オラリオに家族を求めるのは間違っていない!   作:ソモ産

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閲覧ありがとうございます!

少し時間が空きましたが、続きを投稿。
うまく切れなくて、いつもよりちょっと長いです


3人でお買い物!

ベル兄がステイタスを見せた次の日。

私とベル兄は、広場の噴水前でエイナさんと待ち合わせをしていた。

 

今日はどうやら、ベル兄と私の装備を新しく買いに行くんだ。

やっぱり、ギルド支給の装備じゃもう厳しいんだってー。

 

さって、どんなの買おうかな?

うーん、矢の分のお金も考えなきゃいけないしそんなに高いのはなぁー

 

「おーい、ベルくーん!メルクちゃーん!」

「!」

「あ、エイナさーん!」

 

お金のことを考えていると、目の前からエイナさんが来た。

私は、エイナさんに向かって大きく手を振る。

って、ベル兄なんでそんなにビックリしてるの?

 

うーん…、あ!エイナさんの洋服、可愛いな。

 

「おはよー、2人とも来るの早いね。待たせちゃったかな?」

「いえ、大丈夫です。ね、ベル兄?」

「……え?!な、なに?」

 

うーん、朝からずっとこんな調子。

どうしたんだろう、ベル兄?

 

待ってる時もソワソワしてたし、体調悪いのかな?

 

「どうしたの、ベル君?もしかして、もう装備のことを考えてるのかな?」

「え?!いや僕は……」

「ふふ、実は私もなんだ。2人の買い物だけど、昨日からワクワクしちゃって。」

 

エイナさんは、そういって笑う。

うわぁー、すっごくキレイ……。

思わず、そう思ってしまった。

 

「さてっ、それで2人とも?私の私服姿の感想は?」

「すっごく!可愛いです!」

「ふふっ、ありがとっ。メルクちゃんもすごく可愛い。」

「えへへ~」

 

思ったことをそのまま言ったのに、褒められちゃった。

ちなみに、私の服装はいつもの恰好に、装備がない感じ。

 

きっと、ヘスティア様にもらったワンピースが可愛いからだね。

 

「え、えっと……そ、その、すっごく……いつもより若々しく、見えます。」

「こら!私はまだ19だぞー!」

「あいたたたたたたたっ!?」

 

エイナさんはすぐに、ベル兄の首を締め上げる。

はぁ…、ベル兄。その感想はないよ……。

普通、そんなこと言うかな?

 

首を絞められながら、私に視線を送ってきてもダメだよ。

これはさすがに、自業自得だしね。

 

「ほら!謝れーーー!!」

「や、やめっ、許してくださあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」

 

ベル兄の叫びが広場に響く中、私はふと別のことを考えた。

あれ?エイナさん、ちょっと楽しんでない……?

 

―――――――

 

「あの、エイナさん、今日はどこまで行くんですか?」

 

さんさんと光るお日様の下、仲良く北のメインストリートを南に向かって歩いていると、ベル兄がエイナさんに聞いた。

ちなみに横一列に並んで歩いている。並びは、ベル兄、私、エイナさんの順番。

 

これはベル兄の提案なんだけど、なんで私が真ん中?

まぁ、2人に手つないでもらえるからうれしいんだけどねー。

 

「ついてからのお楽しみのつもりだったけど、教えてあげるね。……今日は、ダンジョンに行くんだよ」

「えぇ!?」

 

だ、ダンジョン!?どうしよう、私もベル兄も装備もってきてないよー。

大丈夫かな?

 

そんな私の考えなんてお見通しとばかりに、エイナさんは笑って続きを話す。

 

「ふふっ。正確にはダンジョンの上にあるバベルだから、あわてなくて大丈夫だよ?」

「むぅー」

 

今日のエイナさん、いつもと違っていじわるだー。

絶対に、私の反応楽しんでるよー。

 

「メルクちゃん、ごめんごめん。そんなにむくれてたら可愛い顔が、台無しだよ?」

「きゃあ!?」

「ふふっ、ほら笑って笑って!」

 

そう言って、エイナさんは後ろに回った。

は、速い!?そして私の脇に手を入れくすぐり始めた。

 

って!や、やめっ!!くすぐったいーー。

あ、あはははは!!

