相変わらず薄い内容ですが、読んでいただければ幸いです。
久しぶりの高町家。
朝はバタバタしていたが、こうやって落ち着くと、帰ってきたんだという気になってくる。
正確には俺の家は高町家の隣なのだが、空けがちの我が家よりも、こっちの方が落ち着く。
適度な人の気配というものは、静寂よりも心地いいのだ。
「はぁ~……」
恭也さんと美由希さんと交代で風呂に入り、リビングのソファに座っていると、今までの疲れがどっと押し寄せてきた。
「悠くん、ここで寝ちゃうと風邪ひくよー?」
「んー」
大丈夫、少し寝るだけだから……。
「……くん、ゆうくん」
「ん~?」
誰かに肩を揺さぶられて俺の意識は浮上した。
体が恐ろしくだるい。
「あと5分……」
「なに漫画みたいな寝言言ってるの! 悠くん、ほら起きるー!」
なんだか揺れが強くなってきたが、眠い……。
「悠はそんなんじゃ起きないよ。 なのちゃん、ちょっと待ってて」
何か聞こえるが、おかげで揺れが収まった。
というわけで、おやすみなさ……っ!
反射的に飛び起きた。
そして目の前を過ぎる腕を取って、捻り、相手を地面へと叩き付ける。
「いででででっ 悠! 離せ!」
そんな声が聞こえると同時にようやく意識が戻ってきた。
俺の下には安眠を妨害した狼藉者。
そして周りを見回して現状を確認する。
現在位置は高町家のリビング。
よくは思い出せないが、どうやらここで寝ていたようだ。
そして横にはあわあわしてるなのはと、笑いをこらえているらしいレンさん。
下には俺に組み伏せられている晶さん。
完全に極まっているらしく、動けないらしい。
我ながらいい仕事をしている。
「はーなーせー!」
「あ」
そう言われてようやく晶さんを解放する。
とりあえず、なのはに現状を説明してもらう。
「えっと……お夕飯ができたから、悠くんを起こしに来たんだけどなかなか起きなくて、そしたら晶ちゃんが『だったら俺が起こす』って、パンチをしたら悠くんが飛び起きて、晶ちゃんを組み伏せた?」
「そうか、ありがとう」
うん、晶さんが悪い。
そう結論付けてから身体を伸ばすと、不自然な体勢で寝ていたからか、それとも修練の疲れか、身体のあちこちが痛かった。
「悠坊にやられるとは、晶まだまだやな~」
とうとう堪えきれなくなったのか、レンさんが声を上げて笑った。
間伸びした関西弁で話すのは
家の武術である中国拳法の使い手で、天才と呼ぶに相応しい程。
とある事情で長時間の運動は禁止されているが、それを感じさせないほど、強い。
「今のは油断してただけだ!」
腕を擦りながら答えるのが城島晶さん。
明心館という空手の使い手で、スポーツも男子顔負けに得意。
『俺』という一人称を使っているが、正真正銘の女性で、本人曰く『なんで男子に生まれてこなかったのか』と不思議がっており、男子に間違われても気にしない。
ちなみにレンさんの一つ年上。
二人は高町家の料理番をしていて、その腕前はかなりのものだ。
晶さんはその性格とは似つかわず、繊細な和食が得意で、レンさんは豪快な中国料理が得意だ。
見事に性格と正反対の料理性である。
恭也さんたちも起こしに行くという二人は、言い合いながらリビングを後にする。
残された俺たちは、とりあえず食卓に着くことにした。
「おっ、悠起きたか」
「おはよう、悠」
「おはようございます、士郎さん、桃子さん。 すみません、ソファ占領しちゃってて……」
「ははは、構わないよ。 それより体の調子はどうだい?」
「節々が少し痛いですけど、許容範囲ですね」
「ふむ」
俺の答えに、士郎さんは少し考える素振りを見せた。
な、なにやら物騒な呟きが聞こえたが気にしないことにしよう……。
その後も少し会話をしていると料理番二人が戻ってきた。
その後ろにはフィアッセさんの姿も見えるが、三人だけのようだ。
「レン、晶。 恭也たちは?」
桃子さんの問いかけに二人は揃って首を振る。
「二人とも熟睡だったんでそのままに」
「ほぅ……」
その場にいた武芸者全員が凍り付いた。
声の主は士郎さん。 顔は笑っていたのだが、明らかに雰囲気が変わっていた。
恭也さん、美由希さん、ご愁傷さまです……。
言い訳という名のあとがき。
当たり前のことが当たり前にできなくなったり、情熱を注いでいたものに熱を持てなくなったり。
そんな病にかかってしました。
一度画面に向かえば楽に書けた分量も、今ではかなり辛くなっていたり。
だけど一度始めたものを途中で投げ出すのは嫌なもので、一日少しずつでも進めていこうと書いてこのざま。
内容も薄く分量も少なく、書いては消しての繰り返し。
自分は何を書きたかったのか、どういう展開にしたかったのか、何を思って書き始めたのか。
すべて見失ってしまいましたが、亀でも進む。
たとえ時間がかかろうとも、書き続けたいと思います。
いつかかつての楽しさを取り戻せると信じて。