いや、プロローグをいれたら既に10話以上既に書いているけど
紅魔館ホールでの出来事から数時間前
紅魔館 地下室
「・・・さようならです」
その言葉を最後に部屋からでた門番
ゆっくりと目を開け周りを見渡す
「・・・侵入は成功、上手くいったか」
体を起こし、落ちた帽子をもう一度被る
「さて、霧を生み出している奴を探す必要があるが・・・」スッ
自身の腹部に手を当てる
先程の吸血鬼の攻撃で服は破れ、血はなんとか止まるまで回復したがまだ完全に塞がってはいない
また、無理に動けば傷口が開くかもしれない
「・・・血の臭い、だれ?」
「ッ・・・」
すさまじい気配を感じ、後を振り向くとそこには先程まで寝ていたのか、眠そうな目をこすってこちらを見る子供がいた
そしてその子供から感じとった気配は人里で感じた吸血鬼の中でもっとも強い気配と似ていた
「あなた、だれ?」
「・・・小夜、博麗小夜だ。お前は何者だ?」
「わたしはフランドール・スカーレット。長いからフランでいいよ」
「・・・」コクッ
無言でうなずく
スカーレットっと言うことはあのレミリアという吸血鬼の姉妹にあたるか
「ねぇ、小夜はなんで此所にいるの?」
「・・・連れてこられた」
「ふぅん・・・そっか、あいつが寄越した新しい人形なんだね」
あいつ?人形?
この吸血鬼は何を言っているのか分からないが、彼女から鋭い殺意に似たなにかが滲み出ている
嫌な予感しかしない
「ねぇ、私と遊んでくれない?」
「・・・」
無邪気に微笑みながら聞いてくるが、その微笑みは心さえ凍えてしまいそうに冷たく儚いものの様に感じる
アーカードに近いと思ったが、近いのは奴の放つ狂気じみた気配だけ。それ以外はただの無邪気で何も知らない、見た目通りの子供のようだ
あのレミリアとは正反対な性格だ
「その前にいくつか質問してからでもいいか?」
「いいよ」
「フラン、と言ったな。あいつとはレミリアという吸血鬼の事か?」
「そうだよ、あいつはわたしのお姉さまなの」
「あいつと言ってから、お前の殺気が強く伝わってくるが・・・姉はお前に何をしたんだ」
「・・・」
フランはゆっくりとベッドに戻り、座ってからまた話した
「わたしね、閉じ込められてたの。495年もずっとこの暗い地下の部屋に、わたしの力は危険だからって」
「・・・」
「わたし、ずっとひとりぼっちなんだ・・・だから、ずっと寂しかったの。あいつは時々わたしに遊ぶための人形を連れてくるけど全部怖がってすぐに壊れるからつまらないの。でも小夜は違う、いつもの人形と違うから、きっとわたしを楽しませてくれると思うの。ねぇ、だから遊んで小夜」
「・・・」
最後まで黙って聞いていた小夜はしばらくしてから、右手をフランに向け、クイックイッと来いと促す
「ありがとう小夜・・・じゃあ」
ベッドから立ち上がり、不気味な微笑みを浮かべながら彼女は小夜にカタコトになりながら喋る
「カンタンニコワレナイデネ?」
急上昇し、小夜に向けて赤い弾幕を放つフラン
レミリアと同じで遊びではない、殺す気で放たれた弾幕は壁や床に小さな穴をいくつも作り上げる
「・・・」
フランの弾幕を走ったり、時には壁を蹴ってジャンプしながら避け、接近戦に持ち込もうとする小夜
しかし、フランの弾幕がそれを許そうとはしない
弾幕戦において接近戦はよほどの実力がある者でなくては挑むのは難しい
接近戦を得意とする者にとって、弾幕勝負の攻略法は
相手に速く接近する、縮地法または瞬道術をもちいるか
逆に相手が接近しなければ使えない技を使わせ、こちらにこさせるか、だ
「ふふふ、流石だねじゃあこれはどうかな?」
「禁忌『フォーオブアカインド』」
スペルカードを使用したフラン
その直後、フランが三人に増え4対1という状況を作り出した
「さらに」
「「「「禁忌『レーヴァテイン』」」」」
四人が同じスペルカードを使用し、彼女たちが持つ黒い杖が燃え盛る炎の大剣に変わる
「さぁ、どうする?」
「逃げ場もない」
「誰も助けに来ないけど」
「マダ、コワレナイデネ?」
不気味な微笑みを見せながらそれぞれの言葉を話すフランたち
逃げ場もない、誰も助けに来ない
普通なら誰もが絶望し諦めてしまってもおかしくない状況を彼は
「・・・いいだろう」
「「「「?」」」」
小夜は帽子と上着のオーバーコートを脱ぎ捨て顔を上げるとある変化が彼に起きていた
彼の顔半分が白い獣毛に覆われ、顔の骨格が徐々に狼のようになっていく
「俺の本気を見せてやるフランドール・スカーレット・・・耐え抜いてみせろよ」
フッ!
「わぷっ」
突然の白い煙に驚き、四人のフランは目をつぶる
そして煙が晴れ、そこでフランたちはゆっくりと目をあける
「え?」
本物のフランが目にしたのは自分を凝視する真っ赤な瞳
そこにいたのは巨大な白狼の姿だ
「あは♪おっきな狼さんだ!」
スペルで生み出された偽者のフランが巨大な白狼となった小夜に向かっていき、レーヴァテインを振るう
バシュ!
「・・・」
「が・・・う」
しかし、レーヴァテインは白狼を斬ることは出来ず逆にその巨大な牙に仕留められてしまった
ババシュ!!
