と言うことでオリ回ですどうぞ。
「待て時守っ!!」
「嫌です!!なんすか鬼ごっこて!!」
「貴様のスタミナアップのための特別メニューだ!!」
「嫌だあぁぁぁぁぁぁ!!!!」
シャルが転校してきてから5日、土曜日の午後。
俺とちっふー先生は…ひたすら鬼ごっこをしていた。まあ半分フリーランニングみたいな感じやねんけど…
「っき、来た!!化け物!!」
「誰が化け物だ!…よし、捕まった時の罰を増やすか。」
「うわあぁぁぁぁ!!!」
この鬼ごっこは全校生徒に知られているので廊下でもアリーナ付近でも視線を気にすることなく走り続けられる。…まあ中には『織斑先生と鬼ごっこなんて羨ましい』とか言うアホもおったけど顔とスピード見た瞬間に俺の方に向かって合掌しよった。いや、これマジで怖いねんで?
「ははは!私はまだ全力の5割もだしていないぞ!!」
「はぁっ!?マジで人間辞めてますやん!!」
「私は人間だ!!そして女だ!」
「嘘だっ!!」
俺の全速力と5割が一緒て最早人間ちゃうやろ!!
心の中で届かぬ声を叫びながら走る。ああ…風景がどんどん後ろに流れていく…あー、やっぱ土曜の午後やから皆居るなー。
…いやセシリーに簪!?苦笑いしながら手ぇ振らんといてや!助けて!!楯無…あぁ、そういや虚さんがブチ切れとったから今頃のほほんと一緒に生徒会室か…。えーっと、シャルとワンサマが特訓言うてて…モッピーと鈴も行くみたいで、リコピンは今度の中間テスト(仮)の小テストに備えて勉強するとか言うてたな…
…あれ?
「誰か助けてー!!!」
「近接ブレード追加だ!!」
「へ?…ちょっ!!死んだらどないすんねん!!」
「『金獅子』の絶対防御があるだろう!」
理不尽や!!
「あと何時間逃げなあかんねん!!」
「私に聞くな!!」
…は?
「じゃあ誰に聞くねん!」
「答えなど無い!エンドレスだ!!」
「死確定やんけ!!」
「……」
黙らんといてくれません!?ほぼ死ぬこと確定してるやん!
「ま、まああれだ、時守。捕まるなら早く捕まって罰ゲームを受けた方がいいぞ?」
「…その罰ゲームの内容とは如何に。」
「私と更識姉で決める。」
「捕まりたくないわ!!」
捕まったら罰ゲーム、捕まらなくても罰ゲームやんけ!!
「…もう遅いがな。」
「え?」
ポンっと肩に手が置かれる。…え、ちょ…はぁ!?
「いつの間に!?」
「ちょっと、な?」
いやちょっとてなんすか!絶対やばいもん吸ったか打ったかなんかしたでしょ!
「ふぅ…なかなか良い運動になったぞ時守。」
「あ、アレでなかなかっすか。…俺結構本気で逃げてたんすけどね。」
「ふふっ、ではまだまだ伸びしろがあるというところだな。休憩が終わればトレーニングルームに行っていつものメニューの倍だ。嫌ならしなくてもいいが?」
「ば…っ!?…はぁ…分かりましたよ〜っと。3倍ぐらいやってきますよ〜。」
ちっふー先生は息1つ乱さず去っていった。…いつかあれぐらいになれるんかな?
「あ〜、しんど。…行くか。」
まあちっふー先生世界最強やし、メニューに間違いは無いやろ。
◇
時守との鬼ごっこを終えた私は職員室に戻っていた。
…3倍か、身体を壊さなければいいが。
「…はぁ。」
「?どうしたんですか?織斑先生。」
「山田君か。…いやなに、時守とのアレだ。」
「あぁ、クラス代表決定戦の時からやってるあれですか?」
「そうだ。鬼ごっこ、と言っているが…山田君、理由は分かるか?」
「…本人を楽しませつつ、足腰の筋肉をくまなく鍛えて色んな動きを違和感無くできるようになるため、ですか?」
「流石は先生だな。」
「い、いやぁ…それほどでも〜。」
時守、あいつは『殴ったり蹴ったりするほうが好き』というぐらいだから恐らく近接戦闘が向いていると私は思う。
上半身の筋肉はあるが入学当時は足腰がまだ弱かったからな、このトレーニングをしだしてから更識姉との修行の効率も上がっているみたいでなによりだ。
「にしても時守くんすごいですね。この前の小テスト、IS関連は流石に低かったですけど、一般科目はオルコットさんとほぼ同じでしたよ。」
「ほう…まあ本人がISに関わることを楽しんでいるしな、そっち方面も直に上がるだろう。戦闘面もな。」
「え?」
そりゃあそんな反応をするか。
「一夏もかなりの才能はあるがな、周りのコーチがダメだ。教えてくれと言われれば教えるものを…」
「時守くんは教えてほしい、と言ってきたんですか?」
「ああ、国連代表の話があった直ぐ後にな。『弱いまま代表なんて名乗りたくない』と言って元日本代表の私と現ロシア代表の更識姉に頼んで来た。頭まで下げられた時は少し驚いたがな。」
「…この御時世で強くなるためとはいえ、男性が女性に頭を下げる…なんてよくできましたね。」
「ああ、…だから、なのかもしれないな。あいつにはなぜか力を貸してやりたくなるんだ。」
「ふふっ、分かりますよ。先輩。」
ん?山田君が何やら勘違いをしているようだな。…よし、ここはいつも束にしているアレで…
◇
「……………ァァァァァァ!!」
「……ん?な、なんか…聞こえ……へんかった?楯無。」
「聞こえなーい。さ、まだ終わって無いわよ?あと10回!」
「おぅ……ぐっ……うぅっ…!」
ちっふー先生と別れてトレーニングルームに入った俺を待ち構えていたのは同居人である更識楯無。
…そして今俺は彼女を上に乗せながら腕立て伏せをしてんねんけど…
「…なんかいつも、と、あんま変わらんで?」
「え?」
「…お前、ちゃんと飯食ってんのか?」
「う、うん。ちゃんと3食食べてるわよ?」
「ふーん、軽いな。」
「そ、そう…」
…否、まあ確かに軽いっちゃかなり軽いけど…あんま変わらんってことはない。…でも本人に言える訳ないやろ!
