暗殺教室 暗殺中学生日記   作:オコーネル

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皆さん、ご無沙汰です。仕事の忙しさとそれに伴う体調の急変やらでなかなか執筆出来ずに居ました。何とか年明け前に投稿することができ、少しホッとしています。

では、本編をお楽しみください。




第13話 転校生の時間 2時間目

-side 龍聖-

 

 

前回、何か婚約じみたものをしてから1週間、季節は梅雨に入っていた。俺と桃花は相合い傘で登校していた。

 

「また転校生の殺し屋来るらしいな」

 

「うん、今回はみんな情報は詳しく知らないみたいだよ」

 

はてさて、どんなヤツが来るのやら……

 

 

 

「おはようございます」

 

挨拶をする殺せんせーだが、何か頭がでかくなっていた。

 

「何がどういう経緯でそうなったんだ……」

 

「湿気を吸ってしまいました。搾ればある程度元に戻ります」

 

殺せんせーの弱点⑪

 

しける

 

 

 

「さて、皆さん。今日から新たな転校生が来ることは、烏間先生の一斉メールでご存じですね」

 

「まあ、ぶっちゃけ殺し屋だろうな」

 

「律、何か知らないの?転校生の情報」

 

原さんが後ろの律に話を振る。

 

「詳しくはわかりませんが……本来、私ともう1人は同時に投入される予定でした。しかし、それは2つの理由で実行されませんでした」

 

何だろうか、同時投入できなかった理由って……

 

「1つは、彼の調整に時間がかかってしまったこと。そして、もう1つが……私が彼の暗殺のサポートに追い付けないからです」

 

律の語る話に静まる教室。殺せんせーは冷や汗をかいていた。すると、教室のドアが開き、白装束の顔を隠した人が立っていた。こちらに掌を向けて、拳を握る。ポン!!と音と共に掌に鳩が現れた。

 

「いや~、驚かせてすみません。ああ、私は転校生じゃないよ。転校生の保護者、まあ白いしシロとでも呼んでくれるかな」

 

ふと殺せんせーがいないことに気づいた俺は教室を見渡した。すると、天井の隅で液状化していた。

 

「殺せんせー、ビビりすぎだろ!?」

 

「いやぁ、律さんがおっかない話をするもんですから」

 

殺せんせーの弱点⑫

 

噂に踊らされる

 

 

シロは、教室全体を見渡して生徒の様子を見ている。ん?渚と茅野の方で視線が止まった……?

 

「いや、みんないい子そうでよかったです。これならあの子も馴染めそうだ。そろそろ紹介しようか。おーい、入っておいでイトナ!!」

 

すると、教室の壁の方から気配を感じた。突っ込んでくる!?

 

「カルマ・駿・菅谷、後ろの壁から離れろ!!」

 

俺の言葉に即座に離れる3人。その直後、壁を破壊して入ってくる人影が現れた。

 

「俺は勝った。この壁より強いことが証明された……」

 

いや、ドアから入れよ。それにしても、また変なのが来たな……

 

「堀部イトナだ。みんな仲良くしてあげてくれ」

 

表情が読み取れない、厄介なヤツなのは確かだな……

 

「ねえ、イトナくん。1つ聞きたいんだけど」

 

すると、カルマがイトナに話しかけた。

 

「イトナくん、今外から入ってきたよね?だけどなんで濡れてないのかな?」

 

確かに、転校生の体は雨の滴すら付着していなかった。どういうことだ?

 

「安心しろ。俺は俺より強いヤツしか殺さない。俺はお前より強い。だからお前は殺さない」

 

だが、イトナはカルマの言葉を無視して羊羮(ようかん)を食べる殺せんせーの前に立つ。

 

「俺より強いのはあんただけだ、殺せんせー」

 

「強い弱いとはケンカのことですか、イトナくん?それでは先生と同じ土俵には立てませんよ?」

 

「立てるさ。何故なら、俺と先生は血を分けた兄弟なんだから」

 

「「「「「「「きょ、兄弟!?」」」」」」」

 

そんな馬鹿な!?全然違うじゃねえか!?

 

「放課後、どちらが強いか決着をつけよう、兄さん」

 

そう言い残して、イトナとシロは教室から退出した。

 

「殺せんせー、どういうことだよ!?」

 

「兄弟いるなんて聞いてないよ!?」

 

その直後、殺せんせーに対する質問、もとい尋問が繰り広げられた。

 

「先生全く身に覚えがありませんよ!?」

 

「桃花、ちょっと教員室に行ってくる」

 

「うん」

 

俺は教室を出た後、同じく出てきた駿を連れて教員室に向かった。

 

「烏間さん」

 

「どうした?」

 

「あの男、何者ですか?」

 

「それに、イトナの情報も全く入ってこないって……」

 

「それについては、俺も聞かされてないんだ。全て付添人のシロに一任するように、としかな……」

 

「……わかりました。万が一、不穏な動きを見せるようなことがあれば、俺たちも動きます」

 

「ああ、頼んだぞ」

 

「失礼します」

 

それから、たいした動きもないまま放課後を迎えた。

 

 

 

 

放課後、教室には机で囲まれたリングが形成された。

 

「このリングの外に足が着いたら死亡、それで構わないね、殺せんせー?」

 

「なんだそれ?そんなの勝手に決めて「いや、有効だよ杉野」えっ?」

 

杉野がいちゃもんをつけようとしたところをカルマに止められる。

 

「みんながいる前で決めたルールだ。守らないと先生としての威厳が落ちる。こういう手、意外と効くんだよね、殺せんせーには……」

 

