東方人狼行軍   作:BATTU

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13話

「霧?・・・姿を隠して不意打ちでもする気かしら?」

 

 

白い霧が出現し、姿を隠す小夜

しかし、レミリアは動揺することもなく腕を組んで立っていた

 

 

先程と同じように能力を使い、どこから攻めてくるか運命を見るレミリア

 

 

だが、ある異変にレミリアはすぐに気づいた

 

 

「なに・・・見えない?どういう事、なんで奴の運命が見えないの!?」

 

 

バッ!

 

 

「ッ!、ぐっ!」

 

 

側面の霧の中から突然現れた褐色肌の握り拳

レミリアはギリギリガードしたが力に負け、吹っ飛ばされる

 

 

バキッ!

 

 

「がはッ!」

 

 

吹っ飛ばされた途端、今度は背後から脚が現れレミリアの背を蹴る

その次は顔に正拳、左腹に肘打ち、脚にローキックと連続で打ちのめされるレミリア

 

霧の中から突如現れる両腕、両脚は全て小夜の物

しかし、問題なのはその突如現れる腕や脚はバラバラの所からでできているのだ

 

 

「くそ!舐めるな!」

 

 

「運命『ミゼラブルフェイト』」

 

 

新たなスペルカードを使う

レミリアの回りから鎖の形をしたオーラが大量に出現する

 

 

「・・・どうして、なぜ飛んでいかない!奴は確かにこのホールに居る!なのになんで追尾しない!!」

 

 

しかし、レミリアが使った鎖型のオーラはレミリアの回りに出現しただけで何も起きない

 

運命『ミゼラブルフェイト』は定めた敵に追尾して飛んでいく、広域制圧型の射撃技

 

しかし、そのスペルが出現しただけでレミリアが定めた小夜に向かって飛んでいかないのは小夜は紅魔館のホールには“居ない”と判断しているのだ

 

 

ガシッ!

 

 

「ぐっ!?」

 

 

頭を捕まれ、地面に押し付けられるように倒れるレミリア

回りに出現したスペルも霧散する

 

 

「・・・やはりそうだ。お前の能力も追尾型の弾幕も相手を定められねば効果を果たさない・・・霊夢と霊香の言った通り、これが俺の“新しくなった特殊能力”か」

 

 

「なに!貴様の能力は霧に体の構造を変えるだけの筈だ!追尾型の弾幕はともかく、私の能力からは逃れられない筈だ!」

 

 

「そうだ・・・霧になるのは元から俺の持つ特殊能力。霧になるよう体の構造を変えるだけで自分の存在を視覚的に隠すだけ・・・だが、幻想卿に来た事によって俺の特殊能力は変わった・・・いや、進化と言うべきか。その進化した能力、それが」

 

 

霧になる程度の能力

 

 

そう、この能力が俺の特殊能力が程度の能力に変わって手にいれた新しい力

名を聞くだけでは以前と何も変わらない、だがこの幻想卿の程度の能力はただなるだけでなく応用も可能なのだ

 

 

例を挙げるなら霊夢の「空を飛ぶ程度の能力」

 

霊夢の能力は空を飛ぶこと、つまり“無重力”

無重力とはつまり地球の重力を受け付けない。そしてそれは如何なる重圧も、力による脅しも、この能力の前には全く意味が無い

 

相手がどんなに強大だとしても、霊夢の前では意味をなさない

名前だけでは大した能力には聞こえないが意味を理解していけばこれほど強力な能力は中々無い

 

故に霊夢の能力の前では俺でさえ、脅威にはならないのだ

 

 

そして、俺の能力

 

霧とは視界を遮るものと同時に対象の姿を隠す

 

隠すとは物や人をその場から見えなくし、その存在をあるようで無い、曖昧な状態を生み出す

つまり、俺が霧になっている状態はその場所から自分という存在を曖昧にする

 

だからこそ、レミリアの能力で俺という存在の運命を見ようとしても居るようで居ない曖昧な存在の運命を見ることなどできない

 

 

「つまり、霧になった事で私の能力の対象から逃れたというわけか・・・随分と厄介な能力だ」

 

 

「そうでもない・・・存在を曖昧にしただけで俺の体は霧として存在はしている、ただの攻撃では意味はなさないが霧も飛ばすほどの広範囲の波動、または爆発系の技を受ければ俺にもダメージは入る・・・さて、どうする?まだやるか?」

