-side 龍聖-
体育の授業を終えて校舎に目を向けると土手の上に人影が見えた。渚と話しているようだ。その人物、赤髪の少年は、殺せんせーの方へとてくてく歩いていく。
「赤羽
顔を紫に変えて×を浮かべる殺せんせー。
「あ、あはは、生活のリズム戻らなくてさ。気安く下の名前で呼んでよ。よろしく、殺せんせー」
苦笑しながら右手を出す赤羽。あの手、まさか……
「(対先生ナイフを貼り付けてる!?)」
握手を交わした殺せんせーの触手は案の定破壊され、赤羽が左腕を振るい、ナイフを当てに行くが避けられる。
「へぇ、ホントに速いや。それにこのナイフ、細かく切って貼り付けてみたけど、ホントに効くんだ。そんなに距離取っちゃって、先生実はチョロい人?」
舐めた感じで下から顔を覗きこむ赤羽。殺せんせーの顔は真っ赤になって怒っていた。
「楽しみだよ、殺せんせー。せんせーは俺の手で殺してあげるよ」
そう言い残し、赤羽は右手で対先生ナイフを弄びながら校舎へと歩いていった。
「さて、これからどうなるかな?」
俺は、対先生ナイフを片付けながら教室に戻るのだった。
ブニョン、ブニョン……
「何だ?さっきから鳴ってるこの音……」
6限目の小テストが始まるや否や、謎の音が教室に響く。テスト中だから余計に気になる……
「つーか、殺せんせー何やってんだ?」
「さっきカルマに散々おちょくられたろ?」
「それで壁パンかよ……」
「跳ね返されてんじゃねえかよ……」
殺せんせーの弱点④
パンチがヤワい
「あー、もう!?ブニョンブニョンうるさいよ殺せんせー!!小テスト中でしょ!?」
「こ、これは失礼……」
ついに痺れを切らしたのか岡野さんがキレた。
「よお、カルマ。あのタコ怒らせて大丈夫かぁ?」
「そりゃあ殺されかけたら誰だって怒るよ。誰かさんみたいにチビったりしないけどね」
「なっ!?ちびってねえよ!!テメェケンカ売ってんのか!!」
「うるせえよ、お前ら」
そろそろ我慢の限界を迎えてしまった俺は、振り返り様に五月蝿い連中に軽めの殺気を放つ。殺気を受けた寺坂、吉田、村松、赤羽は顔を真っ青にしていた。
「わ、悪かったよ……」
「あ、葵君もその辺で……」
あまりの殺気に寺坂たちは足が震えて謝るばかりで、殺せんせーにまで止められてしまった。赤羽は、冷や汗をかきながらもこちらを睨んでいた。
「殺せんせー、出来たらどうしましょうか?」
「あ、はい、先生が貰いましょう。もう少しだけ待っててもらえますか?」
俺は、殺せんせーにテストを渡した。殺気を放ってからは、誰もが喋らなくなり、少しだけ気まずかった。
-side 渚-
授業を終えて帰宅中、元クラスメイトに絡まれたところをカルマ君が追い払ったり、カルマ君に殺せんせーの情報を少しだけ提供したりしたんだけど……
「あー、あとさぁ。転入してきた彼、名前何だったっけ?」
「転入?ああ、葵君のこと?」
「彼ってさ、何者?」
カルマ君は何故か葵君のことを聞いてきた。
「葵君のことはそこまで詳しくないけど、防衛省直属の諜報員だっていうのは聞いてるよ?」
「諜報員?スパイとかの?」
「そう。ただ、それをあんまり感じさせないくらいクラスのみんなとは仲良くやってるよ」
「渚くん、俺さ……殺せんせー殺すのも興味あるんだけど、彼のことも少し興味が出てきた」
そう話すカルマ君は少しだけ、狂気を目に宿していた。明日、何も起きなければいいけど……
-side 殺せんせー-
ようやく私の話し手の番がやって来たようですねぇ。ヌルフフフ♪さあ、今から小一時間この状態で喋り倒し……
「先生、地の文で喋り倒さないでよー」
「ニュヤ!?不破さん、メタ発言はダメですよ!!」
不破さんはホントに油断も隙もないですねぇ。放っておくと好き勝手発言しそうで、先生正直怖いです……
それはさておき、今日はカルマ君をどう手入れしましょうかねぇと言いたいところですが、カルマ君どうやら私以外に龍聖君にも妙な対抗心を燃やしているようですね。
私に対する暗殺は手入れをしましょうか。ただ、龍聖君に対するものはどうしましょうか?まあ、彼なら実力的にも大丈夫でしょう。万が一の場合は介入でもしますかね。
その後、たこ焼きを食べさせたり、爪にネイルアートをしたり、可愛いエプロンをつけてあげたり、髪の手入れをしたり、たくさん手入れしてあげましたね。さあ、まだまだ手入れの道具はありますよ、ヌルフフフ♪
-長くなりそうなので割愛(笑)-
ニュヤァァァ~!?作者さんひどいですよ!?
