今回で終わるかな……。
それではどうぞ!
ルウィー生活五日目!
僕はとうとう今日という日が来てしまったと思いました。
ブランの言う事をなんでも聞かないといけない日です!
僕は一体何をさせられるかわからないので、とても不安です。
「……作文!?」
「いや、日記だからいいじゃん」
ブランは日記と書かれたノートをテーブルに叩き付け、俺は頬をポリポリと掻きながら言う。
俺は今、ブランの部屋で紅茶を飲みながら、自分が今着ている服を見る。
「執事服ねぇ」
「意外と似合ってるわ……。ヘッドホンを取れば?もっと似合うと思うわ……」
「すまねぇが、ヘッドホンは絶対に手放せねぇんでな。俺のトレードマークだからな」
「それとも外せない理由があるのかしら……」
「ねぇよ、んなもん」
「でも、普段はどんな時しか外してないのかしら……」
「寝る時だけ」
「……え?」
「いや、だから寝る時だけ」
「お、お風呂は?」
「頭を洗う時だけ耳にかけて、それ以外は普通に頭につけてるさ」
「……壊れてないの?」
「全然。スゲェよな。きっと防水対応だぜ、コレ」
(思えば、戦闘でも壊れなかったわね……。あのヘッドホンも浩平並にタフね……)
俺のヘッドホンをジッと見ているが、どうしたんだろうか。
すると、ブランはニヤッと笑う。
何だろうか……嫌な予感がする。
「それじゃあ、今日一つ目の命令よ……。ヘッドホンを取りなさい……」
「!? ま、待て!俺のトレードマークとでも言えるヘッドホンを取れというのか!?」
「大丈夫よ、貴方のトレードマークはその紅い瞳もあるじゃない……」
「パッと見の問題だよ!嫌だからね!絶対取らないからね!?」
「いいから、取りなさい……!」
何故、そこまで取りたがる!?
ブランと俺は取っ組み合いをはじめ、俺は押し倒される。
俺とブランは手をお互い押し合っている。
「や・め・ろ!」
「別に嫌がるほどじゃないでしょ……!」
「人が嫌だって言ってんだからやめなさい!アレだよ、俺はカ○シ先生と同じでマスクを取らないみたいな!?寝る時はヘッドホン外してるけどさ!」
「それと同じと思えばいいわ……!」
「いいじゃん!?別にとらなくても!?なんでとろうとするの!?」
「なんだか、使命を感じたわ……」
「What!?」
何でこんなのに使命を感じるの!?
おかしいでしょうが!
必死に抵抗していたが、ブランにヘッドホンを掴まれて外される。
「あ!?返せ!コノヤロー!」
「意外と普通の耳ね……」
「俺の耳をなんだと……!?」
俺はそういうと耳を抑える。
す、スース―する!
「か、返してくれ!寝る時以外でヘッドホン外すと変な感覚が!た、頼むから!」
「ちなみに、寝る時に何か耳につけたりするのかしら……?」
「つ、つけない……」
「ホントは?」
「つけてます……。ちょっとした耳当てを。作ったからさ……プラネテューヌで」
「……」
それを聞くとブランは何かを考え始める。
か、考えるよりヘッドホンを返してほしい!
俺はヘッドホンを取り返そうと掴もうとするが、手を別の方向に移動させられる。
オイ、意地でも返さないつもりか。
み、耳がスース―してるってのに!
俺がもう一回掴みかかろうとした時、ブランがスッと手を伸ばし、俺の耳を触る。
その瞬間、ビクッ!と反応してしまい、体に力が入らなくなってしまう。
「や、やめろよ~……」
「耳が弱点……なのね。ちなみに、ヘッドホンはいつ頃からしてるの……?」
「よ、幼稚園の頃から……」
(意外ね……浩平の弱点が耳なんて)
「や、やめれくへ……。ほ、ほへつもまわはなくはってひた……」
(……意外と色っぽいかも)
俺はビクビクと反応しているのを見て楽しんでいるのか、強めたり弱めたりしたりしている。
な、何か凄くくすぐったい!