 

「わ、わか、わかりましたから!やめてぇーーーー!!」

「わかればよろしい!」

 

はぁ、はぁ……。

なんとか、解放されたぁ…。

 

うぅ、私服の時のエイナさんは、やっぱり意地悪だよー。

 

「え、えっと…エイナさん…。バベルって、冒険者用のシャワールームと公共施設があるだけじゃないんですか?」

「君は、本当に何にも知らないんだね…。まぁ、冒険者を始めて1か月だし、しょうがないか。じゃあ今日は役に立つ情報を、掻い摘んで教えるね。」

 

そんなベル兄の質問に少し呆れて、エイナさんは答える。

うーん、私も知らなかったけどそれってまずいことなんだ。

 

よし、それじゃあ集中して聞かないと!

 

「えっとね、ギルドが所有しているバベルには、2つの面があるの。1つはベル君の言ってた冒険者のため公共施設の役割。簡易食堂と治療施設のほかに、換金所もあるんだよ。知ってた?」

「え、ギルドの本部や支部にしかないんじゃないんですか?」

「ううん、バベルにもあるよ?ただ鑑定員が少ないからいつも行列になってるけどね。」

 

へぇー、いつも見るあれって換金所だったんだ。

いつもすっごい長い列つくってたけど、それなら納得。

 

でも、あんなに並ぶならギルド行った方が早いと思うけど。

 

「さ、それじゃ続けるよ。で、もう1つが、バベルの空いているスペースをいろんな商業者に貸し出して開いてるテナント。」

 

テナントって、お店のことだよね。

ってことは、今日はそっちに行くってことか。

 

なるほどー。

 

「ダンジョンの真上に建ってるだけに、全部が冒険者のための専門店。その多くが商業系のファミリアに貸し出してるんだよ。【ヘファイストス・ファミリア】なんかは、その中で代表だね。名前は、聞いたことあるでしょ?」

「は、はいっ」

 

たしか、ベル兄が見てるお店を経営してるファミリアだよね。

あ!それに……。

ふと空いた手を、背中に手を回し祈りの弓(イー・バウ)に触れる。

 

そういえば、私とベル兄がヘスティア様から頂いた武器も、そこのだっけ。

 

「あ、2人は【ヘファイストス・ファミリア】についてどのくらい知ってるの?」

「えっと、武具を扱う大人気【ファミリア】で、品の価値が高くて、冒険者なら誰でも欲しがるってことぐらいですかね……。」

「私はあんまり、すっごく値段が高いってことぐらいしか知りません……。」

「うん、まぁ間違ってないね。……なんとなんと!今日の私たちの目的地は【ヘファイストス・ファミリア】のテナントでーす!」

「「え、えぇぇ~!?」」

 

ベル兄と私の叫び声があたりに響きわたる。

 

だってだって、そのお店って高いんでしょ!

そそ、そんなお金持ってないよーーーー。

 

「え、エイナさん!?僕たちヘファイスト・スファミリアで買い物できるような大金なんて持ってませんよ!?」

「まぁまぁ、それはついてからのお楽しみってことで。」

「僕はずっとハラハラしっぱなしですよぉ!?」

 

ベル兄の訴えも何のその。

エイナさんは、さっき私に向けたような笑顔を浮かべ私たちの前に出る。

 

あぁ、すっごく楽しんでそうだなぁ……。

でも本当にお金どうしよーー。

 

「ほら!そんなことは気にしないで!さ、2人とも、いっくよー!!」

 

その掛け声と同時にエイナさんは私とベル兄の手を掴んで目的地に向かって走り出す。

って、エイナさんこんな人だったの?

休日は、エイナさんと会わない様に気を付けないと、ってぇ!?

 

そんなに思いっきり引っ張らないでくださいー!?

