暗殺教室 暗殺中学生日記   作:オコーネル

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お待たせしました。修学旅行後編です。
皆さん、予告通りしおりの準備はできてますか?
それではどうぞ。


第9話 修学旅行の時間 2時間目

-side 龍聖-

 

 

桃花との混浴のあった日の翌朝、俺たち1班は嵐山に向かっていた。

 

「俺たちの暗殺ポイントは嵯峨野トロッコ列車の保津川渓谷の鉄橋だっけ?」

 

嵯峨嵐山駅から亀岡駅までの道のりの途中にある保津川渓谷の鉄橋の上で、川下りを見学するために一旦停車する場所がある。そこをレッドアイさんに狙撃してもらう、というプランだ。

 

プランの確認中に電話がなる。

 

「もしもし」

 

「リューセイ、久しぶりだな」

 

「レッドアイさん?」

 

「烏間さんから聞いてはいると思うが、リューセイの班は俺が受け持つことになったからよろしく頼むな」

 

「こちらこそ、よろしくお願いします。ああ、烏間さんから聞いてるとは思いますが、常識外れのターゲットなんで、仮に失敗したとしてもヘコまないでください」

 

「……リューセイが言うと、妙に説得力があるな。わかった。気楽にやってみるさ。君は修学旅行を堪能してりゃいいさ」

 

「はい」

 

電話を切ると同時に、嵐山の名所・渡月橋に到着した。

 

「とりあえず、写真撮ろうか」

 

皆で写真を撮ったあと、俺たちの写真を撮ってくれると言うので、お言葉に甘える。渡月橋を背景に桃花と並んで立つと、桃花が腕に抱きついてきた。俺の腕が桃花の2つの大きな膨らみに挟まれる。やっぱりこれだけは慣れない……

 

「桃花、その、当たってるし……皆見てるよ」

 

「いいの、龍聖は気にしなくて」

 

小悪魔的な笑みを浮かべる桃花。最近ビッチ先生から交渉術・接待術も学んでるらしく立ち回りがやたらと上手い。将来ああならないか少し心配だ……

 

「何でかな、二人を見てると羨ましいって言うよりあんな風になりたいって思うんだよね」

 

「二人の付き合い方や心の在り方が大人だからじゃないかな?」

 

片岡さんと岡野さんが俺たちを見てそんなことを言う。

 

「確かに、所構わずいちゃついてるって感じじゃないよな」

 

「バカップルではないのは確かだな」

 

木村と磯貝もそれに相槌をうつ。

 

「クラス1のプロポーションを誇る矢田に抱きつかれるなんて、羨ましすぎるぞ、龍聖!!」

 

……前原一人だけがゲスい考えだった。

 

すると、一陣の風と共に殺せんせーが現れる。

 

「1班の皆さん、お待たせしました。1班は嵯峨野トロッコ列車と保津川渓谷川下りコースでしたね?」

 

「はいもうすぐトロッコの出発なんで行きましょうか」

 

「トロッコなんて初めて乗りますから、先生楽しみです」

 

超ウキウキの殺せんせー。俺たちは、先頭車両の窓のないリッチ席に乗車した。保津峡に差し掛かったところで列車が一旦停車する。そこに響き渡る一発の銃声。だが……

 

 

 

銃弾は、殺せんせーの持っていた八つ橋に止められた。

 

 

 

「マジかよ……」

 

前以て言ってたとはいえ、さすがにこれはレッドアイさんもヘコむんじゃないか?

 

「さて、次の2班は映画村でしたね。川下りも楽しみたいところですが、それは皆さんで楽しんでください」

 

ヌルフフフとフェードアウト気味に飛んでいった殺せんせー。

 

「……俺たちも修学旅行続けよっか」

 

皆、頷くしかなかった。

 

 

 

その後は、八坂神社や金閣寺、本能寺跡に寺田屋跡をまわり、お土産を買いに向かおうとしたとき、携帯が鳴り響く。烏間さんだ。

 

「どうしました?」

 

「4班が暗殺前に他所の高校生とトラブったようだ。ヤツが処理に向かってるが、龍聖も念のため向かってくれるか?」

 

「わかりました、GPSで居場所を探知して向かいます」

 

電話を切ると、今度は駿から電話が掛かってきた。

 

「駿、話は聞いたか?」

 

「ああ、4班の女子2人が拉致られた。俺たちは2人の救出だ」

 

「お前と組むのも久しぶりだな」

 

「頼むぜ、相棒!!」

 

電話を切り、一応持ってきておいた仕事着のスーツに着替えて、得物の小太刀を腰に差す。

 

「なんか、仕事人って感じだな……」

 

「龍聖、素敵♪」

 

「すまないけど、行ってくるよ」

 

桃花からキスを受けた俺は、瞬動を駆使して最高速で現場に向かった。

 

 

 

-side 駿-

 

 

どうやら、龍聖よりも早く着いてしまったみたいだな。

 

「中には女子2人に……6人程か」

 

気配と足音で人数を把握し、物陰を利用して接近する。

 

「もうすぐ、うちの撮影スタッフも来る頃だ。一緒に楽しもーぜ、台無しをよ!!」

 

リーダー格らしき男がゲスい笑みを浮かべている。あんなクズを見てると、ホントに虫酸が走る。

 

だが、しばらくして現れたのは、ボコボコにやられた高校生と、4班の生徒たちだった。

 