か、体に力が入らない……。
つうか、押し倒された状態なんだけど……。
「す、ストップ……。お前、一回起き上がろう。でないとかんちg……ひあっ!?」
(意外な一面ね……)
「やめろってば~……」
コイツ、聞いてないのか!?
やばい、俺がキャラ崩壊している気がする!
こんな声出すの俺じゃねぇ!
別人が出しそうな声だよ!
すると、扉が開いて、メイドがクッキーを持って入ってきていた……が、俺とブランの状態を見て固まる。
俺は今、ブランに押し倒されて耳を弄られている状況。
しかも、恐らくだが、顔が熱いので、俺は今顔が赤いという事だろう。
絶対勘違いされているだろう。
「ちょ、ちょっとま」
「お邪魔しました~……」
「ち、違うぅ!違うから!ねぇ、お願い!メイドさん!話を聞いてェェ!」
俺の叫び声が教会に響き渡る。
少ししてからブランは耳を弄るのをやめて、また紅茶を飲んでいる。
だが、頬が赤いのを見ると、思い返して恥ずかしがっているんだな。
「つうか、ヘッドホン返せ」
「耳当てつけてるんだからいいじゃない……」
「お願いだから返してくれよ」
「無理な相談ね……。今日一日私の言う事を聞くんだから。ん、気付けばもう昼過ぎなのね」
「そういや、そうだな」
「浩平は料理が得意かしら?」
「まぁ、得意だが……」
「それじゃ、料理を作ってもらってもいい?ロムとラムの分もよ……」
「ハイハイ」
「ハイは一回よ……」
「ハイ、かしこまりました。お嬢様?いや、ここは女神様、の方がいいか?」
「どっちでも構わないし、言う必要もないわ……」
「雰囲気だよ、雰囲気」
そういうのがわかってないねぇ。
まぁ、あんましそういうのは俺には向いていないからしないけどさ。
俺は立ち上がると、厨房へと向かう。
その途中でまたロムとラムがメイドに追い掛け回されていたが気にしない。
クソォ……やっぱりヘッドホンしてないとおかしな感覚だな。
俺は耳当てを触りながら、ため息を吐く。
そして、厨房につくと、材料や調理器具などなどを確認してから、考える。
「さてと……どうするか」
プラネテューヌでもよく作っていたが、こっちではどうするか。
昼飯だしなぁ……。
ここ、雪降ってて寒いし、シチューでもするか。
俺はそう考えると材料を用意し、作り始める。
少ししてから完成し、料理を持ってブランの元へと戻るとロムとラムも部屋にいた。
「あ、料理できた?」
「良いニオイ……(ワクワク)」
「ホントね……」
「お待たせいたしました、お嬢様達」
そう言って三人の前にシチューを置く。
俺も自分の分を置くと座る。
そして、「いただきます」と言ってから食べ始める。
「美味しい!」
「ネプギアちゃんが言ってた事、ホントだった……」
「ネプギア、そんな事言ってたのかよ」
「調理師でも目指していたの?」
「いや、別に」
「……ホントに?」
「ホントに」
ブランさんや、俺はなる気なんてこれっぽっちもないよ。
自由気ままに暮らしたい俺がなるハズもないじゃん。
そうだ……こっちで万事屋でも作ってみようか!
どこぞの銀髪天パ侍みたいな事してみるか!
しばらくしてから食べ終えると、三人は満足そうな顔をしている。
「また食べたいな、浩平の料理」
「美味しかった……(ニコニコ)」
「そうね……。ここで働かない?」
「すまねぇが、今はプラネテューヌに住んでるんでね」
「そう……移住は?」
「なぜ、そこまで移住させようとするか、お前は」
ブランはさっきからルウィーで住む様に進めてくるが、どうしてだろうか。
まぁ、気にしていても仕方ないだろう。
俺は食器を片付けるために出ていき、食器を片付けてから戻ってくるとブランが仕事をしていた。
ロムとラムは何処かに行ったみたいだな。
すると、ブランが気付いてこちらを見てくる。
「ちょうどいい時に来たわ……。仕事を手伝ってもらってもいいかしら……?」
「ハイ、お嬢様」
「……そのお嬢様ってやめてくれないかしら?」
「執事服を着せた奴がよく言うぜ」
「似合いそうだったからって言ったじゃない……」
「そうだけども、普通着せるか?つうか、いい加減ヘッドホンを返せ」
「耳当てもとればいいじゃない……」
「お前は俺の恥ずかしい姿を見て、楽しもうとするな」
「意外と可愛かったわよ……」
「なんか屈辱!?」
ブラン、ちょっと酷くない!?
