というわけでそれではどうぞ!(オイ
俺はバイクを走らせて、プラネテューヌへと戻っていた。
ロムとラムはもっといてほしいと言ってきたが、俺は戻ると言ってバイクを走らせた。
それにしても、色々あった。
強敵との遭遇、ルウィーでの日々。
そして……俺そっくりの何者か。
それが誰か一番気になっていた。
俺にそっくりで、とても気になる存在だ。
何者なのかは知らないが、今は考えていても仕方ねぇ。
俺はバイクを止めると、プラネテューヌにつく。
なんだか、結構長い間離れていた様に思えるな。
俺は笑みを浮かべると、もう一度バイクを走らせる。
そして、教会について、バイクを止めてから中へと入る。
「おいーっす。今、浩平君が帰りましたよ~」
「そこだぁ!よぉし!あ、こう君お帰り~!」
「あ、浩平君。お帰り」
「あぁ、ただいま。たくっ、ルウィーでの日々は散々だったぜ……」
「アハハ、何があったの?」
「強敵に襲われたり、ブランに殴られたり、ブランにハンマーで殴られたり、ブランに投げ飛ばされたり。ホント、色々あったよ」
「アレ?最初以外全部ブランさんじゃ……」
「ホントにね?軽くふざけた程度なんだよ。そしたら、ブランに思いっきり殴り飛ばされたんだよ。あんまりじゃね?」
「いや、それは浩平君が悪い様な……」
「なんだと……!?」
「アハハ、こう君、ブランに何したのさ?」
「ただ、俺なりにボケをしたら、ハンマーという名のツッコミをくらいまくった」
「やっぱり浩平君が悪いんだ!?」
「こう君らしいね、ホント」
「だって、ボケないといけない気がしたから」
俺は空を見る様に上を見上げる。
それにネプギアは苦笑いを浮かべ、ネプテューヌはそうだね、みたいな感じでうなずいている。
俺、基本はメンドくさがってんだからいいだろう?
「あ、浩平さん。帰ってきてたんですね」
「まぁな」
「ルウィーでの日々はどうでしたか?」
「お前、イストワール。仕事させるなんてあんまりじゃねぇか。おかげで苦労しながらの旅行だったよ」
「浩平さんの事ですから、ネプテューヌさんと一緒でどこかでサボるんじゃないかと思いまして。そうさせないためにもお願いしておきました」
「酷ェ……」
俺は引きつった笑みを浮かべながら、ため息を吐く。
だからと言って、強敵と出くわすとも思っていなかった。
『ドラコ』……アイツは星座の幹部の一人だ。
やばいってのは誰にでもわかる。
後、幹部が何人いるかだが……恐らく、かなりの実力だろう。
もしくは能力がやばい……。
そういう奴らが幹部なのかもしれない。
俺は何体か予想は立てたが、会っているかわからない。
いや、一人は確実に会っていると考えてもいい。
そいつと考えた時、勝てるだろうか……?
いや、誰も勝てないだろう……。
俺の考えが正しければ、ドラコ以上にやばい奴という事になるからだ。
まぁ、今考えても仕方ねぇ。
出くわすまでに対策を考えればいい。
それまでに他の十二星座を目覚めさせればいい。
「思えば、ブランさんからの報告で浩平さんそっくりな人物にロムさんとラムさんが遭遇したと聞いたのですが」
「あぁ、事実だ。ロムとラムが俺にそう言っていた」
「こう君にそっくりな奴?もしかして、ドッペルゲンガー!?」
「俺と同じ回答するなぁ、オイ。俺の予想だけどよ、星座だと思うんだよなぁ」
「星座……ですか?」
「あぁ、『変身』能力を持つ奴じゃねぇかと思うんだ」
「そういう星座に心当たりは?」
「いや、ねぇな……。神話が関係しているが、乙女座みたいに関係ないかだ」
「でも、そうだったら厄介だよね~。こう君の姿で悪さすれば、そのままこう君の評判につながるんだから」
「まったくだよな……ん?」
も、もしかしてだよ?
俺の姿をして、悪さをして……俺の評判を悪くして!?
ゲイムギョウ界に居れない様にするのが奴らの目的か!?
な、何という事だ……そんな事を考えていたなんて知らなかった!
も、もし俺そっくりな奴が暴れ回れば、俺へと来るに決まっている!?
