ヴルクペラ戦です!
それではどうぞ!
「アハハ、導き者ぁ。来たのかよ。雑魚が何しに来たんだよォ!あぁ!?人間よ」
「黒星座の奴らはどいつもこいつも戦闘になると性格変わんのかね」
俺は左手を首に手を添えると、コキッと軽く骨を鳴らす。
ヴルクペラはニヤニヤと笑いながら、俺の様子を見てくる。
服を着て、腹の包帯は見えてねぇだろうが、右手の包帯は見えている。
しかも、かなりしっかり固く包帯だって結ばれている。
粉々にされちゃ終わりだと思っていたが、俺の体はしぶといらしいな。
俺は深呼吸すると、左手だけ拳を作って構える。
右手が使えない以上、蹴り技と左手の攻撃中心で行く。
それと並ぶ様にネプテューヌとノワールが隣に来て、武器を構える。
「ネプテューヌ、ノワール」
「右手が動かないうえに一人じゃ勝てないでしょ?」
「仕方なく協力してあげるだけよ?わかってるわね?」
「へっ……ありがてぇ」
俺はそういうとヴルクペラを見る。
ヴルクペラは愉快そうに笑っており、手を顔に当てている。
そして、指の隙間から目が見え、ギラッとこちらを見てくる。
口元は不気味は笑みを浮かべている。
「クハハハ……!面白ェ!できるもんならやってみなよぉ!」
そう言ったと同時にヴルクペラは俺の目の前に現れる。
そして、俺の顔目掛けて鋭い蹴りが飛んでくる。
すぐに右腕で、それを横に弾いて軌道をかえ、もう一回の蹴りが飛んでくるのが見える。
俺はすぐに足を振り上げ、蹴りを放って、ヴルクペラと蹴りをぶつけ合う。
(コイツ、俺の蹴り技に対抗してきただと!?)
「ウオラァァァァァァ!」
(! お、俺が蹴り技で押し返せねぇだと!?コイツ、人間か!?)
お互い譲らない押し合いが続く。
そして、隙だらけのヴルクペラ目掛けてネプテューヌとノワールが剣を振り下ろす。
ヴルクペラは俺の足を軸にして、飛躍し、空いている方の逆の足で回し蹴りを放ち、二人の武器を弾く。
俺はすぐに足を引くと同時に、ヴルクペラは着地し、俺目掛けて蹴りを放ってきて、俺は前に飛躍してかわすと、足をヴルクペラの首に回し、締め付ける。
って言っても、気絶程度で済ませる気はねぇ。
「これでシメェだ!」
俺は足に力を入れ、動かした瞬間、ゴキャッ!と首の骨が折れる音が聞こえてくる。
そのまま後ろに倒れていき、左手を床につけて、そのまま反転すると同時に投げ飛ばす。
これくらい追い打ちをかけんと死なないからな、アイツ等。
俺は起き上がると、ヴルクペラが激突した事によって煙が起きている場所を見る。
「どう?」
「わかんねぇ。アイツ等は星座だからな。倒せたかは……それに倒れてくれなきゃ、俺はもう」
限界だ。
俺は肩で息をし始め、四肢を床につけて冷や汗を流す。
幻聴が消えない……。
ずっと頭の中に響き続けている。
戦闘に集中する事で忘れていたつもりなのに。
それと同時に煙から何かが飛び出してきて、俺の頭を掴むと地面に叩き付けられる。
「ハァイ。タイムリミットォ!お前は『恐怖』には勝てないんだよ!」
「首の骨折ったのに……!?」
「んなもんで、俺らが死ぬとでも?」
ヴルクペラはニヤァと笑いながら、首を元に戻す。
あぁ、俺以上にヤベェじゃん、やっぱ。
『諦めろよ……。死ねば、もう何も失わずに済むんだ』
黙れ、それ以上喋るな。
『楽になればいいんだよ。無理して苦しい道なんて進まなくてもいいんだよ』
それ以上、俺に指図するな。
『なぁ、もう全てやめちまえよ。生きる事もさ』
あぁ……その方が楽かもしれねぇな……。
「いいぜいいぜ。コイツは俺には勝てねぇ」
