東方人狼行軍   作:BATTU

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「書くことないね」

そうだねぇ


52話

宴会から2日目

 

 

人生初の酷い二日酔いも治り、いつもの様に鍛錬を行っている

 

霊夢は朝食を食べ終えてから調べに出掛けると言って朝早くから博麗神社を後にしている。何を調べに行くかを聞いてみたが教えてはくれなかった

 

まぁ、十中八九異変についての事だろう。あんな真剣な表情で調べ事などそれしかない

 

俺に言わない辺、そこまで危険な異変では無いのだろう。その証拠に霊香も茶を啜りながら俺の鍛錬の様子をただただ見ている程、落ち着いている

 

 

「おーい、おおかみ兄ちゃーん!きたぞー!」

 

「お邪魔します霊香さん」

 

「あぁ、よく来たな。ゆっくりしていってくれ」

 

 

丁度、鍛錬のメニューが終わった直後に木刀を持ったチルノと大妖精がやって来た

 

チルノはいつも通り。大妖精もあの花見で酔いつぶれていたにも関わらず、いつもの元気な様子だ

・・・やはり、俺が酒に対しての耐性が弱いのだろうか

 

 

「さぁさぁ、おおかみ兄ちゃん。今日もさいきょうめざして修行だッ!」

 

 

「・・・あぁ」

 

 

汗を軽く拭き終わってから、オーバーコートを着て規格帽を被り、いつもの実戦訓練に移る

 

 

「いっくぞー!」

 

「・・・」グッ

 

 

先制攻撃の弾幕を放つチルノ

何度も見た弾幕故に避ける事は容易い。霊香とのリハビリの鍛錬のおかげもあって、思うように体が動いてくれる

 

 

「まだまだ!」

 

『冷符「瞬間冷凍ビーム」』

 

「・・・」スッ!

 

 

体を捻って、空中で直線の冷凍ビームを避ける小夜。そのまま脚を捻る時の動作を利用してチルノに向けて蹴りを放つ

 

しかし、チルノも後に飛んで小夜の蹴りを避けた

 

 

「ようし!今度はコレだ!」

 

『氷剣「アイスブランド」』

 

「ッ・・・」

 

 

チルノの目の前で形成された氷の剣。両手で柄を握りしめて小夜に斬りかかる

小夜は右腕を霧状にし、縁側に置いてあった剣を掴み取って氷剣をギリ防いだ

 

 

(また新しいスペルか・・・ただの氷で出来た剣のようだな)

 

「さすがおおかみ兄ちゃん!だけど美鈴じきでんの剣さばきをなめるなよー!」

 

 

両手で力一杯氷剣を振るうチルノに対して冷静に剣撃を防ぐ小夜

美鈴にどんな剣技を教えて貰ったかは知らないが、今のチルノよりも妖夢の振るう剣技の方が勝っている

 

 

「フッ」キンッ!

 

「あ!」

 

 

氷剣をチルノの手から弾き飛ばし、そのままチルノの眼前に剣先を向ける

 

 

「・・・勝負ありだ」

 

「うーん、やっぱりまだまだかー」

 

「・・・両手で振るうより、片手で振るえるサイズにした方が楽だ・・・それに、小型の方が弾幕を放ちながら斬りかかる事も出来るだろう」

 

「おお!そうか!それは気付かなかった!さすがあたいの師匠!」

 

 

実戦訓練を終え、剣を鞘に戻し縁側に腰を降ろす小夜

お盆に乗っている冷水が入ったコップを手に取り、水分補給をしながら一息つける

 

 

「しかし、あの美鈴から剣技、か・・・拳技のほうしかイメージが思い浮かばない」

 

「凄いんだよ美鈴!前にきょく剣でえんぶを見せてもらったんだ!すごく格好よかったけど最後に咲夜にもんばんサボったからおしおきでナイフ刺されて格好悪かった!」

 

「・・・そうか」

 

 