時は移り放課後、カルマ君と渚君、そして龍聖君が校舎裏の崖のところに居ました。
「ねぇ、葵君ってさぁ……人を殺したことってある?」
カルマ君が龍聖君にかなりきわどい質問をぶつけている。
「ああ、諜報員って言う仕事柄もあるからな」
やはり、龍聖君はそれなりの修羅場をくぐっていましたか……、あの強力な殺気も頷けますね。
「是非とも、俺に人を殺すってどういうことか教えてくれないかな~?」
「……ああ、構わない。俺にそのナイフを当ててみなよ。それで全てが分かるさ」
カルマ君は龍聖君から渡された対先生ナイフを受け取り、龍聖君の胸に刺した。
ん?刺した?
「カルマ君!?何やってんの!?血が出てるよ!?」
な、カルマ君の手にしていたナイフが本物のナイフに刷り変わっている!?そのまま仰向けに倒れる龍聖君。
血の流しすぎで、見るからに致命傷だ。
「何があったんですか、渚君、カルマ君!!」
私も流石に危険だと感じ、二人の前に姿を見せる。
「殺せんせー、葵君が……!!」
「あ、アハハハハ……何だよこれ、俺が、殺した……?こんなのありかよ……!!先生、俺どうすれば……」
返り血でほとんど全身真っ赤のカルマ君が壊れたように笑っていた。
「しっかりしなさい、カルマ君!!あなたが今しっかりしなくては、彼の命が危ないんですよ!!」
私がカルマ君を
「ジャスト1分だ」
龍聖君の澄んだ声が響き、視界がホワイトアウトした。
視界が開けると、そこには、
「
対先生ナイフをくるくる回しながら微笑む、無傷の龍聖君が立っていた。
-side 龍聖-
「葵君、どういうこと?何で無傷で、そもそも悪夢ってどういうこと?」
「えっと、それじゃあまずは俺の眼のことから説明しよっか」
俺は、この邪眼のことを3人に話した。
「しかし、龍聖君。何故その様な眼を携えてしまったんですか?」
「実は、小さい頃に両親に捨てられて人体実験の被験者にさせられたんです」
「「「なっ!?」」」
「その影響で、この眼と人を越えた身体能力を得たんです」
「そのあと、烏間先生に保護されて今に至る、と」
「はい、烏間さんには一生かけても返せない恩がありますから。それに今は、殺せんせーや渚、赤羽、3―Eの皆がいますから」
「葵君……」
「カルマ」
すると、今まで大人しく話を聞いていた赤羽が口を開いた。
「俺のことは下の名前で気安く呼んでくれていいよ。それに、葵君が人を殺すことの重さを教えてくれなければ、俺は戻れないところまで壊れてたかもしれない……」
「わかったよ。改めてよろしく、カルマ」
俺とカルマはがっちり握手を交わした。
「ヌルフフフ♪もう心配いらないようですね。男同士の友情、絵になりますね」
「殺せんせー、明日からまた暗殺再開だ」
「殺すよ、明日にでも」
俺とカルマは殺せんせーに首を斬る構えをした。
「健康的で爽やかな殺意。カルマ君にもう手入れは必要ありませんね」
殺せんせーのこの言葉を皮切りに、俺たちは解散した。明日からまた騒がしくなるだろうな~。
遅くなりすみません。m(__)m
夜勤明けの寝ぼけ眼で書くのは辛いですね。
次回はビッチ先生とあと、お食事会まで行けたらいいなと思ってます。
感想・評価あればよろしくお願いいたしますm(__)m