IS 西の男性操縦者   作:チャリ丸

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蘭ちゃんのオリ設定投下


弾蘭剣

 

 

「はぁ…」

「せ、先輩…相当溜まってますね…」

 

 

織斑千冬は疲れが溜まっていた。どの程度、とは表せない程に。

職員室に置かれた自らのデスクで数時間作業した後、周りに誰がいるかも確認せずにため息を吐く。

 

 

「分かるか?…」

「え、えぇ…どうしたんですか?」

「…明明後日に控えた時守の出国に合わせて、…担任である私がスケジュールの管理をしろと…、IS学園、国際IS委員会、国連から言われてな…つい先程終わったところだ」

「お疲れさま…です。コーヒー、入れましょうか?」

「頼む」

 

 

その返事を聞き、真耶はインスタントコーヒーをカップに入れ、熱湯を注いでいく。

ふと、注ぎ終わったところで疑問が生じた。

 

 

「そう言えば時守君の予定ってどんな感じなんですか?結構軍事的なことも…」

「ここが職員室だからってそういうことをあまり大きな声で言う物ではないぞ?…まあ今は私達しか教員はいないが…くそっ!今頃あいつらは…!」

「乳ぐりあってますよねぇ。予定が『合コン』『海』『デート』ですから…」

「ふんっ!…いっそ振られてしまえ。あぁ、ありがとう」

 

 

際どいビキニ、そして合コンする相手のスペック、デート先のチケット等を終業式の朝に職員室で自慢してきた同僚に呪詛を吐き、真耶からコーヒーを受け取る。

 

 

「…っと、そうだ、時守の予定だったな。そら」

「わっ、…お、重っ!?これほんとに予定なんですか!?」

「会談で使う資料等のコピーも入っているがな。全く…私はこういった細々とした作業は苦手だと言ったのに…」

「とはいえ完璧じゃないですか。……予定が分刻みなのが気になりますけど…」

「最早アイドルだからな、今のあいつは」

「そういった才能…というか普通の人とはちょっと違うベクトルで凄いですよねぇ…そう言えばこの前のテストもそうでしたよね」

「あぁ」

 

 

資料を受け取り、自分のコーヒーも入れ終わった真耶が思い出すのはついこの前行われた期末テスト。

 

 

「毎年1年生のこの時期のテストに出している恒例の『なぜISが女性にしか使えないか、自分の考えを述べよ』。今後のISの各国の技術の向上のために、良い案を実際乗る立場である生徒からヒントを聞き出すためにやっているものなんだが…まあ今年は『なぜISが基本的に女性にしか使えないか、自分の考えを述べよ』だったがな。今年の専用機持ちがおかしかったんだ」

「去年までは『女性の方が男よりも優秀だから』とか『女性の復権のために篠ノ之博士がお作りになられたから』とだったんですよね?」

「そうだ…が、まああの馬鹿は見事にその風潮もぶち壊したからな。今年は『織斑君に会うため』とか『老化防止』とか『乳がん予防』とか…何の関係があるんだ。真面目に書かなければ減点されるという事ぐらい分からないのか…」

「あはは…。せ、専用機持ちって…あぁ…篠ノ之さんたち、ですか…」

 

 

思わず真耶ですら苦笑いをしてしまう。…今年は女尊男卑の回答が無かった分、少し狂った回答が多かった。

 

 

「篠ノ之は…『姉さんの思い付きです。すいません』だな」

「テストで謝るってどうなんですかね…」

 

 

ちなみにこの問題を解く時、箒は心の中で姉に巻き込まれた人に頭を下げた。

 

 

「オルコットは『女性の立場の回復のため』…か、まああいつの経歴を知っていたら否定はできんな」

「オルコットさんは今まで1人で頑張ってましたからね。時守君に会えて良かったですねぇ…」

「その結果先を越されたがな」

 

 

ナニの、とは言わない。

 

 

「凰は『たまたま』…こいつ欠点にしていいか?」

「だ、ダメですよ!?凰さんは他のところはしっかりしてるじゃないですか!」

「いやどう考えてもふざけてるだろ。だがまあ、欠点がダメだと言うなら…二学期に特別メニューでも組んでやるか」

「(ごめんなさい凰さん!欠点の方が良かったかも知れないです!!)」

 

 

鈴本人のいない所で処刑が確定し、真耶は心の中で涙を流した。

 

 

「デュノアは『現状ではまだよく分かっていない所も多いので、将来はどんな男性でも乗れるようになるかも知れません。ISというのはまだ未完成です。なので女性だけ乗れる、というのはまだ解明されていない所があるかもしれないからです』……………」

