IS 西の男性操縦者   作:チャリ丸

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遂に来たぜ!過去最長!!
原作だとこの試合シャルほとんどSE消費してなくないか…?
それと原作のVTシステムってもっと強いだろって思うんだ。


vsVTS 死闘と覚悟と告白と

 

「な、なんやアレ!」

「わ、分からないけど…ヤバイものだとは思う…」

 

 

シャルルが箒を倒し、2vs1となった状況で、俺とシャルルはラウラ相手に優位に試合を進めていた。

俺がラグナロクモードのオールラウンドで近距離のプラズマ手刀を捌き、その間にシャルルが外からの狙撃でシュヴァルツェア・レーゲンのSEを削っていく。AICによってどちらかが止められた場合は、ランペイジテールをラウラの集中の範囲外から叩きつけることにより、逃れていた。

そして、ラウラのSEが残り20%を切ろうとしていた時、それは目覚めた。

 

 

「…アレ…どっかで見たことあるよーな無いような…」

「暮桜だよ…!第一回モンドグロッソのブリュンヒルデ、織斑先生の当時の専用機!」

「はぁ!?なんでそんなもんが……ってクソ!」

 

 

ラウラの身体をシュヴァルツェア・レーゲンごと飲み込み、1つの巨大な塊と化した暮桜(仮)が凄まじいスピードでこちらに向かってくる。ちなみに、俺のSEは残り約60%、シャルルのSEが残り約75%だ。

 

 

 

「シャルル!援護頼む!!今までと一緒や!」

「う、うん!任せて!!」

 

 

 

暮桜(仮)が近接ブレード『雪片』で斬りあげてくる。咄嗟にオールラウンドで防御しようとしたが、暮桜(仮)の動きに俺とシャルルは目を疑った。

 

 

「剣!?」

「何っ!」

 

 

暮桜(仮)は人体では有り得ないような動きで俺の背後に回り込み、単一使用能力『零落白夜』を発動させた。

本来ISとはパワースーツである。故に人間の関節等の限界を超える動きはできない。しようとすれば操縦者の身体にその負担の全てが掛かるのだ。

その予想外の起動に反応出来なかった俺は『零落白夜』の一撃を背中に喰らう。

オールラウンドによる背面防御が間に合ってくれたが、その衝撃までは受け止めきれずに前方に吹き飛ばされる。

吹き飛ばされている間も、ハイパーセンサーで相手の動きを確認するが、暮桜(仮)はシャルルの狙撃をことごとく躱し、捌き、防ぎ、そして攻撃に転じている。

金獅子が映し出すディスプレイを切り替えるとこの場にいるものの残りSEが送られてくる。

 

――打鉄:操縦者、篠ノ之 箒 SE 0

――ラファール・リヴァイブ・カスタムⅡ:操縦者、シャルル・デュノア SE 157/600

――金獅子:操縦者、時守 剣 SE 53/200

――???:操縦者、??? SE800/1000

 

 

絶望的な数字だ。だけど、それは戦わない理由にはならない。

すぐさま体勢を整え、次にくる攻撃に備える。

 

 

「シャルル!一旦引け!!相性が悪い!!箒のとこに!」

「うん!」

 

 

シャルルが無事に箒の元へとたどり着けるよう、ランペイジテールを伸ばし、暮桜(仮)攻撃する。

が、雪片に軽く弾き飛ばさる。しかし、これで意識は完全に俺の方に向いた。

この暮桜(仮)は織斑先生のデータを元にしているのかは分からないが、とにかく速い。瞬時加速を使っているのかは分からないが速い。…だが、速いだけである。先程のような予想外の起動をされない限り落とされない自信はある。…そう、落とされない自信は…

 

 

「っぐぅ!」

「……」

 

 

間合いを詰められ、居合いの要領で雪片が振り抜かれる。…だがそれは…

 

 

「俺には悪手や…、どんだけ見てきた思てんねん…」

 

 

入学してから今までずっと、本物の動きを見てきた俺には止められる。

 

