どんだけ勝って欲しいってねがってるんだよ
九天の滝
(なんだ?・・・一瞬、武器になにか・・・?)
一刀から二刀に変わった犬走楓は先程よりも強力な妖気を纏い、小夜に対峙する
「ゆくぞ、簡単に終わってくれるな」
「・・・」
バッ!
両者が駆け出し、互いに獲物を相手に向かって振るう
だが、さきに異変が起きたのは小夜の方だった
パパシュ!!
「ッ!」
オーバーコートの左肩、右脚の布地が突如切れ、右の頬に薄い切り傷が出来る
危険を察知し、剣を振るのを止めバックステップに入った
「気づいたか、だがもう遅い!」ブンッ!
二刀をクロスを描く様に振り下ろすがその刃よりも小夜のバックステップが早く刃は届かない・・・筈だった
「ッ!?・・・」
その一瞬、小夜の目の前が赤く染まった
胴体に出来たクロスの傷跡
体中に走る無数の斬り傷
全ての傷跡から飛び散る鮮血の雨
「ごばっ・・・」グラッ
一瞬の出来事に動揺(顔には出てない)する小夜。剣を地面に刺して杖代わりにしふらつく体を抑える
口からも血を吐き出す。その様子から外部だけで無く内部にもダメージを受けたようだ、幸いな事に目や喉といった急所などには傷は出来ていない
それは相手が手を抜いたからか、それとも偶然なのか、今の小夜にはそれを考える程の余裕も無い
「我が一振りは暴風が如し、触れるものを容赦無く斬り刻む風の刃だ」
「・・・」グッ
「ほう、それだけ傷つきながらもなお戦う意思を手放さぬとはな見事だ・・・次で決める」
もう一度構えを取り、刃に風を纏わせる楓。だが・・
ドガッ!
「ッ・・・・・・・」ドサッ
「これはどういうつもりだ?・・・犬走椛よ」
「・・・」
倒れる小夜の背後に現れた楓の実の娘、犬走椛
小夜の背後に現れた瞬間、首後に手刀を当て気絶させた。先程の攻撃にてほぼ満身創痍の状態だった故に難なく背後を取れたのだ
「この妖怪の山麓は我ら八番隊から十番隊が守るという役目、それを果たしただけです」
「・・・それで?その者はお前が排除するのか」
「いえ、博麗の守護者には利用価値はいくらかあります。捕虜として生かすつもりです」
「天魔様の命を忘れたか?山に入ろうとするものはいかなる存在であろうが排除せねばならない」
「ただ殺すだけならいつでも出来ましょう。ですが、利用出来るものは最大限に使い、不要になった時に排除すればよいと私は思います。この者に関しての責任は私が全て背負います」
「・・・」スッ
椛の答えを聞き納得したように目を閉じ、背中を向ける楓
バシュ!!
「ぐっ!!」
次の瞬間、小夜より少ないが身体中に無数の斬り傷を負う椛
斬ったのだ、実の娘であろうが関係無く
「命を背いた罰だ。その者は貴様に任すぞ」
「くっ・・・は、はい」
刀を鞘に納め、その場を去る犬走楓
小夜を囲んでいた二番隊の哨戒白狼天狗たちもやられた夜宵を連れ、山の上層に戻っていった
「椛!」
小夜に湖に落とされ、ずっと様子を見ていたにとりが膝をつく椛に近寄った
「に、にとり。無事だったのね」
「ひ、ひどいよ。実の娘にこんな・・・」
「いいんです・・・私が、小夜を助ける為に天魔様の命を背くような行いをした当然の結果、です・・・思っても無いようなことを言うのは流石に大変です、ましてや相手が母では尚更というもの」
「とりあえず傷の手当をしないと・・・これからどうすんだい椛?」
「とりあえず、しばらく小夜は捕虜として牢に入ってもらうしかありません・・・なんとかして博麗の巫女に伝えなければ」
「椛さま!」
「ん、九番隊の・・・何があった?」
「ハッ!先程、例の神の使いである東風谷早苗から博麗の巫女が此処に来ると!十から八番隊の哨戒白狼天狗並びに麓の警備当たっている鴉天狗と河童は全員集合せよと!」
「ッ!?」
「そ、そんな、博麗の巫女が!?やばいよ!小夜くんがこんな状態じゃあどんな言い訳を言ったって聞いてくれないよ〜!」ガクガクブルブル
(い、今博麗の巫女が山にくれば捷さまが言っていた事になりかねない!なんとしても山から追い返さないと・・・小夜、ごめんなさい。貴方の命を使わせて貰うわ)
「にとり、手伝って。小夜を運ぶわ」
「え、一体どこに?」
椛は少し黙ってから決心したように口を開いた
「・・・人質にするわ。博麗の巫女を一度、山から追い返す為に」
「うそだー!!大尉が負ける筈がない!!こいつは偽物だーーー!」
うるせぇ!(#・-・)つ)o゚)∵「ぐふぅ!」
結構簡略しちゃった気がするが、どうなるかは次の更新をまてい