「え?・・・え?」
そして今度はもう二人が巨大な両爪で瞬く間に切り裂かれ、一気に三人は消えてしまった
「ひ、あっ、う・・・」
あれだけの巨体の筈なのに今の自分が全く追い付けていないのだ
その異常な速さに捉えきれず、震えてなにも出来ずにいた
「・・・」
「ッ!うわぁ!!」
そして、自分の背後から感じる気配にフランはレーヴァテインを払うように振るう
ドンッ
「うっ・・・」
「・・・」ガシッ
首後を手刀で叩き、気絶するフラン
倒れそうな所を小夜が支えるように抱える
一分後
「・・・ん、あれ?」
「・・・起きたか」
「わたし、負けちゃったんだ」
ベッドに横たわっていたフランは体を起こし、背を向け床に座る上半身裸の小夜を見る
「フラン・・・お前は姉が嫌いか?」
「・・・嫌いじゃない、お姉さまは私のためにこうするしかないと思ってる。でも、もうここは嫌だよ。外に出たいよぅ・・・うぅ」
「そうか・・・なら、出るか?」
「え?」
オーバーコートを羽織り、フランに出たいか聞きだす
「俺はもともと、お前の姉がやっている騒動を止めるために来た。連れてこられたのはこの紅魔館で霧を生み出している奴を見つけるためにだ・・・ついでだ、あの姉にお前の望みを聞き入れるように説得してやる・・・来るか?」
「どうして?なんで、私のためにそこまでしてくれるの?」
「別にお前の為じゃない。ただ、俺にも妹がいる、血も繋がってなく化け物である筈の俺を幼い頃からずっと兄と呼び慕ってくれた・・・簡単な話だ、実の妹の事も信じてやれない奴が姉を名乗るのが少々気に入らないだけだ・・・昔の俺ならそんな事も気にしなかっただろうな」
最後の所は小声で呟き、フランは最後の所を聞くことは出来なかった
「それでどうする、来るか?来ないか?」
「・・・行きたい、もうここは嫌だ。私は外に出たい!」
「・・・よし。所でフラン、この館には魔法使いとか結界とかを得意とするやつはいるか?」
「魔法使い・・・パチュリーっていう魔法使いがいるよ、いつも地下にある図書館に引きこもってるよ」
「よし、まずはそいつの所か」
霧を生み出している者は分かった
しかもこの部屋と同じで図書館は地下にある、地下階段で降りてた時、この部屋につく前にもう一つの大きな扉を見掛けた
「ちょっといいかしら?」
「ッ、もうバレたか」
出入口の扉が開き、見知らぬ三人の女性が現れた
「あ、パチェ」
「なに?」
目の前に立つ、もやしっぽそうな奴がパチュリーという魔法使いのようだ
「なにか失礼なこと考えなかった?」
「・・・」フルフル
「・・・まぁいいわ。それより、さっきのレミィの説得、私達も手伝ってあげるわ」
「レミィ?・・・レミリアか、何故お前が俺に協力する?お前はレミリアに言われて霧を生み出した本人だろ?」
「私とレミィは親友だからレミィの事はよく知っているわ。あの子は自分の家族を大切にしすぎる傾向があるのよ、しかもプライドも高いから自分の言うことが正しいと思いがちなの・・・まぁ早い話、フランの事でも親友である私の反対の言葉にも聞かなかったのよ。もう紅魔館の住人でレミィを説得出来る者はいない、だから貴方を頼ろうと思ったのよ」
「いいのか、親友を傷つけるかもしれないぞ」
「あの子も吸血鬼よ。大抵のことじゃ傷ついたりしないわよ」
「・・・そこの後の二人、お前らはどうなんだ?」
パチュリーの後ろに控える、髪と一部分以外はほとんどにている悪魔のような二人に問う
「私達は使い魔ですから、契約を結んでいるパチュリー様に従います。私も妹さまがお嬢様とまた一緒に居られる姿を見たいと思ってますから。あ、あと私は小悪魔で皆さんからこぁと呼ばれています」
「私はここぁです。こぁお姉さまとは双子で私は妹の方です」
二人は使い魔で主であるパチュリーに従うだけのようだ
「で、どうするんだ?」
「私は先に霧の魔方陣を解いてから上に行って妹さまが逃げ出したって伝えてくるわ。貴方は10分経ったら妹さまと一緒に上に来なさい。その後は貴方たちの自由よ、じゃあ先に行って解いてくるわ」
そう言って部屋を出るパチュリーたち
俺は銃の弾をもう一度確認する、両銃のマガジンには弾は六発ずつ計十二発残っている
「・・・ねぇ?」
「どうした?」
「・・・っ」ギュ
「?」
後ろからいきなり抱きつくフラン
小夜はどうしたのだろうかと思いながら背中にくっつくフランを見る
「少しだけ・・・こうしてていい?」
「・・・好きなだけしろ。時間になったら教えてやる」
「ありがとう」
そのまま10分経つまで背中に張り付いていた
そして俺はフランを肩にのせ、地下階段を登っている途中フランが「ここ壊したらすぐ出れるよ」っといって弾幕で穴を開けながらついに地上に出た
何故そんな事を知っているのかはあえて聞かなかった
さぁ、レミリア
今度は手は抜かない
お前がいつまでもガキのような言い訳で自分の妹を縛り続けるなら、俺がお前の目を覚まさせてやる
もはや大尉は漫画の様な人物ではなくなったな
だが、大尉のお兄さん化計画はまだ始まったばかりだ