「いや弱かったなワンサマ。」
「剣があんな綺麗に勝ったりするからだろ!?おかげでオルコットの奴油断して無かったし…あぁ、ダメだ。相手に隙が無いなら作れるようにならねーと。」
結局、あの試合はグングニルがオルコットの鳩尾に直撃して俺が勝った。…山田先生曰くスピードガンで確認したら450km/h軽く出てたらしい。わーお、びっくり。ISすげーや。オルコットも逃げようとしてたけどランペイジテールで引っ張って戻したったし、相対速度的な?感じでめっちゃすごいことなってたわ。
「せやな。…俺のもあれはラッキーって感じや。」
「…時守、お前なぜあそこまでオルコットの攻撃を避けられたんだ?」
あー、それね。雰囲気似てたからやわ。
「中学ん時俺だけやたら水風船投げられたんすよ。しかも冬でも。風邪引かんように逃げまくってて、それ思い出したんすけど。…あ、後はドッヂボールですね。痛いのとか嫌やないですか、やからですかねー。」
「そ、それだけでか?」
「後は勘っす。なんか俺とオルコットの波長みたいなんがあったんすかねー。」
あっはっは!愉快愉快!!
「驕るなよ?」
「分かってますよ。…今回のはオルコットが油断してた。しかもランペイジテールの効果もオルコットはよう知らんかった。やから勝てたも同然ですわ。」
「うむ、…時守、少し真剣な話がある。…通路に出ろ。お前と一夏の試合はアリーナの使用時間の都合上なしだ。」
「?はい。分かりました。」
なんやろ?
「…突然なんだがな、お前の日本国籍が無くなった。そしてお前は自由国籍を取得した。」
「……え?それって…」
「…一夏には私と束というバックアップが居るが…お前には何もない。お前を守るためとはいえ無断でしたのはどうかとは思うが、だからこそのIS委員会の判断だ…、そして、ここからが本題だ。…所属を国連に移さんか?」
…え、ちょっと待って。規模でかすぎて分からんわ。
「こ、国連に所属を移す?できるんすか?そんなこと。しかも自由国籍て…」
「お前や一夏のような特例が出たのでな。…受け入れ体制をとったらしい。籍は自由国籍、所属は国連。…つまりは、だ。お前に手を出そうとする愚かな輩共は国連に加盟している国の全てから敵視されるのだ。自由国籍に関してはあまり今と変わることは無いだろう。ただ日本の法律に縛られることが少なくなる。…お前を守ろうとすれば日本の法律が邪魔をするのでな。」
…は?
「いや、俺にそんな守ってもらうほどの価値なんて…」
「あるさ。たった2人の男性操縦者の内の1人、しかもだ。どうやらお前のクラスでの発言をIS学園の生徒の誰かが自国に報告したらしくてな。そこからドンドン広まって今『優先法』の廃止がほぼ決定したそうだ。」
「それって…」
「あぁ、お前が『優先法』廃止の立役者になったと言っても過言ではない。…男性操縦者で世界を変えた人間。そんな奴を襲ってでもしてみろ。それこそ世界中が敵だ。国家代表たちもお前の意見に賛成でな、『婚期を与えてくれた彼は私達が守る』と言っているそうだ。」
…ってことは。
「つまりは…?」
「お前を襲えば世界各国から攻められ、ISの国家代表クラスにも襲われるということだ。あぁ、あとこれだと親御さんのバックもつくことになる。…まあ国連に所属すれば、の話だがな?」
んなもん…
「所属する以外に道無いんでしょ?」
「…まあな。後、モンドグロッソにも次から『国連代表枠』ができるそうだ。今はお前1人だけだが…頑張れよ?あぁ、後…一夫一妻である必要も無いから一夫多妻にしてもいいぞ?…ではな。」
「は、はぁ……」
…誰かに…聞いてみよかな。
◇
「…彼らは一体、何なのでしょうか。」
シャワーから出る温水が肌に弾かれ、落ちる。浴びている本人はずっと何かを考えていた。
「…織斑…一夏さん…」
つい先程戦った男を思い出す。一回戦には負けたが二回戦は勝った。…勝ったのは勝った、だが、その眼にただならぬものを感じた。どれだけ撃とうと、どれだけ突き放そうと、食らいつき、自らに一撃を喰らわそうとするあの眼。…男として負けられない。そんな意志を感じた。
「…時守……剣さん…」
一回戦で戦った相手を思い出す。一見ふざけているように見えて、自分の攻撃をひらりひらりと交わし、何故かは分からないがあまり攻撃が当たらず、焦り。さらに一次移行を済ませた向こうの機体にしてやられた。――そして何より…
「彼はなぜわたくしを助けたのでしょうか…」
その時は一回戦終了間際まで遡る…
――――――
――――
――
―
「んじゃ、終わりや!!!」
