インフィニット・ストラトス〜再始動するもう1人の天災   作:ネヘモス

2 / 6
IS学園への編入は鈴が転入する時期と同じにします。


二人の天災

 

先日の秋葉原IS襲撃事件より1週間が経った。鑑家周辺は報道陣や研究各所の関係者で埋め尽くされていた。

 

「ねえ、兄ぃ。本当にIS学園に行かなくていいの?」

 

「やだね。何せ俺は『YD』だからな」

 

YDー純一郎曰く「やりたいことしかできない病」。純音はこの兄の言い訳にいつも振り回されていた。それは純一郎が銀杏の教師になってからも続いた。

だが、そのお陰かどうかは分からないが、多くの生徒が彼に救われた。元生徒会長・桃園マキナからバイトをやっていただけで退学に追い込まれそうになった式島切子、野球が出来なくなり、不良街道真っしぐらだった七海征十郎、自分の声に自信を無くし1年前まではメールで会話をしていた千波花音、漫画を描きたい一心で学校に来なかったが学校で描いてもいいと言われて学校に来始めた天上院騎咲、中学の頃のトラウマのせいで外にすら出なくなっていた荒木光太郎と挙げればキリがない。でも、そのお陰で彼らは各々の進むべき道を見つけることができた。

だから、言っても無駄だろう。この兄は最期の瞬間まで「YD」を突き通すだろう。重音さんがそうしたように。

 

「でも、このままだとうかうか外に出られねえなあ…。仕方ない」

 

しぶしぶと言わんばかりに携帯を取り出す純一郎。ダイヤルを押してコールしたのは、

 

『もすもすひねもすー?みんなのアイドル束さんだよー!』

 

「相変わらずだな、束」

 

『その声はかがみんかなー?どう?その後「ツイン・ウロボロス」の調子は?』

 

「抜かせ。誰がISの基本技術確立したと思ってる?」

 

『かがみんに決まってるじゃーん。尤も、バカな女共はそれを葬り去った訳だけど』

 

「兄ぃ?さっきから誰と話してるの?」

 

純音が話について行けてないらしい。

 

「悪い、スズ。少し席外しててくれ。」

 

純音は何だか納得いかないと言うような顔をして部屋から出て行った。

 

『じゃあ、邪魔者も居なくなったわけだし、本題に入る?』

 

「そうだな。じゃあ束、頼まれてくれるか?」

 

純一郎は束にマスコミの収束を頼むことにした。…当然条件付きで。

 

『じゃあやっとくからねー!バイバーイ』

 

そう言い残すと束は電話を切った。後は、桃園マキナ(変則ツインテール)柊暦(オプション付き)に説明するだけだが…、と。純一郎は意を決して外に出ることを決意した。

 

当然外に出た瞬間に質問の雨あられ。そして、どの質問も無視して純一郎は話すことにした。女性権利団体に葬られた真実を。そうすれば、しばらくはあいつらも下手には動けないだろうし、何より面白そうだったからである。

 

「マスコミの諸君!聞いて驚け、ISのコアを作ったのは他ならぬ『篠ノ之束』だが、ISの設計の根幹を作り上げたのはこの俺、鑑純一郎だ!!」

 

ざわつき始めるマスコミその他諸々。そこに更なる拍車をかける。

 

「なら見せてやる!この俺の『専用機』を!」

 

白衣の右袖から赤いガントレットを見せつけるように構え、専用機(あいぼう)の名前を呼ぶ。

 

「行くぜ!『ツイン・ウロボロス』!!」

 

眩い粒子が彼の体を包み込む。そして光が収束した時、それは大空へ飛び立った。上空を舞ったそれは元の場所に戻るとそこには西洋風の赤い甲冑の様な装甲を持つISを纏った純一郎の姿があった。その姿となって彼は高々に宣言する。

 

「俺、鑑純一郎は来週付けでIS学園に生徒として入学する!そして、そこを出るまではどこの国にも属さない!さて、俺が言いたいことはこれだけだが、マスコミ諸君。君たちは早々に立ち去ることをオススメする。じゃないと…」

 

ISを解除した後眼鏡を外して目を細めて一言。

 

「お前たちの会社のコンピュータをハッキングして二度と使えないようにする」

 

その鋭い眼光にやられたのかマスコミ各社は虎の子を散らす様に家の前から去っていった。

 

 

 

 

 

『ーーと、言うわけだから!来週からかがみんの事よろしくねー!』

 

「ちょっと待て!話が見えん!」

 

束は千冬がどうこう言う前に電話を切った。千冬はかなり混乱していた。

まず、ISを作ったのが篠ノ之束ではなかったという事実、その人ががもう一人の適合者という事実、そして最も気になったのが…第1世代のISで第2世代の打鉄を打ち負かしたという事実だった。だが、あの「ツイン・ウロボロス」という機体は性能的には第3世代に匹敵すると束は言っていた。

 

「鑑純一郎、束の所為で世界から忘れられていた『天災』か……」

 

 

 

 

 

その頃、某国某所にて。

 

「ねえ、オータム聞いた?」

 

「2番目の男性IS適合者のことか?」

 

金髪の美しい女性がガラの悪そうな女性と話をしていた。話題は他でもない、「ISの根幹の設計者」にして「第2の男性適合者」の純一郎の事だった。

 

「正直、あれが言ってることは本当なのか?」

 

オータムと呼ばれた女性はどこで手に入れたか分からない純一郎の経歴を眺めながら呟いた。

 

鑑純一郎

頭脳明晰だが体力に難あり

7つ下の妹がいる

若干17歳でイギリスの科学誌「ネイチャー」に載る論文を提出する

以降7年間消息不明(本人は家でアニメブログの更新をしてたと主張)

24歳で東神鳴高等学校の物理の非常勤講師として一ヶ月勤務、その後無職に戻る

と、思われたがそこを柊暦に拾われて銀杏学園の高等部2年3組の担任となる。その後色々な生徒を更生させて、一部の生徒からは究極の教師(アルティメットティーチャー)として尊敬の念を向けられている。

 

「あっ!?」

 

オータムが突然の大声を上げた。

 

「どうしたの、オータム?」

 

「確か、ISが出たのって…!」

 

オータムの記憶が正しいならおおよそ7〜8年前の話である。そして、7年間空白になっている純一郎の経歴。

 

「これで決まりね。多分あの人がIS学園に入る頃にはクラス代表対抗戦が有るはず。そこにゴーレムを放ってみましょう」

 

水面下で恐ろしい計画が着々と進んでいることをこの時誰も知らなかった。

 




ここまで読んでくださりありがとうございます。ここで、純一郎の機体のスペックを紹介しようと思います。

ツイン・ウロボロス
第1世代型IS(但し、性能は第3世代に匹敵)
簡単に説明すると、電波教師原作の「ウロボロスオンライン」の「ザ・ファースト」の姿をそのままISにした感じ。(原作でも飛んでたから問題ない、問題ないよね?
武装はリーチが短めのツインブレードとスナイパーライフル。操作は結構システム頼りの部分が多い。

感想、誤字報告などありましたらお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。