超次元ゲイムネプテューヌ~星の導き者~   作:風狼龍Ⅱ

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弱くても、立ち向かえ

「おいで」

 

ピクトルはそういうと、筆から星力を出し、それで何かを描く。

それは無数の剣であり、それが具現化すると、俺たち目掛けて飛んでくる。

ギ○ガ○ッシュかよ!

 

「さぁ、かわせる?何処にもそんな隙間はないけど!」

「ど、どうするの!?浩平君!」

「俺の後ろに来い!」

 

ネプテューヌ達は俺の言葉に頷くと、俺の後ろに隠れる。

そして、俺はジェミニを装備すると、深呼吸をする。

無数の剣が目前まで来た瞬間、閉じていた目を開き、ジェミニを連続で振るう。

それにより、どんどん剣を弾き飛ばしていく。

あくまで俺やネプテューヌ達に当たる範囲だけの剣を弾いていく。

俺はたまに蹴りを放ち、剣を横から蹴って蹴り飛ばしたりもしている。

 

「ウオラァァァァァ!」

「さすが……なら、速度もあげる」

 

そう言った瞬間、音速をも超えた速度で剣が飛んでくる。

俺は更にスピードを上げて剣を弾いていく。

 

「ウリャリャリャリャリャリャリャ!」

「こう君の腕が残像になってる!?」

「そんな速い速度で振るってるんだ……凄い」

「あ、そういえば秀司さんは!?」

 

ネプギアは思い出したかの様に秀司の方を見る。

無数の剣が秀司を貫き、貫通していくが、その傷はすぐに塞がり、普通にニコニコしながら立っている。

その光景に驚くしかない俺たち。

 

「混沌者は何処かに行って……!」

「随分嫌われたね、俺も。アハハ」

「不死身だからって、攻撃を受けて痛くないんですか!?」

「いや、痛いよ?いや、痛くないかも」

 

ユニの質問に秀司はニコニコとした顔で普通に答える。

そうだ、コイツは感覚さえあるのかは謎なのだ。

だから、その中で立ってようと気にしなくてもいいだろう。

 

「弾き続けるのもいいけど、次へと移る」

 

そう言った瞬間、剣の雨が止んだかと思うと、ピクセルは目の前まで来ていた。

俺はそれに驚くと同時に顎に衝撃が走る。

俺は打ち上げられ、宙を浮いているところに、ピクセルが目の前に一瞬で現れ、拳を作ったと同時に腹に衝撃が走って、床目掛けて勢いよく落ちていき、直撃する。

 

「ガハッ!」

「貴方達じゃ、私のスピードにはついてこれない」

 

俺は口から血を吐きながらも、起き上がる。

コイツの動き……視認ができなかった。

いや、奴は『幹部』クラスの星座だ。

星の光は元々光速の速度だ。

奴が光速、もしくはそれを超える速度で動いてもおかしくない。

亜光速……それの速度か?

いや、実在しない超光速とか言わないよな?

それなら、色々と理から外れた存在になるぞ。

 

「こう君!」

「この!」

 

ユニは拳銃を取り出し、ピクセル目掛けて発砲する。

ピクセルは手を前に出すと、何かを摘まむ様に指を動かした。

ピクセルの親指と人差し指で挟んでいたのはユニが撃ち出した弾丸だ。

それにユニは驚き、ピクセルは指の力だけで銃弾を簡単につぶす。

それもそこまで力を入れていない様だ。

さすがは星というべきか。

 

「行くよ!」

 

ネプテューヌは女神化して、ピクセル目掛けて刀を振り下ろす。

それをピクセルは筆で受け止め、それにネプテューヌは驚愕する。

 

「いくら星座の武器だからって、剣を受け止めるなんて」

「ペンは剣より強し……って言う言葉があるんだから、筆は剣より強し……って言う感じ」

 

ピクセルはそういったと同時にネプテューヌはくの字に折れ曲がって、いきなり吹き飛ぶ。

どうやら蹴りを叩き込まれた様だ。

俺たちじゃ、コイツの動きを見切る事は不可能……いや、光速のスピードを余裕に出す相手に勝てるのだろうか?

