良いお年を!(2015年感)
明けましておめでとうございます!(2週間近く遅れていくスタイル)
新成人の皆さん、おめでとうございます!
遅れて誠に申し訳ないです!しかも文量ががが…
こんな作者ですが、今年もよろしくお願いします。
「あれ?剣はどこ行ったんだ?」
二学期が始まって数日後、一夏達…否、全校生徒…さらには全教員もが、講堂に集められていた。
その理由は至ってシンプルなもので、この9月中旬に行われることになっている、生徒会主催の学園祭についてだ。
こう言った集会の前は、大体の生徒が教師に指摘を受けるまで会話に花を咲かせる。IS学園では最早止めることが不可能なため、どの教師も止めはしていない。教師も女子()なのだから。
一夏が違和感を覚えたのはその周りから響く声だった。確かに女子の高く、やや耳が痛くなりそうな声もする。だが、いつものあの声が無い。岸原がツッコんでいない。セシリアとシャルロットが奴とではなく、互いに会話をしている。
「それでは生徒会長、並びに副会長から説明させていただきます」
講堂の壇上から、生徒会役員である虚の声が、マイクを通して全体に響き渡る。それに釣られて、先程までのざわめきがピタッと止まった。
「やあ皆。おはよう」
「おっはー」
「あっ、楯無さんが生徒会長だったけ。…そういや剣も副会長だったな」
壇上に上がり、挨拶をした楯無と時守を見て、一夏は時守が生徒会副会長という地位に就いているのを思い出した。実際、普段の時守から生徒会副会長の威厳などというものは微塵も感じられないのだ。
「さてさて、一学期は何かと忙しすぎたせいでちゃんとした挨拶が出来ていなかったね。一年生諸君、初めましての方は初めまして。私の名前は更識楯無。君たち生徒の長よ。以後よろしく」
「まあ多分知らん人は居らんと思うけど、一応言っとくわ。俺の名前は時守剣。皆の長の補佐や。以後よろしゅう」
楯無の柔らかい笑みを浮かべて言った一言で、講堂の一部から熱いため息が漏れると同時に、時守の言葉にも同じ反応を見せる女生徒が数人現れた。
「では、早速本題に入りましょうか。今月に行われる一大イベント、学園祭に今年限りの特別ルールを導入するわ。ま、皆のニーズに応えた至って単純な物なんだけどね」
そう言い終わると同時に楯無は、どこからか取り出した扇子を胸の前で身体の横へとスライドさせた。それと同時に、時守と楯無の後ろに空間投影型ディスプレイが浮かび上がる。
「名付けて、『各部対抗織斑一夏争奪戦』!」
「どんどんぱふぱふ〜」
ぱんっ!という音を立てて扇子が開かれるのと同時に、今度はそれに合わせてディスプレイに一夏の顔写真が大きく写しだされ、時守の合いの手に合わせて、CGの花火が舞った。
「…え、…え?」
「ええええええ〜〜〜っ!?」
一夏の呆けた声をかき消す程の歓声…というより叫び声が、ホールに響き、共鳴し、冗談ではなく揺れた。
「静粛に。これまで、学園祭では毎年各部活動ごとの催し物を出し、それに対して全校生徒で投票を行い、上位組には部費に特別助成金を出す、という仕組みを取っていました。ですが、今年に限ってそれではつまらないと思い―」
びしっ、と楯無は扇子で、時守は右の人差し指で一夏を指した。
「織斑一夏を、1位の部活動に強制入部させます!」
「いい加減部活入れ!そんなんやから学年全体に友達おらんねん!」
一夏に突きつけられた現実は、あまりにも理不尽だった。
「うおおおおおっ!」
「やってやる…やってやるわよ…ぐふっ、ぐふふふふふ」
「お前の友達の数がおかしいだ―」
「剣ちゃんは!?」
「今日から準備よ!…あ?秋季大会?ほっときなさいあんなもん!」
途中、一夏が出した決死の訴えがかき消される程、まさに阿鼻叫喚と化した講堂にスピーカーから時守の声が響く。
「あっ、ちなみに部活動の本来の活動を疎かにした部は廃部な」
「ひっど!?」
「酷ないわこれぐらい。部活動として参加すんのに本来の活動せえへんとかそりゃアカンやろ。ま、部活動ってだけじゃなくてIS学園の中で活動してる…まあ同好会とか?とりあえず先生の許可貰ってる団体やったら参加オッケーやからなー」
「剣、ちゃん、は!?」
「俺は一応生徒会副会長やし、これには入らへんねん。ごめーんね。ま、その代わり織斑一夏は全員に平等やから、部活動にも、学園祭にも、全力をもって取り組んでIS学園をもっと盛り上げてほしい。…ではこれで生徒会からの連絡を終わります」
