IS 西の男性操縦者   作:チャリ丸

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一ヶ月ってハヤイデスネ。僕ずっと遊んでました(土下座)

ラノベとかアニメ見てたらすぐ設定考えちゃうのは悪い癖だ…。

あと、ちょっとだけ銀魂風タイトル。たまに他の漫画とかでのキャラの割り振りをこの小説のキャラで考えてて笑う時があります。


原作6巻 キャノンボール・ファスト編
祭りの後に残るのは思い出と筋肉痛


「あん?イーリが敵を取り逃した?あんな獲物のためなら何でもしそうな地を這うゴリラみたいなんが?…あ、今の本人に言わんといてや。マジで、いやマジの方で。いや、軽装備のナタルが負けるってのはまだ分かんねんけど…、もしかしてアイツら?…やっぱそっすか。りょりょー、気ぃ付けとくわ。はいー、あーい」

 

通話を切り、もたれかけていた廊下の壁から背中を離す。

足を目的地へ向け動かすも、俺のその足取りは重い。脳裏を掠めるのはあの学園祭での出来事、亡国機業の襲撃事件だ。今の連絡も、アメリカにある『イレイズド』という地図に乗ることのない軍事基地が襲撃されたという国連からの報告だった。下手人はもちろん亡国機業。目的はIS『銀の福音』の強奪。件の事件により、初期化されたコアを使っている福音の方が勝手が良かったのだろう。結果としては、福音は奪われなかった。奪われなかった、のだが。

 

「…まさか、イーリが倒しきれへんとはな…」

 

俺にとって、ISの強奪よりも気になるのはそっちの方なのだ。

こういった事件の防止のために、各国の主要な施設にはその国の最新ISとそれに見合う操縦者、国家代表クラスの人間を数人程配置している。イレイズドはその中でもトップクラスで、警備も最高峰。駆り出せるISも多く、操縦者も決して表に出ることはないがアメリカ指折りの人物が多い。聞けばイレイズドを襲撃し、逃走したのはたったの1人だという。

世界中であまりにもこういった事件が増えれば、各国代表を収集して掃討部隊が組まれるとは思うが…。

 

「てか負けんなよ。何しとんねんマジで。サボっとったんか?」

 

とりあえず、勝ち逃げとか許すわけない。後もうちょいやのに。

 

「おっ。おかえり、剣。何の電話だったんだ?」

「あぁ。ちょっと友達が怪我したでー、って電話」

「…大丈夫なのか?その人」

「ダイジョブダイジョブ。体の丈夫さと気性の荒さだけには定評のある奴やから」

「後の方は定評があってはいけないのではないか?」

 

一夏、箒と軽口を叩き、席に着く。

昼食を直ぐに食べ終え、一服していたところに、先ほどの電話が掛かってきたのだ。報告以外にも結構長く話していたとは思うのだが、全員が全員、律儀に待っていてくれたのだろう。一夏、箒、鈴、セシリー、ラウラ、シャル、簪、カナの8人が俺が席を外す前と同じ並びで座っていた。

だが、律儀に待っていてくれたというのは少し違うみたいだ。

 

「で、どないしてんラウラ。んなあからさまにほっぺた膨らませて」

 

なにやら怒っているようなラウラに一声かけ、茶を煽る。

テーブルの上を見ると、カナや簪、シャルロットにセシリーといった面々が食事を終えているのに対し、箒や鈴、一夏にラウラはまだ皿に多くの料理が残っていた。はっはーん。

 

「4人揃ってう○こ行っとったんか?」

「違う!!この2人が嫁の誕生日なるものの日を教えてくれなかったのだ!」

「9月27日やったっけ?」

「覚えててくれたのか?」

「覚えてた、やな。『苦にな(927)れお前の人生』って覚え方便利やで」

「どんな語呂合わせだよ…」

「ひっどい覚え方ね」

 

そんなん言われても困る。覚えやすいねんもん。

 

「てかその日ってキャノボやん」

「そ。だからキャノンボールファストが終わって、4時から一応始める予定なんだ」

「ほーん。ええよなー、みんな。専用パッケージやら展開装甲やらあって。あんなんあったらめっちゃ速なるし。もう勝負見えてるどころか決まってるやん」

「…金夜叉って、パッケージ無いんだっけ…?」

「せやでー、なんでも仕様やら装備やら分類やらの話でなー」

「そういやさ。金夜叉のそういうのって、どうなってるんだ?」

 

