超次元ゲイムネプテューヌ~星の導き者~   作:風狼龍Ⅱ

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双子座に目覚めた浩平の戦いです!
それではどうぞ!


人も女神も支え合って生きる者

「ふっ!」

 

俺は一気に距離をつめると、ノルマ目掛けて紅い剣を振り下ろす。

ノルマはそれを定規で防ぎ、もう片方の蒼の剣を振り下ろす。

それをキルキヌスが間に割って入り、コンパスで受け止める。

俺はすぐさま後ろに飛ぶと、距離を取る。

それと同時にノルマが何かをしようとする。

 

「意味ないぜ」

 

そういって、走り出す。

ノルマは力を体に入れるが、移動ができないのに舌打ちできる。

 

「やはり、双子座の能力は厄介だ!十二星座の中で一、二を争うほどの能力だからな!」

「十二星座の中で一、二を争うほどの能力……?」

 

そう、これは双子座の能力のおかげである。

双子座は『二つの能力』を持っている。

それも二つとも、俺にはどう違うのかよくできないが、相手の能力を『無効化』できる力を持っている。

だが、意味くらいで違うのは知っている。

 

「俺が距離移動をしようとした時に、それを『相反』する」

「俺が近づこうとしたのを矛盾を引き起こす事によってキャンセルしたか」

「俺のコンパスの円も同じ事か……。そして、お前は謎に思っているだろうが、拘束はもう一つの能力、『調和』させる事で無効化させたか」

「『調和』と『相反』……」

 

ネプテューヌは俺を見て呟き、俺はニヤッと笑うと、二つの剣を構える。

これが双子座の能力……『調和』と『相反』の能力。

簡単に言えば、『能力無効化』の力だとでも言えばいいだろう。

それにこの二つはやり方次第で『無効化』以外もできる。

 

「一人の紅は『相反』する事で相手を遠ざけ、孤高であり続け、もう一人の蒼は『調和』する事で全てを受け入れ、群れであり続ける。紅はそんな蒼とは真逆でいたい。蒼はそんな紅とは仲良くいたい。それが双子座。俺の頭の中であべこべで言い合う理由がそれなわけだ」

 

何故、あべこべで言ってるのかと思えば、蒼が言う事を紅が真逆で言っていただけという単純な理由である。

ようは兄弟みたいなもんだ。

弟は兄と同じ様に見られるのが嫌で、兄はそんな弟と仲良くしたくてって感じか?

いや、こっちの場合は姉妹というべきか。

 

「メンドクセェよ、コイツ等。星座の中で一番メンドクセェんじゃねぇの?」

「そいつ等は元々真逆みたいなものだからな」

 

それと遺跡で見たのは双子座の二人を書くのは面倒だから、一人だけに省略していたとみていいだろう。

そこら辺でも言い合ってそうだな、コイツ等。

つうか、ノルマとかからも言われるって、コイツ等は初代に出会うまでどんな感じだったんだ。

 

「まぁ、いい。これでテメェ等に負ける気はしない。かかってこい」

「調子に乗るなぁ!」

 

ノルマは額に青筋を浮かべながら走ってくる。

そして、定規を振り下ろしてきて、俺は蒼の剣で防ぎ、足を振り上げてノルマの顎に蹴りを叩き込む。

それにより、後ろへ下がったノルマにそのまま回し蹴りを叩き込んで蹴り飛ばす。

 

「ぐあっ!」

「そこだ!」

 

キルキヌスがノルマとすれ違う様に現れ、俺目掛けてコンパスを振るってくる。

それを紅の剣で受け止めると、コンパスは弾き飛ばされる。

 

「なっ!?反発された!?」

「ソラァ!」

 

俺は紅の剣をそのまま振り下ろし、キルキヌスの体を斜めに斬り、そこから血が噴き出す。

 

「ウオラァ!」

 

横から斬りかかってきたノルマを見るが、俺は無視をする。

 

「無視するなぁ!導き者ぁ!」

「お前は蜘蛛の巣に突っ込んでくる蝶か何かか?」

「何……!?う、動けねぇ!?」

 

ノルマは目を見開いて驚く。

コイツは同じ技に引っ掛かってくれるとは思わなかったな。

それはノルマが来る方向を予想して、星の糸を張り巡らせていたのだ。

それに絡まった事により、ノルマは動く事が出来ないのだ。

 

「く、クソ……!いつの間に!そんな素振りは!」

「バァカ。そんなの気付かれない様にやるもんだろうが。もう一度言ってやる。戦いってのは、一手先じゃない。二手三手先を読むものだ。神様のわりには俺より頭ワリィのね」

「に、人間がァァァァァァァ!」

「一体目!」

 

