「速い…⁉︎」
気付いたら、龍の尾が僕たちに近づいていた。
シュッ
間一髪だった。あと数フレーム遅れていたら、あの尾の餌食だったに違いない。
「危なかったですね…」
「助かりました」
慧音さんも間一髪避けていたようだ
しかし、慧音さんが反対方向に避けてしまった為龍を挟んで分断してしまった。
「慧音さーん!大丈夫ですかー!」
文が慧音さんの安否確認をする
「えぇ、私は平気です!」
どうやら平気らしい。
「よかったぁ」
自分でも驚くほど頼りない声を出してしまった。
「ウヴォォォォォォ‼︎」
「っ‼︎」
忘れていた。今は、敵が目の前にいる状況。
当然、敵が攻撃を待ってくれるわけもなく…
次々に尾や体当たりなど攻撃を繰り広げてくる。
「避けるので…精一杯……です…はぁはぁ…」
あっち行ってこっち行っての繰り返し。そもそも自分には攻撃手段がない。戦う方法が無ければ避けるしかないわけで。
一方、文と慧音は…
善戦していた。避けながら。そして、隙ができた時に攻撃。この繰り返し。だが確実にダメージを与えていた。
「そういえば、霊夢さんはどうしたんですか!全く来ている気配がないんですが!」
文は、しゃべる余裕がまだある様子だった。木を利用して龍の周りを縦横無尽に飛び回る。
慧音は、僕のように地面を走り回っているが『スペルカード』と言われる物で攻撃をしている。
「博麗の巫女だけではなくて、魔法使いも誰一人として来ない!どういうことなの…?」
慧音は少し考える様子を見せたがすぐに攻撃に移った
「野符『武烈クライシス』!」
慧音の左右に三体の魔法陣を配置した。魔法陣と慧音は龍に向かって謎の弾丸と思われる物を発射した。
「ヴオァァァァァア」
弾丸は龍に直撃し、龍は呻き声を上げた。
「やった!」
僕は歓喜の声を上げた。流石にあれを食らえば倒れると思ったのだ。
しかし、龍は倒れる気配はない。
むしろその逆。
「ウヴォォォォォォ‼︎」
ピリピリする。肌が、身体が、魂が、危険だということを感じたらしい。
「慧音さん‼︎」
慧音に向かって全速力で走った。
慧音との距離が飛べば届く距離になったことを確信した。
思いっきり飛び、抱きついた。
そのまま倒れこみ、転がる。
ドゴォ
慧音の居たところに龍の尾が突き刺さる。
「間一髪だった…」
危ないこと尽くしだ。この数分間で何回、死を覚悟したことか。
「あの…ちょっと…」
声を掛けられた。
「ん?」
確実にアウトな体勢だった。
慧音が下で僕が上に倒れこんでいる
「す、すみません⁉︎⁉︎すぐ退きます‼︎」
「ちょっと何やってるんですか‼︎」
叩かれた。
まぁ、当然だろう。
しかし本気で叩かれた。
「慧音さんも一発叩いちゃっていいですよ‼︎ったく」
「い、いえ、彼は助けてくれたわけで」
慧音はフォローしてくれたようだが文は納得していないようだ。
「って後ろ後ろ!」
もう、すぐそこに龍の尾が迫っていた。
もう終わりか…避けても間に合わない……
死を覚悟した。
自分の名前もわからぬまま死んでいくのかと。
ザクッ
「えっ……?」
そこには一本の刀が刺さっていた。
その刀から、バリアのような物が出ているのがわかった。
三人は何が起きたのかわからないというような顔をしていた。
そうか……これは……
爆発した。龍もそれには驚いたようで何もせずただ、爆煙を見つめていた。
爆煙が切り裂かれ、一気に土煙がなくなった。
「龍さんよ……ここからがお楽しみだ……」
静かに、そして力強く宣言した。
「俺の名は、伊月…紫龍伊月!」
二人はポカーンとしていた。それもそうだろう。いきなり、一人称僕の男が一人称俺に変わったのだから。
それだけではない、今までどれだけ光を当てようとも変わらなかったあの黒髪に紫色のメッシュが入り、もう別人のようになったのだ。そして何より……
「あなた、記憶が戻ったんですか‼︎」
確実にこうなる。名前がわからなかったやつがいきなり名前を言い出したらこうなるであろう。
「説明は後だ。とりあえずこいつを倒す」
伊月は、刺さっていた剣を引き抜き、そのまま構えた。
「一発で決める…」
静かに宣言した。
「Beginning of collaps…」
周囲が暗くなり、月が現れた。
そしてその闇は剣に吸収されるかのごとく剣にまとわりついていく。
「全てをなぎ払え‼︎」
刀を横に思いっきり振る。
一瞬だった。
文でさえも何があったのかわからなかった。
「まぁ、こんなもんかな」
そこには龍が倒れていた。
真っ二つで。
ハイ!今回も見てくださりありがとうございます!hotokeでございます!最近暑くなってきており中々、頭が働かないことが……w
まぁ、何はともあれ第3話を投稿できたのでよかったと思います。
次回の事は考えておりません!行き当たりばったりでやっていきます!