秀司はニコニコとした顔で俺たちを見ていた。

 

「テメェ、秀司。手伝ってくれるんじゃねぇのかよ?」

「ん?まぁね……君たちがどこまでやれるかを見てからで」

「何を言って」

「余所見してる場合?」

「!?」

 

声がした方を見れば、そこにはピクセルがいた。

後ろにはワープホールみたいなものまである。

 

「ワープしてきた!?」

「二等兵クラスからはこれくらい余裕」

 

そういうと同時に腹に鋭い痛みが走る。

俺は視線を腹部へと移すと、ピクセルの拳が俺の腹を貫いており、二の腕のところまでめり込んでいる。

俺は目を見開いて、口から血を吐くと、ピクセルはゆっくりと手を抜き、血を拭う様に振るって飛ばす。

俺は腹を抑えながら蹲り、肩で息をする。

 

「手の内をいくつか明かしてみたけど、やっぱりその程度。星座で最も強力な十二星座にも全部目覚めていなくて、覚醒もしていない貴方なんて相手じゃなかった」

「クソが……」

「もうやめたら?弱いのに、誰かを護ろうという考えは」

「ッ!」

 

弱い……そう、俺は弱い。

だが、弱いからと言って、何だというんだ!

 

「弱いのは悪いのかよ……。弱くて、何が悪い!」

 

俺は足元がふらつきながらも立ち上がり、肩で息をしながら睨みつける。

ピクセルは俺の言葉に呆れたのか、ため息を吐く。

 

「決まっている。弱い事は罪。弱き者には死あるのみ」

「弱いから……罪?くだらねぇ、まったくもってくだらねぇ……」

「なに……」

 

俺の言葉にピクセルは反応する。

弱いからって、何が悪いってんだ。

弱いだけで、罪だと決めつけるな。

 

「弱いから罪?弱かったら悪い?違うね。弱いからこそ、足掻くんだ。弱いからこそ、生き残ろうとするんだ。弱いからこそ……立ち向かおうと思うんだ」

「そんなのはよほどの変わり者」

「かもしれねぇ。けど、人には誰だって牙が隠されてんだよ。その牙は神だって喰らう」

 

俺はジェミニからヴィルゴへと持ち替え、まっすぐと立つとピクセルを睨む。

 

「テメェ等、『強者』にはわからないだろうな」

「……わからない。人間の癖になんで星に抗う?絶対なる存在になぜ抗うの?あなた達、人間も、女神も、星のシステムの一つだというのに」

「システムなんざ知ったこっちゃねぇんだ。こちとら、生きるのに精いっぱいなんだよ。どんなに醜くても、足掻いて足掻いて、生きれば……それでいいじゃねぇか。それがそいつの人生だ。どれだけ惨めでも、醜くても……生きてさえいりゃ、どうにでもなるもんだ。そんな生きる奴らを殺そうとするお前達を俺は許さねぇよ」

 

俺はヴィルゴを力強く握り、構えて、ニヤッと笑う。

ピクセルはそんな俺を見ると、ドラコが見せた様な冷たい目で俺を見てくる。

 

「くだらない……。醜くても生きたい?惨めでも生きたい?生き物はそんな事を望んでるの?くだらない……。輝いてこその生。私達の様にね」

「悲しいな、お前等は」

「え?」

「そうやって、生きて……他の奴らと笑い合って、泣いて、苦しんで……そうやって生きる方が楽しいのによ。お前等は悲しい奴らだ。光が強すぎる故に人を遠ざけてしまう。光が強すぎたがために近寄り難い者となった。悲しいよ、お前等」

「黙れ……!」

「俺と同じで、ただの臆病者さ。オメェらは」

「黙れェ!」

 

ピクセルが叫んだ瞬間、体中に殴られた感覚がして吹き飛ばされる。

光速を出せるだけある……今、何発殴られた?

