unlimited blade worksはダンジョン攻略に向いている   作:色葉酢

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思ったより早く4話目ができたので3話目を投稿しますw


ちょっとだけ士郎君が初心な感じになったり、姉妹の性格がイメージと違うという
感想の方がいるかもですが、悪しからず~


アマゾネス姉妹かわいいから好きですね~


では


アマゾネス姉妹との刺激的な出会い

 

「うぇ……っ。」

 

乗り物酔いというものは当然、異世界にもある。速い乗り物、回る乗り物、落下を楽しむ乗り物どれをとっても、人というのは乗っている限り酔わずにはいられない生き物なのだ。

 ……ずいぶん詩的(?)な話をしてしまったが、俺こと衛宮士郎は絶賛酔っている最中です。それもそのはず、ついさっきまでアイズ…さんに担がれ街中を走り回っていたのだ。

 

なかなか、群がっていたギャラリーの人たちの中にも根性があるヒトがいて……。今でも思い出すだけで背筋が凍るが、アイズさんは一時、追いつめられた。「万事休すか」と思った矢先、「…ごめん」と一言添えて俺たちは3Dに逃げ始めたのだ。つまりは建物から建物への(かつ)がれながらの大ジャンプの繰り返し。俺の乗り物酔いと引き換えに逃げ切ったというわけだ。

 

そして今、酔っているのは放っておくとして、俺は街の中でも一際(ひときわ)大きな建物の前にいた。

 

「え~と……ここはいったい?」

 

俺は会話の口火(くちび)をきった。無口な彼女はきっと初対面な俺に対して積極的に話しかけるタイプではないのだろう。

 

「ここは、私たち【ロキ・ファミリア】の、本拠(ホーム)黄昏(たそがれ)の館…?」

 

本拠(ホーム)……。ところでさっきのヒトたちも言っていたけど“ファミリア”って一体何なん…ですか?」

 

お互い他人の年上に対する敬意というのは持ち合わせているようなので、会話がぎこちない。疑問形のままで相手に会話のパスを送ってしまっている。

 

「たぶん、中でフィンたちが説明すると思うから、入り…ましょう?」

 

ちょっとだけ眉根を寄せて喋りずらそうで、一生懸命言葉を(つむ)ぎだそうとしている彼女を見て、少しだけ可笑しくなってしまった。だから、俺は彼女に助け舟を出す。

 

「その前に、改めて自己紹介しませんか?」

 

その問いに彼女はコクン、コクンと首を縦に揺らす。

 

「俺の名前は衛宮士郎、17歳です。」

 

「私の名前は…、アイズ・ヴァレンシュタイン、16歳…です。」

 

どうやら俺のほうが1歳年上のようだ。けれど、ここは学校ではないし、ましてや先輩・後輩の関係もない。だから……

 

「そっか、よろしくヴァレンシュタインさん。俺のことは士郎でも衛宮でも好きな方で呼んでくれ。あと、敬語はいらないから普段通り喋っていいよ。」

 

年上だからというのは関係なしに敬語には堅苦しいものがあった。もしかしたら、ヴァレンシュタインさんにセイバーの面影を見ているところがあるから敬語に違和感があるのかもしれない。とにかく何故かこのヒトとは対等な関係でいたい、と心から思った。

 

「……アイズ……。」

 

「えっ…?」

 

「それなら、私のことも、“アイズ”でいいよ。みんな私のこと、そう呼ぶから。」

 

「……分かった。じゃあ、改めてよろしく。“アイズ”。」

 

「うん…。よろしく、“シロー”。」

 

なんだかイントネーションが…いや、そんなことはどうでもいい。俺はお近づきの印として握手を求めて、手を差し出した。彼女も俺の行為をくみ取り、俺の右手、彼女の右手は確かに固い握手を交わした。

 

「じゃあ、入ろうか。」

 

「ああ、よろしく頼む。」

 

やっとか……。やっとこの世界の詳細が分かる。ここに至るまで逃げたり、あと逃げたり、そして逃げたり(つまり逃げるのが相当疲れた)していたので、なかなか感慨深いものがある。

ロキさんだが、このでかい建物を見る限りタダモノじゃない感が俺の中で急上昇中…。

そして、そんな建物にアイズが物怖じせずに入っていくのを見て

 