「…普通に優等生ですね」

「まあ代表候補生で世界シェア3位の社長令嬢だからな」

「凄いですよねぇ…。でも、お父さんと仲直りして良かったですね」

「あぁ、そうだな。…他の代表候補生の見本役になってもらうか」

 

 

シャルロット・デュノア、見本役に。

 

 

「ボーデヴィッヒ…『男性に地力で劣る女性が戦争に勝つため』…か…」

「考え方そのものがバイオレンスですよね……先輩、向こうで何教えたんですか?」

「…私は私なりに普通にやった………はずだ……と思いたい…のでその目をやめてくれないか?真耶」

 

 

ラウラ・ボーデヴィッヒ、知らぬ間に教官を追い詰める。

 

 

「更識簪…『こういうロボットに男性だけが乗れるのはおかしいからです。アニメや特撮でもこういうロボットに乗れるのは大体男性。篠ノ之博士が意図してかどうかは分かりませんが、女性にもロボットに乗れる機会を与えるためにISを女性に乗れるようにして、近い将来は別に新しく出てきたロボット(男性しか乗れない)と、戦い、絆を生み、共闘して悪を倒す!といった……』以後数千字続いているんだが…」

「更識さん…そういうの好きなんですね…」

「ま、まぁ…こういう夢を見るのは否定しないが…」

 

 

更識簪、趣味がバレる。

 

 

「次、織斑…『篠ノ之博士のノリ』…………………正解、満点だな」

「先輩っ!?」

 

 

織斑一夏、欠点回避。

 

 

「……次の…次のあの馬鹿が問題なんだ…っ!」

「また職員会議開かれましたからねぇ…」

 

 

あはは、と先程よりも何とも言えない苦笑いをする真耶。…IS学園の教員を再びどん底に叩き落とした時守の回答、それは…。

 

 

「時守…。『ISコアにエロいおっさんが居るからです。自分と一夏は第二形態移行する時に、少女のようなISの人格に出会いました。しかしこれは、白式と金夜叉が他と違うだけなのです。普通のISのコアにはただのどスケベなおっさんが住んでいます。そのおっさんは長時間美女、美少女に纏いつくことで快感を覚え、その快感が絶頂に達した瞬間、第二形態移行する…と、思います。この仮定だと全てが当てはまります。おっさんは美女、美少女が大好き。長時間抱きついていたい。一緒にいたい。でも男は嫌。故に女性にしか反応しない。しかもIS操縦者は美人が多い。…だから、普通のIS操縦者はISを纏っているとき、常に全裸のおっさんが抱きついているのと変わらないのです。これだと、ISが女性にしか使えないということが証明できるかも知れません』…こんなもの世界に公表してみろ。IS乗りが揃って自殺するぞ」

「…打鉄とか、大丈夫ですよね?」

「……何とも言えん。ただ、私の暮桜は女性だった」

「えっ!?会ったんですか!?」

「私だって第二形態移行ぐらいしている。…でないとモンドグロッソで優勝などできん」

 

 

時守剣、またも世界を揺るがしかける。

 

 

「だがな、認めたくはないんだが…合っているんだ…。あの、時守の馬鹿みたいな仮説が…!」

「ですよね……胸を鷲掴みにされて脚にもしっかりとした装甲が…後ろから絡みつくように抱きついてるってことですよね…」

「他の仮説を出しても…これ以上に説得力のある仮説が出ないんだ…」

「そ、そうなると篠ノ之博士は467人のどスケベなおっさんと一時は一緒に生活を…」

「やめてやれ……やめてやれ」

 

 

篠ノ之束、もしかするととんでもない環境に住んでいるかも知れない。

 

 

「公表は…?」

「控えておけ。いいか、振りではない。絶対にやめろ」

「は、はいっ!…ところで…その時守くんは?」

「…今織斑と遊びに行ってるところだ。男友達を紹介するらしい」

 

 

千冬はこの時既に確信していた。

 

 

弾と剣(あの2人)、仲良くならない訳がない…と。

 

 

 

 

 

「ピーンポーン!!!」

「なんでインターホン押さずに口で言うんだよ…」

 

 

時守剣、織斑一夏の2人は『五反田食堂』に足を運んでいた。

関東に来てからというもの、身内が清洲景子1人という時守に自分の男友達を紹介したい。と一夏が申し出たのだ。

 

 

「いや…インターホンうるさいかなって」

「じゃあ何のためのインターホンなんだよ!?」

「おぉ、ほんまや…じゃあ鳴らすわ」

 

 

ピピピピピピンピピピピンポピピピピピピピンピンピピンポーーンッ!!!

