インフィニット・ストラトス〜再始動するもう1人の天災   作:ネヘモス

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ゴーレム襲撃前日


赤騎士

某国某所ー亡国企業(ファントムタスク)の本拠地。

 

「おい!確か、明日にゴーレムを向かわせる手はずでいいんだな?」

 

オータムがスコールに作戦の確認を取っていた。

 

「ええ。ついでにもし、坊やがゴーレムを倒せないことが分かったらこちらに引き込むのも忘れないでね」

 

「坊や…ねぇ…」

 

 

 

 

 

 

その坊やと最後に会ったのは第二回モンド・グロッソの誘拐事件以来である。あの時確かに織斑一夏を拉致監禁して織斑千冬の連覇を阻止しようと動いた。だが、日本政府はこの事を千冬に伝えなかったらしく、そのまま試合に出ていた。

使えないガキだ、心の中でそう呟いて私はISを展開した。アラクネと呼ばれる蜘蛛のような自身のISは自分でも分かるくらい気味が悪かった。少年は絶望の眼差しで私を見た。うざったい、そう思った私はISで少年を殺した。いや、正確には殺そうとした。

 

「重音以外に理不尽な死を見るのはもうたくさんなんでね、そろそろ邪魔をしてもいいか?」

 

その声はボイスチェンジャーによって老若男女区別がつかなかったが、これだけは覚えてる。

一対の双刃が私の攻撃を妨げた。私の邪魔をしたそれはフルフェイスのISだった。全身を赤い装甲で纏い、あの白騎士を彷彿とさせるIS。私は本能でそれから離れた。

 

「織斑一夏!そこを動くなよ、絶対だからな!」

 

それは少年に注意を促すと双剣の片方を仕舞う。そして、

 

単一仕様能力(ワンオフアビリティー)ーBallet Sword Unlimited !!」

 

瞬間、私のISが大破した。体制を立て直そうとして、私の喉元に鈍く光る銀の刃が突きつけられた。

 

「今すぐ、ここにいるお仲間さんと一緒に立ち去ることを推奨するよ。篠ノ之束を敵に回したくないなら…ね」

 

「貴様…!一体何者だ!」

 

私は肺に残ってた空気を全部吐き出す勢いでそれに問うた。

 

「俺は、世界に忘れられたもう1人の『天災』、そして、女性権利団体によってその存在をなかった事にされた者」

 

それだけ言い残すとそれは大空に飛び立った。その後ろ姿はまるで空を飛ぶ火の鳥を見てるかのようだった。

その後、私はスコールと合流してその場を離れた。すると、それの言った通りにそこに暮桜を纏った織斑千冬がやってきた。もし、あの場にいたら私たちはどうなっていたか。想像するのも腹立たしい。

 

あれから1週間が過ぎたある日。

 

「くそ!結局あの赤いISに関しての情報は全然掴めない!そもそも、あれは本当にISなのか?」

 

「存在を忘れ去られた『天災』…ひょっとして、ジュンのことかしらね?」

 

「は?ジュン?」

 

スコールが聞き覚えのない名前を口にした。

 

「オータム、『どこでもドア開発論』って論文聞いたことない?」

 

それくらいは知っている。一見くだらないようで世界に震撼をもたらした科学誌「ネイチャー」で発表された論文。論文を発表したのは日本の学生、鑑純一郎。…ん?

 

「おい、スコール。お前の言う『ジュン』ってまさか…!?」

 

「そのまさかよ。と、言うか私の初恋の相手よ」

 

唖然とした。まさかスコールにマトモな恋をした時期があったのかと。

 

「今失礼なこと考えたわね」

 

「そんな訳ねぇだろ!で?そのジュンのどこが気に入ったのかしら?」

 

いつもスコールから弄られまくっている。この際だからこっちが弄ってやろう。だが、その考えは浅はかなものだった。

 

「ジュンはいつもやる気がなさそうで、いつもアニメばかり見てて、理解に苦しむ存在だったわ。でもね、彼は『自分のやりたい事は必ずやる』という信念を持っていたの。私もそれに惹かれて、テロリストやってるわけ」

 

なるほど、分からん。深く聞こうとしたが余計に謎を増やしただけの様だった。すると、スコールはおもむろに立ち上がり、こんな事を告げた。

 

「私が亡国企業を立ちあげる前、ジュンが私に言っていたことがあるの。『この世界は面白くない。今の世の中は束が望んだ理想の世界(リアル)でも、重音が望んだ架空の世界(フィクション)でもない』って。その時のジュンの顔、とても悲しそうだった。だから私は決めたの。害悪な女性権利団体(ガン細胞)を取り除くと。全てはジュンが望んでる世界を作るため、その為に亡国企業を立ち上げた」

 

知らなかった。亡国企業の誕生にそんな裏があったとは。するとそこに

 

「お姉さん、ここどこ?」

 

スコールが連れ去ったもう1人の人質が目を覚ました。

 

「ここは、あなたの新しい家よ、織斑マドカちゃん?」

 

 

 

 

 

深夜遅く、IS学園学生寮の純一郎の個室にて

 

「やっと見つけたぜ」

 

純一郎は亡国企業が襲撃したと思われる施設の情報を集め、とある人物の捜索をしていた。

その人物の名は「織斑マドカ」、織斑一家の次女であり、一夏の妹であり、自分が助けられなかった人物。あの蜘蛛のようなISと戦闘をした時に禁断の単一仕様能力を使わざるを得なかったので助けることができなかった少女。純一郎はIS学園に来てからずっとマドカの捜索をしていた。

彼女がいないと面白くない。この物語は彼女の存在がいればこそ面白くなる。そして、彼女は今「亡国企業」、そして「サイレント・ゼフュルス」を駆る専用機持ち、ここまであれば先◯クェー◯ーくらい余裕のレベルである。後は、

 

(スコールのヤツがどう動くかだが、恐らくマドカも来るだろうな…)

 

純一郎が情報収集用のパソコンを仕舞い、別のパソコンにとあるUSBメモリを刺す。その内容は

 

『The Origin of Infinite Stratos

IS NAME:The Knight of Red

One of Ability:Ballet Sword Unlimited 』

 

全てのISの起源にあたるIS、『赤騎士』の単一仕様能力のデータだった。





・赤騎士
第?世代型IS
搭乗者:不明
目撃者は織斑一夏とオータムのみ。見た目が白騎士によく似ている赤いIS。他は全て謎。
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