超次元ゲイムネプテューヌ~星の導き者~   作:風狼龍Ⅱ

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遂に浩平と烏座『コルヴス』が顔を合わせる。
彼の正体とは……なぜ、浩平に似ているのか。
それでは始まります。


鴉との遭遇

トゥルーネ洞窟。

そこでブラックハートになっているノワールはモンスターを次々と倒して行く。

そして、奥まで進むと行き止まりであり、ノワールは止まる。

 

「行き止まりか……。打ち止めね」

 

ノワールはそういって、戻ろうと振り返った瞬間、周りに黒い羽根が大量に現れる。

それにノワールは反応する。

 

「黒い羽根……まさか!?」

「そのまさかだ」

 

ノワールは声に反応して振り返ると、そこには鴉の翼を広げているコルヴスがいた。

 

「コルヴス……!まだいたの!?」

「あぁ、今度こそ確実にトドメを刺しにな」

 

コルヴスは鴉の様に冷たい目でノワールを見ると、それにノワールは震える。

幻覚とはいえ、自分の体を啄む鴉たちが見えたのだ。

すぐに頭を振って、それを振り払うと剣を構える。

 

「カァァァァァ!」

「な、なに?」

「あぁ、今回の相手は俺じゃない……」

 

コルヴスがそういうと、後ろから何かが現れる。

それは巨大な鴉であり、鋭い爪、嘴がある。

そして、奥ではエンシェントドラゴンが倒れており、啄まれていた後もある。

 

「烏座の化身だ。お前の相手はコイツだ」

「まさか、エンシェントドラゴンを倒したの……?その巨大鴉が!?」

「あぁ、そのまさかだ」

 

コルヴスは顔色一つ変えず、無表情で頷く。

笑っているわけでもなく、悲しんでいるわけでもない。

ただただ無表情で、無感情。

いや、正しくいうならば、無表情が無感情なのだと感じさせるのだ。

剣を構えながらも、コルヴスを見る。

本当に浩平と瓜二つであるコルヴスを。

 

「一つ聞かせて!なんであなたはそこまで浩平にそっくりなの!もしかして、浩平を陥れるために生まれたの!?」

「……一つ、言ってやろう。俺は元々こういう容姿だ。アイツと瓜二つは当たり前だ」

「どういう事なのよ!?」

「アイエフとコンパという奴に言った事がある。奴が『光』なら俺は『闇』。奴が『善』なら俺は『悪』。奴が『希望』なら、俺は『絶望』。奴が『白』ならば、俺は『黒』だと」

「貴方……まさか、浩平の心の一部か何かなの?」

「答えてやろう。それはNOだ。行け」

「カアアアア!」

「ッ!」

 

巨大鴉がノワール目掛けて襲い掛かり、ノワールはそれを飛躍してかわし、剣を構える。

巨大鴉は口を開くと、そこから一筋の閃光を放つ。

それにノワールは驚き、すぐに横に移動してかわし、剣で巨大鴉を斬りつける。

コルヴスはそれを見て、鴉を見る。

 

「さすがに狭いとこだと不利か……」

「カアアアア!」

 

鴉が雄叫びを上げると、黒い星の光が巨大鴉を包む。

それに反応し、ノワールは身構える。

そして、その姿が人くらいのサイズになり、人型になったと同時に黒い星の光の中から何かが飛び出してきて、ノワールを殴り飛ばす。

それにノワールは驚き、地面に叩き付けられる。

 

「い、今のは……凄く速かったけど」

 

ノワールは確かめるために、辺りを見渡す。

すると、そこには一体の人型の鴉というべきだろうか。

言うなら、妖怪の鴉天狗に似ている。

それが空を飛んでいたのだ

両腕を組み、翼を動かしながら、ノワールを見ている。

 

「妥当なサイズか……。まぁ、こっちの方が強いからいいか」

「くっ!こんなものに!」

 

ノワールは立ち向かおうとすると、同時にドクン!と体が脈を打つ。

それと同時に変身が解けてしまい、ノワールはそれに驚く。

 

「嘘……どうして」

「……なるほどな。俺からすれば好機だ。死んでもらおうか、黒の女神よ」

 

そう言って、コルヴスが手を前に出すと、鴉天狗はノワール目掛けて飛んでくる。

そして、ノワールの前で止まると、鋭い爪をちらつかせ、それにノワールは固まる。

 

「そんな……ここで」

「『鴉』は『死』の象徴なり……。終わりだ、黒の女神」

「……!」

 

鴉天狗はノワール目掛けて爪を振り下ろし、それに目を瞑る。

その時だった。

 

「待て待て待て待て待てェェェェい!レオ!ソォリィヤァァァァァァ!」

 