俺は両方の剣を振り下ろし、連続で振るう。

そして、剣についた血を払う様に振ると同時にノルマはサイコロサイズに切れ目ができ始め、バラバラとなる。

そこから黒い光が溢れ出し、金色の光に包まれると消え去る。

黒星座の一人、『定規座(ノルマ)』討伐完了。

 

「後はテメェだけだ、キルキヌス」

 

俺は振り返り、剣先をキルキヌスへと向ける。

キルキヌスはそれに舌打ちして、コンパスを構える。

 

「こう君、やっちゃえ!」

「おう!」

「テメェ、人間の癖に……人間の癖にィィィィィィィ!」

 

キルキヌスからは怒りを感じる。

神である自分たちを殺す、俺を許せないのだろう。

人間なのだから、神に従えとでもいうのだろうか?

それはお断りである。

 

「人間は神の前にはひれ伏すしかねぇんだよ!それなのに、テメェは!」

「テメェ等の様な邪悪なる神にひれ伏すつもりもねぇなぁ。何より、俺は神様信仰とかしないタイプだから」

「貴様……神である俺たちをバカにしているのか!」

 

明らかに怒っているのがわかる。

堕ちた神と言えど、プライドというものはあるのだろう。

 

「下等種族なんかに!一番弱い種族なんぞに負けるハズがないんだ!」

「そうさ、人間は弱い。弱いからこそ、立ち向かう勇気を持っている。弱いからこそ、頭を使う。弱いと知っているからこそ……成長しようとする。人間は無限の可能性を秘めてんだよ。人間ナメてんじゃねぇぞ!」

「弱いからこそ?弱い者は強い者にすがるものだろうが……。弱者は強者の言う事さえ聞いてりゃいいんだよ!」

「くだらねぇな。傲慢なんだよ、テメェ等は」

 

ネプテューヌ達女神の様にその力で誰かを護るのではない。

その神という人知を超えた力を使い、弱者を虐げ、蔑む。

俺はそういうのは嫌いだ……人間だ、神だなんて関係ねぇ。

種族なんて、生きていればこれっぽっちも関係ねぇ!

 

「永遠を生きる俺たちがテメェ等人間に殺されるなんてあってたまるかよォォォォ!」

「……解除」

 

俺がボソッと呟くと同時にキルキヌスは俺目掛けてコンパスを振り下ろしてくる。

だが、俺に当たる事なく、その間に誰かが割って入り、それを受け止める。

それは女神化したネプテューヌなのだ。

それにキルキヌスは驚き、俺が切断した空間の壁を見る。

その空間の壁は消えており、元の空間へと戻っていた。

 

「まさか、空間を解除した……?なぜだ!?やはり、女神にすがって、俺たちを倒そうと思ったのか!」

「そんな事は思ってねぇよ」

「だが、女神に助けを求めたのは確かだろうが!女神がいなければ、何もできない人間のくせに!俺たちの前では女神も簡単に倒せるがな!」

「そういうのを傲慢って言ってんだよ、コノヤロー」

「ッ!」

 

俺が睨んだ瞬間、キルキヌスはビクッと震える。

それにより、コンパスに入れる力が弱くなったのか、ネプテューヌは押し返す。

 

「ハァ!」

「くっ!」

 

キルキヌスは一回転して着地すると、俺を見てくる。

その顔は何処か青い様にも見える。

 

(い、今の目は何だ……?今の目は獲物を狩ろうとする獣の目だった……。血も、肉も、魂をも喰らいつくそうとする(ケモノ)の目だった……!)

 

キルキヌスは歯軋りをしながら立ち上がり、コンパスを肩に担いで構える。

俺はネプテューヌの隣に立つと、ニッと笑う。

 

「やれるか、ネプテューヌ」

「えぇ、もちろんよ。私達のコンビネーション、見せてやりましょう」

「そうだな、例えば……外で俺たちを見ている奴とかにもな」

 

俺は窓から外を見ると、近くの木に赤のベレー帽をかぶっており、白髪をショートカットにしており、瞳が青く、どこか眠たそうな目をしている少女がいるのが見えた。

恐らく、アイツがこの世界を作った本人。

 

「オイ、そこのテメェ……高見の見物を決めてないで、こっちに来やがれ」

 

