次の日
人里
「・・・鈴奈庵を先に回って、酒から買うか」
霊香からおつかいのメモを渡され人里に買い出しへ来た
先に新しい本が入ってないか確認してから、買いにいこうと計画している
「・・・あれは」
鈴奈庵にたどり着くと三人の人影が見えた
・・・いつも思うが鈴奈庵の店前で話をしている場面をよく見るきがする
「あ、小夜さん」
先に声を掛けてきたのは小鈴
その声に反応して残りの二人もこちらに向いてきた
「こんにちは小夜さん」
「やぁ、小夜くん」
「阿求、慧音・・・こんにちは」
阿求ともう一人は上白沢慧音
人里にある寺子屋の教師をしている半人半妖
ルーミアも彼女の寺子屋に通っている
「ルーミアが、世話になってる」
「あぁ、ルーミアの兄変わりをしていると聞いたよ。少し頭はあれだが元気に学んでいるよ」
「別に・・・ルーミアが呼んでるだけだ」
「だが、あの子がお前の事を話す時はとても楽しそうだったぞ。呼んでるだけとは言えかなりなつかれてるんじゃないか?」
「・・・」
血の繋がりがなくとも、霊夢以外の魔理沙やルーミアは化物である俺を兄のように慕うが特別そう呼ばせるような事は今までしたことなどない
ただ、歳が少し離れているのと見た目がこれだからではないのかと思う
まぁ、そんな事を考えても仕方がない。とりあえず新しい本がないか探して頼まれ事も終わらせねば
そう思い、小鈴に話を振ろうとした・・・その時だ
ゾクッ
「・・・ッ」バッ!
何かを感じとり、その気配を感じた方向に視線を向ける
「小夜?どうしたんだ?」
「ん?・・・っ、慧音さん、あれ」
小夜が向く方向を見ていた小鈴が何かに気付き、指を差して慧音に言う
その方角から赤い霧のようなものが徐々に広がるように現れたのだ
「なんだ、あの赤い霧は?あの方角は霧の湖がある方角だが」
「・・・」
小鈴の指摘に回りも気付きはじめザワつくなか小夜、彼だけは何かを感じとった
それはかつて幻想卿に来る前
ミレニアムに所属し第二次ゼーレヴェ作戦で戦ったあの女、セラス・ヴィクトリアと同じような存在の気配を
バッ!
「あ!さ、小夜さん!」
「小夜くん!何処にいくんだ!」
後から聞こえる声をも無視して、人里を出て赤い霧が現れている霧の湖の方向へ走った
「間違いない・・・即席でも紛い物でもない、純粋の吸血鬼の気配だった」
ミレニアムに属していた兵達はみな、吸血鬼製造研究の責任者であったドクの手によって人工的に作られた吸血鬼
グールとは違い意識もあり独自で思考出来るが純粋とは呼べない紛い物
そして、先ほど感じた気配は第二次ゼーレヴェ作戦で出会った
ヘルシング機関の鬼札(ジョーカー)
アーカード
そのアーカードの眷属にして真の吸血鬼に覚醒した女吸血鬼
セラス・ヴィクトリア
奴等と同じ、純粋な吸血鬼の気配だ
かつて、この幻想卿に出現した吸血鬼たちが起こした吸血鬼異変で奴等は幻想卿を支配しようと戦争を仕掛けたという事例がある
もし、この妙な赤い霧を生み出している吸血鬼が幻想卿の支配を目的として行っているなら止める必要がある
霊夢が考案したスペルカードルールにも従わない輩なら俺が排除する
「・・・霧の湖。ここじゃない、もっと奥か」
湖にたどり着いた小夜
しかし、元凶はこの湖ではない。その先で最も赤い霧が濃く現れている方角へ歩を進めていく
「っ・・・結界か、存在を隠すため・・・当たりか」
霧を抜けるとそこには大きな洋館が建っていた
全体が赤く塗装された趣味の悪い館だ
「・・・」
赤い洋館に近づくにつれ、門の前に三人の影が見えてきた
そこに建っていたのは二人の女性
そしてその二人の前に立つ小さな少女こそが
「ようこそヴェアヴォルフ(人狼)、我が館へ」
吸血鬼だ
その頃
博麗神社
「兄さんが出掛けてから嫌な予感がしたけど・・・これはもう異変ね」
上を見上げ、赤い霧に覆われた空を見る霊夢
「魔理沙や兄さんも、気づいてもう動いてるはずよね。私も行かなくちゃ」
「気を付けていけよ霊夢。私も少ししたら異変解決に動く」
「博麗の巫女として母さんの手助けなしで頑張るわ。じゃあ、行ってくる」
博麗神社を後にした霊夢
正式に博麗の巫女を受け継いでから初めての異変解決に彼女は挑む