IS 西の男性操縦者   作:チャリ丸

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ほんますんません(土下座)

新作投稿して「は?エタる訳wwww」とか言ってたら物の見事に…。

8巻新しく買ったので安心してください!こっからガンガンいきますので!

確実に2周年は超えますね。皆様、これからもよろしくお願いします。


EOSと面倒事

 

 「ということで、EOSだ」

 「どういうことやねん」

 

 体位測定からさらに数日後のIS実習。なぜかちっふー先生が俺が国連で開発に関わらされた悪夢の名を口にした。

 

 「先ほど、お前にも関係のある話だから聞いておけと言っただろうが。先日の襲撃を受け、専用機を1度オーバーホールすることになっただろう。そこに、国連からEOSというもののデータを集めてほしいという要望が来たのでな。丁度良いだろう」

 「い、嫌や!俺はもうアレには乗らへんぞ!」

 「剣さん?どうかなさいましたの?」

 「あんなポンコツ乗りたないわ!絶対防御無いSE無い、やのにクソ重いし、あんなんで訓練したないわぁぁぁ!!」

 

 EOS。その名を聞くだけで思い出してしまう、悪夢の日々。本当に辛かった。ちっふー先生にフルボッコにされるよりもキツかった。

 

 「そんなになの?剣」

 「あぁ…皆は多分大丈夫やと思うけど、ちょっとな…」

 「何があったんだ?」

 「ISの全方位射撃を命懸けで殴り落とし続ける訓練があってやな…」

 

 ラウラ、ワンサマ、やめろ。なんで二人して俺の肩を叩くねん。

 セシリー、シャル、モッピー、鈴、簪なんで皆泣いてんの?

 

 「そんな馬鹿げたものは訓練ではなく、EOSの駆動実験だ。お前でしかやらんから安心しろ」

 「マジふざけんなよアンタら!」

 

 いつかは役に立つから、ちょっとだけだから、と言われて装備したEOSでまさかあんなんなるとは思わんやん。

 ええ大人が不気味に笑いながら近づいてきたと思ったら狙い撃ちにされんのはほんまにヤバかった。

 

 「ともあれ、今日はEOS同士での実験だ。死ぬ気でやれば死なんことは時守が証明した。ので、お前達には安全圏内でどれだけ動けるかを試してもらいたい」

 

 周りを見れば5人とも楽しそうにEOSに乗り込んでいる。

 

 あーあ。俺知らんで。

 

 「う、お…。なんだコレ、重くて…」

 「動きづらいですわ…!」

 

 EOSを装備した皆は、とにかく動きづらそうだった。そらそうやわな。

 E(えらい)

 O(重い)

 S(装備)

 で、EOSやからな。

 

 「コツなどは無いのですか、師匠!」

 「お?コツ?」

 「さっきから剣だけ1人、軽快に動いてるからね」

 「コツはまあアレ。横に動くってか上下に動く感じ」

 

 言葉だけで言っても絶対に伝わっていない自信があるので、ゆっくりと動く。

 

 「まず、軽くしゃがむやろ?んで、膝をちょい伸ばす時に左右で力の調整して進んでいくねん」

 「それを連続させるのか?」

 「せやな。連続させまくったら…」

 

 視界が激しく上下する。それと共に、普段は聞くことがない凄まじい機械音が辺りに鳴り響く。

 

 「こうなる」

 「…いや、絶対酔うだろ。それ」

 「もち。口でドゥエドゥエ言ったら気持ち速なる」

 「ジャンプしてねぇじゃねぇか」

 

 ええねんそんな細かいこと。

 

 「で?これでペイント弾ぶつけ合ったらいいんすか?」

 「そうだ。既に充填は済ませてあるので、いつでも始めて良いぞ」

 「死ねやボケカスゥ!」

 「ぶっ!?」

 

 開始の合図と共に、ワンサマに向けてペイント弾を連射しまくる。

 赤、青、黄など、ワンサマの身体が色とりどりになっていく。

 

 「綺麗なオブジェにしてやんよ!」

 「ちょ、待っ…臭っ!?」

 「当たり前だ。特製ペイント弾だからな。今日1日は落ちんぞ?」

 「喋ってる場合か?ワンサマ!」

 

 ガションガションと重々しく動くワンサマ号に対し、超速で上下運動をしながら横にスライドする俺。

 ほぼ全弾がワンサマに命中する。

 ふと視線を逸らせば、セシリーやシャルはキャッキャウフフと和やかに動いていた。

 可愛い。

 死ねる。

 なるほど、片方は緩慢な動作を、片方は急速な動作を確認するということか!