 

「…でも…!止めれるだけや……!」

 

だが、その状況は良くも悪くも第三者の手によって変えられる―

 

 

 

 

 

 

「うおおおおおおっ!!!」

「っ!?一夏!?」

 

 

アリーナの観客席に降りたシャッターを一夏が『零落白夜』でこじ開け、アリーナへと突撃、そのまま瞬時加速を発動させ、暮桜(仮)に斬りかかった。

 

 

「あいつ!!……っくそ!!ふざけやがってぇぇぇぇぇ!!!!」

 

 

暮桜(仮)と一夏がお互い『零落白夜』を発動させ、斬り合う。…だが、もちろん…技量が上の方が勝るので…

 

 

「一夏ぁ!SEエネルギー考えろ!!」

「…!うるせぇ!!あいつは俺が…!!千冬姉のを…!」

 

 

一夏のSEが減るペースがとてつもなく速くなる。『零落白夜』の常時発動+相手の『零落白夜』によるダメージが白式に入り、あっという間に俺と同じぐらいまで減った。

 

 

「っ、落ち着けや一回!!」

 

 

ランペイジテールを一夏の身体に巻き付け、強引に暮桜(仮)から離す。…暮桜(仮)は様子を見るのか、空中で一旦停止した。

 

 

「なんだよ剣!!邪魔するんだったお前も!!」

「一旦冷静になれ!!周りを見ろ!…お前もあいつも『零落白夜』持っとんねん。そんな奴らが暴れてもし観客席に当たったらどないするつもりや!」

「そんなの……!…わ、悪い……落ち着いた。」

 

 

そう、さらにそれでもし暮桜(仮)が暴走でもして観客席に突っ込んだら…シールドバリア無効化攻撃を持つ敵が縦横無尽に暴れ回る。…その光景を一夏も想像できたのだろう。

 

 

「…でも、あいつ千冬姉のデータを…それだけじゃねぇ、力に振り回されてるラウラも許せねぇんだよ…!」

「…んなら、俺が時間を稼いで、あいつのエネルギーを極力減らしてお前の前に持ってきたるわ。やからお前は、あいつが動かへん一瞬で、あいつをぶった斬れ」

「それって…剣が囮になるってこと?」

 

 

回復した箒と先程まで箒を守っていたシャルルがこちらに来た。

 

 

「せや。シャルル、一夏にエネルギーを分けたってくれ。…今の俺じゃあれに止めの一撃は入れれへん。…時間が稼げたらええとこや」

「…最後に俺が『零落白夜』で止めるってことか…」

「止められるのか?…剣」

「止めたるわ。…何日、本物見続けてきたと思ってんねん」

「…絶対、無事に戻ってきてね?」

 

 

一夏も箒もシャルルも…不安げな顔で俺の方を見てくる。

コピーとはいえ、曲がりなりにも世界最強。つい最近ISに触れた俺がそう長く持たない、と思っているのだろう。…それでも、戦う。

 

 

「あぁ、絶対戻ってくる。…!来るで…シャルル!一夏にエネルギーの受け渡し、できるか!?」

「うん!」

「箒は2人が動けへん間無理の無い範囲で2人を守れ!今の箒にはSEが無いからダメージがモロ入るからな、注意しといてくれ!」

「分かった!」

「一夏!…頼むぞ、あいつを止めれるのはお前だけや…全エネルギーを…残しといてくれ。…あいつに一撃入れるために」

「…あぁ!任せろ!…だから……、だから俺もお前を信じるぜ!剣!!」

 

 

ゴォッ!!