俺はブランがやっている書類仕事の手伝いを始める。
ホントになんでこうなるんだか。
そう思いながらも、書類仕事を進めていく。
★
別のところでロムとラム。
ロムとラムは外を歩いている。
「浩平、ルウィーに住んでくれないのかな」
「住んでくれたらいつでも遊べる……」
「他にも面白い事とかいっぱいできそう!」
二人は浩平がルウィーに住んでくれないかと思っている。
すると、二人の視界に見覚えのある背中が見える。
白と青のジャージを着ているが、見覚えのある背中だ。
そう、それは浩平である。
「あ、浩平!」
「浩平お兄ちゃん……」
二人は近づくが、相手は振り向かない。
二人は首を傾げ、服を引っ張る。
そして、男が振り返ると……それは確かに浩平だった。
「浩平、いつの間に外に出てたの?お姉ちゃんのとこにいたハズなのに」
「服も違う……普段着でもない……」
「もしかして、イメチェン?」
「……」
浩平?は黙ったままで、二人を見ている。
そのおかしいところに二人は首を傾げる。
「浩平、何か答えてよ」
「ヘッドホン取られたままなのかな……?」
「……」
浩平?は二人を無視して歩き出し、二人はそれに反応する。
二人はすぐに隣に行く。
「ねぇ、浩平聞いて……」
「……」
「「!?」」
浩平?が二人を睨んだ瞬間、二人はビクッと震える。
そう、言うならば蛇に睨まれた蛙の気分である。
二人は浩平?に睨まれて、危険なものを感じ、冷や汗を出して固まってしまったのだ。
ロムは少し涙を浮かべている。
「浩平お兄ちゃん……怖い(ブルブル)」
「浩平……なのよね?」
「……」
ロムが震えながら浩平を見て、ラムは聞くが、浩平?は無視して歩き出し、人混みの中へと消えていく。
それに二人は何も言えず、しばらくその場で立ち尽くすのだった。
男は裏路地へと入ると、そこにドラコが現れる。
「まったく、何を勝手にブラブラしているのかな……『コルヴス』」
「……ドラコ」
「幹部の一人が、勝手にほっつき歩いていいのかな?」
「貴方には言われたくねぇな……」
「アハハ!確かにそうかもしれないね!ただ、あまり動き回っちゃダメだよ。君は『星の導き者』を殺すための鴉なんだから。ねぇ『烏座』」
「……あぁ、そうだな。貪ってやるさ、星を」
「アハハ、いいねぇ。ホント、神出鬼没な鴉な事。その羽音は闇に紛れてくるからね。姿も。でも、服装は白と蒼と暗闇で目立つねぇ」
「黙れ、ドラコ」
「おぉ、怖い怖い。でも、君を見ていたら思うよ。ホントに『星の導き者』にそっくりだってね。まぁ、仕方ないか……君は」
「黙れって言ってるだろうが!」
ドラコがニコニコした顔で何か言おうとした瞬間、コルヴスと呼ばれる浩平そっくりの男の背中から漆黒の翼……鴉の翼が生えてくる。
それを見て、ドラコは黙り込む。
「まぁ、いいや。ほっつき歩くのも別に構わないよ。君は鴉……自由気ままだもんね。だけど、その羽音をあまり目立たせないでよね」
「……」
「それじゃ、僕はあの人の元へと戻るよ。君も早く戻ってきなよ?コルヴス」
ドラコはそれだけ言うとその場から消え、コルヴスは翼をしまうと歩き出す。
鴉の様に暗闇に紛れる様に裏路地へと姿を消す。
☆
俺は書類仕事を終わらせてから、本を読んでいた。
ブランに本を読んでいいか聞いてから読んでいる。
あばら骨もだいぶ治ってきたみたいだし、いやぁよかった。
俺は一度ルウィーで古い文献を探し回ってみた。
イストワールが言うにはここに俺の先代がいたハズだ。
俺は七代目……このゲイムギョウ界を救った星の導き者が何人いるかは知らないが、二人くらいいてもおかしくはない。
だが、探しても見つからない。
古い文献ならとイストワールにNギアで聞いたんだが、なかった。
確かに古い文献はあった……が、どれも星に関する事はなかった。
この世界で起きた事件なのに、何故文献になっていない?