浩平が現れ、巨大な盾、レオを呼び出すとそれをブーメランの様に投げる。

それが鴉天狗に直撃し、吹き飛ばされ、盾がその場に突き刺さる。

ノワールの元まで浩平が走ってくると、レオを地面から抜き、構える。

 

「よぉ、無事か?ノワール」

「浩平……」

 

ノワールは浩平が現れたのに驚き、見る。

浩平はニッと笑みを浮かべている。

それと同時に突風が吹き荒れ、浩平の頬の肌が切れて、血が出てくるのに反応する。

浩平はすぐさまノワールの目の前に移動すると、屈んでレオを構え、自分とノワールを覆う。

その突風の中には鎌鼬が混じっており、それをレオが弾いていく。

浩平はチラッとノワールを見る。

 

「つうか、なんで変身解けてんだ!?」

「知らないわよ!いきなり解けたのよ……」

「知らないって……」

「グルァ!」

「速っ!?」

 

浩平がノワールと話をしている間に鴉天狗がいつの間にか二人の隣に移動しており、浩平の腕を掴むと、そのまま力強く投げ飛ばす。

浩平はすぐに態勢を立て直して、着地すると同時にヴィルゴを構える。

鴉天狗はノワール目掛けて爪を振り下ろそうとしている。

 

「カァァァァ!」

「ッ!」

「ノワール!」

 

浩平は走り出そうとするが、間に合わない。

その時だった。

 

「てぇぇぇぇい!」

「グギャッ!?」

 

ネプテューヌが現れて、飛び蹴りを鴉天狗に叩き込む。

それに鴉天狗は驚きながら吹き飛ばされ、倒れる。

 

「やっほーい。二人とも大丈夫?」

「よぉ、ネプテューヌ。良いタイミングで来てくれたな」

「ヒーローは遅れてやってくるものだからね!」

「俺も遅れてやってきたんだけどな~」

「真のヒーローはって事じゃない?」

「なるほど。クソッ!ネプテューヌより後にくりゃよかった!」

「何の争いをしてるのよ、貴方達は!?」

 

浩平とネプテューヌの言い合いを見て、ノワールはツッコミを入れる。

それにコルヴスは浩平たちを見る。

特に浩平を。

浩平もそれに反応したのか、コルヴスを見る。

 

「コルヴス……」

「……導き者よ、来たか」

「本当に俺にそっくりじゃねぇかよ……。ドッペルゲンガーか何かかよ」

 

浩平は苦笑いを浮かべながら、コルヴスを見る。

コルヴスは浩平を見ると、懐かしそうな目で浩平を見ている。

 

「いやぁ、こうやって見比べるとますますそっくりだよね。服装とヘッドホンでくらいしか見分けがつかないよ……」

「ホントね……」

 

ネプテューヌとノワールは浩平とコルヴスを見ながら頷く。

それと同時に蹴り倒された鴉天狗が起き上がり、ネプテューヌを睨みつける。

 

「ノワール!変身って言うのはこういうときにするんだよ!括目せよ!」

 

ネプテューヌはそう叫ぶと、女神化をして、パープルハートへと変わる。

そして、刀を構え、鴉天狗へと突っ込んで行く。

鴉天狗はネプテューヌを睨みながら飛んでいき、鋭い爪を振り下ろしてくる。

ネプテューヌはそれを刀で防ぎ、弾き返すと蹴りを叩き込む。

 

「グギャッ……!」

「ハァ!」

 

ネプテューヌは刀を振り下ろすが、鴉天狗は翼で防ぎ、鋭い爪をネプテューヌ目掛けて突き出す。

それを紙一重でかわし、一旦距離を取り、刀を構える。

 

「強いわね……。だけど、小犬座ほどじゃないわ」

「コルヴス!」

 

浩平はコルヴス目掛けて走り出し、飛躍すると、空を飛んでいるコルヴス目掛けてヴィルゴを振り下ろす。

コルヴスは剣で受け止め、鍔迫り合いの状態になる。

火花が散りながら、二人は睨み合う。

浩平の今の目は例えるなら狼……獣の目をしており、コルヴスは鴉の目なのだ。

お互い鋭い目つきであり、狩り殺そうとしている目。

コルヴスが軽く振るうと、薙ぎ払われ、浩平は一回転しながらも着地する。

 

「テメェは……テメェは何者なんだよ!コルヴスゥゥゥゥゥ!」

「……」

 

浩平とコルヴスは睨み合い、動かなくなる。

ネプテューヌは鴉天狗と刀と爪をぶつけ合う。

鴉天狗がネプテューヌ目掛けて爪を振り下ろし、それをかわして、ネプテューヌは鴉天狗の横に回り込む。

そして、刀を振り上げると、鴉天狗を見る。

 