 

 

暮桜(仮)が突撃してくる瞬間、各人が自分の行動に移った。

箒はシャルルと一夏の前に立ち、近接ブレードを構える。

 

ISにはSEの他にも動かすためのエネルギーがある。故にSEが切れても動けるのだが、その場合はダメージが本人に直接入る。

だから普段の模擬戦の時は一旦SEが0になると、動力としてのエネルギーが切れるように設定してあるのだ。

今回のような緊急事態には、その動力が復活してある程度は動かせるようになる。

 

そして一夏は白式を待機状態へと戻し、シャルルがコアバイパスを経由して白式に動力としてのエネルギーを渡しにかかる。

 

最後に俺が…

 

 

「はあぁぁぁぁ!!」

「……」

 

 

暮桜(仮)を止める。

キィン!と甲高い金属の接触する音が響きわたる。今の俺の役割はこの暮桜(仮)の動力を出来るだけ奪い、一夏が100%、零落白夜を当てられる状況を作ることだ。

しかし、何もかも上手くはいかない。

 

 

「…」

「ぐぉっ!!…ま、まじかい…」

 

 

暮桜(仮)は再び、人間にはできないような機動、スピードで雪片を振るう。しかし、その要所要所は確かに織斑先生のそれで、確かな鋭さがある。『零落白夜』が断続的に発動される雪片は、確実に俺の死角を狙い、振るわれる。

 

 

「うぐっ!…で、でもな…ハイパーセンサーの慣れには、ちょっと自信あんねんな、これでもな!」

「……」

 

距離をとった暮桜(仮)が先程よりもさらに速い速度でこちらに再び接近する。俺もまた、防ぐためにオールラウンドを構えようとした……

 

 

 

 

その時だった。

 

 

 

 

「……は?」

「…」

 

 

大勢の生死を分ける戦い中にも関わらず、間抜けな声が出た。

今まで暮桜(仮)のあの速さは瞬時加速を使ってのものだ、と勝手に思い込んでいた。

この戦い、初めて瞬時加速を使い、いつの間にか俺の目の前に迫っていた暮桜は、『零落白夜』で俺を切りつけ、吹き飛ばした。

 

 

「っぐは!」

「……」

 

 

『零落白夜』の一撃でSEが底をつき、アリーナの壁に衝突した時の衝撃に身体が悲鳴を上げる。

ハイパーセンサーで箒がこちらに来ようとしている一夏を止めているのが見える。…一夏も撃墜されたら、いくら教師部隊が応援に来てくれてもまずい、ということを分かっているのだろう。

体勢を整えようとすると、既に目の前では暮桜(仮)が雪片を振りかぶっていた。

 

SEが尽きたこの状況で喰らったら重傷は確実だろう。もしかしたら死ぬかもしれない。そして、恐らく普通の機動では避けられないだろう。……それでも、それでも俺は……負けられない!!

 

 

「……負…けるかあああああああ!!!!」

 

 

 

ミシッ

 

 

 

左脚部スラスターを強引に吹かし、暮桜(仮)を蹴りで吹き飛ばす。金獅子の装甲か、俺の身体かは分からないが、とにかくどちらかが悲鳴を上げた。

 

 

「…相手がどんだけ強くても…俺は負けられへんねん…!負けてたまるかよォ!!『ラグナロク』!!」

 

 

残された時間は、後少し―

 

 

 

 

「「「織斑先生!!」」」

「なんだ!ここは立ち入り禁止だ!3人とも今すぐ出ていけ!」

「そうはいきませんわ!わたくしにも…わたくしにも出撃の許可を!!」

「また…また剣をあんな目に合わせて…!お願いです!」

「分が悪すぎです!今まで試合でエネルギーを消費しているのに、そんな状況で…!!」

 

 

観察室に3人の生徒が押し寄せていた。

セシリア・オルコット、更識簪、更識楯無である。

 

 

「…だから出ていけと言っているだろう!仮にお前たちでどうにかできるのか!?…そもそも…もうそう長くは続かん。この戦いは」

「っ!どういうことですの!?まさか剣さんと一夏さんが落とされるとでも!?」

「…五分五分、と言った所だ。…分かってくれ…私も…辛いんだ…」

「…織斑…先生…」

 

 

今からアリーナを出て、参戦しようにも3人にはバリア無効化攻撃が無い。さらにはアリーナのピットは完全にロックされ、アリーナ外からの教師部隊しか、あの戦いには参戦できないのだ。

