表示にする。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「ヒロイック」モンスターしか特殊召喚できない。

(2):このカードが墓地に存在し、戦闘・効果で自分がダメージを受けた時に発動できる。

このカードを墓地から攻撃表示で特殊召喚する。

 

無数の武器を背負う戦士が簪のフィールドに現れた。

 

【ヒロイック】…簪のデッキはエクシーズに特化した線士族のカテゴリーである【ヒロイック】のようだ。

 

 

「私は【サウザンド・ブレード】の効果発動!!手札の【H(ヒロイック)C(チャレンジャー)ダブル・ランス】を墓地に送り、デッキから【H(ヒロイック)C(チャレンジャー)エクストラ・ソード】を特殊召喚!!」

 

 

H(ヒロイック)C(チャレンジャー)エクストラ・ソード

効果モンスター

星4/地属性/戦士族/攻1000/守1000

このカードを素材としたエクシーズモンスターは以下の効果を得る。

●このエクシーズ召喚に成功した時、

このカードの攻撃力は1000ポイントアップする。

 

 

次に姿を表したのは、二本の剣を持つ戦士だ。

 

「私はレベル4の【サウザンド・ブレード】と【エクストラ・ソード】で、オーバーレイネットワークを構築!!」

 

 

二体の戦士は光の球体となり、銀河のような空間に吸い込まれていき、爆発した。

 

 

「貫く意思よ…。今形を得て、全てを撃ち抜く矢を放て!!エクシーズ召喚!!現れて!!ランク4!!【H(ヒロイック)-C(チャンピオン)ガーンデーヴァ】!!

 

 

H(ヒロイック)-C(チャンピオン)ガーンデーヴァ

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/地属性/戦士族/攻2100/守1800

戦士族レベル4モンスター×2

相手フィールド上にレベル4以下のモンスターが特殊召喚された時、

このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で、

その特殊召喚されたモンスターを破壊する。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

 

ガーンデーヴァ…彼奴は確か特殊召喚されたモンスターを破壊するモンスターだったな。武器を入れ換えたら効果を使って破壊するのか…。

 

 

「私はカードを一枚伏せてターンエンド」

 

 

よし。このままフィールドを制圧する!

 

 

「ふ~ん…、それで終わりなのね」

 

「なに?」

 

「それじゃあ…」

 

 

何か来る!

 

 

「こっちの番よ!」

 

「ッ!!走れ簪ッ!!!!」

 

「ッ!!」

 

 

フィールドが爆発した。正確にはレッドアイズやガーンデーヴァが爆発した。俺は異変に気づきレッドアイズから飛び降りた。簪も気づいたようで、ガーンデーヴァから距離を取っていた。

 

俺は落下しているときに一枚のアクションカードを見つけ、手札に加えて近くの壊れた建物を掴む。そのまま建物を登り、俺達のライフを確認する。

 

遊騎LP4000→LP2400

簪 LP4000→LP3300

 

取り敢えず一撃でライフが消し飛ぶ訳ではないようだが、急に爆発は洒落にならない。急いで対処しなければ…負ける。

 

 

「上手く躱したのね。でもあなた達のモンスターは全滅…。どうするのかしら?」

 

「ハッ!この程度、デュエルじゃよくあることだ!俺のターン、ドロー!」

 

 

俺はカードを引く。引いたカードは…【おろかな埋葬】!

 

おろかな埋葬

通常魔法(制限カード)

(1):デッキからモンスター1体を墓地へ送る。

 

「俺は手札から【おろかな埋葬】を発動!!効果によりデッキから【グローアップ・バルブ】を墓地に送る!」

 

グローアップ・バルブ

チューナー・効果モンスター(制限カード)

星1/地属性/植物族/攻 100/守 100

「グローアップ・バルブ」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。

(1):このカードが墓地に存在する場合に発動できる。

自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送り、

このカードを墓地から特殊召喚する。

 

 

「俺は手札からアクションマジック【海底の墓場】を発動!!」

 

 

海底の墓場

アクションマジック

デッキから墓地にカードを送った時に発動できる。デッキから追加でカードを墓地に送る。

 

 

「この効果で、俺は追加で【真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)】を墓地に送る」

 

 

後一枚でそろう!

 

 

「俺はモンスターをセットし、ターンエンド!」

 

 

セットモンスターは【黒鋼竜(ブラックメタルドラゴン)】。こいつを壁にアクションカードを探す!