「貴方……こう君に何してるの!?」
「してるの?したの、の間違いじゃねぇか?俺はコイツと初めて戦闘して、蹴りを叩き込んだときから、俺の力を発動させてやったんだよ」
「『小狐座』の能力……?」
その言葉にネプギアだけでなく、周りも反応する。
ヴルクペラはニヤァと笑う。
「そう!それは『心の闇』!人は生きてりゃ、誰でもそういうもんを抱え込んでいる!コイツの心の闇は一番大きくてよ!それを引き出してやったんだよ!俺の能力は『心の闇を引き出す』能力なんだよ!まさに狐に化かされた気分になれるほどのな」
「まさか、今日浩平が倒れてたのって」
ユニは思い出す様に言う。
そうブランと一緒に倒れていた浩平の姿を思い出しているのだ。
駆けつけたとき、浩平とブランが一緒に倒れていたのは驚いた。
二人とも眠り込んでいたのだから。
「そうとも!もう奴は『心の闇』には耐え切れない!ホントだったら、廃人になっていてもおかしくないんだけどね……。タフだった様だ。だが、それも今終わった。もうコイツは完璧に廃人になる!逃げ道ばかりの道へと逃げる弱虫となる!さぁ、導き者」
『逃げてしまおう。もう現実から目を逸らそう。その方がもう何も見ずに済むぜ』
あぁ、そうだな……。
逃げてしまおうか……。
「こう君!ダメよ!貴方は諦めないんじゃなかったの!諦めなければ、この手は、足は、剣は届くんでしょ!なら、最後まで抗って!」
諦めない……。
ネプテューヌ……俺は諦めないと、心に決めて……そうだ。
俺はこんなとこで何をしているのだろうか?
「無駄だ。この男に何言おうと人間は結局、自分が恐れている『心の闇』に勝つ事は出来ない。『恐怖』の対象なのだから」
俺は『右手』でヴルクペラの顔を掴む。
いつまでも掴まれたままも気に入らねぇ。
それにヴルクペラは驚いて、俺を見てくる。
「人間をナメんな」
「何を言って……」
「人間の勇気をナメるな」
そう言った瞬間、起き上がり、逆に起き上がり、ヴルクペラを床に叩き付ける。
それにヴルクペラは驚く。
俺は右手から激痛が襲い掛かってくる。
それに歯を食いしばりながらも、力を入れる。
ベキベキと骨が悲鳴をあげているのを無視して、ヴルクペラを睨みつける。
「人間をナメるな!」
「下等生物が粋がるなよ。結局はお前は心の闇には」
「あ?それがどうした?」
「……?」
「心の闇があるのは当たり前だろうが。人は誰も綺麗なままではいられねぇんだ。誰だって、心の闇抱えてんだ。光があれば闇がある。表があれば裏がある。人ってのはそういうもんだ。そうやって、できてんだ」
「だから、どうしたって」
「言うんだって?」
俺はニヤァと笑うと、冷や汗が止まりだす。
それにヴルクペラは目を見開いて驚く。
「心の闇ってのは確かに逃げ出したい事への思いでもあり、嫌な自分でもある。認めたくないものなんだ。だけどよ、だけど……結局それは過去に積み重なったものがそうなったんだ。自分自身で作った闇なんだ」
「お前は何を言って……」
「それと目を合わせるのもまた自分なんだ。俺は逃げねぇ。逃げる気なんてねぇ!」
俺は更に力を入れると、ヴルクペラは更に床にめり込んでいく。
それに周りは驚いた様な声を出し、ヴルクペラも驚いている。
(こ、コイツ!骨が粉々になった右手でここまでの力をどうやって!?)
「これは俺の『心の闇』の一部なんだろ。『大切な人たちを持つ事』への恐怖を持っていた俺なんだ」
(なんで、コイツの目に生気が戻って!?)
「オイ、『小狐』……喰われる覚悟、できてんだろうなぁ?」
(狼が目の前にいる!?く、喰われる!)