簪からの問いに答えると、ふと、一夏からそんな言葉がでた。

思い返せば、俺との会話でそう言った話になったことはほとんどなかった。それこそ、金獅子を手に入れた直後と、金夜叉に二次移行した時ぐらいだろう。一学期はまだ解放しきれていない武装もあったので、それなりに制限のキツい守秘義務が課せられていたのだ。

 

「仕様は『可変式ジャベリン』で、装備はランペイジテール2本とオールラウンド一本。分類は『全距離蹂躙型』やとさ」

「ぜ、全距離蹂躙型…?」

「そ。ランペイジテールぶん回しながら気に入らん奴をオールラウンドでフルボッコにしていくねんて」

「怖すぎんだろ」

「一撃でワンチャン死ぬかもしれへんワンオフとどっちが怖いねんアホ」

 

言うたら猪突猛進な死神が襲ってくるようなもんやん。

 

「でもまぁ?今度のキャノボじゃ?エネルギー効率の問題から?『零落白夜』使えへんから?何の脅威でも無いんですわぁ」

「使おうと思ったら使えると思うんだけどなぁ…くっそぉ!なんで皆はワンオフ無いんだよ!」

「嫁よ。ワンオフが軽く発動できないからこその、第3世代だぞ?」

「あ、そっか」

 

アホやろこいつ。適当に煽った結果がこれやしな、ほんま、いじってて飽きひんわ。

 

「そういやアンタのワンオフは制限無いんだっけ?」

「せやで。ま、言うて単発だけやったらそこまで強いわけちゃうしな。縛るんはラグナロクぐらいにはなりそうやし」

「機動よりは攻撃重視なんだね」

「機動重視に切り替えたとしてもいつもとあんま変わらんからな」

「いつもと変わらないのか…」

「それはそれでやりにくいですわ…」

 

あれ、何でや。箒とセシリア以外にもなんかめっちゃ嫌そうな顔されてんけど。

 

「なんでそんな顔すんねん」

「師匠、自分の戦績を覚えていないのか?」

「楯無さん以外、ほとんどお前に攻撃当てられてないんだぞ?」

「機動が売りやのに当てられたら逆に俺が困るっつーの。代表が代表候補生に負けるとかあったらめっちゃ怒られるわ」

 

まあぶっちゃけ怒られるだけじゃすまへんと思う、とは口にしないでおく。今じゃ国連代表候補になる条件があるわ、しかもめっちゃキツいわ、やからなぁ。

 

「んで、キャノボの訓練とかはいつすんの?」

「そろそろ高速機動の授業があるから、それぐらいだな。授業で分からなかったところをラウラに聞いたりする」

「へー。なるほどねぇ」

「ね、ねぇ…剣…?そ、その、キャノンボール・ファストには……」

「ん?出るで?…大丈夫や、飛ぶのがメインやし、何より……」

 

不安げに俺の顔を覗く簪の頭を優しく撫でる。

簪の言いたいことも分かる。これ以上、怪我をしてほしくないと願ってくれているのは本当に嬉しく思う。でも、今回は本当に大丈夫なのだ。

 

「言うたやろ?もう、勝負は決まってるって」

 

そう、キャノンボール・ファストの勝者は、もう決まりきっているのだ。

 

 

 

 

 

「なあカナー」

「んー?」

「なんでさっき何も喋らんかったんー?」

「年長者からのアドバイスが無い方が皆成長出来るかなーって」

「なるほどなー」

 

昼食の後、俺は久しぶりにカナと部屋でごろごろしていた。他意は無く、本当にただごろごろと、のんびりとした時間を過ごしていた。

 

「あ、せや」

「んー?」

「今週末どっか行くか?」

「行くっ!もうっ、どうして剣くんはいっつもそういうことをいきなり言うのよ」

「わ、悪い悪い…」

 

隣で横になっているカナの方を向いて、外出を提案すると、凄まじい勢いの寝返りと共に賛同された。

 