わからないが、ダメージはかなり大きいな。

俺は机などを吹き飛ばしながら吹き飛び、壁に激突すると血を吐いて倒れる。

 

「導き者ぁ……気が変わった。貴方は殺す」

 

そういって、筆で空間に巨大な絵を描くと、それが具現化する。

それを手に取ると、俺を睨んでくる。

 

「死んで」

 

そういって、ピクセルが巨大な剣を投げようとした瞬間だった。

 

「させないわ!」

「紫の女神……」

 

ネプテューヌが刀をピクセル目掛けて振り下ろす。

ピクセルはネプテューヌを見たと同時に、ネプテューヌは吹き飛ばされ、天井に直撃して、血を吐いて、変身が解けると床に落ちて倒れる。

 

「お姉ちゃん……。浩平君……」

「逃げ……ろ……。ネプギア……ユニ……。ネプテューヌを連れて、早く……!」

「でも!」

「頼むから……逃げてくれ」

 

俺は立ち上がりながら、ピクセルを見る。

ピクセルは驚きながら、俺を見てきている。

わかっている……手を抜かれているとはいえ、星そのものの攻撃に耐えきるなんてありえない。

ブラックホールをも生み出せるアイツ等の攻撃を受けて、立ち上がれるなんてありえない事だろう。

 

「まだ足掻くの?そんなに惨めになっても、醜くなっても足掻くの?もうやめなよ。そのまま死んだ方が生き恥を晒さずに済むのに」

「人が最も恐れるものがこの世には二つある。それは『恥』と『死』だ」

 

俺がそういうと、ネプテューヌを運んでいたネプギアとユニが反応する。

ピクセルもそれにピクッと反応して、俺を見てくる。

 

「『死』はわかる……。けど、『恥』?」

「あぁ。人間は『恥』をかくのが怖ェんだよ。俺は死よりも、そっちの方がよっぽど怖ェよ。死を乗り越えようとするバカよりも、恥を乗り越えようとするバカの方が俺は好きだよ」

「護り抜きたい……だっけ?そんな思いから、立ち上がるの?立ち向かうの?そんな『恥』になる様なもの……捨てれば楽なのに」

「言っておく。テメェが俺の仲間に……大切な人に手を出そうとするのなら、何度だってお前の前に立ちはだかる!何度だってだ!」

 

俺は走り出し、拳を構える。

それにピクセルは呆れた様に俺を見てくる。

 

「呆れた……。『護る』だの、『恥』だの、くだらない。くだらない……。くだらないくだらないくだらないくだらない!そんな偽善を掲げて、満足する人間たちがくだらない!」

「別に俺ぁ、それが善だとは思っていねぇ」

「!?」

 

俺の言葉にピクトルだけでなく、他も驚いて見ている。

秀司はへぇ~と言いながら、面白そうに俺を見てきている。

 

「それを善か、悪か決めるのはその人次第だ。完全なる善なんて存在しねぇと俺は思っている。誰かを助けたいと思う俺の気持ちだって、誰かから見れば偽善かもしれねぇんだよ。所詮、この世は偽善だらけさ。だが、偽善でもいいじゃねぇか。そうやって、テメェの志を貫けるなら、偽善だろうと構わねぇじゃねぇか」

「浩平君……」

「浩平……そんな事を思ってたりしてたんだ」

 

本当の正義なんて存在しない。

誰かを助けるという行動も、護り抜こうとするのも、良い事だと思ってやっている事は誰かから見れば、偽善に見えるのだってある。

なら、偽善でも構わない。

俺は善も悪も関係ねぇ。

 

「誰が善で、誰が悪だなんて関係ねぇ!知ったこっちゃねぇ!俺は!俺の正しいと思った事をやるだけだ!」

 

俺はそう叫んだと同時にピクセルに拳を叩き込み、殴り飛ばす。

俺の言葉に不愉快さでも覚えていたのか、俺の攻撃に反応できずに吹き飛ばされる。

 

「だが、少なくともテメェ等は悪だとわかる!テメェ等の様にどす黒い奴らを善とも、偽善とも言わねぇ!関係ない人たちを傷つけようとするお前達は黒だ!」

「カッコイイね……」

 

ピクセルはそういって、ゆっくり立ち上がると、俺を見てくる。

あの目は本気で俺を殺すつもりでいる目だ。

俺はネプギアたちを見る。

 

「行けェ!テメェ等ぁ!」

「そんな、ダメだよ!」

「浩平、一緒に逃げるわよ!」

「いいから行きやがれェ!これ以上……俺を負け犬にさせねぇでくれや」

 

俺は微笑みながら言うと、二人はピクッと反応する。

それと同時に俺はピクトルの体当たりをくらい、そのまま押し倒される。

俺は倒れると、腹の風穴から更に血が溢れ出てくる。

その痛みに俺は歯を食いしばりながらも、何とか耐えきる。

 