投げられた槍が凄まじい速度でこちらに向かってくる。避けようにも足を尻尾で固められ、さらに相手方向に引き寄せられる。
「きゃあっ!!」
槍が自らの鳩尾に直撃する。全力で放たれたそれは、ブルーティアーズのSEをどんどんと削り…
『試合終了!!勝者、時守剣!』
「っしゃ!どんなもんや!!」
その言葉と同時に、尻尾がISから離れ、それと共に自身の敗北を知る。
そして――
『オルコットさん!?』
『ちょ、ちょっと!!大丈夫!?』
気が抜けたのか、身体から力が抜け、ブルーティアーズすらも解除してしまう。もちろん、動力等も働いていないわけで――
『ま、まずいよあれ!!』
重力に一切逆らわずに落ちていく――
が…
「よっと、…大丈夫かいな。」
「…え?」
先程まで戦っていた彼がISを装着したまま、いつの間にか自分の落下地点におり、自分を受け止めてくれた。
「な、なぜ助けたのですか?わざわざこのように…だ、抱きかかえなくても…先程の尻尾で…」
「女をそんな雑に扱えるかい。…それにな、別に殺し合う訳でもないねん。俺が勝って、んでお前が落ちたから助けた。文句あるか?」
「い、いえ…」
「ま、所謂スポーツマンシップってやつや。…立てるか?これからワンサマと試合やけど。」
「え、えぇ。…大丈夫ですわ。」
そう言うと彼は地面に立たせてくれる。そっと優しく、まるで割れ物が割れてしまわないように…
「腹、大丈夫か?けっこうエグいの入ったけど。」
「…はい、問題ないですわ。」
「そっか、あんなんしといて言うのも何やけど怪我無くて良かったわ。」
ニコリと笑う彼。…しかし、分からない。
「な、なぜあなたはわたくしにそんな態度が取れるのですか!?」
「あ?あー、まあそれは…アレや、お前も女やろ?…やから身体とか顔とかに傷付くの嫌ちゃうんかなー?って。」
「で、ですが!?」
んじゃ、と、彼はバツの悪そうな顔で…
「俺もお前にあんなん投げてもたから、それでチャラにしてくれへん?」
「…わたくしはあなたを…日本を侮辱したのですよ?」
「んなもんちょくで言われた俺が許せばしまいや。」
「ですが!!それではわたくしが自分自身を許せないのです!」
「…そんなら教室とかで皆には謝っとけ。俺とワンサマはもうええで?」
だって、と彼は続ける。
「男も案外やるって…分かってくれたやろ?」
―
――
――――
――――――
「…知りたい。あの方の…信念をもっと…」
それは興味となり――――
「その誰にも曲げられないであろうその意志を…」
そして――――
「貴方自身を…時守…剣、さん…」
好意へと変わっていく――――
◇
「妹ぉ?」
「うん、簪ちゃんって言うの。日本の代表候補生なのよ?」
「これまた凄い名前やな。」
簪て。そりゃ『ちょんまげ』よりかはマシやと思うけど。ヘアピンちゃんとかよりも。
「む、簪ちゃんのことそんな風に言うといくら剣君でもおねーさん、怒るわよ?」
「冗談や冗談。…で?その妹がどないしたん?」
「織斑一夏くん、知ってるわよね?」
知ってるわい。
「おう、ワンサマやろ?」
「ワンサマ?…ま、それは置いといて、…彼の専用機『白式』ってあるでしょ?」
あぁ、あの〜…
「おう、小麦粉まぶしたみたいなやつやろ?」
「…どんなかは知らないけど…、彼のね、その白式の開発にスタッフを割いてしまったせいで…」
「読めた。専用機の開発が止まったから手伝えと?」
「…そうよ、随分鋭いわね。」
あざァーす。…でも待てよ?
「どないして手伝うねん。俺そんな知識無いし。」
「操縦ログとかあるでしょ?」
「せやけど…足らんやろ?」
「これから足せばいいのよ。」
「えー、でもなー。」
…ってかそもそもなんで楯無が手伝わんの?…あー、あれか?妹のこと大好きやけど恥ずかしいから言い出せないみたいな?…変なとこで乙女チックやなこいつ。
「…酷い…抱いた私のお願い、聞いてくれないの?」
「だ、抱いて無いやろ…いや、抱いたけども…抱きしめたやろ…?…うわなんか自分で思い出して恥ずかしなってきた。」
「乙女の純情を弄んで……酷いわ剣くん。」
…なんかもう永遠に終わらん気してきた。…ったく。
「しゃーなしな?」
「ふふっ、ありがと。…これが簪ちゃんよ?」
お、写真か…へー。
「姉妹揃ってべっぴんさんとはな。…お前らのお母さん何もんやねん。」
「…なんで息を吐くかのようにそんな言葉が出てくるのかしら…」
ん?なんか言うた?
◇
「
「何で中国―日本間なのに英語で聞いてくるのよ…。えぇっと…
「
「
チョロコットさんがログイン(ハーレム的な意味で)しました。