 

 

「…剣くん…また無茶して…」

「今の私たちにできることは、あいつらを待つことと、あいつらの帰る場所になること…そして、ただ信じることだけだろう…」

 

 

やり場の無い怒りに、千冬の拳が震える。

 

 

「…そうですわね…わたくしも、…いえ、わたくしたちも剣さんが戻ってきたら言いたいことがありますし…」

「…うん、…信じて待とう…」

「…絶対帰ってくるって言ったもんね、剣くん。…だから今は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――信じよう――

 

 

 

 

 

「っクソが……」

 

 

俺から離れ、観客席を狙いに行く暮桜(仮)を瞬時加速で追う。

もう金獅子にほとんどエネルギーは残っていない。ISのパワーアシストもほぼ切れかかっている。

そんなほぼ瀕死状態の俺に、暮桜(仮)が振り向き、何度目になるか分からないが、雪片を振るう。

急停止+重い斬撃を身体に受け、みしみしと悲鳴を上げる。

 

 

 

「…ぐぅ!…ラグ……ナロク…!」

 

なんとか暮桜(仮)が離れる前に一撃を喰らわせる。だが、その攻撃は浅く、大したダメージにはならない。…だが、それでいい。

俺の仕事は……時間稼ぎと…こいつを一夏のとこまで持っていくことや!!

 

 

 

「……はあぁぁ!!」

 

 

 

力を振り絞り、オールラウンドを振るう。じわじわと暮桜(仮)にダメージを与える。

が、ここで暮桜(仮)が俺に止めを刺すために距離を取り、雪片をしっかりと両手で構える。…この…この一撃で全てが決まる…か…。この空中戦に全てを掛ける!!

 

 

「…『グングニル』…発動…、これで落ちてくれや?」

「……」

 

 

暮桜(仮)は雪片の刀身を下げる。…恐らくグングニルを切り上げて弾く算段なのだろう。

 

 

「…それでも、これで最後や…!!!」

「……」

 

 

グングニルを振りかぶる。…パワーアシストがほぼ切れかかっていて、普段は感じないが、全ての装甲、オールラウンドが重く、重く感じる。…だが、だからこそ、力をしっかりと伝えられる気がする。

 

 

「…うおらァァ!!!」

「……!」

 

 

全力で投げたそれを………暮桜(仮)は無残にも弾き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

でも。

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!」

「…この時守剣、何から何まで計算づくや……ってな…!」

 

 

最後のエネルギーを使い切り、投げた後の体勢から瞬時加速で加速しつつ、強引に体勢を変え、暮桜(仮)の懐に潜り込む。

 

 

「…ここまで近づいたら……雪片を振り上げた状態なら……お前も避けられへんやろ!!!」

 

 

右手で暮桜(仮)をアリーナの地面へと殴りとばす。受け身を取れず、地面に叩き付けられ、雪片を離した暮桜(仮)は、自身のそばに転がる雪片を見つけ、取りに行こうとする。

 

 

 

「…ははっ、……後は…頼んだで…?」

「うおおおおおおお!!!」

 

 

だが、その一瞬の隙を、待機していた一夏が逃すわけが無い。最高速度での瞬時加速を使い、日本刀程の長さまで絞った『零落白夜』で暮桜(仮)を見事にぶった切った。

 

 

 

「…信じ……てた…で…」

 

 

 

暮桜(仮)の切れ目から気絶したラウラが出てきて、一夏がしっかりと抱きしめたのを見たのを最後に、俺の意識は完全に落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……んっ……ん?…またここかい」

「……起きたわね、剣くん。…無事で良かったわ」

「そうですわ!……無茶をしないでくださいと言ったのに…」

「…ほ、本当に無事で…良かった…」

 

 

目を覚ますとそこは無人機襲来の後にお世話になった医務室だった。そして俺のベッドの側には刀奈、セシリア、簪が居てる。

 

 