 

先輩は俺のセットモンスターを攻撃しようとするが、ギリギリのところで攻撃を止めた。

 

 

「そういえばモンスターの中には破壊されて効果を発動するモンスターもいたわね…」

 

「ッ!?」

 

 

読まれたッ!!

 

 

「その表情から察するに、図星のようね…。だったらまずは簪ちゃんね」

 

「不味いッ!!逃げろ簪ッ!!」

 

 

俺はそう叫ぶが、先輩は簪の方へ飛んでいく。そして俺は足元にアクションマジックを発見する。これにかける!!拾ったカードは…【アクアベール】

 

アクアベール

アクションマジック

ダメージを受けるときに発動できる。そのダメージを0にし、デッキからカードを一枚ドローする。

 

 

「よしッ!!受けとれ簪ッ!!」

 

 

俺はアクションカードを簪に投げる。投げたカードは先輩追い越し、簪の前まで行く。簪は飛んできたカードを掴み、効果を読む。

 

 

「喰らいなさい!」

 

「ッ!!アクションマジック【アクアベール】を発動!!ダメージを0にしカードを一枚ドロー!」

 

 

ギリギリ間に合ったか。しかし…

 

 

「まだ攻撃は終わってないわ!」

 

 

先輩の二撃目が簪を襲った。

 

 

 

「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!!!」

 

簪 LP3300→LP100

 

攻撃を受けた簪は此方に飛ばされた。簪の体は俺にぶつかり、俺たち二人は吹き飛ばされた。

 

 

「グッ!」

 

「…最後の忠告よ。サレンダーしなさい」

 

「あ?」

 

 

こいつ今なんつった?サレンダーしろだと?

 

 

「これ以上続ければあなた達は怪我では済まないのよ!お願いだからサレンダーしなさい!」

 

「…これ以上続ければ、遊騎が…」

 

「そうよ!貴女だけじゃない!遊騎君も傷付くのよ!!それでも良いの!?」

 

 

先輩の言葉に、簪は俯き、デュエルディスクを見る。おい、まさか!

 

「やめろ簪ッ!!俺はまだ戦えるッ!!」

 

「でも…」

 

「でもじゃねぇ!!それに俺達のライフはまだ0じゃない!デュエルはライフが0になるまで何が起こるかわからない。任せな」

 

 

俺はそう言って立ち上がる。

 

 

「…まだ続ける気なのね」

 

「俺はデッキを…仲間を信じる!」

 

 

頼むッ!!

 

「ドローッ!!!!!!」

 

 

デッキからカードを引く。引いたカードは…【デブリ・ドラゴン】

 

デブリ・ドラゴン

チューナー・効果モンスター

星4/風属性/ドラゴン族/攻1000/守2000

このカードをS素材とする場合、

ドラゴン族モンスターのS召喚にしか使用できず、

他のS素材モンスターは全てレベル4以外のモンスターでなければならない。

(1):このカードが召喚に成功した時、

自分の墓地の攻撃力500以下のモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

 

 

「ありがとう…俺のデッキ」

 

「ッ?」

 

「行くぞ楯無ッ!!これが俺の全力だッ!!俺は手札から【デブリ・ドラゴン】を召喚!!効果により墓地の攻撃力500以下のモンスター…【グローアップ・バルブ】を特殊召喚ッ!!」

 

 

小さなドラゴンが俺のフィールドに現れ、ドラゴンが羽を羽ばたかせると、墓地から植物のモンスターが現れた。

 

 

俺は手札から再び【伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)】を召喚し、効果発動ッ!!来いッ!!【真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)】ッ!!」

 

 

これで条件は揃った。行くぞッ!!

 

 

「俺はレベル7の【真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)】に、レベル1の【グローアップ・バルブ】をチューニングッ!!」

 

 

レッドアイズとバルブは空に飛び上がり、バルブは空中で光の輪になりレッドアイズを囲む。

 

 

「原初の魂が一つとなるとき、新たな闇を解き放つ!光なき世界へ!!」

 

 

レッドアイズを囲む光の輪は、巨大な光の柱となる。

 

 

「シンクロ召喚ッ!!誘えッ!!レベル8!!【ダークエンド・ドラゴン】ッ!!」

 

 

