伊月「おーい」
男は倒れている少女の頬を軽く叩き起こそうとしているが、少女は一向に起きる様子はない。
射命丸「地霊殿の目の前でまさかこいしさんに出会うとは…」
男の横に立つ、黒髪の少女、射命丸文だ。
ここは地霊殿の目の前。
倒れている少女…古明地こいしはこの地霊殿の主、古明地さとりの妹なのである。
こいしは無意識で動いているため普通なら妖怪であっても気付くのは難しい。それなのにこの男、紫龍伊月はいとも簡単にこいしの存在に気付いたのである。
こいし「…うーん…」
子供の声がした。
その場にいた者の全員が誰の声かわかった。
古明地こいしの声だ。
一回聞いたら耳に残るような声だった。やはりまだ子供で幼い声であった。
射命丸「とりあえず、さとりさんの所に連れて行きましょう」
射命丸はそう言うとこいしを背負い歩き始めた
それに続き伊月たちは歩き始める。
射命丸「ハイ!やってまいりました!地霊殿でございま〜す!」
射命丸は地霊殿の玄関と思われる所で全力ではしゃいでいる。
こいしは今伊月の背中で寝息を立てている。無防備すぎでは無いのだろうかこの娘は。
早苗「とにかくさとりさんに会いに行きましょう」
そうなのだ。今、こいしがいるとしても不法侵入になる。まぁ、幻想郷ではそんな事では罪にはならないが身の安全が保障されない。
慧音「私、地霊殿って初めてなのだけど…」
そうだったのか…。確かに地霊殿に慧音さんが行ったという事は聞いた事が無い。
???「ようこそ地霊殿へ…」
どことなくこいしの声に似ている声が聞こえた。目の前の階段を見るとそこから一人の少女が降りてきていた。
古明地さとりだ。
フリルの多く付いたゆったりした水色の服装に膝くらいまでのピンクのスカートを履いている。
桃色というか薄紫のような癖っ毛に赤いヘアバンドをしていて、そこから無数のコードが胸元に浮いている眼のようなものに繋がっている。
さとり「こんな所までよく来てくれたわね……しかも、とても珍しいお土産も持って」
伊月たちはさとりの部屋にいた。
しっかり伊月に自己紹介させてから
各々座っていたり立っていたりして自由にしている。
お土産とは恐らくこいしの事だろう。こいしはさとりでも気付くのは難しいらしく、中々会えないらしい。
射命丸「とにかく、こいしさんは預けますね」
そう言うと射命丸は伊月の背中からこいしを抱き上げ、そのまま部屋の
ソファに寝かせた。
相変わらずこいしは寝息を立ていた。伊月のあの技はそんなに威力があるのだろうか…
と、思った矢先こいしは眼を覚ました。
こいしは寝起きのようなトローンとした眼をしていた。
こいし「あー、おねーちゃんだー」
こいしは起きるなり突然そう言うとさとりに抱きついた。
さとり「な、なにしてるの!こいし!」
さとりは顔を若干赤くし、あたふたしている。
その様子がとても微笑ましく伊月は笑い出してしまった。
伊月「あはは、お前ら本当に仲良いらしいな」
伊月は笑いながら、言っていた。
それを見ていた射命丸はなぜか変な感覚になった。
伊月さんの眼…すごい悲しそうでした…
なぜか射命丸はそう感じた。
気のせいかな
射命丸は、気のせいという事にし色々と聞かせてもらうことにした。
射命丸「そういえば、お空さんや燐さんには会いませんでしたね〜?どこかへ出払ってるんですか?」
そうなのだ。いつもなら少なくともお燐とは出会うのだ。それは何回も旧都を訪れている射命丸だからこそわかることだった。
さとり「それがなぜかみんないつの間にかいなくなってしまったのよ」
さとりは抱きつかれながら答えた。
しかし、その言葉はあまりにも衝撃が強かった。
伊月「いなくなっただと?」
いなくなったという言葉に一番反応したのは伊月だった。
さとり「えぇ…なぜかいなくなってしまったのよね…どうしてかはわからないけれど」
慧音「霊夢たちもいなくなったの、これは何か異変の匂いがしますね」
胸騒ぎがする。伊月は無言で険しい顔をしていた。
爆発音がした。それも聞き覚えのある音だった。
伊月「なんだいきなり⁉︎」
突然の爆発音。
早苗は部屋の窓から外を見た。
早苗「何ですか…あれ…」
案の定、窓の外にはありえないものがあった。
一部から炎が吹き出ているのである。それも勢いよく。
このままでは旧都に被害がでる。
伊月「おい!あそこにはなにがある⁉︎」
伊月は急かすように大声を上げ問いかけた。