「…ごめん、また心配かけた…刀奈、セシリア、簪」

「っ!馬鹿!ほんとに心配したのよ!?」

「この前よりも酷い怪我をして…!もう少し自分を気遣ってくださいまし!」

「……生きててくれて…良かった……」

 

 

俺が謝ると彼女達は目に涙を浮かべながらそれぞれの想いをぶつけて来た。…今回ばかりは、本当に俺が悪い。

 

 

「……俺…どんな怪我なん?」

「左足の骨、肋骨7箇所にヒビ、全身に24箇所の打撲よ。…ほんと、良かったわ…」

「えぇ…、あ、あの…剣さん?」

 

 

セシリアが何か聞こうとする。刀奈と簪の方も見てみると、2人ともセシリアと同じ、真剣な顔で、かつ恥ずかしそうにしている。

 

 

「…ん?」

「……あ、あの…この後…部屋で…待ってる…」

「だから、お風呂上がったら早く戻ってきてね?」

「…あぁ、分かった。…ってか風呂入れんの?」

 

 

答えを聞こうとした時、医務室の扉が開き、山田先生が入ってきて、その答えを告げた。

 

 

「えぇ。今日は大浴場のボイラー点検があったので、元々生徒たちが使えない日なんです。点検自体は終わったので、それなら男子に使ってもらおうって計らいなんですよ!でも、何かあったらいけないのでデュノア君と織斑君と一緒に入ってもらいますよ?」

「…はい、分かりました。…うん、3人とも……分かった。風呂上がったら…直ぐ部屋に戻るわ」

 

 

 

俺は痛む身体を起こし、松葉杖をつきながら山田先生と共に風呂へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ふふっ、2人とも?心の準備はいいわよね?…まあ、シャルロットちゃんも、かなりやる気みたいだけど…、最後には……ね?」

 

 

出ていった直後の医務室でそんな会話が繰り広げられているとも知らずに…

 

 

 

 

 

 

「おぉ!剣!!大丈夫だったのか!?怪我は!?」

「…酷いけど松葉杖あったらなんとかって感じやな」

「……」

「あ、織斑くんもデュノアくんももう来てたんですね。それじゃあどうぞ!一番風呂ですよ!!」

 

 

山田先生が勢いよく脱衣所の扉を閉める。

 

 

沈黙☆

 

 

「…悪い、シャル…俺入らせてくれへん?」

「っ!?う、うん!いいよ!」

「ヒビ入ってるんだよな。…俺が付き添うよ。シャルルはー…」

「ぼ、僕のことは気にしなくていいから、ね?」

 

 

ということで。

 

 

 

 

 

 

 

カポーーーーーン

 

 

 

 

 

 

 

「はふぅ…」

「えーなー、俺なんてシャワーで済ませて入浴は軽くだけって言われたのに…」

「あ、じゃあ俺が身体洗ってやるよ」

「えー…自分でできる範囲は自分でやるわ。やばかったらワンサマ呼ぶわ」

 

 

男に洗われるとかなんか嫌や。

 

 

「そうか、じゃあ俺ちょっとサウナ行ってくる。…それと、剣…」

「ん?」

「…今回の、あれは確かにあの方法が一番良かったのかもしれないけど…、あー、なんて言えばいいのかな…、とにかく!もうあんな無茶はすんなよ!?皆心配してたんだぞ!」

「あぁ、分かった」

「じゃ、行ってくる。…やばかったら言えよ?」

「おーう」

 

 

シャワーをひねる。…あ゛ぁ゛〜ぎもぢいい〜…

 

 

「し、失礼しま〜す…」

「!?う、うわっ!」

 

浴場の入り口から聞こえてきたシャルの声を過敏に反応してしまい、椅子から落ちそうになった。…浴場で欲情したからとちゃうで?