最後の最後でいつものナイフオチだったか美鈴。短い間だったな

 

 

「いや、勝手にうちの門番殺さないでくれるお兄さま」

 

「?・・・レミリア」

 

「こんにちは小夜様」

 

「お兄さまー♪」

 

「・・・フランに咲夜もか」

 

 

日傘をさすレミリアとフラン、そして2人の後に控えるように立っている咲夜が居た

 

 

「おー!フラン、お前も来たのか!」

 

「こんにちはフランちゃん」

 

「チルノに大ちゃんもこんにちは」

 

「やれやれ、来客が途絶えないな。いらっしゃい」

 

「お邪魔するわね霊香・・・霊夢は居ないのかしら?」

 

 

辺りを見渡していつもならすぐに見つかるハズの霊夢の姿が無いことに気づき、小夜と霊香に問いかけた

 

 

「・・・朝早くから出掛けた」

 

「あら、そうなの。まぁいいわ、霊夢がいるとお兄さまとあまりお話が出来ないものね。今日は久々に歩いて来たから少し疲れたわね、座ってもいいかしら?」

 

「?・・・あぁ」

 

「じゃあ、失礼するわね。よいしょ・・・ふぅ」

 

「・・・レミリア」

 

「なに?」

 

「・・・なぜ膝の上なんだ?」

 

 

レミリアが座った場所は小夜の膝の上だった

 

 

「あら?私はちゃんと“座ってもいいかしら”ってお兄さまに聞いてお兄さまは許可してくれたじゃない」

 

「・・・そうか」

 

 

座っていいかとしか聞かれていないが確かに俺は何処にとは聞かなかった

まぁ、特に迷惑でもないから良いんだが・・・

 

そう思う小夜だが、レミリアの行動に1番先に反応したのはフランだった

 

 

「あー!お姉さま!お兄さまの膝の上はフランが座ろうと思ったのに!」

 

「あら、こういうのは早い者勝ち。フラン、貴女から学んだ事よ」

 

「むー、いいもん。じゃあフランはお兄さまの隣に座るもん」

 

 

そう言ってフランは右隣に座りながら右腕に抱きついてきた

 

 

「ちょっとフラン!それじゃあお兄さまに両手で抱きしめて貰えないじゃない!!」

 

「へへーん。お返しだよお姉さま、べー」

 

 

腕に抱きついたまま、小さく舌を出すフラン

 

 

「おーなんだ?おおかみ兄ちゃんの掴みあいか?よし!大ちゃんはおおかみ兄ちゃんの左腕だ!あたいは肩車して頭を掴むから!」

 

「え!?ちょ、ちょっとダメだよチルノちゃん!お兄さんを困らしたら!」

 

 

大妖精の言葉に聞く耳持たず、チルノは小夜の肩に飛び乗り両手でガッシリと頭を抱きつかんだ

 

 

「ぐっ・・・」

 

 

そして、飛び乗った時にチルノの足がレミリアの後頭部に直撃する

 

 

「痛ッ!ッ〜〜〜、何するのよこの氷精!」

 

「え?おおかみ兄ちゃんの部分つかみあい対決でしょ?フランは右腕だけどレミリアはつかんでない、だけどあたいは頭で大ちゃんが左腕つかんだらあたいたちの方がたくさんおおかみ兄ちゃんの体の部分つかんでるからあたいたちの勝ちだよね!だから大ちゃん、早く!」

 

「え、えー!・・・え、えっと、お兄さん先に謝ります、すいません」

 

 

謝罪した後、大妖精もフランとは反対側に座り小夜の左腕を両手で掴んだ

フランと違い抱きつかないのは羞恥に耐えきれないから

 

 

(あわわわ・・・お兄さんの腕、あったかい///)

 

「んー、出来たらフランみたいにした方がいいけど、とりあえずこの勝負あたいたちの勝ちだなレミリア!」

 

「そんな勝負してないわよ!あんたは先に私に謝りなさい!!」

 

「微笑ましいな」ズズ...