「そ、そんなの物凄く困る!?俺、どうやって生きていけばいいんだァァァ!?」
「あぁ、こう君なら大丈夫じゃない?何処でも生きていけそうだし」
「お前は俺をなんだと思ってんだァァァ!」
「メンドくさがりだけど、実は凄い人間かな~」
「否定できないのが悲しい!」
俺、ホントに泣いていいかな。
俺が落ち込んでいると、ネプギアが背中をさすって慰めてくれる。
「だ、大丈夫だよ。浩平君が良い人だって、皆に先にわかってもらってれば」
「その後に悪い事が起きれば、それも一気に崩れるよな……」
「だ、大丈夫だって!浩平君がその気になれば」
「ありがとう……。でも、その優しさが逆に痛い」
「え、えっと……」
俺がいじけているのを見て、どうしていいのかわからなくなってきたネプギア。
俺は床にのの字を指で書きながらいじけている。
俺がメンドくさい奴ってのはわかるけど、どうしてもこうなっちまうんだよ。
ほっといてくれよ、俺の事なんて。
「こう君の心がボロボロだ~!」
「主に誰のせいだと思ってんだ!?」
「それはこう君そっくりの人物のせい!」
「合ってる!合ってるけども!お前も人の事貶したよな!?」
「えぇ?こう君なら凄いからどこでもやっていけるって言っただけだよ?」
「だから、俺をなんだと思ってんの!?」
とうとう俺人間として見られてない!?
それは困るんですけど!?
「それにしても、浩平さんそっくり……ですか。気になりますし、調査をしてみる必要はあるかもしれませんね」
「だな……後、『ドラコ』って言うのに気を付けろ。アイツはかなり強い……。俺やブランも負けた」
「こう君とブランが!?」
「俺はともかく、ブランが負けたとなると結構やばい。つうか、多分……アイツには束になってかかっても勝てるかどうか」
「何それ?チートだよ、チート!?」
「大丈夫だろ、なんとでもなるさ、きっと」
「自信なさげに言わないでよ!?」
「ギャーギャーギャーギャーやかましいんだよ。アレか?発情期ですか、コノヤロー」
「発情期って……乙女に向かって、そんな事言っちゃダメだよ?」
「え?乙女?あ、ネプギアとイストワールがいたな」
「ねぷっ!?まさかの私は外されてる!?」
さて、何の事かさっぱりだな。
俺の目に写るのはネプギアとイストワールだけだがな。
「何でそうなる!」
「まさかの木刀でのツッコミ!?」
ネプテューヌが痺れを切らしたのか、木刀を呼び出し、俺の脳天に叩き込んだ。
待って……頭が凄い痛い……。
お前、女神よ……?
俺、人間よ……?
ちょっとは力の差を考えてほしい……。
俺は頭から流れてきているであろう暖かい液体を感じながらも、ネプテューヌを見る。
「お前、これあんまりじゃねぇか!?」
「おぉ、さすがこう君。頭から血が出ていてもピンピンしてるね」
「慣れだよ、慣れ。慣れほど恐ろしいものはないからね」
「慣れるまでに何があったの……」
「それはもう語れないくらい色々ありました」
「何でそんな遠い目してるの?」
仕方ないでしょ。
遠い目したくもなるんですよ。
ホント、色々な不幸に見舞われてよ……。
こっちに来てから、ブランにハンマーで殴られるという事もあったせいか、更に頑丈になった様な気がする……体が。
「ですが、残りの星座もかなりの数ですが……浩平さん大丈夫ですか?」
「問題なしだな……。とりあえず、他の星座に目覚めておきたいな。向こうでは獅子座に目覚めたしな」
「え?新しい星座に目覚めたの?武器どんなの!?」
「盾だな」
「盾なの?」
「あぁ、盾だな」
「えぇ、盾なんだ~」
「オイオイ、盾だからと言ってがっかりするなよ?盾は防御に使えるだけじゃなく、相手を殴る事もできるんだぞ」
「でも、なんだか地味だよね~」
「地味言うな!?」
これでも結構強力な武器なんだぞ!?
鉄壁の防御なんだぞ!?
と、今言い合っても仕方ない。
「とりあえず、俺がいない間に星座の襲撃とかなかったか?」
「特にはなかったね。こう君が離れてるから来るかなと思ったけど、来なかったし」
「敵も警戒しているのかも。浩平君とお姉ちゃんに一人やられてるし」
「なるほどね……前の戦いで、ただ送り込むだけではダメだと気付いているのね」
俺は顎に手を当てて考える。
ならば、しばらくは平和だと見ていいだろう。
いや、だがいつ襲ってくるかわからないから、侮れないな。
それにプラネテューヌやルウィー以外の二つの国だって襲われる可能性だってある。
今、難しく考えても仕方ないと思うが、起こってからでは遅いしな……。
「とりあえず、俺は部屋に戻るわ。荷物も置いてきたいしな」
「わかったよ。私はゲームでも」
「ネプテューヌさん!いい加減仕事してください!」
「うっ!?」
「あ、後でお茶入れておくね、浩平君」
「あぁ、すぐに戻ってくるわ」
俺はそれだけ言うと出ていき、自分の部屋に来て、荷物を置くとベッドへとダイブする。
どうしても気になる……俺とそっくりな人物が。
ロムとラムの前にどうして姿を現せたのか?