「あ、もしかして、一夏くんの誕生日プレゼントを買いに行くの?」

「え?…あ、あー、せ、せやでっ!」

「剣くん…」

「わ、忘れてないし…。ほんまに」

 

なぜかジト目で見られた。解せぬ。

仰向けになり、心の中で密かに一夏へのプレゼントを考えていると、身体に軽い衝撃と柔らかい感触が同時にやってきた。天井から下へと視線を向けると、純真無垢な笑顔を浮かべた刀奈がいた。

 

「何してんの?」

「抱きまくら〜。んふふ〜、剣くんの匂い〜」

「かわいい奴め…、うりゃうりゃっ!」

「きゃっ、もうっ!やーめーてーよー!」

 

可愛い(確信)。可愛くないのだろうか、いや、可愛くないわけがない(反語)。可愛い(断定)。カワイイィ!(建前)カワイイィ!(本音)

 

刀奈への可愛いの五段活用を心の中で終えたところで、意識を再び彼女に戻す。ちなみに、これが簪に対するものならば俺以外に刀奈の分が上乗せされ、倍の十段活用になる。可愛い可愛い、と2人で言い続けてたら顔を真っ赤にして走って逃げられたのは記憶に新しい。

 

「ねぇ剣くん」

「ん?」

「もう、痛くないの?」

「…あー。まあ、日常生活では痛まんな。流石にちっふー先生とスパーリングとかしたら痛いとは思うけど」

「そんなの誰でも痛むわよ。…というより、痛いで済むわけないでしょ?」

「せやな。…やから刀奈とこうしてても何の問題もないでー!」

「きゃーー!」

 

刀奈と抱き合い、2人でベッドの上を転がり回る。

 

「け、剣…、いる?…って昼間っから何してるのさ!」

「んー?おー、シャルー」

「あら、シャルロットちゃん。どう?一緒にごろごろする?」

「むぅ……。…します」

 

その後、俺の週末の予定を聞きに来たシャルも加え、3人でごろごろし続けた。

 

久しぶりに、IS学園に平穏が訪れようとしていた。

 

 

 

 

「訪れてへんやんけ」

「はい?どうかしましたか?剣さん」

「いや、別に何もないで」

 

時は数日ばかり流れ、場所はIS学園第2アリーナ。そこに、7機の専用機が佇んでいた。

白と紅は、限られたスペースではあるが既に軽い模擬戦を始めており、橙と黒、そしてやや赤みがかった黒は地に降り、何やら話し込んでいる。

そんな5機から少し離れた所に、金の走る黒と青がいた。

 

「で、や。セシリー。…ここんとこずっと元気なかったんって、やっぱアレか?」

「…っ、はい…。そうですわ…」

 

金の走る黒――俺の問に、青――セシリアは苦々しい表情を俯かせながら答えた。

数週間前から、セシリアが誰にも言わず、ただ1人黙々と訓練を続けていたのは、フレキシブル…いわゆる、偏向射撃の成功のためだった。

本国イギリスから実弾兵器の使用不許可を通達された彼女は、もちろんエネルギー兵器の特訓に明け暮れた。以前から知っていた最高難易度の技術の一つである偏向射撃。それをもって、最近勝率が下がり気味である模擬戦を、何とか改善しようとしていたのである。

だがそこに、世界最高クラスのビット適正を持つわけでも無いにも関わらず、偏向射撃を見事使いこなしていた亡国機業の敵が現れたのだ。

 

なんと言うか、まあ、可哀想なほどに不憫である。

 

「ま、やから俺が見ることになってんけどな」

「…シャルロットさんたちも、よく分からないとおっしゃっていましたが…剣さんは分かりますの?」

「何となくは、な。要はビームを曲げるコツやろ?」

「そうですけど…。っ、ま、まさか本当にご存知なのですか!?」

「お、落ち着け落ち着け。俺もよう知ってるわけやない。ただ、できるってだけや。見ててみ?これを、こう、して…。死ねカスっ!」

「おわあぁぁぁあああっ!?あ、あっぶね!!」

「ひぃっ!剣っ!お、お前!どこに狙いをつけているんだ!あ、危ないではないか!」

 

セシリーの見本になるよう、『オールラウンド』を展開して適当に振り、超適当な所へ『具現一閃』を放ち、強引に一夏と箒が模擬戦をしている場所へと曲げた。

 