「これで終わりよ!」

「グギャッ……!?」

 

刀を振り下ろし、鴉天狗に斬りつける。

鴉天狗はそれに目を見開き、斬られた傷から黒い星の光が噴き出す。

鴉天狗は苦しみながら、トドメと言わんばかりに黒い光の閃光を放つ。

だが、その威力は弱く、ネプテューヌは刀を構えると振るって、閃光を真っ二つにする。

 

「グギャア……」

 

最後の力を振り絞って、倒れる。

黒い星の光となって鴉天狗は消え去る。

 

「私も少しは星座に対抗できる様になったかしら?」

 

ネプテューヌはそう呟くとコルヴスを見る。

浩平とコルヴスはお互い睨み合っており、動こうとしない。

だが……浩平から冷や汗が流れているのが見える。

ネプテューヌもわかる。

コルヴスの危険さを……勝てない相手だという事を。

そして、睨み合うだけだった浩平が口を開く。

 

「お前は一体何者なんだ……!」

「……」

 

浩平の問いにコルヴスは眉を潜める。

その目は何処か悲しそうな目をしている。

 

「私も聞いたけど、そいつは何も言わないわ。自分は浩平の逆だとしか」

「俺の逆ってどういう事なんだよ……。お前は何者なんだよ……!」

「……俺は」

「! 何か言うわ!」

 

ネプテューヌが反応し、皆はコルヴスを見る。

 

「俺は元『人間』だ……」

「はっ……?」

 

コルヴスが言った事に浩平は間の抜けた声を出してしまった。

ネプテューヌとノワールさえ驚いている。

コルヴスが言った事……それは自分が元は人間だという事。

 

「だから、何だって言うんだよ!」

「まだわからないか?俺は人間として生まれた……。つまり、女神や星の奴らみたいに何かから生まれたわけじゃない」

「だから、何が言いたいって……」

「この世には自分に似ている人が三人もいるとは言うが、ここまでそっくりな奴がいるか?目も鼻も、口も顔も、どこまでもそっくりな奴が本当にいるか?そっくりでも、目の大きさが少し違うところもあったりする」

「確かにそうね。少しの違いはあるわ。鏡の様にまったく自分とそっくりな人なんて双子くらいしか……」

「双子……?」

 

ノワールはそこまで言うと黙り込んでしまう。

ネプテューヌはそれに驚いて呟き、浩平は何も言えず、そのままコルヴスを見る。

 

「まさか……嘘だよな?俺はだって、一人っ子……」

「俺の元の名前は『岩崎淳平』」

「ッ!」

「浩平と同じ姓……」

「い、岩崎くらい他にもいるぞ……」

「だが、こんな風に血の様に紅い瞳を持つ岩崎は俺らくらいだろう?」

 

コルヴス……淳平が言った事に浩平は黙り込む。

確かに自分たちくらいだろう……こんなに血の様に紅い瞳を持っているのだ。

 

「俺はお前の双子の兄……だから、そっくりなんだよ」

「兄って……なんでお前が星座なんかに……」

「……それはお前が知らなくてもいい事だ」

 

浩平の問いをすぐに答えるコルヴス。

どうして、星座になったのかは教えてくれない様だ。

 

「それに俺はもう岩崎淳平じゃない。烏座の『コルヴス』だ。貴様らを殺し、その死肉を啄むためにやってきた、黒星座の者なのだ。だから、もう……死んでくれ」

「ッ!」

 

そう言って、コルヴスが一瞬で浩平の前まで移動し蹴りを叩き込んでくる。

それに浩平は目を見開き、蹴り飛ばされるとすぐに着地する。

そして、コルヴスは黒い光を出し、転送する準備をしていた。

 

「待て!逃げるつもりか!」

「死んでくれ、とは言ったが、俺が殺す必要もないだろう。精々足掻いてみるんだな」

 

コルヴスはそういうと、黒い星の光が包み込み始める。

ネプテューヌの方をチラッと見る。

 

「弟をよろしく頼む」

「!? 待って!」

 

それを聞いたネプテューヌはコルヴスを止めようとするが、コルヴスはその場から消えており、黒い星の光はそのまま消え去る。

それにネプテューヌは黙り込み、変身を解除する。

 

「一体、どういう事なんだろう……」

 

ネプテューヌは考えるが、ますます理由がわからなくなる。

気にしても仕方ないので、浩平の方へと向かう。

 