もしかして、悪さをしようとしていたときに二人に見つかったのか?
ならば、何故……その時、殺さなかった?
睨んで、恐らく殺気を当てる程度で済ました?
何故、女神である二人を殺さなかった。
疑問が色々と浮かんでくるが、考えても埒が明かない。
そして、窓をチラッと見ると、俺が立っていた。
あぁ、何だ……窓に映った俺か。
俺はそう思い、ベッドに顔をうずめる。
待て……立っていた?
俺は今、ベッドに寝転んでいる状態だ。
立ってなんていない……まさか!?
俺はすぐさま起き上がって、窓の方を見るが、そこには何もいなかった。
もしかして……見間違いだったのだろうか?
俺は目を擦って確認するが、プラネテューヌの街並みしか見えない。
気のせいだったか……。
あまりにも気にしすぎて、幻覚まで見える様になっちまったか。
俺は苦笑いを浮かべながら、ベッドへと顔を埋める。
少し眠くなってきた……。
そう考えると、俺はゆっくりと目を閉じるのだった。
★
アイエフとコンパは街の中を歩いていた。
何かを話しながら、教会に向かっている。
「浩平さんにそっくりな人ですか?」
「えぇ、何でも浩平の偽物かもしれないって言う話よ。敵が何を企んでるかは知らないけど、浩平に化けて何をするつもりなのかしら」
「違いとかあるですか?」
「あると言えばあるわね。まずはヘッドホンをしていない事。そして、浩平の紅黒とは真逆の色だという事ね」
「真逆ですか……?」
「そう、白と蒼の組み合わせみたい。まるで、浩平の逆を意識しているみたいね」
「それって、ああいう人ですか?」
「え?」
アイエフはコンパが指さした方を見る。
浩平の顔にそっくりで白と蒼のジャージを着た男が歩いてきていた。
それにアイエフは頷く。
「そうそう、ちょうどあんな感じらしいわ……って!?」
アイエフは聞いた特徴と一致しているのに驚く。
まさか、話している時に現れるなんて誰が思うだろうか。
そもそも浩平の顔にそっくりの時点で見間違うハズもない。
アイツがそうだとアイエフは思う。
そして、アイエフはすぐに走って近寄ると、相手を睨みつける。
「止まりなさい!そこのジャージの男!白と蒼のジャージを着た男よ!」
「……」
相手……コルヴスは足を止め、アイエフを見る。
コンパはそれを慌てた様子でそれを見ている。
「貴方ね……。浩平そっくりな奴って。貴方、何者?こんな堂々と町中を歩いてどういうつもり?」
「……」
コルヴスはアイエフの問いには一切答えず、黙秘したままである。
逆に歩き出そうとするのを見て、アイエフは先回りして、行かせようとしない。
「行かせないわ。貴方、星座の一人ね?一体、何の目的で浩平に化けているの?」
「……化けてなどいない。これが俺だ」
「? 化けていない……?なら、どういう事!?」
「……」
聞き返すが、コルヴスは答えない。
それにアイエフは反応し、カタールを構える。
周りはそれに反応して、逃げ回るが、今は無視だ。
「あいちゃん!?」
「答えなさい。貴方は……何者なの?」
「俺は奴であり、奴は俺でもある。奴は光で、俺は闇……」
「どういう意味よ……?あなた、浩平と一体何の関係があるの?」
「奴が希望なら、俺は絶望。奴が護る者なら、俺は壊す者」
「一体、さっきから何を言ってるの……?」
「奴が地を駆ける者なら、俺は空を翔ける者……」
さっきから何が言いたいのかわからない言葉を並べていく。
まるで自分はアイツとは真逆だと言いたいかの様に。
だが、確かにそうだ。
これほどまでに冷たい何かを放っている男は……浩平と逆としか言いようがない。
その目は……どこを見ているのかさえもわからない。
浩平の瞳が血の様に紅い瞳やルビーの瞳だとすると、この男の瞳は黒く濁った血の様な瞳であり、黒ずんだルビーの瞳に見えた。
何もかもが真逆な二人……。
まるで、浩平の正反対を現すかの様な目の前の男。
「そして……奴と俺は同じだ……」
「何が同じだというのよ!」
「……」
そこまで言うと、コルブスは黙りこみ、歩き出す。
アイエフの隣を通り過ぎようとした時、アイエフが捕まえようと手を掴もうとした瞬間、アイエフは頭を掴まれており、持ち上げられていた。