 

 

 

「だ、大丈夫!?剣!」

「だ、大丈夫やけど……」

 

 

声をかけられ、振り向いた俺は言葉を失った。

そこに立っていたのは一糸纏わぬ姿のシャルだった。

胸元でタオルをきゅっと左手で固定し、大事な3ヶ所が見えないようにしていたが、所詮は薄手のスポーツタオル。その向こう側の楽園は少しばかり透けて見えた。ありがとうございます。

 

 

「あ、あのね…、一夏が『お風呂大好きだ』って言ってたから、長くなるかな?って思って…だから、一夏がお風呂に入ってる間に…剣の身体を洗ってあげようかなって……」

 

 

なんのお店ですかここは。電話した覚えも無いですよ?30分6000円とか取るんですか?

 

 

「い、いや…!別に大丈夫やで!?…自分でも身体ぐらい……うぐっ!!」

「ほ、ほら!…ね、ねぇ剣?…その…僕じゃ…嫌…かな?」

 

 

風呂の熱さのせいなのか、はたまた別の理由のせいなのか、頬を赤く染めて聞いてくるシャル。もちろん―

 

 

「…い、嫌じゃ……ないです…というより…洗えないっす」

「じゃ、じゃあ……失礼…します…?」

 

 

断れる訳ないや無いですかー。

 

 

 

 

数分後

 

 

『どう?痒い所は無い?』

『お、おう…』

 

 

さらに数分後

 

 

『んしょ…んしょ…、ふぅ…ねえ剣、やっぱり痛む?』

『んー、やっぱりちょっとは、な…』

『じゃあもうちょっと優しくするね?』

 

 

またまた数分後

 

 

『け、剣…その…前って……どう…する?』

『前は俺やるわ』

 

 

などという事もあり、無事?身体を洗い終えた。

 

 

 

「じゃ、じゃあ僕はもう上がるね?」

「おう…あ、ありがとうな」

「あ、あのね剣!」

「ん?」

 

身体を洗い終え、シャワーを浴びていたらシャルが後ろから俺に話しかけてきた。…慣れって怖いね。2人とも9割裸やのに驚かへんようになったわ。

と思ってる時が俺にもありました。

俺の背中にシャルの手が触れ、そのまま後ろから俺の身体を抱きしめた。

 

 

「ふぇあっ!!?」

「僕ね…ちゃんと自由国籍取れたんだ。…まだフランス代表候補生で居られるんだよ。それにね、お父さんから連絡があったんだ。『お前に謝りたい』って。…本妻の人が僕に男装するようにお父さんに言わせたんだ。お父さん、大切なものがどうなっても知らないって脅されてたらしくてね…それで、最近本妻の人は捕まって、お父さんも離婚した。それから、お父さんとも仲直りできたんだ…あのね、剣…」

「…ふぁい……」

「…僕がこうしてお父さんと仲直りできたのも、フランス代表候補生としていられるのも、まだこうしてIS学園で楽しく過ごせるのも…全部剣のおかげなんだ…、ありがとう」

 

 

ギュッと抱きしめる力が強くなる。すなわち柔らかい2つの膨らみが俺の背中に押し付けられる。

痛い:やばい=1:9

 

 

「…シャルの人生やねん…シャルの自由に生きな損やで?」

「…シャルロット…」

「ん?」

「お母さんが付けてくれた、本当の名前」

「…分かった、シャルロット……ってまああだ名やったらシャルでおんなじやけどな」

「ふふっ…そうだね…」

 

 

シャルは俺の背中にくっついたまま楽しそうに笑う。

…いや、見えへんけどもやな。なんとなく分かんねん。

 

 

「な、なぁシャル?…そろそろ…」

「…あ!そ、そうだよね…う、うん…じゃあ、僕も楯無さん達と一緒に部屋で待ってるから…」

「ん、分かった」

 

 

 

 

シャルは俺に別れを告げると出ていった……

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、やっぱちょい痛むか」

「大丈夫か?剣」

「おう。…しっかし松葉杖って慣れへんかったら動きにくいな」

「ヒビはそこまで酷くは無いんだろ?」

「まあな」

 