ダークエンド・ドラゴン

シンクロ・効果モンスター

星8/闇属性/ドラゴン族/攻2600/守2100

チューナー+チューナー以外の闇属性モンスター1体以上

1ターンに1度、このカードの攻撃力・守備力を500ポイントダウンし、

相手フィールド上に存在するモンスター1体を墓地へ送る事ができる。

 

 

光の柱が消えると、そこには新たに黒いドラゴンが存在していた。

 

 

「まだまだッ!!俺は魔法(マジック)カード【銀竜の轟咆】を発動ッ!!」

 

 

銀竜の轟咆

速攻魔法

自分の墓地のドラゴン族の通常モンスター1体を選択して特殊召喚する。

「銀龍の轟咆」は1ターンに1枚しか発動できない。

 

 

「墓地からドラゴン族通常モンスター…【真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)】を特殊召喚ッ!!」

 

 

俺は再びモンスターを揃える。

 

 

「俺はレベル7の【真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)】に、レベル4の【デブリ・ドラゴン】をチューニングッ!!」

 

 

再びレッドアイズ達は空へ舞い上がり、デブリは光の輪になりレッドアイズを囲む。

 

 

「闇を纏う魂は、天を舞う光を放つッ!輝きの世界へッ!!シンクロ召喚ッ!!」

 

 

光を放つ輪はどんどん大きくなり、気づけばフィールド全体まで大きくなっていた。

 

 

「焼き付くせッ!!レベル11!!【星態龍】ッ!!」

 

 

星態龍

シンクロ・効果モンスター

星11/光属性/ドラゴン族/攻3200/守2800

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードはS召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードのS召喚は無効化されない。

(2):このカードのS召喚成功時には、魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。

(3):このカードは攻撃する場合、ダメージステップ終了時まで他のカードの効果を受けない。

 

 

フィールドにはフィールドを覆い尽くす巨大なドラゴンが姿を現した。

 

 

「で、でかいッ!!」

 

「【ダークエンド・ドラゴン】の効果発動!!攻撃力を500下げて、相手モンスター…ここでは相手の武器を墓地に送る!その槍は消えてもらうッ!!」

 

「なッ!?」

 

 

これで厄介な武器は消えた。後は攻撃をぶつけるだけッ!!

 

 

「バトルッ!!【ダークエンド・ドラゴン】で楯無を攻撃ッ!!【ダーク・フォッグ】ッ!!」

 

 

ダークエンドは黒い爪で楯無を切り裂く。

 

 

「くッ!!」

 

「行けッ!!【星態龍】ッ!!【終焉の大地(エンド・オブ・ガイア)】ッ!!」

 

 

星態龍の巨大な咆哮は、フィールドの全てを破壊する。

 

 

「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

 

楯無は攻撃を受けて吹き飛ばされたが、まだエネルギーが0にはならないようだ。

 

 

「倒し切れなかったか…。俺はカードを一枚セットしターンエンド!」

 

 

楯無は再び飛び上がる。

 

 

「少し貴方を見くびってたわ。でももう手加減はしないッ!!」

 

「来るッ!!」

 

「喰らいなさいッ!!【清き熱情(クリア・パッション)】ッ!!」

 

再び爆発が起き、【星態龍】と【ダークエンド・ドラゴン】は破壊された。

 

 

「ぐああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 

 

遊騎LP2400→LP100

 

ライフは大幅に削られてしまった。

 

 

「遊騎ッ!!」

 

「遊騎さんッ!!」

 

「遊騎ッ!!」

 

 

フィールドと客席から声が聞こえた。恐らく簪と一夏、そしてセシリアの三人だろう。…そうだ。まだ負けてないッ!!

 

 

「簪ッ!!これが自分のデッキを信じた結果だッ!!だから諦めるなッ!!デッキを…仲間を信じろッ!!」

 

「仲間を…信じる」

 

「そうだッ!!デッキを信じればデッキは答えてくれるッ!!だからデッキを信じろッ!!」

 

 

俺は叫んだ。客席からは下らないだの非科学的だの声が聞こえてくるが関係ない。まだデュエルは終わってないッ!!