ピピピピピンピンポピピンピピピピンポピピピピピンピンピピンポーーンッ!

 

 

「鳴らしすぎだ!!」

「えっ…こうやって鳴らすもんやろ?…友達ん家のインターホンって」

「ちげぇよ!普通に一回だけ押せよ!」

「えぇ〜」

 

 

五反田食堂の裏口である五反田家の玄関のインターホンを連続で押しまくった時守を一夏が叱責するも、どうやら『友達』という感覚が関西とは少し違うようだ。

 

 

「…ってか留守なん?俺う〇こしたいからはよトイレ貸してほしいねんけど」

「これから初めて会うやつの家のトイレ借りる気満々の奴なんて見たことねぇよ…」

「え?…じゃあお前、デパート行ってもそこが初めて行ったとこやったらトイレ行かんの?」

「友達ん家とデパートを一緒にするな!!」

 

 

などと漫才を繰り広げていると玄関の向こう側から騒がしく、そして焦っているような物音が聞こえた。

 

 

「一夏!うるせぇって!今蘭が勉強中なんだよ!!頼むから静かにしてくれ、してください、お願いしますから!!」

 

 

物音の正体はこの家の住人にしてカースト最底辺、五反田弾である。

 

 

 

 

 

 

 

 

「で?」

「で?」

「いや、で?ってなんだよ。あとなんで剣も弾側なんだよ。お前こっち側だろ」

「いや…そりゃ何となくやろ」

「言うと思ったよ!!」

 

 

五反田弾と時守剣は10秒で打ち解けた。

『時守剣!?』

『おう。なぁ、う〇こしていい?』

『え、お、おう。二階上がってすぐの所だ』

この会話だけで、見事、一夏の仲介無く、仲良くなった。

 

 

「でさ、実際どうなんだよ。ハーレムなんだろ?」

「おう。ハーレムやな」

「認めるなよ!…って言いたいけど剣は確かにそうだよな」

「は?」

「いや、こいつ世界公認でハーレム作ってんだよ。嫁さん4人」

「てめぇふざけんじゃねぇぞ剣!!どんなだ!!どんな人たちだ!」

「ん」

 

 

そう言って時守は弾に携帯の写メを見せる。そこには背もたれの無い椅子に座る時守と4人の美女が。

 

 

「この俺の背中に抱きついてるのがロシア国家代表の更識楯無。左腕に抱きついてるのがフランス代表候補生シャルロット・デュノア。右腕に寄り添って肩に頭乗せてるのがイギリス代表候補生セシリア・オルコット。んで膝の上に座ってるのが日本代表候補生の更識簪。いや…もう、な?……皆可愛すぎて辛い」

「当たり前のように惚気けるな!!それにしても、姉妹丼+金髪丼…なのか…?しかも全員美少女に美女だらけ…く、くそぅ…羨ましいが…!この救世主ならいいと思う自分がいる…。剣がいなきゃ今頃やばかっただろうし」

「弾の言う通りだよな。剣がああ言ってくれてからこっちもだいぶ暮らしやすくなったし」

「ほんと、これで蘭も丸くなってくれたら良かったんだけどなぁ。ったく!にしても羨ましいぜお前ら!!」

 

 

弾が考えているのは自分の妹である五反田蘭、中学三年生。

想い人の一夏の前ではお淑やかに演じるようにしているのだが、普段は男勝りな性格で、少々荒い所もある。

 

 

 

「お兄!!さっきからうるさい!!」

 

 

 

このように無断で兄の部屋に侵入し、怒鳴るぐらいに。

 

 

 

 

 

「(えっ…。…い、一…夏、さん?…一夏さん!?な、なんで一夏さんがまたお兄の部屋に!?…ってかこの人…えぇ!?ほ、本物!?)」

 

 

五反田蘭は困惑していた。

寮生活している一夏にまさか一学期中に2回も会えるなんて。

新たに教科書に乗った人物、時守剣に会えるなんて。

 

 

「おい蘭!お前またそんなラフな格好して…!お客さんも居るんだぞ!」

「…え?」

 

 

いつもはお兄(昔はお兄ちゃんと慕っていた)と呼んでいる弾に言われてはっ、となる。

お客さん=国連代表時守剣。雑誌やニュースで良く取り上げられており、その回数は一夏を越える。学園内で明かされている成績等もかなり優秀であり、例の件(婚期)も考慮され、彼の一挙一動に全世界が注目している。