俺がそういったのが聞こえたのか、立ち上がると黒い星の光に包まれ、そこから消えるとキルキヌスの隣に黒い星の光が現れ、その中から少女が姿を現す。

キルキヌスはそれを見ると、片膝をつき、片手を地面につけて、頭を下げる。

話とかで王様相手とかに兵士がよくやってるよな、ああいうの。

初めてみたわ、ああいうの。

 

「こ、これは『ピクトル』様……!」

「ピクトル……?テメェ『画架座』か!?」

「……正解」

 

ピクトルと呼ばれた少女は俺の言葉に頷く。

そういって、筆とスケッチブックを取り出す。

画架座が出てきたからには想像がついたぞ。

 

「お前の出した物と星座から予想するに……『描いた事や物を現実化する能力』だろ?」

「ピンポーン……」

「テメェが幹部の一人……」

 

ピクトルはニコッと微笑む。

その微笑みがただの少女なら可愛いと思うんだが、黒星座だと悪魔の笑いにしか思えねぇ。

そして、その内の一つとしてとあるものを見せてくる。

それは俺が鎖で繋がれている絵だった。

 

「あの時、動けなくなったのはテメェの能力だって事か」

 

俺が言うと、ピクトルはコクリと頷く。

描いたのを現実にするとは……かなり厄介だな。

 

「アレが幹部の一人ね……」

 

そして、幹部は恒星をも飲み込むブラックホールを呼び出すほどの力を持っている。

そもそも、ブラックホールも恒星が関係していた覚えがある。

だが、ピクトルは端っこへ行くと、そこに座る。

座る時にポスンという音が聞こえてきそうだ。

何だろう……敵なのに、父性というものが出てきそう。

決して、俺はロリコンではないので!

 

「貴方達相手に私が出る必要もない……」

「そうだ!貴様らなど、このキルキヌスが殺してやる!」

「幹部が来た途端に調子乗りやがって」

 

俺はため息を吐くと、頭をボリボリと掻く。

そして、ジェミニを構えると、睨みつける。

 

「さぁ、ネプテューヌ。こんな奴、ちゃっちゃと倒して、ピクトルを倒そうぜ」

「そうね。さっさとこの世界から脱出しないとね」

 

そういって構えると、キルキヌスはニヤッと笑う。

何がおかしいのだろうか……つうか、やっぱりピクトルが来てから、調子乗ってね、コイツ?

 

「ピクトル様の前で失態を起こすわけにはいかない。俺はノルマとは違う……人間なんぞに負けない。この世界の女神にも負けん」

「御託はどうでもいい。かかってこい」

「女神にすがる雑魚は黙ってろ!」

 

コイツは人間を見下し過ぎだ。

いくら俺でも我慢の限界っつうもんがある。

 

「違うわ!こう君はすがっているんじゃない!」

「ネプテューヌ……」

「じゃあ、何だというのだ!結界もどきを解除したのはお前に頼るためだろうが!」

「えぇ、そうね」

「そのどこが違うんだよ!結局すがって」

「だって、私もこう君に頼ってるんだもの」

「は……?」

 

その顔は理解できないという顔をしている。

だろうな……自分たち以外を見下すアイツ等にはわからねぇだろうな。

 

「人間も女神も変わらねぇんだよ。護って護られて。頼って頼られて、そうやって生きてんだよ。生き物ってのはそういうもんなんだ。共存してんだよ」

「そういうのは弱者がやるだけだ!共存?協力?そういうのは弱者がする事だ!」

「あぁ、そうだろうな」

「そうかもしれないけど、そうやって集まった力は個を超える!貴方は他を見下しすぎだわ」

「だから、テメェは成長できねぇんだよ」

「黙れェ!」

 

キルキヌスはコンパスを持って走り出し、横薙ぎに振るってくる。

俺は紅の剣……これからは紅のジェミニとでも呼ぶか。

紅のジェミニで防ぎ、弾き飛ばす。

同じ反発をされるだけだって、なんでわかんねぇかね。

 

「後、学習能力ねぇんじゃねぇの?お前」

「俺は!貴様らなんぞに!」

「終わりだ」

「! 貴様のその目は!?」

 

俺はニヤッと笑いながらいう。

人から見れば不気味な笑みでも浮かべているのだろう。

不思議だ……感覚でも研ぎ澄まされているのだろうか。

奴の動きがゆっくりに見える……いや、ネプテューヌの動きもゆっくり見える。

それだけじゃない……アイツの次の行動がわかる。

まるで、俺の中にいる星座たちが教えてくれているみたいだ。

俺は奴が攻撃を放つよりも先に横に動くと、少ししてからそこにコンパスが振り下ろされ、そこの床を破壊する。

 