「あぐ……!?」
「あまり、深く知らない方がいい。時がくればいずれわかる事。焦って聞き出す必要もないだろうに。それとも、ここで死にたいのか?それが望みならば、今殺してやろう」
「!?」
「あ、あいちゃん!」
コンパはすぐにアイエフを助け出そうとするが、自分じゃどうしようもできない。
周りを見渡すが、さっきの騒動で誰もいない。
このままではアイエフが殺されてしまう。
コルヴスは漆黒の刀を構える。
それは突きを放とうとしている証拠だ。
そして、それを放った……。
「ハイ、そこまで~♪」
「!?」
「貴様は……」
突きを放とうとしたコルヴスの腕を掴んで止める男がいた。
それは浩平があの時、ルウィーに連れて行ったモノクロの男なのだ。
「いやはや、ギリギリだったみたいだね~♪コルヴスに喧嘩を売るのは今の君たちじゃ、レベルが低いかな~?」
「貴様は……『混沌者』……!」
「ハイハイ、どうもどうも!星さえをも飲み込み、その光をも飲み込んでしまう混沌者だよ~」
男はニヤッと笑うと、コルヴスは舌打ちする。
まるで厄介な奴が出てきたと言わんばかりに。
アイエフを手放すと、アイエフは尻餅をついて倒れ、それにコンパが駆け寄る。
「相変わらず、何を考えているのかわからない奴だ」
「アハハ、よく言われる」
「なぜ……貴様がここに」
「いいじゃん、別に。元々、俺はテメェ等を倒すためにいるんだよ。まぁ、その仕事は星の導き者だからあまり出しゃばらないけどさ」
「お前……!」
コルヴスが睨みつけた時、殺気がひしひしとアイエフとコンパにも伝わってくる。
殺気を向けているのはあの男であり、自分たちではないのにここまで殺気を感じるほどとは。
だが、当てられている当の本人は変わらずニコニコとした顔でいる。
「引けよ、『コルヴス』。君じゃ、俺には勝てない」
「ッ!図に乗るな!」
「あ、危ないですよ!」
コルヴスは刀で突きを放つが、男は交わさず、そのまま刀が頭を貫く。
それに二人は驚愕するが、男はニヤッと笑いながら、顔に流れてきた血を舐めとる。
「クソ……!」
「無駄だってわかってんでしょ?俺を『殺せない』んだから」
「……もういい」
コルヴスはそういうと歩き出し、黒い翼を広げると空へと飛んでいき、いつの間にか消える。
それにアイエフとコンパが驚きながらも、男に近づく。
「あの、あいちゃんを助けてくれてありがとうございます」
「その、助かったわ。ありがとう」
「ん?いいのいいの。気にしないで、気紛れで助けただけだから」
「気紛れで助けられたの!?」
「うん、いやぁ、運がよかったね。君は。俺の気紛れで助けられたんだからさ」
「貴方は一体、何者なの?」
「俺?俺の名前を聞いてる?」
「まぁ、そうね……。私はアイエフ、こっちはコンパよ。助けられたんだから、お礼くらいするわ」
「おぉ、それはありがたいね~。なら、名乗るかね」
モノクロの男は二人を見ると、変わらないニコニコとした何を考えているかわからない表情で見てくる。
「俺は秀司……。如月秀司って言うんだ♪よろしくね?」
「秀司ね……。思えば、貴方頭を……って、アレ?」
「傷がないです……」
「あぁ、大丈夫大丈夫。気にしなくていいから。俺、……『死ねない』……からね」
「最後……何か言った?」
「ううん、別に♪思えば、何かお礼をしてくれるんだよね?俺、ちょうどおいしそうな店を見つけたからさ、奢ってくれない?」
「……高くなければ」
「喫茶店だから大丈夫だよ。それじゃ、レッツゴー!」
秀司は顔についている血を拭うとニコニコとした顔で歩き出す。
二人は不思議がりながらも、秀司についていく。
これが……もう一人の『黒星を狩る者』とも知らずに。
そして……『星たち』の天敵だとも知らずに。
ハイ、どうも風狼龍です。
皆さん、お気づきでしょうか。
コルヴスの方へと移る時にだけ『☆』のマークが『★』に変わっている事に!
え?どうでもいい?
そんな事言わないでよ、とっつぁん!
まぁ、それはさておき……アイエフとコンパが出会った男、秀司とは何者なのか。
それではまた次回。