もしくは誰も書き記すのを許さなかった?
もう一つは……この世界の人達には知られていなかった事だった?
表ではそんな事が起きていると知られておらず、裏でそんな戦いを繰り広げてきていた?
いや、奴らは人をも襲う存在だ。
大規模で一度や二度くらい襲った事があるハズだ。
なら、前者の方が正しいのか?
いや、ないとは限らない。
ゲームなどと一緒で、ダンジョンかどこかにそういう文献が隠されていたりするのかもしれない。
それなら……また今度探してみるとするか。
俺は本を閉じると、ブランはパソコンで何かをしている。
趣味、みたいだが、何をしているのだろうかと思う。
覗きこもうとした時はハンマーで思いっきり殴り飛ばされた。
思いっきり殴り飛ばすなんてひどくないですか?
おかげで鼻血が止まらなかったんだけど。
すると、扉が開いて、ロムとラムが入ってくる。
その目は俺を怯えている様にも見える。
ブランもそれに不思議そうに首を傾げる。
「どうした?二人とも」
「そうね……浩平を怯えた様な目で見て」
「だって、浩平が私達を思いっきり睨んだんだもの!」
「怖かった……」
「は?俺が?何処で?」
「街の中でよ!声をかけても無視するし」
「ラム……浩平はずっとここにいたわ」
「え?嘘よ!だって、街の中で確かに!白と蒼のジャージを着て……アレ?執事服と耳当てをしたまま……」
「思えば、耳当てつけてなかった……」
「オイオイ、どうしたんだよ。俺は今日は出かけてもないし、これから着替えてもねぇし、俺はその色の服はもってねぇよ」
「浩平は黒と紅が多いものね……」
「別にいいだろうが」
俺はブランにそういいながら、二人を見る。
「ホントに俺だったのか?」
「うん、だって浩平だったもん」
「でも……どこか冷たい感じだった……(ブルブル)」
「そうか……」
俺は顎に手を当て考え始める。
ま、まさかドッペルゲンガーとでも言うのか?
そ、それだったら恐ろしいぞ、オイ!?
出くわした瞬間、殺される!?
「おかしな事がよく起きるわね……」
「ちょっと気を付けた方がいいかもしれんな。俺の命が終わるかもしれん。ドッペルゲンガーの手によって」
「いくらゲイムギョウ界でもドッペルゲンガーは……いるかもしれないわね……」
「否定してよ!?」
「誰だったんだろう、アレ」
ラムは不思議そうに考えており、ロムは俺に抱き着いてきている。
俺はロムの頭を撫でながら考える。
俺にそっくりな人物……ね。
もしかしたら、そいつは星座なのかもしれねぇな。
『変身』能力……だったのか?
「考えても仕方ねぇな……」
「浩平らしいわね……とりあえず、紅茶を入れてもらってもいいかしら……?」
「ハイハイ。ロムとラムはジュースでいいか?」
「うん!」
「お願い……」
「少々お待ちを」
そうやって、一日が過ぎていく。
ただ……ラムとロムが出会ったという俺そっくりの人物が誰なのかを考えながら、過ぎていくのだった。
どうも、風狼龍です。
というわけでルウィー編はもう終わりかな。
明日にはプラネテューヌに戻るよ、多分。
あばらはある程度回復したため、戦闘はできるみたいです。
それではまた次回!