時守がマイクから離れ、楯無と共に礼をし、壇上から降りる。それと共に再び女子達に火がついた。
「よし、よしっ…!盛り上げてきましたなぁぁぁ!」
「今日の練習後の集合、いつもより30分伸びるって皆に連絡入れといて」
「…もしゲッチュできたら…一夏君に、お茶を入れてほしい。動くのめんどくさいし」
「本が捗るぅぅぅっ!!」
「うちに来たら…まあヌードモデルは確定ね」
こうして、一夏が困惑し、何も理解できていないまま、学園祭の準備が始まった。
◇
同日、放課後のHR。1年1組は、クラスごとの出し物を決めるためにやたらと騒がしかった。
「えーっと…だな」
「ふむふむなるへそ」
現在、教壇に上がり、クラスの意見を聞き終えた一夏と時守が、クラスメイトが提案した意見に目を通している。
内容は『織斑一夏と時守剣のホストクラブ』『織斑一夏と時守剣とツイスター』『しりとり』『おにご』『織斑一夏と時守剣とポッキーゲーム』『織斑一夏と王様ゲーム』『時守剣のドSイジメ』『男女衣装交換ダンス』『俺と一夏のホストクラブ』…などなど、まあ普通の高校では見られないような物ばかりだった。
「却―」
「とりあえず何個か採用でええやろコレ」
うおおおっ!と、朝の講堂と同じように、大音量で歓声が響いた。
「剣!おま、アホだろ!?ってか『おにご』とか『しりとり』とか『男女衣装交換ダンス』とか入れたのお前だろ!!しかもなんで『俺と一夏のホストクラブ』とか入ってんだよ!一人称からして明らかお前しか居ないよな!?訳わかんねぇよ!」
「いや、考えんのめんどかったし。ただダンスしてもおもんないやん?しかもホストクラブとかやったらとりあえずドンペリ入れといたら儲かるやろ」
「だからってしりとりは無いだろ!?ただダンスしてても学園祭だから盛り上がるし!!…って、その前に高校生に学校で酒飲ませようとすんな!こんな所で商売人魂出さなくていいんだよ!」
「ここ、IS学園、治外法権」
「違うからな!?一応それなりに法はあるからな!?」
お祭りごととなると、やはりこの男が出てくる。時守がクラス代表の一夏にほぼ仕事をさせないレベルで仕切ろうとするが、一夏にも、譲れない一線がある。意地でも自分の意見を曲げようとはしなかった。
「ああもう!とりあえず、今出てる案は全部保留だ!」
「何っ!?織斑一夏は共有財産では無いのか!?」
「そうだ!織斑君には女子を悦ば…喜ばせる義務がある!」
「盛り上がることを考えたら織斑君と剣ちゃんが出るべきよ!」
またもや講堂と同じような雰囲気が流れ出した。まともな意見が出ないだろう、という所で、1本の白く、細い腕が挙がった。
「なら、メイド喫茶はどうだ?」
「…え?…ラウラ?」
メイド喫茶。…喫茶、そんな女子力高そうなワードを出したのはなんと軍人であるラウラだった。
「実際に見聞きしたことはあまり無いが、このような催しでは客受けはいいだろう。それに飲食店は経費の回収が行える。外部への招待券もあったはずだ。それなら、昼時はランチスポットとして、それ以外は休憩の場としての需要もあると思うが?」
「え、えー…っと?…皆は、どう…思う?」
一夏は戸惑いながらも、クラスメイトに意見を聞く。
ツイスターやポッキーゲーム、王様ゲームなど、先程出ていた案に比べれば比較的マシな内容が出てきたため、クラス代表としてはできればこれで決定したかったが、クラスのことを個人で決定する訳にもいかず、多数決を取った。
「いいんじゃないかな?剣と一夏は厨房か執事でオーケーだと思うし」
「んなら俺両方ー。できれば厨房ー」
「んじゃ俺も厨房でよろしくな。シャルロット」
「え、…皆は、それでいいの?」
「良くない!」
「剣ちゃんと織斑君は執事一択なのよ!?」
シャルロットのラウラを助ける発言を聞くやいなや、すぐに厨房に立候補した時守と一夏に周りの女子からやいのやいのと声が飛んでくるが―
「俺も剣も料理できるし―」
「せやったら俺執事でええで」
―うおおおおおっ!と、またもや歓声が上がった。
「ん?どないした?ワンサマ。そんながっくり肩落として」
「何でもない…何でもないんだ…」
「そか?んなら俺ら1年1組はメイド…は執事もいるし変やな。まあとりあえず『ご奉仕喫茶』みたいな感じでオッケー?」
「オッケー!!」
かくして、1年1組の学園祭の出し物はメイド喫茶改め、ご奉仕喫茶となった。
【報告】R-18版投稿しました。8人よりもでかい推定30人のハーレムが読みたい方は是非。