 

「そうですね」

 

「・・・・・ハァ」

 

 

とりあえず、何かを諦めたようにため息を吐く

 

 

「あややや、相も変わらず大人気ですねぇ小夜さん」パシャッ!

 

(・・・また面倒なのが)

 

 

そう思いながらカメラを構えたまま降りてくる文を見て思う小夜だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして

 

とりあえずレミリア達に離れてもらって文と話をしていた

 

 

「・・・今日はなんだ?」

 

「まぁまぁ、そんな邪険にしないで下さいよ小夜くん。そして首にナイフを向けながらニコニコと微笑むのを止めて下さい咲夜さん、シュレディンガーさん」

 

「えーどうしよっか咲夜さん?」

 

「お嬢様の羞恥のお姿を記事にされては困りますからここで捌きましょうかシュレディンガーさん」

 

「OK」

 

「あややや!大丈夫ですよ!記事には絶対しませんからー!!」

 

 

先程よりも更にナイフを首に近づけるシュレディンガーと咲夜

とりあえず止める事にした

 

 

「・・・シュレディンガー」

 

「はーい」

 

「咲夜もそこまででいいわ」

 

「かしこまりましたお嬢様」

 

 

小夜とレミリアに従って、ナイフをしまう2人。文は安堵のため息を吐いて心底安心していた

 

 

「で?なんの用で来たのよ烏」

 

「え?もちろんネタ探しですよ。といってもあまり良いネタが無いんで博麗神社に来たわけ何ですけどね」

 

「なら残念だな文。今記事になりそうなネタなんて此処には無いぞ」

 

「あ、大丈夫ですよ。小夜くんの写真だけでも撮れれば充分ですから」

 

「・・・そういえば、小夜が幼少の頃から何かと写真撮ったりしてるが全然新聞には載せていないな」

 

「まぁ、色々あるんですよ。そんな事より小夜くんはいつもの力に戻ってきてますね」

 

 

話題をいきなり変えた文に疑いの目線を送るレミリア

しかし、小夜は特に気にせず文の話題に話を合わせた

 

 

「・・・見てたのか?」

 

「はい。チルノちゃんと戦ってた時の様子をじっくり見させてもらいました」

 

「あ、そうだ!フランもお兄さまと久々に弾幕勝負したーい」

 

「あら、いいわね。私も久々にお兄さまと戦ってみたいわ」

 

 

フランの発言にレミリアも食いついてきた

まぁ、出来なくはないがチルノとの後だからもう少し休んでからにして貰おう

 

 

「いいねぇ、その勝負、私も混ざっていいかな?」

 

「ッ・・・誰だ?」

 

 

不意に聞きなれない声が聞こえた方に視線を向けると、そこには角を生やした幼女が瓢箪を片手に立っていた

 

しかし、その姿には見覚えがあった

 

 

「あ、あやや・・・ま、まさか貴方がこんな所に現れると思いませんでした」

 

「やっほー、久しぶりだね文」

 

 

笑みを浮かべながら文に手を振るう幼女とは逆に文は顔面蒼白だ。その表情からこの幼女に文は恐怖を感じているのが見て分かる

 

 

「そういえばこの場で文と霊香以外は初めてだよね。私の名は伊吹萃香、幻想郷に舞い戻りし鬼だ」

 

「「「!!」」」

 

「「?」」

 

 

それを聞いて驚愕したのはレミリアと咲夜、そして大妖精だった

フランとチルノはなんの事だが理解しきれていないようだ

 

 

(ちょっと、ヤバめかな?霊香さんがいるけど一応霊夢さんを呼び戻して来ようっと)

 

 

そう言って誰にも知られずにシュレディンガーはこの場から消え去った




「ついに首謀者の登場か。もう花見終わっちゃうね」

この異変はそこまで長くも無ければ幻想郷の危機でも無いからね
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