「なっ!?や、やはり、その目は……!」

「行くぞ、ネプテューヌ!」

「えぇ!」

 

俺は蒼のジェミニを投げつけ、それがキルキヌスの腹に突き刺さる。

そのまま走り出す。

紅のジェミニを投げつけ、蒼のジェミニの隣に突き刺す。

正反対の力である二つが流れ込み、キルキヌスは苦しみ出す。

そこにネプテューヌが刀を振り下ろして斬る。

俺は二つのジェミニをキルキヌスから抜き、蹴り飛ばす。

そこにネプテューヌが現れ、居合いの構えを取る。

 

「ジェミニ」

「コンビネーション!」

 

ネプテューヌがすれ違いざまに抜刀する。

それにより、キルキヌスは縦で真っ二つになり、目を見開く。

 

「あがっ!……俺がこんなものでは……!」

「あばよ、キルキヌス」

「み……『導き者』ぁ……!」

 

そのまま黒い星の光となって消え、俺とネプテューヌはそれを見送る。

そして、ピクトルの方へと向き直る。

ピクトルは驚いた様な顔……してるよな?

あんまし顔に変化がないからわかりにくいが、驚いてはいる様だ。

俺を見ている。

思えば、途中からさっきまでの感覚がなくなったな……一瞬だったな、あの感覚。

 

「……導き者、名前は?」

「あ?テメェ等に言う名前なんざ」

「……今、ここに貴方の絵が描かれている。首に線を引けばどうなるかわかるよね……?」

「チッ……岩崎浩平」

「……それ、偽名?」

「本名だよ!」

 

コイツ、何なんだよ。

俺に名前を聞いたわりには偽名とか聞きやがって。

ネプテューヌも首を傾げている。

 

「ねぇ、こう君。ピクトルは何を考えているのかしら?」

「さぁ、よくわからん。敵なのには変わりないがな」

 

ピクトルは考え込む様にしている。

この時がチャンスではないのだろうか。

俺は試しに星力の弾を飛ばす。

だが、考えながらも、それを指一本で弾かれる。

……コイツは化け物か。

一応、圧縮された恒星みたいなもんだぞ、アレは。

それを指一本で軽々と弾くって……お前。

 

「……面影がある。私達の一番の宿敵の……」

「?」

「コレは報告しないといけない。貴方が選ばれたのは『偶然』なんかじゃない。『必然』であり、『宿命』だったという事だけ……久々の宿敵」

 

何言ってんだ、コイツは?

まるで、今までの『導き者』が『偶然選ばれてきた』みたいな言い方だ。

そして、黒い星の光に包まれ始める。

 

「貴方達をここから出すわけにはいかない……。出すときはゲイムギョウ界が壊された後かもね」

「! 待ちなさい!」

 

ネプテューヌはそれを聞いて、ピクトルの元に行こうとするが、その場から動かない。

まさか、俺と同じ様にやられた!?

俺はすぐさまジェミニを使って、調和して消す。

 

「それじゃ、またね。紫の女神、それと『導き者(スターゲイザー)』」

「! 待て!」

 

俺は叫ぶが、黒の星の光に包まれて消える。

ネプテューヌは女神化を解除し、俺の元に来る。

 

「こう君、逃がしちゃったね。でも、大丈夫だよ!皆が設定から解放されたら、協力して、勝つ事ができるよ」

「……あぁ」

 

俺はネプテューヌの言葉に頷く事しかできなかった。

俺が気になっていたのは、ピクトルが言った事だ。

いつもの様に『導き者』と呼ばずに、俺を『スターゲイザー』と呼んだ。

『スターゲイザー』……『星を見つめる者』と英語で言う……。

……一体、どういう事なんだ。

俺はジェミニをしまうと、ネプテューヌを見る。

今、考えても仕方ねぇ事だろうな。

 

「さぁ、行こうぜ。帰ったら、飯でも作ってやるよ」

「ホント!こう君の料理はプロ級だからね~」

「好きなもん作ってやるよ。帰りに材料買うからな」

「ホント!それじゃあね……」

 

俺とネプテューヌはそんな会話をしながら帰っていく。

ピクトルが犯人だとわかった以上に見つけ方はいくらでもあるハズだ。

それにネプテューヌは設定から解放されたのだから、心強い。

俺は懐かしく感じる様な街並みをネプテューヌと歩きながら帰るのだった。




どうも、風狼龍です!
ノルマとキルキヌスの二人を撃破し、この世界を作った相手がわかりました!
双子座の情報を設定に追加しておかねば。
それではまた次回。
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