「9………10…!!」
「はーい、お疲れ様ー。じゃ、休んだら今度はサンドバッグに打ち込みね?」
「りょーかい。」
ふぅ……行くか。
◇
「(…早い…体力の回復速度が…上がってる?)」
以前はここまで早くなかった。しばらくは肩で息をするかのように激しく息切れをしていたが、今は少し休むだけで直ぐ動けるようになっている。
「(…やっぱり男の子だからなのかしら…)剣くん?ほんとにしんどかったらまだ休んでていいのよ?」
「…大丈夫…や…!!まだまだ…動けるわ!!」
リズム良く突きと蹴りをサンドバッグに叩き込んでいく剣くん。…大方のフォームなどは私と織斑先生で教えたけど…
「(すごいわね…ここまでストイックになれるなんて…)剣くん、軽くなってきてるわよ!」
「…くっ!!」
ドズンッ!!
回し蹴りでサンドバッグが揺れる。と、同時に剣くんの髪から汗が飛ぶ。
ってドズン?
かなり筋肉量と身体の使い方が上手くなってきた…かな?
…織斑先生と相談してそろそろ本格的にISでの模擬戦を入れた方がいいわね。
「剣くん、どうする?そろそろ身体作りは止めて、実践訓練に入らない?」
「…またちっふー先生呼んでくんの?」
「織斑先生とはまだ実力の差がありすぎるから、当面は私と、ね?」
「お前とも相当離れてると思うけど…」
ま、まあそうよね。つい最近成り行きで代表になった剣くんと自分で言うのもなんだけど実力で代表になった私。
「ま、簡単には負けへんで?…男の意地ってもんがあるしな。」
「ふふっ、なら私には代表の意地があるわ。…さ、来なさい?」
男の子の意地ってやつ、見せてもらうわよ?
◇
あれからトレーニングルームを出て、武道場に入った。
…ってか毎回思うねんけどここの武道場誰も使ってへんやんな?
「さ、先攻はあげるわ。来なさい?」
「んじゃ、お言葉に甘えて。……っ!!」
一歩で楯無の懐に潜り込む。…あれ?いつの間にこんな速なった?
「…速…っ!」
「はっ!」
今回のルールは俺が続行不能になるか楯無を床に倒すか、で勝敗がつく。
「あら、そんな見え透いた攻撃じゃ私はこけないわよ?」
「分かっとるわ。…でもなぁ…」
「ん?どうしたの?」
いや前から気になっててんけどさ
「…もしさ、顔とかに突きとか当たったらさ…ほら…」
「?なに?」
「いや、傷とか付くの嫌やろ?」
「…え?」
「ほら、楯無も女やねんし、そんな綺麗な顔に傷付けたくないもん、俺。」
「…だ、だから狙ってなかったの?」
「…うん、…いや、別に楯無のことをなめてるわけちゃうねんけどな?どうも女子にそう言う事できひんねん。ISみたいにシールドとかあって傷付かへんねんやったらええねんけどな。」
「ふふっ、そっか。じゃ、次からはできるだけISを使っての訓練ね?」
え、そんな簡単に決められんの?
「じゃ、今日はもう戻りましょう?行くわよ、剣くん♪」
「おう、って、ちょ!!あ、当たってるから!」
「んふふ、当ててんのよ♪」
心なしか楯無の顔が赤いような赤くないような…まあ間違いなく…
俺の顔は赤い。
楯無の心情の変化については次回!!
ああご都合主義、ああ眠たいからまともに文を考えられない。ああ難産。