「もう終わって」

 

そういって、ピクセルは拳を作った。

その手はかなりの力が込められているのだとわかる。

星さえも簡単に砕く……その力が。

こんなものをくらえば、俺でも頭が木端微塵となって……死ぬだろう。

そして、その拳が振り下ろされようとした瞬間、その腕を掴んで止める人物がいた。

俺とピクセルはそれに反応して、その腕を辿っていくと、そこには秀司がいた。

 

「混沌者……!」

「面白い。面白いよ、浩平。俺、君の事が気に入った。くだらない奴なら殺してやろうとも思っていたけど、決めた。仲間になってあげる。だから、この世界からも出してやる」

 

そう言った瞬間、秀司がピクセルにデコピンをすると、その軽い音とは違い、ピクセルが殴り飛ばされたかの様な勢いで吹き飛び、壁に激突する。

ピクセルは口から血を吐き、立ち上がると秀司を睨む。

 

「混沌者ぁ……!」

「えっと……ここら辺か」

 

秀司は美術室の中央に立つと、手を床につける。

それにピクセルは反応する。

 

「まさか!?」

「そのまさかさ。この世界を破壊する」

 

そう言った瞬間、白と黒が混ざり合ったというべきか?

混沌というのが正しいだろう力が流し込まれる。

それにより、この世界が揺れ始める。

 

「何をしたんだ……?」

「世界を作るにも核になるものが必要なのさ。その核にしていたのがこの美術室の中にある……この絵」

 

そういうと、秀司はとある絵を見せてくる。

ネプギアとユニもそれを覗き込んでくる。

そこには地球や建物など、色々描かれている。

まるで設定図みたいなものだ。

 

「これが核……ですか?」

「そう、俺はこれに混沌を流し込んで無効化し、破壊したのさ。よって、この世界は壊れる。皆は元の場所で目を覚ますよ」

「秀司……」

「浩平、俺は君の味方だと今なら言ってもいいよ。さてと、ピクセル。この子は強くなるよ。覚悟しておくといいよ」

「……今度会ったときは殺すから。スターゲイザー」

 

ピクセルがそれだけ言ったと同時に俺の視界は真っ白になった。

 

 

 

 

俺はゆっくりと目を覚ますと、プラネテューヌの教会の天井だった。

何故、わかるのかというツッコミはなしにしてもらおうか。

俺は起き上がって、頭に手を当てながら横を見る。

そこにはニコニコと笑っている秀司が目に入った。

 

「あぁ、何だ。秀司か」

「やぁ、おはよう!浩平!」

「あぁ、おはよう……って、なんでいるんじゃあああああああああああああああああ!」

「グホォォォォォォォォォォ!」

 

俺は挨拶したと同時に秀司にアッパーを叩き込む。

秀司は宙を舞い、そのまま床に着地すると、俺を見てくる。

 

「い、今打ったね!親父にも打たれた事ないのに!」

「知らねぇよ!なんでいんだよ!?なんで帰ってきて、起きて早々テメェの顔なんざ見なくちゃならねぇんだよ!つうか、なんで俺の傷治ってんの!?アリエス使った覚えないよ!?」

「それは夢だったみたいな感じで終わらせられたからだろうね」

「なるほどね……」

「この事を覚えているのは設定から解放された紫の女神と女神候補生二人くらいだろうね」

「そうか」

 

俺は頷くと秀司はニヤァと笑う。

その笑みが何か嫌な予感を感じさせる。

 

「いやぁ、記念としては何だけど、これをネプテューヌちゃんたちに配ってきてあげるよ」

 

そういって、秀司が見せてきたのはネプギアとユニとあの時、事故でキスしてしまった写真だった。

 

「や、やめろォォォォォォ!俺が社会的に抹殺されるぅ!物理でも抹殺されるぅ!」

「アハハ、いざ出陣だァァァ!」

「待ちやがれェェェ!」

 

俺は飛び出して行った秀司を追いかけるのだった。

もちろん、その写真を取り上げ、フィルムなども取り上げて燃やして処分しました。

こうして、長い夢は幕を閉じたのだった。




どうも、風狼龍です。
如何でしたでしょうか。
次回はリーンボックス……つまり、原作の方をやろうと思います!
それではまた次回!
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