「こう君、大丈夫?」

「……ん?あぁ……大丈夫だよ。にしても、ノワール。無事かよ?」

「えぇ……ま、まぁ?あんなの一人でも倒せたけどね!」

「やられそうになってた奴の言うセリフかよ」

「何よ……」

「べっつに~?」

 

浩平とノワールはそんな言い合いをしながら、ネプテューヌは浩平を見る。

一瞬だが、悲しそうな目をしていた気がしたからだ。

 

「まぁ、ツンデレノワールさんのネプテューヌの事を考えての行動も黙っておいてあげよう。いや、もう気付いてそうだけど」

「うん、気付いてるよ」

「……別にそんな事考えてないわよ」

「わざわざ国境付近にしたくせにか?まぁ、何も言わねぇけどよ。今回は危なかったな」

「あ、あんなの変身が解けなかったら倒せてたわよ」

「だといいんだがな」

 

浩平はフッと軽く笑うと、ヴィルゴを消す。

そして、頭の後ろで手を組んで歩き出す。

 

「そんじゃ、行こうぜ。疲れたったらありゃしない」

「そうだね~。やられそうになっていたノワールの事も報告しないとね!」

「え?そ、それだけはやめて~!」

 

走り出したネプテューヌの後を追う様にノワールも走り出そうとするが、その前に浩平の元へと来る。

 

「まぁ、今回助けてくれたのは……お礼だけは言っておくわ。その……ありがとう」

「……おう。それはネプテューヌにも言っておけよ。それに気にするな。友達を護って、当たり前だろ?」

「そうね、友達……。友達?」

「さぁ、帰ろうぜ~!もう疲れちまったよ」

「ね、ねぇ!さっきの!さっきのもう一回言って!聞き間違いじゃないわよね!」

「知らな~い」

「待ちなさいよ~!」

 

浩平はネプテューヌの後に続く様に走り出し、ノワールはそんな二人を追いかける。

そして、トゥルーネ洞窟を出てから。

 

「ブラックハート様とパープルハート様が!」

「ハイパー合体魔法でモンスターを倒してくださったわ!」

「「バンザーイ!バンザーイ!」」

「なんか、話作られちゃってね?」

「作られてるな。俺なんて一つも掠りもしてねぇなぁ」

 

浩平が軽く悲しい気持ちになったのは秘密である。

ノワールはあの時、何故急に変身が解けたのだろうかと考える。

 

 

 

 

次の日。

プラネテューヌの教会にて。

ネプギアとアイエフ、コンパがインターネットで何かを見ている中、浩平はボーとして、考え事をしている。

 

(コルヴスは俺の兄貴……血の繋がった双子の……兄貴……)

 

アレからコルヴスの事をずっと考えていた。

コルヴスが自分の兄貴であり、敵である事。

いつかは倒さなければいけない相手だという事なのだと。

 

「……考えても仕方ねぇか」

 

浩平は自分の手を見て、微笑むとそう呟く。

いつかは戦うときが来る。

その時の自分の意思で決めればいいのだと。

 

「きゃあああああああ!?」

「ッ!?どうした!?」

 

ネプギアの叫びに浩平だけでなく、ネプテューヌとイストワールも反応する。

 

「どうしたの、ネプギア!」

「お、お姉ちゃん。私の変な写真がネットに」

「ほぉ……これは」

「って、浩平君は見ないでェ!」

「目潰しィ!?」

 

浩平は画面に映っているネプギアがスライヌに襲われたときの写真を見ていた。

だが、それに反応したネプギアは人差し指と中指で浩平の両目を刺したのだ。

それにより、浩平は両目を抑えながら蹲り、転げ回っている。

 

「目がァァァァァァァ!目がァァァァァ!」

「うわぁ……痛そう」

「ネプ子、アンタ送り先間違えたんじゃないの?」

「そんな事は……。あ、国民向けのメルマガアドレスに……」

「でも、なんだか好評です」

 

転げ回っている浩平をよそに皆はコメントを見て行っている。

浩平は何とか立ち上がり、回復した両目を開ける。

 

「ああ、痛かった……。回復力が高くなければやばかったぜ……」

 

そう言って、ネプテューヌ達の元へと行く。

 

「つうか、これでシェア上がったんじゃねぇの?」

「そうかもしれませんね……。ハァ、この国の行く先が心配になってきました……」

「まぁ、ネプギアがこんな姿じゃな……」

「だから、見ないでェ!」

「二度目ェ!?」

 

そう言って、画面の方を見ようとした瞬間、また目潰しをくらい、両目を抑えて倒れてしまう。

 

「何でこうなるんだ……畜生」

 

両目を抑えて、泣きそうな声で呟くのだった。




どうも、風狼龍です。
如何でしたでしょうか?
楽しめたのなら幸いです。
それではまた次回!
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