 

 「お前、剣!茶色を尻に当てるな!」

 「じゃあ紫にする」

 「やめろ!余計グロくなるだろ!」

 「グロないとおもろないやろが!」

 「おまっ、マジでやめっ…!簪も尻を狙うな!?」

 「ふふっ…」

 

 超高速スライド走行を繰り返す俺と簪。円を描くように動き、中心にいるワンサマを狙う。

 

 「逃げられると思わないこと…、もう、逃げ場は無い…!」

 「今日のお前はケツが茶色に汚れたISスーツで一日過ごす運命なんや!」

 「やめろォ!!」

 

 どこを向いても、どんな回避をしても、確実にケツが汚れていくワンサマ。

 紫やらが既に混ざっており、その色はだいぶ気持ち悪い物になっている。

 

 「緑!」

 「ぼふぁっ…!」

 「よし、そこまで!…そ、そこ…まで…」

 「ぷ、ふ、くくっ…よ、嫁よ…。笑らせないでくれ…」

 「え?」

 

 ちっふー先生の掛け声で、短かったEOS操縦は終わった。

 と同時に、ワンサマの凄まじい色合いで、ちっふー先生とラウラというお硬い2人が笑い始めた。

 

 「お、織斑…。その、だ。顔はしっかりと洗っておけ。顔面がナメック星人のようになっているからな」

 「えぇ!?ホントかよ、千冬姉!」

 「織斑先生だ」

 「は、はい…」

 

 注意されるも、しばかれることは無かった。

 多分ちっふー先生、スペック表が汚れるん嫌やったんやろな。

 

 「それと、ISスーツも洗っておけよ。カーキ、スカイブルー、ベージュやグレーなどは落ちにくいからな」

 「剣!お前なんでそんな色使ってんだ!」

 「国連の格納庫から持ってきた」

 

 ワンサマの身体、もといISスーツは、俺と簪の集中砲火により最早現代アートのようになっている。

 ケツは茶色一色だが、全体的にマイナー色で疎らに染められているかと思えば、紫や緑といったメジャーな色が散りばめられている。

 

 「圧倒的美的センスッ!」

 「マジでふざけんな!」

 

 最早元の色が無くなったワンサマは、EOSから飛び降りた。

 

 瞬間、ベチャッという音と共に、深緑色のインクが足元で跳ねた。

 

 ◇

 

 「しっかしさー」

 

 IS実習後の混み合う女子シャワー室。

 その仕切り越しに、鈴が話す。

 

 「この前の事件、あいつが帰ってきて無かったらヤバかったわよねー」

 「そうですわね。本国からも、文句…というよりかは、安否確認の連絡が耐えませんでしたし」

 

 セシリアが返したその話題は、先日の『ゴーレムⅢ』襲撃事件のもので、専用機持ち全員が食いついた。

 

 「確かにな。2年、3年の専用機持ちは本国での緊急修理が必要だと聞いたが?」

 「それは、ラウラもではないのか?随分とダメージを負っていたが…」

 「うむ。確かにそうだが、生徒会長の専用機と共に学園で修理してもらうことになったのだ。師匠からのツテでな、技術者が派遣されるらしい」

 「え、それって大丈夫なの?機密とか…」

 

 ラウラが口を開き、その言葉に箒が疑問を投げかけた。

 先の襲撃、AICとワイヤーブレードによるヘイト稼ぎをしていたラウラのIS『シュバルツェア・レーゲン』のダメージはとんでもないことになっていた。

 しかし、それを学園の設備で直すのだ。

 その事に対する疑問、不安に対し、今度はシャルロットが口を開いた。

 

 「…大丈夫。流石に、戦争を誘発させるほど国連もアホじゃないし、何より剣がさせない。メンツが保てないし…」

 「簪の言う通りだ。言わなかったが、派遣されるのも我が本国の技術者だからな」

 「なんだ、先に言ってよ…」

 

 簪とラウラからの意見により、シャルロットは胸を撫で下ろした。

 IS学園は良くも悪くも絶対不干渉。現状、シャルロットもその性質を使い、本国からの面倒な繋がりを絶っている状況にある。

 

