謎が増えました。
目を覚ますと同時に、乱雑に閉められたカーテンの隙間から差し込んでくる光を感じた。どうやら朝が来たようだ。幽霊でも寝れるのか…
「んん…んーっ…」
渚は伸びをすると、よろよろと自分の寝ていたベッドから降りてきた。
別段寝相が悪いわけではなく、寝癖も付いていなかった。
パチャパチャと顔を洗い、客間のテーブルに座った時にふと思った。
「……物に触れてる…?」
最初は触れなかった。何でもかんでもすり抜けてしまっていた。しかし今は違う。ベッドで寝て、水を掬って顔を洗い、椅子に座ったりしている。
いつ触れるようになったんだ…?
「考えても仕方ないかな…」
というか、七色さんが来ないな。まだ寝てるのかな…?
ま、起きてたらそのうち来るよなぁ
「さて、そしたら金目のものを集めるかぁ…」
何かあったっけなぁ…あ、この壺ってなんだっけ…
渚はゴソゴソと家の中のものを探していた。その時、七色さんは既に起きていたとも知らずに…
その頃、公園で。
『いっちに、さんし!ごーろく、しっちはっち!』
「ラジオ体操なんて…久しぶりね」
「あら、毎朝やらないと、体がダメになるわよ〜?」
大家さんと七色さんは、公園でラジオ体操していた。
朝のラジオ体操は意外に人気らしく、かなりの人が集まっていた。
「ふーっ…いい運動になったぁ…」
「それじゃ、帰りましょうか〜」
「あっ、ま、待ってください!」
渚の部屋で。
「おおーっ!これは!まだあったのかぁ、このゲーム!」
渚はもはやゲームを掘り起こしていた。
「なぎさー、ただいまー」
お、あいつが帰ってきた。てか起きてたのかよ。
「あのねー、さっきねー、公園で…何してんの?」
七色さんは部屋を見るなり、うわっ、みたいな顔をした。
それもそのはず、部屋はもうめちゃくちゃ物が置いてあり、とてつもなく散らかっていたからである。
「いやー、ゲーム探すの楽しくってw」
「はぁ…今日はこの家の片付けしましょうか…要らないものは全部売り払うわよ」
片付けもあらかた終わり、また夜が来ると。
「お腹空いたよー…」
七色さんが完全に伸びていた。
まぁこのクソ暑い中、ろくに何も食ってないからなぁ
俺は相変わらず、腹は減らないけど。
「うーん、倒れられても困るし、コンビニでも行くか。確かこっから近かったはずだし」
「あんたが行ってきてー私はもー無理ー」
…マジか。
「ヤダヤダ歩きたくないよヤダー」
「うわ、めんどくせぇ…」
…仕方ないなぁ
アパートを出た時に気が付いた。
そういえば、俺の姿って人に見えるのだろうか…?
物に触れるようになったワケだし、たぶん大丈夫…だと思うんだけど、正直不安しかない。
と、考え込んでいたその時だった。
「…ね、ねぇ、そこの君…」
誰かに後ろから声をかけられた。職質か?とか思ったけど、その声はどこか懐かしいようにも感じた。
ふと振り返ってみるとそこにいたのは…
「渚…有村 渚、だよね…?」
昔なじみの齋藤 吉見(さいとう よしみ)だった。
「お、おう…久しぶり、だな」
あまりに急な出来事だったので、曖昧な返事しかできなかった。
吉見は、少し躊躇うと、いきなり抱きしめてきた。
「はっ!?ちょ、お前何を!?」
「いや…その、えっと…死んだって、聞いてたから…その…」
齋藤 吉見。身なりは普通の、どこにでもいそうな女子高生。しかし、中身は『男』だ。しかし女学園に通っている。お前はエロゲの主人公か。
「えっと…その…会えて、良かった…」
そういやこいつ、けっこう甘えん坊だったか…もう軽く1年は会ってねぇぞ…
しかもこいつ、その後こんな事を言い出しやがった。
「後でまた久しぶりに渚の家行きたーい!今日は親が帰ってこないからさみしーんだ〜♪」
「はぁ!?」
いや、頼むから帰ってくれ!ガチで!
今家には七色さんとかいろんなものがごちゃごちゃしてるんだ!マジで頼むから!
「帰った方が…いい、かな…?」
吉見はアホ毛をシュンとさせ、あからさまに落ち込んだ様子を見せた後、上目遣いで懇願してきた。負けた。
「あぁもう…分かった、分かったから…はぁ…」
「やったー!」
吉見はたいへん喜んだ様子で、スキップなどをして、喜びを表現していた。しかしよく考えろ、こいつは男だ。こいつは男なんだ。間違いは起こるわけないし、起こさせない。あと、大家さんにはバレるわけにはいかない。わりと面倒な事になりそうだし。
「ね、ね!手繋ごうよ!」
「はぁ!?このクソ暑いのに嫌だよ!」
「ボクが繋ぎたいって言ったら繋ぐの〜!」
…子育てしてるパパの気持ちがよく分かる気がする…
あ、てかまだコンビニ行ってねぇじゃん。
「あいつー…遅いなー…死んじゃうよぉ…」
「とりあえず先にコンビニ寄らせてな?」
「分かったー!いこいこー!」
そう言うと、吉見は俺の腕をグイッと引っ張り、駆け足で近くのコンビニへ向かっていった。
「あっ!ちょ、引っ張るなよ!」
こいつと居ると、退屈しないで済むな、やっぱり。
「………」
近くのビルの上からは、その様子を見ていた人影が1人。
「………いた、あいつか。」
「ようやく見つけたぞ…脱走者め…」
伏線じみた言葉を残して、その人影は、夜の闇に消えた。
「……ん…?」
「??渚、どうしたの?」
「いや、なんでも…」
渚も、この気配には少なかれ気が付いていた。
こうして、この日もやはり、時は流れていく。
何もせずとも、明日はやってくるのだった。
絶対続く。
お久しぶりです!汐留夏華です!
いやー、もうすっかりクリスマスですねーw
私は特に予定は無いんですけどね(白目)
実は、今回の4話。これ1回飛ばしてクリスマス特別編しようと思ってたんですけどねw
なんか虚しくなってきたんでやめましたw
今回から新キャラの男の娘枠登場ですね!
男の娘大好きです、私←
あと、伏線じみた謎キャラ!いいですよねぇw
完全に趣味丸出しですけどねw
では、今回はこの辺で。
次回もお楽しみに!