シャルが上がった後、直ぐにワンサマがサウナから出てきて、2人でそのまま風呂から上がった。

 

 

「剣、1人で大丈夫か?」

「あぁ、距離短いしな。んじゃ、また明日な」

「おう」

 

 

ワンサマの部屋の前に着いた所でワンサマは部屋に入っていった。…さてと…

 

 

「覚悟を…決めるか…」

 

 

 

 

 

 

 

「おかえりなさい、剣くん。大丈夫だった?」

「おう、大丈夫やで」

 

 

部屋に入ると待っていたのはパジャマやネグリジェといった寝る時の格好をした刀奈、簪、セシリア、シャルロットだった。

そして何故か俺と刀奈のベッドがくっついており、かなり広いベッドになっていた。

四人はベッドに腰かけ、今か今かと何かを待っていた。

 

 

「あ、あのね…剣くん、私達、剣くんに言いたいことがあるの…」

「あぁ、俺もや。…ってか俺から言わせてくれ。4人の言いたいことは…分かってるから。…今は、俺から言わせてくれ」

 

 

 

 

 

――気づいてたんだ。4人の想いにも、俺の想いにも。だから…伝えよう。

 

 

 

 

「悪かった…今まで見て見ぬフリをしてた。…誰か1人を選ぶと…他の3人が辛い思いをするんちゃうかって……でも、もう決めた」

 

 

4人は黙って俺を見ている。

 

 

 

「俺は…俺は刀奈、簪、セシリア、シャルロットの4人が好きや!!

こんな俺で良ければ、よろしくお願いします!!」

 

 

告白。普通じゃ考えられへんような告白。4人への同時告白。

…しかし、彼女たちは受け取ってくれた。

 

 

「うん、こちらこそ、よろしくね…剣くん」

「皆……平等に…?」

「おう!」

「ふふっ、剣さんならそう言ってくださると信じていましたわ。合法的なのですから、皆で仲良くしませんと」

「ちゃんと皆、平等に……愛してね?」

 

 

「任せろ!…ちゃんと4人とも幸せにする!!」

 

 

 

…だが、冷静になったところでシャルロットの言葉により、現実に引き戻された。

…『愛して』?…うん、そりゃあ愛してるけれども。…なんかこの場合は意味合いが違うような…

 

 

そういやなんか入った時から変なお香の匂いというかなんと言うか…

 

 

「…あれ?」

「ふふ、早速効いて来たわね……大好きよ、剣くん」

 

 

刀奈に引っ張られ、キスをされた。

 

 

「むぅ…またお姉ちゃん…でも…私も…好き…大好き」

 

 

ベッドに近づいた時点で、今度は簪にキスを。

 

 

「剣さん…これからよろしくお願いしますわ。…ずっと…」

 

 

ベッドに座ってから、顔を両手で固定されて、セシリアからキスをされる。

この時点で、俺の理性はナニをされるのか悟った。

 

 

「ま、待って…!心の準備がまだ…!!」

「…愛してくれるんでしょ?…大好きだよ…剣」

 

 

部屋の扉に鍵とチェーンを掛けたシャルロットが戻ってきて、キスをする。

 

 

「…ぐっ……アカン…アカンって…俺らまだ未成年やし…」

「剣くんの自由国籍で皆剣くんのお嫁さんになれるのよ。…ねぇ剣くん?」

 

 

ベッドに仰向けに寝させられると、刀奈、簪、セシリア、シャルロットがそれぞれベッドの上に登ってくる。…そして――

 

 

 

「…私達を…幸せにして?」

 

 

 

刀奈のその一言で俺の理性がものの見事に吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

 

その日、俺は明け方まで彼女達を愛した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――そう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分がかなりの重傷を負いつつ、普通に授業があることも忘れて――




まずいんだよ…10巻読んだらシリアスしか出てこないんだよ…
と思っていた時期が作者にもありました。
あー、ようやくギャグ中心に書けます…R-18も…ね。
ラストが微妙だとか言わないでくださると助かります。
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