「いいでしょう、受けてたちます。ただし、観衆である生徒たちに危害を加えた場合も負けですよ?」

 

カルマの言う通り、殺せんせーはイトナ側の条件を承諾した。

 

「では、暗殺……開始!!」

 

開始の合図と共に弾け飛ぶ殺せんせーの触手。だが、俺たちの視線は別のところにあった。

 

イトナの髪から触手が生えていた。

 

「……こだ……」

 

すると、殺せんせーが何かぶつぶつと言い始めた。声色は地を這うようなドスの聞いた声だ。

 

「どこで手にいれた……その触手を!!」

 

今まで見てきた中でも1番怒っている顔だ。

 

「教えないよ、死ぬからね」

 

シロが話すと同時に、袖口から謎の光線が発射され、殺せんせーの動きが固まる。その隙に、イトナが触手を振るい、殺せんせーの触手を破壊する。だが、そのときの衝撃で床の木材が飛散し、

 

 

 

桃花に迫っていた。

 

 

 

 

「危ない!?」

 

俺は無意識に体が動いていた。桃花を抱き寄せ、木材から庇った。その結果、

 

 

俺の背中に2本の木材が突き刺さった。

 

 

 

-side 桃花-

 

 

「えっ……?」

 

私は今起きたことが理解出来ていなかった。

 

「桃花、大丈夫……か?」

 

飛散した木材から私を庇ったせいで血を流して私の腕の中で崩れる龍聖。周りからは悲鳴も上がっている。

 

「イトナ君、中止です!!彼の治療をしなくては!!」

 

殺せんせーが叫ぶが、イトナ君は止まらない。

 

「イトナ、止まりなさい」

 

シロさんの言葉にも耳を貸さず、ひたすらに殺せんせーに触手を振るい攻撃を続けるイトナ君。

 

すると、突如として教室の空気が凍りついた感覚に襲われた。しかも、私のすぐ近くから。

 

「止マレ……」

 

その正体は龍聖だった。しかし、髪の色が黒だった筈が、真っ白に染まっていた。

 

「まずい!?暴走しかかっている!!」

 

「烏間先生、それって一体……」

 

どういうことかと聞こうとした矢先、私の体から龍聖が離れる。そして、虚ろな瞳でイトナ君を視界に捉える。イトナ君も何か底知れぬモノを感じたのか、龍聖に向けて飛び掛かった。

 

 

ドスン!?

 

 

次の瞬間、イトナ君は教室の床にめり込んで倒れていた。

 

「な、何が起きたんだ!?」

 

みんなは驚愕と困惑の表情で固まっていたが、私にははっきり見えた。

 

目視ギリギリの速さで接近し、強烈な右の拳を振り下ろした龍聖の姿を……

 

そのあと、龍聖も一緒に倒れてしまい、私は烏間先生と一緒に救急車に乗り込み、防衛省直轄の病院に移動した。

 

すぐさま緊急の手当てがなされ、龍聖の命に別状はなかった。

 

「矢田さん、あまり無理はしないようにな」

 

「ありがとうございます」

 

私は烏間先生と両親の許可を得て、病室に泊まることにした。龍聖は規則正しい寝息をたてている。私も、ベッドからはみ出していた左腕を抱きしめて、深い眠りに着いた。

 

 

 

 

-Side 龍聖-

 

 

「ん……」

 

陽射しの眩しさで目を覚ます。確か……

 

「また、俺は暴走したのか……」

 

痛む背中を庇いながら体を起こそうとするが、左腕に違和感を感じた。

 

「あれ……桃花?」

 

左腕に桃花が抱きついて眠っていた。いつものことながら、また柔らかい感触が……

 

「う、ん……」

 

すると、起こしてしまったのか桃花が目を覚ました。

 

「おはよう、桃花」

 

優しく髪を撫でる。

 

「よかった、無事で……」

 

目尻に涙を溜めた桃花が絞るように声を出す。俺は桃花の髪を右手で優しく撫でる。

 

「心配かけてごめんな」

 

「ううん、私のせいで怪我負わせちゃって……」

 

俺はなかなか折れない桃花の唇をキスで塞いだ。不意打ちを喰らった桃花は目を見開いて顔を赤く染めている。

 

「おぅおぅ、朝っぱらからお熱いなぁ~www」

 

「「!?」」

 

急に声をかけられ、ビクッとなる。声がした方を見ると病室の入口でニヤニヤした駿と、顔を朱に染めながら微笑ましい表情の神崎さん。頭を押さえながらため息をつく烏間さんとこれまたニヤニヤしたビッチ先生。

 

「龍聖、ダメだとは言わんが場所を(わきま)えなさい」

 

「す、すみません」

 

気まずい空気になったので、話を変える。

 

「怪我の具合はどうなんですか?」

 

「ああ、しばらくは安静だそうだが、日常生活に問題はないそうだ」

 

「そうですか。よかった」

 

「しばらくは鍛練は自粛しておいた方がいいだろうな」

 

「わかりました」

 

「あと、今回の件、そろそろ話した方がいいと思うが、どう思う?」

 

俺は、一瞬迷ったが……

 

「退院後、みんなに話すことにします」

 

不安そうに見つめる桃花の髪を撫でながら烏間さんに話した。

 

「今日はゆっくり休んでおいた方がいい。学校への連絡もこちらからしておこう」

 

みんなが部屋を出たあと、俺は自分の中に眠る呪われた血の話をどう話そうか、言葉を選ぶことにした。

 

そして翌日、放課後に俺はみんなに俺の過去を打ち明けることにした。

 

 

 




いかがでしたか?龍聖の言う呪われた血の話とは一体何なのか、次回明かされる予定です。


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