「とまあ、だいたいこんなもんや」

「なるほど」

「なるほど、じゃねぇよセシリア!頼むからこっちにビットとライフルを向けないでくれ!」

「そもそも剣とセシリアでは得物が違うではないか!」

「あ、せやな」

 

せや、それもあるんか。とは言え、元々理論上は可能やから適正トップやったらできるやろってのも変な話やねんけどな。言うたら理論上は人は飛べんねんから一番胸筋のある奴に段ボールで作った羽持たせて飛べって言うてるみたいなもんやし。

 

『……もう、終わり?』

「おー、簪ー。悪い、まだもうちょいや」

『ふふっ、安心してね。私と簪ちゃんがしっかりとデータ取りしておくから。セシリアちゃんも、固くなりすぎないように、ね?』

「…分かってますわ…。自分でも、考えすぎだと言うことぐらい…」

 

管制室でデータ取りを引き受けてくれている簪とカナからの通信に、セシリーは顔を俯かせて答えた。

セシリーが本格的に根を詰めて訓練を開始したのは、丁度二学期が始まってから。つまり、第二形態移行した俺と一夏の機体、金夜叉と白式・雪羅との模擬戦が始まってからである。

彼女の二学期からの戦績は、お世辞にも良いものとは言えない。一学期まで専用機持ちの中でぶっちぎりの最底辺だった一夏に負け越し、地道に地力を上げつつある鈴とシャルロットにも良い結果は残せていない。たーちゃんお手製の第四世代IS『紅椿』に対抗しようにも、技術は上なのだが火力の差で快勝することができていない。となれば、地力で負けているラウラや簪にも簡単に勝てるはずがなく、カナ戦に至ってはセシリーのペースに持っていく方が難しくなっている。まあつまり、セシリーは現在かませ犬になりかけているのだ。

 

そんなこと断じて許せん。誰か1人が負けてばっかりだと、こちらとしても辛いものがある。

 

「セシリア」

「はい…」

「賭けかも知れへんけど、試してみるか?」

「っ、何を…ですの?」

 

俺のその一言に、彼女は暗い表情を少しだけ明るくして、顔を上げた。

 

「短時間で、一気に成長する方法や」

「え、そ、その…、本当にあるのですか?」

「あぁ。俺や一夏も、そうやって強なった。一気に、な」

 

この方法、皆には周知のものなのだが、なぜか皆がやろうとしない。…いや、できない、のだろう。

 

「一夏さんと剣さんと言えば…、ま、まさか…」

「せや。そのまさかや」

 

第二形態移行。それが出来れば苦労はしないだろうが、頼りはそれしか無いのだ。この世界で短時間で一気に強くなれる手段など、限られている。さらにこのISにおいてなら、その方法は形態移行に絞られてしまう。

 

「で、ですが…」

「まあセシリアの言いたいことも分かる。あんなん、狙ってできることちゃうしな。…でも、それに近づくことならできる」

「近づくこと…ですの?」

「…もっと、今の自分を信じてみろ。それだけで、変わるもんもある」

 

別に、第二形態移行に成功しなくてもいい。ちょっとしたことを変えてみるだけで、ISというのは大きな成長を得ることがある。物理的に少し変えてみる、というのは簪の得意分野であったりするのだが、少しメンテナンスを行うだけで機体そのもののパフォーマンスが格段に向上するといったことは、何ら珍しくない。

 

「…そう、ですわね。分かりましたわ剣さん。もう少しだけ、自分自身と向き合ってみますわ」

「ん」

 

彼女が俺の手助けを必要としないのなら、俺は無理には手伝わない。もちろん、命の危機などの時は問答無用に助けに行くが、本人が自力で頑張りたいというのなら、そうさせるのが一番だ。

 

だが、セシリアだけがそれをする、というのは少しだけ違うのだ。

 

自分自身と、自分達自身と向き合う必要は、俺達全員にもあるのだから。




IS6巻ってマジでなんも書くことないや。蘭ちゃん出てきても秒で終わりそうだし。はよタッグマッチ書きたいし。

でも、しっかりと強化フラグやら伏線回は入れたいです。
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