うぅ、本当にお金どうしよう。

 

―――――――

 

「よーし、到着!さ、ここから上に行くよ。」

 

エイナさんにベル兄と2人引っ張られ、何とかバベルの門に到着した。

 

ふぇ~、エイナさんハッスルしすぎだよー。

それにしてもここから上って、階段見当たらないけど。

 

「こっち、こっち!」

 

辺りをキョロキョロと探しているとエイナさんはまたまた私たちの手を引いて、ある一角に向かっていく。

 

キレイな床、何だろこれ……。

その横でエイナさんが何かをいじっていたかと思ったら急に上に浮き上がった!?

 

「!?」

「ひゃぁ!?」

「あはは、メルクちゃん大丈夫だよ。そういえば私もこんなだったな」

 

私が驚いてる間も、ぐんぐんと床は上へと昇っていく。

上には何もついてないし!?きゃー、落ちる――!?

 

エイナさんが、この床の原理を説明してるみたいだけど

そんな話なんて聞いてる余裕ないよー。エイナさんにしがみついて、ただただ目的地につく事を祈る。

 

しばらくして、床が止まった。

やった、ついた……?

 

「お目当てはまだ上なんだけど、せっかくだから寄っていかない。ここからは9階まで【ヘファイストス・ファミリア】だし、ベル君見てみたいでしょ?」

「はい!」

「ふふっ、さ、メルクちゃんも行くよ。」

 

興奮気味のベル兄は一足先に、浮く床からお店の売り物を見に駆けていった。

私も、エイナさんに手を引かれながら、なんとか床から降りる。

 

ちゃんとした地面だよー。でもまた乗るんだよね、はぁ……。

 

「メルクちゃん、大丈夫?」

「だ、大丈夫…です…。」

 

ふう、とりあえず私も見てみよっと、気がまぎれるかもだし。

ってあれ?ベル兄が見当たらない?

 

どこ行ったのかな?

ベル兄を探しながらふと、ガラスの中の商品に目を向けるとそのとんでもない値段が目に入る。

 

「2500万ヴァリス……」

「改めてみるとすごい値段だね……」

 

こんな値段、絶対に買えないよぉ……。

本当に私でも買える、奴あるのかな?

 

そんなことよりベル兄は…。あっ!

 

「あ、ベル兄さが……。って、ヘスティア様!?」

「め、めめ、メル君!?」

 

そこには私たちの主神様、ヘスティア様がお店の制服だろう洋服を着ていた。

え……?どういうこと?

 

今日はバイトだからって、ヘスティア様は出かけていってそれでなんでここに?

いまいち状況が呑み込めないよ……。

 

「なんでこんなところにいるんですか、バイトの掛け持ち!?到達階層が増えたからお金に余裕ができましたよって、僕言ったばかりじゃないですか!?」

 

ベル兄の叫びでようやく、状況が理解できた。

ヘスティア様は、じゃが丸くんのバイトとは別にここでもバイトやってたのか!?

 

そういう事ならと、ベル兄の言い分に激しくうなずく。

 

「い、いいかい君たち。ここで見たことは、いったん全部忘れて目と耳をふさいで回れ右をするんだ。世の中には知らなくてもいいことがたくあんある、これがその1つだよ」

「これが知らなくていいことなわけないじゃないですか!?ほら神様、いつもみたいにじゃが丸くんを売ってましょ?神様にはまだ難しいですよ」

「じゃが丸くん売りが誰でもできるみたいに言うなぁーー!!」

 

だんだんと白熱していくベル兄とヘスティア様の会話。

このままじゃ、話が進まないと思い思い切って、ヘスティア様の手を引っ張る。

 

「ベル兄の言う通りですよ!さぁヘスティア様、帰りましょう!!」

「ええい、メル君離すんだ!!女神にはやらなければならない時ってものがあるんだぁー!!」

「今はその時じゃありません!」

 

冒険者になって、ステイタスで強化された私の力に対抗するように必死の抵抗をするヘスティア様。

ヘスティア様力強すぎ!!ビクともしないよ!?

