艦隊これくしょん -Blue submarine- 作:イ401
イオナ可愛い。マヤも可愛い。タカオは駄メンタルだが美人。
P.S.
11巻を予約注文したのに何故かずっとダウンロード出来ねぇ…
罪禍悪鬼を撃破してから2時間後。
イオナ達は、深海棲艦の艦隊の目を躱す為に深度240付近にある海底に潜み、僅か5ノットの速度で航行していた。
「魚雷の残りは僅かか…」
最初は積極的に交戦していたが、魚雷の残弾が僅かになって来ていた為に交戦を切り上げ、目を掻い潜って突破しようと試みている最中だ。
「むげんだんやくせいさんきかんはつかわないのですかー?」
「今はタイミングが悪い。使うのは此処を切り抜けてからだ」
「りょーかーい」
「深度220まで浮上後、取り舵」
海上から捜索する深海棲艦のソナーに探知されないように細心の注意を払いながら、慎重に進んで行く。
しかし、突然深海棲艦が東へと進路を取り航行を開始。イ401からどんどんと離れて行く。
「…何だ?」
イ401のソナーが、東へと航行する艦隊とは逆方向…西へと航行してくる艦艇を捕捉する。
その数は、1隻。
(いや、待て…この音紋は…)
すぐさま音紋をデータベースで検索。そして、その結果は直ぐに判明した。
(──馬鹿なっ!?)
イオナの前に現れたのは、人間が罪禍悪鬼と呼称する深海棲艦。
確かにイオナが2時間前に撃破した筈の駆逐艦──いや、駆逐艦と呼べるかも怪しい兵器がいた。
(あれはさっきとおなじ)
(たしかにごうちんしたのに?)
妖精達が言う。奴は先程沈めた駆逐艦と同じだ、と。
「……私の目に狂いはなかった。が、しかし……」
突然呟かれる謎めいた言葉。その言葉は、海中に居るイオナに届く事は無い。
「……確かめねばならんな」
そう言った罪禍悪鬼は、全兵装を解放。同時に、人間体と艦体に蒼く発光する紋章が刻まれる。
次の瞬間、甲板が排煙に包まれ、放たれた"ソレ"は、真っ直ぐ海面へと突き刺さり、海中へと潜った。
「はっしゃおん、およびせんこうおんかんち!!かずむっつ、ぜんほういからせっきんちゅう…!?たなとにうむはんのうかくにん!!」
(…"タナトニウム反応"…!?)
「機関最大、取り舵一杯!!船尾全発射管に通常弾頭魚雷装填後、即時発射!!プログラミングは此方で行う!!近接迎撃システムオンライン!!」
イオナの身体に紋章が出現。イ401の機関がうねりを上げ、後部スラスターの噴煙が一段と大きくなりながら左へ旋回。同時に船尾発射管から通常弾頭魚雷が発射。
6本の通常弾頭魚雷は、正確に海中を突き進む魚雷へと接近。
しかし、魚雷が回避行動を開始。4本迎撃に成功するも、2本がギリギリ躱され、そのままイ401へと向かう。
「しっかり掴まっていろ!!」
後部スラスターの噴射方向が上部へ向き、船体が急速に垂直へと傾いていく。
そして、2本の魚雷がイ401の真上と真下を通り過ぎた。同時に後部スラスターが下部へと向き、姿勢を修正。
「このまま振り切るぞ!!船首発射管1番2番及び船尾発射管1番2番に重高圧弾頭魚雷、3〜6番に通常弾頭魚雷装填!!」
「ぎょらいはっしゃおんかくにん!!かんじゅうろく、ひゃくにじゅうのっと!たなとにうむはんのうかくにん!!」
「全速保て!!船尾発射管3〜6番発射!!近接迎撃用意!!」
イ401の船尾発射管から4本の通常弾頭魚雷が発射。一定距離を垂直移動した後、プログラミングされた軌道を描き始める。
そして十数秒後、多方面からイ401へと接近する16本の魚雷群へと飛び込み、4本の魚雷を誘爆させた。
「のこりじゅうに!!」
「近接迎撃開始!!!!」
その瞬間、近接迎撃を整えていた一門の40口径14cm単装砲、25mm3連装機銃 2基6挺、合計7つの銃口からレーザーが速射し、近接迎撃を開始。しかし、撃ち始めの時に8本の魚雷を撃墜出来たが、残り6本の魚雷は、独自に細かな軌道を描き、レーザーの迎撃を掻い潜る。
「距離2100、1800…レフトキック!!」
イ401の左舷にある全ブースターユニットが起動。急速回避行動を取る。
そして、前方から接近する2本の魚雷の近接信管が電波の反射を感知。弾頭を起爆させ、イ401周辺の海水を僅かにかき乱す。
「通常弾頭…!?しまった!!」
イオナが気付いた時には、最後の4本の魚雷が散開。4方向からイ401へと迫り、距離を僅か450mへと詰めていた。
「着弾、来るぞ!!」
そして。
──ドギギギギギギギギギ!!!!
イ401の周囲を、4つの重力波が包み込み、船体を侵食し、抉り取らんとする。
「──ッ!!」
イオナは着弾と同時にクラインフィールドを展開。同時に侵食反作用計算を開始。出来得る最速の速さで4つの方程式を同時構築して行くが、計算速度が間に合わず、少しずつ船体が侵食されてゆく。
「くっ!!」
完全な反作用は間に合わないと判断し、方程式の一部分を修正。
不完全ながらも、方程式の
──シュウウウウウウウ…!!
──ッドン!!!!!
瞬間。不完全な反作用による衝撃がイ401を襲い、更に被弾部からの浸水が始まる。
「被弾部急速閉鎖!!」
「あらたにぎょらいせっきん!!かず…ろ、ろくじゅう!!」
「船尾発射管及び船首発射管1番2番、前後左右に斉射!!12秒後に自爆させ、魚雷を巻き込みつつ奴を混乱させろ!!」
被弾区域の隔壁が降り、それ以上の浸水を阻止。同時に4本の魚雷が放たれ、左右前方へと散開。
そして7秒後、自爆プログラムが実行。広範囲に爆発を起こし、新たに接近していた60本の魚雷を道連れにし、海域を大きくかき乱した。
「機関停止、無音潜行。隠れるぞ」
爆発による混乱の中、イ401は無音で潜行。海底へと消えて行く。
そして、暗闇の中へと消えた。
「隠れたか…だが」
罪禍悪鬼の船尾にある二つのカタパルトから、"ナニカ"が発進。
それらは発進した直後海中へと潜り、周囲に散開する。
「逃しはしない」
風で揺らめくクロークの隙間から見える彼女の素肌は青白く、この世のものとは思えない妖艶さを放っていた。