「ほう、やるじゃん。つーかなんだあの赤い辞書みたいなの……しおりかよ!?」

 

誰だよ、あんなしおり作ったやつ……

 

「あれ作ったの私です」

 

「は?」

 

後ろから声がしたので振り返ると、黒子みたいな格好のやたらでかい黄色いタコのような生き物と、龍聖がいた。

 

 

 

殺せんせーの弱点⑨

 

世間体を気にする

 

 

 

「初めまして、今代の服部半蔵さん。私が殺せんせーです」

 

「……あんたが」

 

「すみませんね、折角暗殺されるのを楽しみにしていましたのに……」

 

暗殺されるのが楽しみって……

 

自己紹介が終わり、作戦が決まった。殺せんせーと龍聖が高校生と立ち回り、俺がその隙に女子2人を救出。その後は、4班が高校生たちを成敗。

 

俺は、奴らの背後に周り、人質に近づく。

 

「大丈夫か?」

 

「えっと、貴方は?」

 

黒髪ロングの女の子が尋ねてくる。めちゃくちゃ可愛いな、この子。大和撫子を体現したような美しさがあった。

 

「龍聖の同期、といえばわかるかな?今、縄をほどくからな」

 

脇差しで2人の縄を切る。

 

「ありがとうございます」

 

「お礼は後だ。皆と合流だ」

 

彼女たちの手を引き、合流させる。

 

「なっ、いつの間に人質を……!?ふざけやがって!!」

 

「ふざけるな?それはこちらの台詞です」

 

凶器をもって襲いかかってきた高校生たちに、殺せんせーが触手で高校生たちの顎を打つ。俺ですらギリギリ視認出来るか……

 

「ハエが止まるようなスピードと汚い手で私の生徒に触るなど、ふざけるんじゃない!!」

 

その後は、殺せんせーの無双状態だった。

 

「私の教え子たちは、貴方達のように他人を水の底に引っ張るような真似はしません。ドブ川に住もうが清流に住もうが、魚は前に泳げば美しく育つのです」

 

見た目は違えど、しっかりした先生なんだな。何て言うか、心に響く言葉だ。

 

「さて、私の生徒たちよ。彼らを手入れしてあげましょう」

 

立ち上がろうとしていた高校生たちの背後に回った生徒たちが鈍器(しおり)を頭に降り下ろす。躊躇いがねえな、恐ろしい……

 

 

 

「いや~、助かりました。貴方のお陰で迅速に行動できました」

 

状況を終えた俺は、殺せんせーからお礼を受けていた。

 

「仕事って言えばそれまでだけど、あんたに会えたのは有意義な時間だったさ」

 

「それはよかったです。何なら、修学旅行の後、転入してきても構いませんよ?」

 

転入か……それも悪くないかもな。何より、龍聖が楽しいって言ってるんだし。

 

「あ、あの!!」

 

「ん?」

 

俺の後ろにはさっきの人質の子がいた。

 

「さっきはありがとうございました」

 

「気にしないでくれ、これも仕事なんでね」

 

「それでもお礼が言いたかったんです♪」

 

にこやかに話す少女。ヤバイな、マジで惚れちまったかもしれねぇ……

 

「服部 駿だ。君は?」

 

「神崎 有希子です。また、会えますか?」

 

「ああ、きっと会えるさ」

 

決めた。転入しよ……

 

生徒たちと別れた俺は、防衛省に直談判の電話を入れるのだった。

 

 

 

 

-side 桃花-

 

 

渚たちの班が無事に帰ってきたその夜、私は甘いものを食べて垂れていた状態の龍聖を連れて女子の大部屋にいた。

 

「えっと、何で連れてこられたのかな……?」

 

「ちょっとマッサージお願いしたいなって」

 

キョトンとしてる龍聖。

 

「女子全員してくれ、と?」

 

「すごい上手いって聞いたからねぇ」

 

「はあ、わかったよ。で、誰から?」

 

結局、出席番号順にやっていくことに。

 

「そういや、みんな気になる男子とかいないの?」

 

マッサージの半ばから、莉桜の一言でガールズトークが始まった。

 

「はーい、私は烏間先生♪」

 

「いや、先生は普通除外でしょ……」

 

「確かにかっこいいけどさ」

 

「まだましなのは、前原と磯貝、葵君ぐらい?」

 

「前原は女たらしじゃん」

 

「磯貝はその点アリだよね」

 

「顔だけならカルマ君もカッコいいよね」

 

「素行さえよけりゃね」

 

ひなたちゃんの言葉に頷くみんな。

 

「やっぱり1番は龍聖だよね」

 

「頭脳明晰、容姿端麗、運動神経も抜群。言うことないよね」

 

「でもねぇ、もう相手いるしね~」

 

みんなが私を見る。当の本人はマッサージを終えて私の膝の上で八つ橋を堪能しながら垂れていた。

 

その後、ビッチ先生の大人の話を聞こうとしたり、殺せんせーが乱入したり、暗殺したりと盛り沢山で私たちの修学旅行は終わりを迎えた。

 

 

 

 

翌週、烏間先生からの一斉メールで新たに転校生が2人来ることが知らされた。

 

 

 




いかがでしたか?駿くん再登場&転入決定です。
まあ、読んでいれば相手も分かるでしょうが……

次回は転校生の回です。我らが律さん登場ですね。

感想・評価有ればよろしくお願いしますm(__)m
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