 「だが、学園としても本来引き受けたくないはずだがな」

 「え、なんで?」

 「…ラウラだけじゃなくて、お姉ちゃんのISも引き受けてるから。…最先端の技術ほど、扱いにくいものは無い…」

 「直しにくいですし、何より盗まずにそれをしなければなりませんもの」

 

 学園の整備室を貸す以上、どうしてもログなどが一瞬残ってしまう。

 その後処理、並びに補助などが出しにくい、というのがラウラと楯無の両者のISにある面倒事である。

 

 「出来れば、シュバルツェ・ハーゼの隊の者達にもお土産を持って帰りたかったのだがな、もう少し先になりそうだ」

 「そう言えば、ラウラもシャルロットもセシリアも鈴も、あまり国には帰れないのだったな」

 

 泡を流した箒とラウラが、シャワーブースから出る。

 あまりの胸囲の差に、ラウラの心に幾らかの嫉妬が産まれた。

 

 「…あぁ。軍属の私は何よりだ。帰る時は事前に作戦などを知らずに帰ると、かえって邪魔になる」

 「隊長でもそうなのねー、って、今は副隊長に任せてるんだっけ?」

 

 同じく、泡を落とした鈴が出てくる。

 あまりの胸囲の差に、鈴の顔に影が映える。

 

 「…でも、IS学園でその分学べるって考えたら、気は楽…かも?」

 

 簪が出てくる。

 以下略―

 

 「はぁー。すごいワガママになっちゃうけど、僕も第3世代の専用機に乗ってみたいなー」

 

 シャルロットのそんな呑気なボヤキを聞き流しつつ、3人は涙ながらに下着を身にまとっていく。

 何も知らぬまま、箒は新品の下着を身にまとった。

 

 

 ◇ ◇

 

 

 「うざ」

 「黙れ時守。手を動かせ」

 「いや、シャルとかセシリーとか簪とかカナとかいるんやったらまだ分かりますよ?なんで俺だけ教師に囲まれて…」

 「良いからして下さい、時守君!」

 「うおっ!」

 

 平日の職員室。授業と授業の休憩中に、時守はそこにいた。

 その日はクラスにツッコミ役である一夏がおらず、暴れに暴れていた時守。

 それを見かねた千冬が、彼の首根っこを掴んで強引に連れてきたのだ。

 

 「そうだぞ、お前に関係することなんだ」

 「えー、この案件やったら、カナ連れてきてもええやないっすか」

 「言わせるな、2年のアイツを引っ張ってくるのは面倒なんだ」

 「大人って汚ったね」

 「と、時守君!先生に向かってそんなこと、言っちゃダメですよ!」

 「へーい」

 

 真耶と千冬、それから数人の教師に囲まれながら、時守は作業を続けていた。

 

 「だいたい、メンツを見て察しているだろう?お前なら」

 「まあそりゃ、ね。IS学園きっての実力者揃いじゃないっすか。…ほぼ全員が、元国家代表。一番弱いのが山田先生っすから」

 

 時守を囲う教師陣、それは、技術者出身の者達や中途半端な実力者ではない。

 正真正銘、本物の実力者達だった。

 

 「あと、この資料。そりゃ技術者出身の先生達には見せれませんわな」

 「時守君が賢くて助かります…」

 「まあこれでも、国連代表ですし」

 

 あははー、とアホみたいに笑う時守。

 その笑い声を掻き消すかのように、突然職員室の電気が消えた。

 

 「山田君」

 「っ、IS学園周辺に不審者を確認」

 「システムも落ちて、防御シャッターも作動してるわ、千冬」

 「ある程度はイカれてないわね。でも、非常灯が点かない…」

 「オペレーションルームへ専用機を誘導、でどうかしら、千冬?」

 「元からその予定だ。時守」

 「やってますよ」

 

 緊急時の対応にも慣れた面々が、手元にある端末、ウインドウで落ち着いて現状が把握されていく。

 時守により、千冬の名の元にオペレーションルームへの専用機持ちの収集がかかった。

 

 またも、IS学園での事件の匂いを、時守は感じていた。

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 「では、状況の説明を始める」

 

 IS学園地下特別区画、オペレーションルーム。

 本来ならどんな生徒も入ることは許されず、知ることも無いそこに、現在IS学園にいる専用機持ち全員が集められていた。

 箒、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラ、簪、楯無、時守。その前に、千冬と真耶だけが立っていた。

 

 「一切の質問は受け付けん。お前達には、これから電脳ダイブをしてもらう」

 「で、電脳ダイブ…ですか?」

 「あぁ。…時守」

 「うっす」

 

