昔おばあちゃんに聞いた。
この世界は二つの世界がある。
一つは、そう今私たちが暮らしているこの世界。もう一つは、私たちが暮らしている世界とは別にあるもう一つの世界。そこでは妖怪が平和に暮らしていると。
幼い僕はその話に一つの疑問を感じた。
「おばあちゃん、妖怪の世界はどこにあるの?そんなの僕見たことがないよ」
「それはね光ちゃん、妖怪さんたちのいる世界と、今私たちが住んでいる世界との狭間に結界が張ってあるからだよ。結界のおかげでこちらの世界とあちらの世界の境界線がはっきりしているんだよ」
「境界線てなにおばあちゃん?」
幼かったあの時の僕は首をかしげ、おばあちゃんの話に問をぶつけることしかできなか った。
子供の頃って本当に知識に貪欲だったってのがよくわかる。今もし、あの時聞いたおばあちゃんの話を聞いても、くだらない年寄りの戯言にしか聞こえないだろう。
あの時だから、あの幼かった時におばあちゃんが話してくたから、だから、だから僕は今でもあの話を信じてることができた。
あの時は目をキラキラに輝かせながら、おばあちゃんと話しをしてた、新しい知識が入ってくるのがとても嬉しかったんだ。
幼かった僕の問におばあちゃんはきちんと返してくれてた。そして僕の頭の中にまた一つ新しい知識ができる。その時間はとても楽しかった。
だけど時が経つにつれておばあちゃんとの話す機会が減り、さらに時が経った今、全くおばあちゃんと話さなくなった。
だけどおばあちゃんとあの時話したことは今でも覚えている。もちろん今でもそのもう一つの世界のことを信じている。
もう一つの世界があってその世界で妖怪達が暮らしている。僕のいる世 界とは全く違う界。皆は信じてないようだけど僕は信じている。
学校でこのもう一つの世界の話をした。僕は真剣に、昔おばあちゃんから聞いた話を友達に語った。なんとか友達にもこの素晴らしさ、もう一つの世界があるといつことをわかって欲しいから、頑張って話した。けど何故か皆笑いながら話を聞いていた。
「お前まだそんな昔話信じてるのかよ?馬鹿じゃねーの?今の時代幽霊やらも解明されつつあるのにそんなもう一つの世界なんてあったらさ、今頃科学者が発見してるぜ?」
「違うよ、妖怪たちのいる世界はこの世界とは境界線で区切られていて僕たちには見ることも触れることもできないんだよ?だから誰もわからないんだよ」
「お前本当に頭いかれてんじゃねーの?そんなの年寄りの昔話だって、信じるなよ、馬鹿だな、普通に考えてみろよ」
「いや絶対にある。おばあちゃんがそ う言ってたんだ、おばあちゃんは嘘つかないよ」
「お前さ普通に考えてみろよその境界線は誰かが見たのか?見てないだろ?そしたら信用できないだろ?な?」
最もすぎる答えに反論できずに下を見て黙り込んでしまった。
そんな僕を見て皆は一回顔を見合わせた。
一人がこんなくだらないバカほっといて皆でカラオケ行こうぜと言い出した、そうすると、いいね行こう行こう。皆口々に言って教室から出て行く。
(待って)
そう喉まで出かけたが呼び止めたところでどうすることもできない。
「あーじゃあ俺たち帰るは、じゃーなー」
教室には僕一人になった。
一人になった僕は皆が信じてくれないのが悲しくて、そして皆に何も言い返せなかった自分が悔しくて、家まで全速力で走った。だけど体力が続くはずもなく、途中の公園のベンチで一休みすることになった。
誰もいない公園、その静かさは心を落ち着かせてくれるものだった。
自然と顔が下がりさっきのことを考えてしまう。
よくよく考えたら、さっきのみんなが言ってたことのほうが正しいのかもしれない、だけどおばあちゃんが嘘をつくとも思えない。
だ けどやっぱり............。そう思った時だった。
バリーンと何かが砕けるような割れるような音がした。
公園が静かだったためにその音はよく聞こえた。頭のてっぺんから足先まで突き抜けるような気持ちのいい音。
例えるならガラスを思いっきり割った時の音に近い。
カラスたちが音に反応して電柱から飛び立つ。
カラスの羽が空から数枚降りてくる。
下を向いていた顔が反射的に起き上がった。
そして、自分の目を疑った。
目の前に信じられない光景が広がっている。
白髪の美少女が刀を片手にその場に立ち尽くしている。
その少女は人間らしいがどこか人間とは違うオーラを持っている。
そもそもこんな時代に刀を持って、公園に立っているということがありえない。
もし、本物の刀じゃなくとも、そんな物騒なものを持ってこの御時世に公園にはいない。
それよりも僕の目を奪ったのは、彼女の背後にある風景。
さっきまで、さっきまで集合住宅のアパートだったところが......森に変わっている。
ありえる筈がない、目をこすってまた見直す。それでも森はそこにある。
目を今度はさっきよりも強めにこする、だけど目の前の光景は変わらない。
僕は凄く興奮した。今までの人生の中で一番。
もしかするとこれがおばあちゃんが言っていた妖怪の世界、こことは違う別の世界なのかもしれない。
もし、もしこれがおばあちゃんが言っていた世界なら、もしかして今僕の目の前にいる子は...人間じゃない?
今回は私の作品をお読みいただきありがとうございます。
誤字などがありましたら申し訳ありませんm(._.)m
次の話は出来次第投稿します。
次回妖夢がなぜあの公園に現れたのかを書こうと思います。