 

ここまでは大丈夫だ。問題ない。

 

だが、気になるのは兄が言ったもう一つ。

 

「(ラフな…格好…?)……ぁっ…」

 

 

短く声が漏れる。

 

今日の格好を自分で思い返して、そして自分の目で見る。

期末テストも終わり、終業式までの期間の謎の休み(三者面談用)で、今日は生徒会の集まりも面談も出かける用事も店の手伝いも無かったはず。

そして久しぶりに一夏に電話でもしてみようか、と考えていたこの朝。当然、寝巻きやパン一、全裸等ではないが、へそが出る程短く、そして少し屈めばCカップの胸の先端まで見えそうなタンクトップにハーフパンツ。

 

完全にやらかした状態である。

 

「(ど、どうしよう!また一夏さんの前でこんな格好を…!ってかバカ兄もちゃんと言っておきなさいよ!…ま、まずい…。このままじゃ…。一夏さん…はダメ!お、お兄!何とかして!)」

 

この場にいる、遠慮の要らない人物に助け船を求める、が―

 

「(なんでこんな時に携帯いじってんのよー!!)」

 

失敗。…もう諦めかけたその時。

 

 

 

「お?蘭…ちゃん?で、いいんか?そんな格好でそんなとこいとかんと着替えてこっち来たら?今日は一日勉強休みってことで」

 

 

神が降臨した。

自分に着替えのチャンスをくれ、さらには一夏と同じ部屋(他男子2人込み)に居られる理由を作ってくれた。

…勉強やってる場合じゃねぇ。

 

「は、はいっ!そうします。…では、失礼します…。お兄、覗かないでよ?」

「はいはい覗きませんよ」

 

 

バタンッ

 

 

少し強めにドアを閉める。

部屋の中の

ブッ!『あ、屁ぇ出た』『くっせ!おま…っ!人の部屋で屁こくなよ!』『蘭来る前に換気しようぜ。弾の部屋入った時イカ臭かったし、それに屁の匂い入って今意味わかんねぇ匂いになってるしな』『これだから童貞は…』『隣に蘭が居るんだからでかい声でそんなこと言うな!…ってか剣お前童貞卒業してんのかぁぁぁ!!!』

とかいう会話は一切蘭には聞こえていない。

 

 

「な、何着ようかな…」

 

 

好きな人の前では、可愛く居たい。その思いでいっぱいだった。

 

 

 

 

 

 

「お、お待たせしました」

「おー」

 

 

蘭が部屋に入ると、3人は完全にだらけ切っている状態だった。

聞きたい事は山ほどあるが、…と、思った瞬間、再び神が降臨なさった。

 

 

「蘭ちゃんアレやろ?来年IS学園受けるんやろ?」

「はいっ!」

「んじゃアレか。やっぱISで気になる事とかあるんちゃうん?」

 

 

ナイスタイミングで話題を振ってくれた。…この人はIS操縦者よりも番組MCとかの方が向いてるんではないか、と思った蘭であった。

 

 

「あの、時守さんって…千冬さんに勝ったんですか?」

「え?ちっふー先生に?…まぁ、ISでは勝ったっちゃ勝ったけど…整備不良と油断してたから、やからな…」

「生身で何勝何敗だっけ?」

「0勝653敗」

「あ、あはは…流石千冬さん…」

 

 

将来の義姉(予定)の凄さを改めて知る。…と、ふとここで疑問が生じた。

 

 

「そう言えばお2人のIS適正、ってどのくらいなんですか?」

「俺は…この前検査受けた時はBだったな。剣は?」

「うーん…臨海学校始まる前はAやってんけどな。多分またこの夏検査受けるわ」

「えっ…夏も学校あるんですか?」

「あるっていうか…全寮制やし、学園でなんかするって奴も多いねん。…まあ俺は招集とかあるから世界中回りまくるけど。ワンサマは?」

「俺は半分以上が企業の人達とのこ難しい話だ」

「ふ、2人の話聞いてたらやっぱりIS学園にそこまで行きたくなくなってきたぜ…」

「流石は男性操縦者ですね…。あ、あの!もっと聞いてもいいですか?」

「ええよ〜」

 

 

 

 

 

こうしてこの日、五反田蘭はIS学園への志望をより強い物にした。




チャリ丸 が 考案中 の R-18の設定資料集 が おかん に 見つかった!

蘭ちゃん可愛い。…蘭ちゃんヒロインのオリ主モノの少なさ…
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