 

 

「…どうするのかしら?簪ちゃん」

 

「…私は、ずっとお姉ちゃんに勝てなかった。だから今回も勝てないって思ってた。けど…」

 

 

簪は顔を上げ、キッと先輩を睨み付ける。

 

 

「私は仲間を信じるッ!!私のターンッ!!」

 

「来なさいッ!!簪ちゃんッ!!」

 

「お願いッ!私に答えてッ!!ドローッ!!」

 

 

簪はカードを引く。いったい何を引いた。

 

「…」

 

「…」

 

「…ありがとう。私のデッキ」

 

「なッ!?」

 

「よしッ!!アクションマジック【歪む空間】を発動!!」

 

 

歪む空間

アクションマジック

効果により選択する墓地を、全てのプレイヤーから選択できる。

 

 

「簪ッ!!これで俺の墓地を使えッ!!」

 

「うんッ!!私は魔法(マジック)カード【ミラクルシンクロフュージョン】を発動ッ!!」

 

 

ミラクルシンクロフュージョン

通常魔法

(1):自分のフィールド・墓地から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、

Sモンスターを融合素材とするその融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

(2):セットされたこのカードが相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動する。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

「これは私と遊騎の絆のカード…私の一歩進むためのカードッ!!私はもう一人じゃないッ!!だからお姉ちゃんに頼らなくても大丈夫ッ!!」

 

「簪ちゃん…」

 

「このカードの効果により、自分の墓地のモンスターを使い融合召喚を行う事が出来るが…【歪む空間】の効果により遊騎の墓地も利用できるッ!!私は墓地のガーンデーヴァと遊騎の墓地の星態龍を融合ッ!!」

 

「簪ちゃん…貴女はもう…大丈夫なのね」

 

「剣を宿す魂よ、交わりし者と一つとなりて、新たな力と姿を見せよッ!!融合召喚ッ!!」

 

「行けッ!!簪ッ!!」

 

「貫けッ!【波動竜騎士 ドラゴエクィテス】ッ!!」

 

 

波動竜騎士 ドラゴエクィテス

融合・効果モンスター

星10/風属性/ドラゴン族/攻3200/守2000

ドラゴン族シンクロモンスター+戦士族モンスター

このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚する事ができる。

1ターンに1度、墓地に存在するドラゴン族のシンクロモンスター1体をゲームから除外し、

エンドフェイズ時までそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る事ができる。

また、このカードがフィールド上に表側攻撃表示で存在する限り、

相手のカードの効果によって発生する自分への効果ダメージは代わりに相手が受ける。

 

簪のフィールドに鎧を纏った槍を持つ竜騎士が現れた。

 

 

「【波動竜騎士 ドラゴエクィテス】の効果発動ッ!!墓地のシンクロモンスター…【ダークエンド・ドラゴン】を除外しその効果を得るッ!効果発動ッ!攻撃力を500下げて相手の武器を墓地に送るッ!水のナノマシンを墓地へッ!」

 

「嘘ッ!?」

 

「これで妨害は出来ないッ!!ラストバトルッ!!【波動竜騎士 ドラゴエクィテス】でお姉ちゃんを攻撃ッ!!【スパイラル・ジャベリン】ッ!!」

 

竜騎士の槍は、先輩へと向かって行きそのまま直撃した。

 

 

「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!」

 

 

そのままシールドエネルギーが0になった。

 

 

『し、試合終了ッ!!勝者ッ!!遊騎&簪ペアッ!!』

 

 

ワアァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!

 

試合終了と同時にフィールド全体に観客達の声が響き渡った。

 

 

「か、勝てた…」

 

「そうだな…」

 

「やった…やったあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!」

 

 

そのまま簪は俺に抱きついてきた。

 

 

「ちょっ!?簪ッ!?」

 

「簪さんッ!?何してますのッ!?」

 

 

俺の驚きの声と客席からのセシリアの声は、恐らく簪には届いてないんだろうな。

 

 

「…まぁいっか」

 

 

今は喜びに浸らせてやるか。

 

 

「おめでとう。遊騎君。簪ちゃん」

 

 

向こうから先輩が歩いて此方にやって来た。その表情は、何処か付き物が取れたような感じであった。

 

 

「お姉ちゃん…」

 

「約束よ。簪ちゃんは自分の夢を起きかけて」

 

「…なぁ先輩。もしかして簪を国家代表にしたかった理由って、簪を守る為だったんじゃないのか?」

 

 

先輩と簪は驚いたように此方に顔を向けた。

 

 

「…どうしてそう思うのかしら?」

 

「デュエルしてる時に、先輩は簪を心配しているように見えた。もしかして、簪は何らかの理由で狙われるような立場で、そいつらから簪を守る為にこんな事をしたんじゃないのか?」

 

俺がそう言うと、先輩はため息をはく。

 

 