ヴルクペラが蹴りを放とうとしているのに反応し、俺はそのままヴルクペラを投げ飛ばす。
俺は右手の激痛に耐えながらも、ニヤァと笑う。
「さぁ、クソ狐。かかってこいよ」
「人間がァァァァァ!」
ヴルクペラは額に青筋を浮かべながら、こちらに走ってきて、飛躍したと同時に俺の顔目掛けて蹴りを放ってくる。
俺はその足を左手で掴み、こっちに引き寄せたと同時に右肘を右ひざに叩き付け、へし折る。
「ぐぅ!?」
「もう誰かを失うわけにはいかねぇ」
俺はそのまま踵を返して、振り向くと勢いよくヴルクペラを投げ飛ばす。
ネプギアとユニは驚くが、二人の上を通り過ぎていき、床へと叩き付けられる。
そして、起き上がるのを見ると、ネプテューヌ達を見る。
「後は俺がやる。他はロムとラムを頼む」
「そんな、危険だよ。浩平君」
「大丈夫大丈夫。もう遅れはとらねぇから」
「……それでも心配よ。私が残るわ。ノワールたちはお願い」
「ネプテューヌ……」
「貴方が友達を見捨てないなら、私も見捨てないわ」
「……そうかい」
俺は頭をボリボリと掻くと、構える。
「早く行けよ」
「……わかったわ。すぐに来るのよ」
「おう、任せろ」
ノワールの言葉に俺はそう返すと、三人はすぐに行く。
ヴルクペラは頭を滅茶苦茶に掻いた後、俺を睨んでくる。
その目は血走っており、苛立ちを現している。
「あああああああああ!下等生物の人間ごときにここまでやられて……クソがァァァァ!」
「ハァ!」
ヴルクペラが俺たち目掛けて飛びかかってきて、蹴りを放ってくる。
それにネプテューヌは刀を振り下ろし、ヴルクペラとの蹴りをぶつけ合う。
俺は走り出し、左手で拳を作り、腹部目掛けて殴りかかる。
ヴルクペラはそれをあいている足で受け止める。
コイツ、宙に浮いてる……って、驚いても仕方ねぇか。
コイツは星座の神なんだからよ
「アハハ、これでどうしようも」
「オラァ!」
「ぐふっ!?」
俺は骨が砕けている右手で拳を無理矢理作り、それをヴルクペラの顔面にめり込ませ、力強く殴り飛ばす。
それと同時に右手に激痛が走る。
「テメェ……右手で拳を作るなんて……。もうできねぇハズじゃ……」
「誰かを失う痛みに比べりゃ、これくらいの痛み……何ともねぇよ」
「カッコつけるなよ……人間がァァァァ!」
「浩平、もうそれ以上右手を使ったら骨が!」
「右手くらいくれてやる……アイツを倒せるなら右手くらい」
俺はニッと笑うと、右手を無理矢理握り締めさせ、拳を作る。
皮膚が裂け、血が出てくる。
少し白いのが見えるが、骨だろうか。
もう右手はさすがに……治らないだろうな。
俺は苦笑いを浮かべると、ヴルクペラを睨みつける。
例え、この拳が使いものにならなくなってもいい。
「だから、やってやろうじゃねぇか」
「こう君……右手から血が」
「気にするな。まだ……やれる」
『ふぁ~、カッコイイね~。けど、無理して誰かを心配させるのもよくないよ~?』
「!?」
頭に声が響いている……!?
俺は驚いたと同時にヴルクペラが目の前に現れ、俺目掛けて踵落としを放ってくる。
腕をクロスして防ぎ、ネプテューヌが刀を振り下ろし、ヴルクペラは手で掴んで受け止める。
『今の内かな~。ふぁ~、眠いから手短に話すね。君のそういう心優しく、受け入れる覚悟……。ボクは気に入った!だからさ、ボクの力を貸してあげるよ~。ボクの名は』
「……ありがてぇ」
それと同時にネプテューヌが吹き飛んできて、俺はそれを受け止める。
ネプテューヌは腹を抑えながら立ち上がり、俺を見てくる。
「ゴメンなさい、こう君。受け止めてもらっちゃって」
「いや、いい。それよりもダメージ大きそうだな」
「えぇ、重い一撃を叩き込まれたわ」
「だから、少しジッとしてろ。来い、『
俺がそう叫んだ瞬間、俺の両手が金色の光に包まれ、形を成していく。
それは黄色が主体で白のラインのグローブであり、手の甲には星のマークがあり、羊の毛を表すかの様なモフモフしてそうな絵が描かれていた。
俺はそれでネプテューヌの背中をパンッと叩く、右手で。
「もう、なんで背中を……アレ?」
ネプテューヌはとある事に気付く。
さっきまでボロボロだった体が元通りになっている事に。
先ほどくらったダメージもなくなっているのに。
俺はニヤッと笑うと、右手を何の痛みもなく構える。
いや、『治った』右手を握りしめ、拳を作る。
「こう君。貴方、何を」
「『治して』やったんだよ。アリエスの力でよ」
「アリエス……牡羊座に目覚めたか……。『治す』能力の」
「あぁ、だから。右手も治した。さぁ……覚悟しやがれ、ヴルクペラ」
俺はニヤッと笑って、そう言った。
新たな星座に目覚めた浩平。
乙女座、獅子座、山羊座の次は牡羊座です。
それではまた次回。