さとり「あそこは……間欠泉地下センターがある場所です!」
伊月達が間欠泉地下センターの上に来る頃にはあの嵐のように吹き出ていた炎も消えていた。
その穴を覗いて伊月が言った事といえば
伊月「深いな…」
ぐらいしか言ってないのである。
しかし深いのに変わりはなくどう降りようか悩んでいるところであった。
射命丸「普通にエレベーター使えばいいじゃないですか」
と、射命丸は提案したが炎が吹き出した後だ。なにが起こるかわからない。という風に話が一向に進まないのである。
早苗「じゃあ、射命丸さんが伊月さんを背負うというのはどうでしょう。この前に伊月さんが倒れていた時は背負ってきていましたし」
射命丸「いや、普通に無理でしょう。この高さで伊月さん背負ったら墜落しますよ?」
伊月「さりげなく、傷つけてるのわからないかなぁ」
伊月はわざとらしく少し大きな声で呟いた。しかし、射命丸はそれをあえて聞き流していた。
伊月「どうしたもんかね〜、このたかさじゃあな〜」
伊月は穴を見ながら、呟いた。
この人達は落ち着きすぎじゃないだろうか…もしかしたら大変な事になるんじゃないかと慧音とさとりは強く心の中で呟くのであった。
伊月「あぁ!もうめんどくせぇ‼︎」
伊月は頭をかきむしった後、深呼吸して、
飛び降りた。
「「ええええええ⁉︎」」
全員、同時に穴を覗いた。
もう既に伊月の姿は見えなくなっていた。
早苗「と、とととりあえず私たちも行きましょう‼︎」
早苗はそう言うと軽く飛び、落ちていった。
慧音「早苗さんまで⁉︎」
射命丸「早苗さんは平気でしょう。いざとなったら奇跡がありますし。」
さて、と射命丸は腰に手を当て穴を眺めている。
射命丸「さ、皆さん行きますよ」
射命丸はそう言うと飛び降りた。いや、この場合は飛び降りるというより浮くという感じでゆっくりと降りていった。
残された慧音とさとりは顔を見合わせたのち、なくなく降りていく事になるのであった。
慧音とさとりが降り立った時には伊月も射命丸も早苗も降り立ったっていた。
さとり「伊月さん、無事だったんですね!」
どうやら伊月の話によると、伊月の刀「極彩霧」を壁に突き立てブレーキをかけたと言っていた。
それが本当ならそれで折れていない刀の方が怖いと思う。
早苗「とにかく爆発の原因を探りましょう!」
早苗はとても元気よく提案した。
さとり「そうですね、ここはお空がいるのですが今はいないので私が案内します。」
そう言うとさとりは歩き出した。
少し歩いた先には核融合炉と言われる場所がある。基本的にお空がいるらしいが今はいないらしい。
伊月「特に異変はないな」
伊月は辺りを見回しながら呟いた。
当然核融合炉なので暑いのであろうがなぜか暑さを感じない。伊月に聞いたら極彩霧の力といって聞かない。もうめんどいので慧音は問いただすのをやめた。
射命丸「みなさーん!こんな物見つけました〜!」
そう言う射命丸の腕の中には子供1人くらい入る程の大きさの卵状の物があった。
伊月「なんだそれ、そんなもん捨てとけよ」
伊月は見向きもせず捨てろと吐き捨てた。慧音はその卵を見て、能力で探ろうとしたが途中で途切れた。
慧音「やはり伊月さんも龍の事も卵の事でさえも調べられない……どういう事……?」
慧音が顎に手を当て考え始めようとした瞬間に風が通り過ぎた。
そして謎の威圧感を覚えた。
慧音「何?…」
振り向くとそこには全身銀色の龍のような甲冑に身を包んだ騎士などの聖なるものよりももっと邪なるもののように見えた。
顔すら見えないのになぜかその甲冑をつけた者が笑っていると感じた。
それに気づき射命丸たちがその甲冑をつけた者に視線を向ける。
それを甲冑の者が確認するように眺めた。
すると頭の中に直接声のような物が流れ込んできた。
最初は龍の咆哮のような物だったのだが、次第に咆哮から言葉に変わっていった。
「進化のため」
それが龍が最初に発した言葉だった
ハイ!こんにちはhotokeでーす!今回は頑張って長めに書いてみました!そして何日かに分けて書いたので所々あれ?これどういう事?などという事があるかもしれませんがご了承ください!って後書きに書いても意味ないや(汗)えぇっと、まぁ無事に4話?あれ?5話だっけ?の投稿が出来ました!まだまだ続いていきます!どうぞ気長にお待ちください!どうもすいませんでした!