 

「こらぁー、新入り!何サボってんだ、さっさと仕事しろ!!」

「はぁーい!!」

「あっ!」

 

奥からの声に、一瞬気を取られた隙にヘスティア様は私の手を振り払ってお店の奥へと引っ込んでしまった。

 

「かみさまぁ……。」

「ヘスティアさま……」

「え、えっと……」

 

あまりのことに、エイナさんの事をすっかり忘れてた。

うぅ、恥ずかしいよ。

 

家でやるようなことを、外でしちゃったわけだし。

 

「そ、それじゃ、上にいこっか。」

「はぃ……」

「すみません……」

 

気を使ってくれるエイナさんに心の中でお礼を言いつつ、さっきの床にまた乗る。

あ、さっきよりこの床怖くないや。

 

でもなんというか、原因が原因だけにうれしくないよぉ、はぁ……。

さっきより短い時間で、目的の階に到着して床から降りる。

 

「はい、到着!」

「しちゃいましたね……」

「はい……」

 

さっきの一幕、と数千ヴァリスもするファミリアのお店に来たことが相まって私とベル兄のテンションはガタ落ち。

うぅ……、ここで買えるのなんて矢10本位じゃないかなぁ。

 

「2人とも、【ヘファイストス・ファミリア】みたいな高級ブランドなんて買えないと思ってるんじゃない?そんなことないんだなぁ、これが。」

「え?」

「ほらほら、ついてきて!」

 

またまたエイナさんに手を引かれ、近くにあった店舗をのぞき込む。

えっと、ここ槍売ってるのかな?

 

どうせ、ここだって高いんだろうなぁ。

そう思いながら後ろから値段をのぞき込んだ。

って、えぇ!?

 

「12000ヴァリス……」

「あ、あれ…?」

「ふふ、驚いた?」

 

エイナさんは、いたずらが成功したように楽しそうに笑って理由の説明をしてくれた。

ヘファイストス・ファミリアは他の鍛冶派閥と違って、新人鍛冶師でも自分の作品を売ってて、その売上げそのまま還元してまた新しい作品をつくらせてるらしい。

 

もちろん、さっきみたいな一流の作品とは一緒のところでは売れないらしいけど、実際にお店に並んでそれが買われるだけで自信につながるんだって。

お得意のお客さんが、ついたりとかが一番大きな理由らしい。

 

こんな様な事をひと通り、説明した後エイナさんは一括りとしてこんなことを言った。

 

「それにね、これは受け売りだけど、誰かのために打つ武具って相手への思いが強い分、特別な力を発揮できるんだって。」

 

思いの分だけ、特別な力を発揮する、か……。

なんかそれ、すっごくわかる気がするな。

 

私も大好きなファミリアのみんなのためならどんなことだってできる気がするもん。

 

「っと、ちょっと話すぎちゃったね。とにかく2人でも買える【ヘファイストス・ファミリア】の装備はあるってこと。で、2人はどれくらい持ってきてるの?」

「僕は、10000ヴァリスです。」

「私、7000ヴァリスしか……」

 

日頃の矢のお金がここにきて響いてくるなんて……。

 

「うーん、物によってはメルクちゃんも一式そろえられると思うから大丈夫だよ。掘り出し物もあるかもだし、見にいこう!」

 

エイナさんに案内されて、鎧と盾の看板のお店に入る。

そこからは、それぞれ思い思いの場所に散らばって、探し始める。

 

私の戦い方と身長を考えて、重装備は無理だよね。

なら、あっちかな?安いのあるといいけど。

 

―――――――

 

「これにきーめた!」

 

店内を右へ左へと、探し回っていたら気に入った装備を見つけることができた。

黒の革装備で、胸とか手の甲、膝みたいに大事な部分には金属がついてて、耐久性もそれなりにありそうだし。

 

持った感じも軽いし、動きやすそうだし、なにより値段がお手頃なのが一番いい!!

上下セットで、総額6900ヴァリス也。

 

「ふへへへ。あ、そうだこれつくった人の名前は……あれ?」

 

エイナさんのさっきの話を思い出し、製作者の名前を探してみたんだけど。

どこにも見当たらない……。なんでだろう?