 

 

地面に押し付けたまま、レミリアに続きをやるかどうかを聞き出す

そんな質問に対してレミリアは意外な答えを返す

 

 

「・・・ふっ、引き際も肝心とはこのことね。いいわ、フランの件、認めてあげるわ」

 

 

「つまり敗けを認めるか」

 

 

「いいえ、フランの事は認めると言ったけど貴方との勝負はまだよ。私は吸血鬼、種族としても私としても大きなプライド、誇りを持っているの。最後の決着をつけましょう、小夜」

 

 

「・・・」スッ

 

 

小夜はレミリアが離しその場から少し離れる

レミリアは立ち上がって埃を払うように服を叩く

 

 

「もう能力も何もなし、純粋に私の力を貴方にぶつけるわ」

 

 

「・・・来い」グッ

 

 

拳を握りしめ迎え撃つ体勢に入る

 

 

「必殺『ハートブレイク』!」

 

 

「・・・ッ!」

 

 

赤い槍、スピア・ザ・グングニルに似た巨大な光の槍を持ち、突撃してくるレミリアに妖気を集中させた右拳を振りかざした

 

 

 

 

 

 

ピチューン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

 

「・・・」カンッ!カンッ!カンッ!

 

 

紅魔館のホールにて妖精メイドと共に壊れた箇所の修理作業に入っていた

いくら、異変を起こした本拠地とは言え此処は今は亡き彼女の家族たちが住む場所だ

 

壊した俺にも責任があるため、修理の手伝いをしているのだ

 

 

「兄さーん」

 

 

「?・・・霊夢。もう昼か」

 

 

ホールに入ってきたのは昼の弁当を持ってきた霊夢

修理の手伝いを始めてから、昼食を持ってくるとはりきっていた

 

 

「はい、兄さん」

 

 

「・・・ありがとう」

 

 

「お兄様♪」

 

 

「ッ・・・フラン、危ない」

 

 

「妹様、はしたないですよ」

 

 

弁当を受けとるとフランが抱きつくように飛び付いてきた

その後から同じく修理作業をしていた咲夜と美鈴もやってきた

 

 

あの、戦いの後フランは外に出れるようになり自室も地下から通常の部屋に変わった

霧の湖でチルノたちとも友達になり、ときおり一緒に遊んでいる

 

 

「えっと、小夜さん。じゃあ、あの部屋へ行って来てください」

 

 

「・・・あぁ」

 

 

「・・・ぐすっ」

 

 

「もう、咲夜。泣いたら綺麗なお顔が台無しだよ?」

 

 

「申し訳ありません、妹様・・・まだ、立ち直れなくて」

 

 

「重い空気ね。まぁ、分からなくはないけど」

 

 

美鈴に言われた通り、俺はホールを後にしとある部屋へ向かった

 

 

そこは他の部屋より少しだけ装飾が凝った位の高い者が使いそうな部屋

そう、かつて俺と戦った一人の吸血鬼の当主が使っていた部屋だ

 

 

俺は部屋に入り、彼女の名を呟く

 

 

「・・・レミリア」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄様♪」ギュ!

 

 

「・・・」

 

 

「今日のお仕事はおわったの~?」

 

 

「いや・・・休憩、だから話に来た」

 

 

「やった、レミリアもお兄様とお話ししたかったんだ。うー☆早く早く」

 

 

・・・この目の前にいる甘えん坊のような小さい子が、かつて異変を止める為に戦った敵

 

そう、レミリア・スカーレット本人だ

 

色々あってなぜか思考が幼児退行してしまい、かつての当主としてのカリスマ性は消えてしまった

かつてのレミリアは死に、今目の前にいるのは新生レミリアだ

 

 

「・・・」

 

 

アーカード、もしこのレミリアが本当にお前の子だったなら言わせてくれ

 

 

・・・なんかごめん

 

 

 

 

これがヴェアヴォルフの大尉

現在名、博麗小夜が初めて体験した異変

 

 

紅霧異変である

 




(レミリアが)落ちた。計画通り


・・・っと、思っている方、実はそうではない
なら、あの変貌はなに?と思うけど解説は次の更新で

そして今回で紅魔卿は終了
次回は大尉のプロフィールと登場した東方キャラの大尉との関係性と軽い紹介でも書きます
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