(あの二人ってやっぱ、大物なんだろうなぁ)

 

と、やはり俺の第一印象は間違っていなかったと確信するのであった。

 

 

 

 

▽▽▽▽▽

 

 

 

 

「うわっ……、やっぱ広いな…。」

 

【ロキ・ファミリア】の本拠(ホーム)とやらの内側は外見に劣らず、豪華さに目を見張るものがあった。内部自体は洋風なので、ずっと衛宮邸に住んでいた俺にとって慣れないものがあったが、きっと一般の人たち(自分は一般の人と価値観がずれていると自覚している)でいうところの「一回は住んでみたい家」というものなんだろうなと感じた。

 

「シロー、こっち。」

 

こんな家には来たことがないから少しだけ興奮して首をキョロキョロさせていると、手をこまねいて、アイズが俺に呼びかける。俺はアイズがいるところまで歩いていく……が、

 

「アっイズぅ~~!おっかえりぃ~~!」

 

瞬間。俺の目の前からアイズが消えた。(いな)、なにかがイノシシのごとき突進で彼女の右側を捉え、そして俺の右方、約3メートルほど先まで彼女を引きずり、そのなにかはアイズの首元に抱き付いてホールドしていた。

 

「おかえり~、もうダンジョンから帰ってきても本拠にアイズ達がいなかったから寂しかったよ~。」

 

「おかえり、ティオナ。2日ぶりだね。今回は何階層まで行ったの?」

 

「ん~、今回は一人だったし、あと遠征前だから中層までかな。」

 

「そっか、それにしてもティオネとかレフィーヤは、いないの?」

 

「そうなんだよ~門番君に聞いてみたら二人とも“魔石”の換金に行ったらしくてさ~。そうだ!アイズ、後で一緒に【ゴブニュ・ファミリア】の本拠(ホーム)に行こっ!ウルガの調整とか遠征前にしておきたいしさ。アイズも行くつもりだったでしょ?」

 

「いいけど……。」

 

……どうしよう。俺、空気だ。どうやらそこでアイズと喋っている褐色のイノシシ娘はアイズの友人らしい。俺は、あまり二人の邪魔をしないように住人Aになりきる……つもりだったがアイズがちらちらとこっちを見て、気にかけてくれている。優しいなと思いつつ、「急いでないから話してていいよ」的な目で意思を彼女に伝える。すると、彼女は少し申し訳なさそうに、マシンガントークを繰り広げる少女に向き直った。

 

数分経って、

 

「そういえばさ、さっきからずっとそこにいる子って誰なの?」

 

と、ティオナと呼ばれる少女はいきなり、話の矛先を俺に向けてきた!

 

(ていうか、俺の存在に気づいてたのか……)

 

こういう子は自分の世界に入ってしまうと周りが見えなくなってしまう、というのが俺の持論だが、存外ティオナさんは自分以外もよく見ているようだ。

 

「もしかして~、新しい家族かな~?」

 

「あ~、いや、俺はロキさんの紹介で少しここに寄……「そうだよ…。」

 

なにッ!?アイズが俺の会話を遮るだけにとどまらず、爆弾発言しただと!?

 

「え~!ホント?やった~!!新しい家族だ~~!!あたしねっ、ティオナって言うの!よろしくねっ!えぇ~っと…?」

 

「ああ、俺は衛宮士郎っていうんだ。呼び方は士郎でも衛宮でも構わない…っじゃなくて、アイズ!俺がここの、なんだ…その“ファミリア”っていうのに入るなんて初耳だぞ!?」

 

「ロキからの命令。目が、そう語ってた。『ウチのファミリアに入れる』って……。」

 

なんと!あの細い目から繰り出されるアイコンタクトにはそんな意味も込められていましたかっ!こういうのを聞くとアイズとロキさんの二人は長い付き合いなんだなと感じた。

 

だが、しかし!いくら高度なアイコンタクトができていたって

 

「入るかどうかなんて、何も知らないんだから決められないだろ?」

 

全くもっての正論、を彼女にぶつけてみる。別に入りたくないわけじゃない、すれ違うヒト達はみんな優しそうだし、話を聞いてみて一人でやっていけそうになかったら力を貸して貰うしかない。とにかく、決定事項になっていることだけは避けねば。