 

ま、いっか。

ベル兄は、決まったかな?見に行ってみよーっと

 

「あ、メルクちゃん!おーい、こんなの見つけたけど…ってもう見つけちゃった?」

「はい!これです」

 

エイナさんにそう聞かれ、さっき見つけた装備を見せた。

ふふん!結構掘り出し物だと思うんだよねー。

 

「これに決めちゃった?」

「?はい…」

 

そんなことを言われ、ふと首をかしげてエイナさんの手元に目を向ける。

すると、小さな装備がいくつか……。あっ!もしかして探してきてくれたんじゃ……。

 

「そ、そのもしかして…」

「え?あ、いいの、いいの!私が勝手に選んだだけだし、メルクちゃんが自分で選んだのがいいよ、思いが強ければ特別な力を発揮してくれるって」

「は、はい!その、ありがとうございます!」

 

エイナさんにお礼を言って、私は選んだ防具をカウンターにもっていってそのまま会計を済ませる。

むふ、これからよろしく―そんな思いを込めてさっき買った防具を撫でる。

 

ちょっとおかしいかな?

あ、ベル兄も決まったんだ。必要な部分にだけつける装備ですっごく動きやすそう。

 

「おーい、メル!もう装備かった?」

「うん!これ!!」

 

今度はベル兄に自慢するように、買った装備を見せつける。

もう、うれしくてたまらないよ!早くこの装備付けたいなー。

 

ベル兄も同じみたい。だって、すっごく嬉しそうな顔で手に持つ防具の話をしてるし。

 

「2人とも、どう?気に入った装備は買えた?」

「エイナさん!はい!」

「ふふっ!メルクちゃんは?」

「もちろんです!ありがとうございました」

 

本当にエイナさんのおかげで、この装備を変えたようなものだもん。

感謝してもしたりないよ。

 

すると、エイナさんは背中からキレイな緑色の籠手と外套(ポンチョ)を前に差し出した。

 

「よかった。じゃあ2人ともこれどうぞ。」

「え?」

「私からのプレゼント。貰ってくれるかな?」

 

休日をつぶしてまで私たちに付き合ってくれたのに!

こんなものまで、もらえるわけ……。

 

「そ、そんな、もらえないですよ!エイナさん」

「はい!悪いですよ!……それに情けないですし」

「まったく、年下が強がらないの!黙ってお姉さんの言う事を聞いてなさい!!」

 

そう言って、ベル兄の手に籠手を、私の手に外套(ポンチョ)を押し付ける。

 

「で、でも……」

「ふふっ、いいの。だって私、ベル君にも、メルクちゃんにもいなくなってほしくないし。」

「エイナさん…」

「だから、ね?私のこの思い2人に受け取ってほしいな?」

 

エイナさんは、一瞬悲しそうな顔をして笑顔を浮かべる。

そっか、これもリューお姉さんとヘスティア様が言ってた『自分の命の重さ』だ。

 

エイナさんにとって私とベル兄はすっごく大切なんだ。

それなら……。

 

「わかりました!エイナさん、ありがとうございます!」

「め、メル!?何言ってるの!?ダメだよ!」

「ベル兄の方がダメだよ!エイナさんは私たちのことが大好きで心配なんだよ。だからその思いは受け取らないと!」

「えぇぇぇぇぇ!?」

 

ベル兄が急に奇声を上げたけど、私はこれがあってると思う。

だって、自分への思いに応えるのは、当然のことだから。

 

だから改めて、エイナさんにお礼を伝えないと。

 

「だから改めて、エイナさん!本当にありがとうございます!絶対に大切にしますから!」

「へ!?い、いえいえ……」

 

なんでか、エイナさんは赤くなってたけど…

うん!これは間違ってない!

 

「ほらほら!ベル兄も!」

「う、うん……あ、ありがとうございます…。」

「そ、そんな…私が好きでしただけだから……」

「す、好きっ!?」

「ち、ちがっ!そ、そういう意味じゃなくて」

 

2人はなんか慌ててるけど、これでよし!

万事解決だね!よーし、それじゃあ、明日の探索はエイナさんの想いの分まで頑張るぞーーー!!!!




読了ありがとうございました。
エイナさんが、原作と違うように見える方がいるかもしれませんが、申し訳ありません。
自分の目にはこうとしか見えませんでした。

感想や誤字脱字の指摘お待ちしております

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