「鋭いわね。そうよ。私は簪ちゃんを守る為に今まで動いてたの」

 

「…私に無能のままでいろって言ったのも?」

 

「…そうよ。簪ちゃんを傷つけるのは分かっていたけど…そうでもしないと守れない。だからああ言ってしまったのよ」

 

 

理由はわからないが、先輩と簪は何か特別な家族なのかもしれない。だから今回の事があったのかもしれないな…。

 

 

「私は自分を犠牲にしてでも簪ちゃんを守らなきゃいけなかった。でも…」

 

 

そう言って区切ると、簪の顔を見て笑いながらこう答えた。

 

 

「もう簪ちゃんも強くなっていたわね」

 

「お姉…ちゃん…」

 

「今までごめんなさい。これからは関わらないでいくわね」

 

「待てよ」

 

 

そこまでで俺は我慢出来なくなった。

 

 

「それじゃああんたはどうなんだよ。あんたは簪の事が好きじゃないのかよッ!」

 

「そんなの…」

 

 

先輩は俺をにらみながら答えた。

 

 

「大好きに決まってるじゃないッ!!離れたくないッ!!失いたくないッ!!当たり前じゃないッ!!大切な家族なんだからッ!!」

 

「だったら側に居てやれよッ!!それが優しさってもんだろうがッ!!」

 

「居れるわけないじゃないッ!!私は簪ちゃんを傷つけたのよッ!!そんな私が簪ちゃんの側に居れるわけ…」

 

「そんなの関係ないッ!!」

 

「ッ!!」

 

「あんたは簪を守ろうとしたじゃないか。それが上手く伝わらなかっただけで、お互いに嫌っていた訳じゃないだろ。だったらこれからやり直せばいい」

 

「やり…直す…」

 

「そうだ。あんたはまだやり直せる。それが一人で出来ないなら俺も協力する」

 

 

俺はそう言って先輩に手を差し伸べる。

 

 

「俺が先輩を助けますよ」

 

「ッ!?」

 

 

先輩は驚いたように此方を見つめる。

 

 

「本当に…助けてくれる?」

 

「はい。まぁ、必要ないでしょうけど」

 

「え?」

 

「お姉ちゃん」

 

簪が先輩に近づき、声をかけた。

 

 

「簪ちゃん…」

 

「…私はずっとお姉ちゃんの事を嫌ったことないよ。だから私もお姉ちゃんと一緒にいたい」

 

「簪ッ…ちゃんッ!!ゴメンね…ゴメンね…」

 

 

先輩は簪に抱きついて泣き出してしまった。

 

 

「良かったですね。先輩」

 

「うん。遊騎君もありがとう!」

 

 

先輩はそう言って俺にキスをした。

 

 

「…え?」

 

「「なぁッ!?」」

 

 

俺は一瞬何をされたのか理解できなかったが、状況を理解した時には時すでに遅し。先輩に抱き締められていた。

 

 

「ちょっ!?先輩ッ!?何してんですかッ!?」

 

「フフッ…ゴメンね。でもこのままでいさせて」

 

 

先輩はそう言うと、さらに強く俺を抱き締めた。

 

俺はその時一瞬だが簪の顔を見た。…見てしまった。その表情は笑顔だった。だが後ろには悪魔族のモンスターのような物が見えた。

 

 

「何をなさってるのですかッ!!遊騎さんから離れなさいッ!!」

 

 

客席からセシリアの声が響き渡った。




はい皆さんこんにちは。スノウです。


遊騎「遊騎だ。よろしく」


今回のゲストは此方!


楯無「更識楯無よ。よろしくね」

遊騎「よろしくお願いします。先輩」


よろしくお願いします。


楯無「もぉ~堅いわよ。気軽に名前で呼んでって言ってるでしょ」

遊騎「え~っと、でも!先輩ですし…」

楯無「でも試合中に呼び捨てにしたわよね。口も悪かったし…」

遊騎「うっ…すいません」


アハハ…大変ですね。遊騎さん。


遊騎「わかってるなら助けろよッ!!」


まぁ良いじゃないですか。


遊騎「クソッ、後で覚えとけよ?」


覚えてたら覚えてますよ。それよりもそろそろ…。


遊騎「それでは、今日はありがとうございます。先輩」

楯無「いいのよ。気にしないで」


それでは皆さん!


遊騎・楯無「「お楽しみは、これからだ!!(これからよ!!)」


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