 

それを聞いてアイズは目に見えて少し落ち込む、ティオナはというと「えー入んないのー」と文句をぶーぶー言ってくる。まあ、入るか入らないかの決定権だけは流石に譲れないかな。

 

そんなやり取りを彼女たちと繰り広げていると、また一人混ざってくる人影がいた。

 

「あらっ?あなた達、廊下の真ん中でたむろってどうしたの?」

 

そのヒトの肌はティオナと同じ褐色で、顔はティオナそっくりで、身に着けている服もティオナと同じで少し際どくもある……ん?なんだかティオナと共通点ありまくりだな、とか考えていると

 

「あっ、ティオネ~おかえり~。んとね今、この子がどうしたらウチのファミリアに入るか考えてたんだよー。」

 

「へぇ~、でも今の時期、入団試験なんて受け付けてないじゃない。誰の推薦?」

 

「それがね~、ロキ自身の推薦らしいよ。」

 

「!それは、すごいわね。あの美少女好きの神様が男の子を推薦するなんて…。よっぽどアナタ、“何か”を持ってるのね。あ、私はティオネ。ティオナの姉よ。よろしくね。」

 

「あ、ああ。俺は衛宮士郎っていうんだ。気軽に士郎とでも呼んでくれ。」

 

話がドンドン進んでいく……このマシンガントークは姉妹揃って似ているな。あと「美少女好き」って言ったけど遠回しに自分のことを美少女って言ったのかな?確かに3人とも有無を言わさないほどに美少女だけどさ。

 

「な…なぁ、そろそろ目的地に行かないか?そこにはここのことを話してくれるヒトがいるんだろ?」

 

まずい…このままでは俺の情報収集が先延ばしになっていく。俺は「早く行こう」と3人を促した。が

 

「「「……。」」」

 

3人とも何か考え込んでいる。な…なんだろう、良からぬことを考えていなければいいんだけど……。すると、ティオナが何か閃いたのか他2人とひそひそ話を始めた。そこからティオネが「なるほど…」、アイズは「ちょっと分からない」と言うように小首をかしげている。

 

(きっと何かくるぞ。用心しなければっ)

 

と、覚悟を決めた矢先、ティオナ・ティオネ姉妹が先陣を切ってきた。身構える俺だったがスルリと片腕ずつ、右にティオネ、左にティオナに抱き付かれて拘束されてしまう。

 

「えっ…、なっ…、ちょっ……!!」

 

一気に顔が熱くなる。二人とも見紛(みまが)うことなき美少女だし、着ている服も肌が多いからダイレクトに感触が伝わって、俺の頭を一気に沸騰させる。ティオネに関しては豊満なアレが右腕にアレしていて本当にやばい。

 

「ほらほら~、入っちゃいなよ~シロー。」

 

「そうよ?こんな美少女が多いファミリアなんてそうそうないんだからね~?」

 

あ、自分が美少女っていう自覚あったんだ。じゃなくてっホントにやばいって。早く抜け出さないとブラックアウトしちゃうよ?俺。

 

「……っ!……!」

 

初心(うぶ)な17歳にとって刺激が強すぎる2人。声の出せない俺は目でアイズに助けを求める。

すると、アイズが俺の目の前に来てくれた!

 

(ありがとう!助けて!アイズ!)

 

これでも英雄志望かよ、というツッコミは抑えて助けを求めた……が。刹那、ティオナが勝ちを確信する笑みをこぼす。まさかっ!この角度は!アイ…ズ?

 

 

 

「私は、シローに、入ってほしい、な?」

 

 

 

あいずのたーん    かいしんのいちげき

しろうはひんしになった

めのまえがまっくらになった

 

DEAD END

 

……終わった。アイズの“上目づかい&お願い”は人の命を奪うほどの一撃でした。こうして、衛宮士郎は嘘偽りなくブラックアウトしたとさ。

 





どうでしたか?

かなりツッコミ多めの士郎君と小悪魔な姉妹。士郎イジリ隊はまずこの二人が入隊です。

今回は私めの欲望が混ざった回でしたが基本、作者はのほほん回が大好きなので
この先シリアスは入れていくつもりですが合間、合間に番外編を入れていくかもです。


ではまた来週………かなっw
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