 千冬から促された時守が、専用機持ちの列から外れ、真耶、千冬側に立つ。

 

 「今、IS学園はハッキング受けたみたいでな。目的、手段、犯人、誰も分からんから内から反撃ってことや」

 「なお、電脳ダイブは時守が慣れている。恐らく、この世界で最長と言っても過言ではない程にな」

 「まあ、そういうこっちゃ」

 

 そうは言えども、動揺が収まらない専用機持ち達。

 しかし―

 

 「ぶっちゃけ犯人に心当たりあるし、出会ったら5秒で倒せるからしょーみ余裕」

 「なんだ、そうなの」

 

 ―時守の発言でその緊張は一気に解れた。

 

 「全く…、緊張感を持って挑めと言っただろう…。とにかく、お前達はアクセスルームに移動!更識妹、お前がバックアップ、並びにナビゲートに当たれ」

 「はいっ!」

 

 楯無を除く7人がオペレーションルームを後にする。

 

 「更識姉、お前には学園を狙う第三勢力の排除を頼む」

 「はっ!」

 「システムが復旧し次第、時守にも命令を与えている。無茶は、するなよ」

 「分かっています。これでも、自分の身は大切ですから」

 「なら、頼んだぞ」

 

 ぺこりとお辞儀をした楯無が、オペレーションルームから出ていく。

 

 「…さて、生徒達にしてもらう最低限のことは任せたが、私達には辛い任務が待っているな、真耶」

 「ですね。…とはいえ、流石に許可が降りた先輩なら、大丈夫なんじゃないですか?」

 「ふっ、どうだかな」

 

 千冬と真耶が、薄らと笑う。

 生徒達には、比較的軽い任務を任せた。

 自分達2人に課せられたのは、それとは比べ物にならない任務。

 しかしそれでも―

 

 「またまた…。敵を切る、その目的で振るう剣は、何よりも強いでしょう?」

 「まあな。時守と戦う時よりかは、遥かにやりやすい、なにせ―」

 

 ―我慢しなくて良いからな。

 

 千冬の口端が釣り上がる。

 

 千冬と真耶。2人も、とある準備へと取り掛かった。

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 「何よここ…」

 「…精神と時の部屋…?」

 「ちゃうぞー簪ー」

 

 足取りが重い6人を引く時守は、いつも通りだった。

 白一色、ベッドのような物がズラリと並ぶそこは、誰も見覚えが無いものであった。

 …時守以外は。

 

 「まあそんな固くなるようなとこちゃうで」

 「えっ、剣。アンタここ来たことあるの?」

 「お?おぉ。国連のヤツで色々となー」

 

 のっしのっしと歩き続ける時守。

 ベッドチェアの横に辿り着くなり、手を翳した。

 

 「マスターID、初代国連代表、時守剣。使用IS、金色」

 

 その声と共に、この部屋全ての機械が一気に作動した。

 

 「な、何ですの?今のは…」

 「非常時にのみ使える、いわゆるチートみたいなもんや。許可さえ降りれば、IS関連で文字通りなんでも出来るで?」

 

 ニヤリと不敵に笑う時守は、この場において頼りになる存在であった。

 

 「…とにかく、急いだ方が良い。中は仮想現実の世界。…早く終わらせよう」

 「それもそうね、了解っ」

 

 快活な声で、鈴が元気よく答える。

 時守と鈴。2人によってある程度不安が払拭された専用機持ち達は、ベッドチェアの端末にISを接続した。

 

 「んじゃ、全員横になって。昼寝みたいな感覚でええから」

 「むぅ…師匠、教官は緊張感を持てと言っていたぞ?」

 「鬼の居ぬ間に洗濯ってやつや」

 

 本人が聞いていたら真っ先に主席簿を食らっていただろうが今はいない。

 ラウラも、いつの間にか千冬のことを教官と呼んでいたが、もちろんお咎めは無かった。

 

 「じゃあ、行きます…!」

 

 デスクに座った簪が、ISから立ち上げたコンソールから、システムを作動させる。

 6人の意識が吸い込まれるようにどこかへ落ちていく…。

 

 「…ん?あれ…剣の…?」

 

 そんな中、時守のIS『金色』がぼんやりと光っていた。

 

 




ちょいと短いですがこの辺で。

R-18の方で13000書いても足りない…!って思うのにこの差は…うーん…。

何だかんだでもう少しで100話。

チャリ丸、頑張りますっ!
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