閑話()です
■st Reflection
「……」
「神様?」
「コロッケ……」
「神様」
「ハッ…なんだい、ベル君」
眷族の言葉に意識が帰ってくる。目の前にはルベライトの瞳と汚れを知らない真っ白な髪の毛の持ち主。愛しい愛しいハジ■テの家族、ベル・クラネルがいた。
その彼がボクの事を心配そうに覗き込んでいる。
あぁ、そんなベル君も素敵だぜ。
「なんだい、じゃないですよ。ジャガ丸くんなんかをずっと見つめて…話聞いてました?」
「勿論だとも!で、何だっけ」
「神様…」
苦笑するベル君も可愛いなぁ
久し振りに二人きりなんだ、今日こそはじっくり堪能しちゃうぞ。
「夢ですよ。夢」
「夢?」
「最近変な夢を見るんです。それも、ダンジョンの」
「へぇ?話してごらんよ」
何だろうか
「はい、えぇと…」
ベル君は語った。
気付いたら目の前に見たこともないモンスターがいて、鼻につく程の濃厚な血の臭いと怨念とも殺気ともとれる、人の陰鬱な部分だけを煮詰めた様な、醜悪を体現した胎児の様なソイツは気付いたらふと姿を消していた。
ソイツはベル君曰く
「似た夢を見る際には必ずいるんです」
との事で、最初にだけ現れるソイツは予兆の様なモノらしい。
まるで不吉の前兆みたいだね…
話を戻すと、ソイツが消えて初めて、自分の視界が真っ暗だった事に気付く。同時に光が射し込んだと思えば、目の前には霧に満ちたダンジョンが広がっているのだそうな。階層を移動しようとしても透明な壁に阻まれ、その場から出ることは叶わないらしく、そうしている限りはずっと夢から出られない。
そこで疑問が湧いたボクは訪ねた。
「じゃあ、どうやって君はその夢から…」
心配な様子のボクに慌てたベル君から至極簡潔な返答がされる。
「倒すんです」
「倒す?」
見える範囲にいるモノを全て倒す。モンスターを全滅させれば夢から覚めるのだとベル君は言う。
変わっているのは、階層主を最後に倒してその夢は終わるらしいのだが、その階層にいるモンスターを全滅させると初めて不特定多数の階層主が湧くらしい。
「不特定多数?」
「はい、稀に一体だけだったりする事がありますけど、基本複数ですね。それが一団になって攻めて来るんですよ」
複数の階層主が徒党を組んで襲い掛かってくるという発言には流石のボクも驚きを隠せなかった。
若干興奮気味のベル君は続きを少し息を荒げて言う。
「真っ黒な人型のモンスターで、まるで一つのパーティの様に連携を取るんです。それにーー」
更にベル君は言葉を紡ぐ。
毎度毎度階層主は人型とは決まっているものの、千差万別、挙げ句に技術を有し、魔法も使う。
まるでダンジョンを踏破してきた人達を相手にしている様で、対人戦特有の緊張感を覚える程に、人と戦っているのと遜色はないどころか、相手が人とさえ錯覚するらしい。
モンスターが真似たのかは知らないが、ダンジョンが写し取った冒険者達をベル君は
「〝影″って呼んでます」
それを最後にベル君は口を閉ざす。
変な夢、確かに変だ。
いや
「ねぇ、ベル君」
「はい?」
「ソレはホントに夢なのかい?」
「………」
沈黙。
痛いほどの静寂が場を支配する。
先程迄の明るい雰囲気はすっかり抜け、重苦しい空気が辺りを包む
ややあって、顔を上げたベル君は何かを決心した様な顔付きになっていた。
「今度…行ってみようと思うんです」
「他の皆には?」
「話していません。ちょうどその日は皆それぞれに用事があるみたいですし、たかが夢を見たってだけで付き合わせる訳にも行きません」
「大丈夫なのかい?」
言い知れ様のない不安が胸中を支配する。
「覚えている限りだと上層となんら変わりませんし、僕ももうLv.3です。こんなのへっちゃらですよ!」
「そうかい?なら、良いんだけど」
それきりボクは引き留めようとはしなかった。
嫌な予感がする。
でもそれ以上に、どこか引っ掛かるモノがあって、それを思い出さなくてはいけない様な気がした。
じゃないとボクは一生後悔する。
直感がそう訴え続けていたんだ。
ふと掌に収まっているジャガ丸くんを見つめる。
「…コロッケ…?」
口が勝手に動き、知らない単語が呟かれる。
何だろう
やっぱり大事な事を忘れてる気がする。
ダンまちがメインになってますが
あくまで原作:閃乱カグラです(重要)
kh2の13th reflectionは良い曲ですね。
死にまくったお陰で曲覚えちゃいましたよ