俺たちは掃除を終えた後、料理を作り、ホームパーティの準備を済ませた。
俺の料理する姿を見て、驚いていたのもいたが……黒姉妹くらいか。
思えば、アイツ等には何も振る舞った事ないもんな。
「浩平って、料理ができたのね……意外だわ」
「意外って、酷くねぇか?」
ノワールは俺が作った料理を見ながら、言う。
そう言われると、少し傷つくんですが。
人は見た目によらないってよく言うでしょうに。
「やっぱりこう君の料理はおいしそうだね~!」
「うん、そうだね」
ネプテューヌは料理を見渡しており、ネプギアは姉に同意する様に笑顔で頷く。
ホント、お姉ちゃんの事が好きなんだな、ネプギア。
姉妹で仲がいいのはよい事だよ。
そして、しばらくしてからベールさんが来て、俺たちに笑顔を向ける。
「皆さん、お待たせしましたわね。我が家のホームパーティにようこそですわ」
「……というか、ベール。ほとんど何もしてない」
「ずっとネトゲーしてましたもんね」
俺はブランの意見に同意する様に頷きながら言う。
この人も、ネプテューヌほどではないが、大概だな。
「やめましょう。言っても虚しいだけだもの」
「そうそう。浩平の不幸の様にむなs「黙れ」グフ・カスタム!?」
俺はニコニコしながら言う秀司に拳骨を叩き込む。
それはいいが、何故機動戦士で出てくるM○の名前が出てくる。
まぁ、そういうツッコミはいらないか。
すると、秀司を見たベールさんは驚いた様に秀司を見ている。
「あ、まだ説明してませんでしたね。最近、仲間になった」
「二度目の遭遇でこんちわ!如月秀司!19歳です♪」
「え?お前、19だったの?一つしか違わねぇのかよ」
「知らなかったの?」
「テメェ、自分で年齢言った覚えは?」
「今回が初めてだよ!」
秀司はキラッという効果音が聞こえそうなウインクをして、少し下を出して言う。
何その顔……お前がやるとスッゲェイラッと来るんだけど。
是非とも殴り飛ばしてほしいという事だよね、そういう事だよね。
「まぁ、それは初めまして。あの時だけでしたわね。お会いしたのは」
「そそそ!まぁ、そういう事だからさ~!よろしく!」
「ベールさん、コイツが変な事しでかしたらすぐ言ってください。ボコボコにしますんで」
「浩平、俺でも一瞬怖いと思ったんだけど」
笑顔のまま冷や汗をかく秀司。
コイツ、どんだけ器用っつうか、ポーカーフェイスっつうか。
まぁ、気にしても仕方ねぇか。
ネプテューヌはネプギアが立ち眩みをしたという話を心配している様だ。
大丈夫そうだし、ネプテューヌに任せてりゃいいか。
「さぁ、皆さん。遠慮なく食べて、飲んで、騒ぎましょう!今日のためにとびっきりのゲームも用意しておりますわ」
「おぉ、何々!」
「これは俺も気になるね~」
「んじゃ、お前は外に出て、空でも見上げてろ」
「浩平、俺に厳しい!」
俺はジト目で秀司に言ってみたが、コイツは相変わらず笑顔のままだ。
コイツって、笑顔以外の表情はできんのかね。
「説明するより見せた方が早いですわね。ネプテューヌとノワール。少し後ろに立ってくださいな」
「ほいな~!」
「え?何?」
ネプテューヌは手を挙げて了承し、ノワールは何が起こるのという様な不安そうな顔をしている。
ゲームだろうから、不安になる必要はないと思うんだが。
俺なら不幸てんこ盛りだろうがな。
「あ、こう君も!」
「ことw「それはいいですわね」OH……」
ネプテューヌが笑顔で誘ってきたのを断ろうとしたが、ベールさんが賛成してしまった。
というわけで俺はネプテューヌに引っ張られて、皆より少し後ろに下がる。
そして、二人は俺を真ん中にして、挟む様に立つ。
何気に二人の距離が近い気がするが……気のせいだろう。
つうか、なんで俺を真ん中にする必要がある。
何で二人とも俺の隣に立とうと思ったんだ。
すると、ベールさんが何かを取り出してきた。
ゲーム機……というよりカメラみたいなものと何かを出してきた。
「それでは、華麗に戦ってくださいまし」
そう言って、コントローラーのボタンを押すと、何かから光が放たれ、周りが森へと変わる。
スゲェ……映像か何かだろうか?
「うわぁ、すごぉい!」
「あ、ねぷねぷと浩平さんが」
コンパにそう言われて、確かめてみると……紅い体をして、ヘッドホンをしているスライヌになっていた。
「……」
「ねぷぅ!?スライヌになってる!?」
「こ、これ私なの!?」
二人は驚いている様だが、俺は跳ねたり、軽く動いたりしてみる。
それに皆は首を傾げてみてくる。
「浩平、どうしたの?」
ブランが心配でもしてくれたのか、聞いてくる。
いや、今、この状況に一言叫びたい。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「古いわ!」
「ブベラァ!?」
ノワールに体当たりをくらって、俺が転がると、ノワールにポイントが入る。
あ、思えばゲームだったな、これ。
「三人の動きを特殊なカメラで読み取って、立体投影しているのですわ。なかなかの技術でしょ?で、さっきノワールが浩平君にアタックしたみたいにすれば、ポイントが入りますわ」
「なるほど。つまり、この姿でノワールとこう君と戦えばいいんだね!」
え?何それ、面白そうなんですけど。
「やい、ノワスライヌ!ねっぷねぷにしてやんよ!」
「え?何よ、ノワスライヌって?」
「てやぁ!」
ネプテューヌがノワールに体当たりをして、ポイントが入る。
やっぱり、攻撃を当てればポイントが入るみたいだな……面白ェ。
「私を怒らわせたわね。覚悟しなさい、ネプライヌぅ!」
そう言って、ノワールが体当たりをするが、ネプテューヌが飛躍し、ノワールはそのまま逆さになって転んでしまう。
それを楽しそうに見るネプテューヌ。
「やぁい!逆さノワイヌぅ!」
「そして、隙ありだぜ!ネプライヌ!」
「ねぷぅ!?」
俺は隙ができたネプテューヌに体当たりをして、ポイントを手に入れる。
へへへ、ゲーム好きなのは俺もなんだぜ。
「やったなぁ!コウヘイヌ!」
「ヤベェ、ゴロがいい!」
「感動するとこ、そこ!?」
いや、もしかしたらないかと思ってたじゃん。
そうやって、俺たち三人で勝負を始める。
「へぇ、面白そうだね~」
「ちなみに、実践寄りのシュミレーションモードもございますから、戦闘の訓練にも使えますわ」
「すご~い」
「面白そう……」
「私もやりた~い!」
「俺もやりた~い!」
「テメェはダメだ」
「浩平、ホントに俺の扱い酷くないかな」
俺たちはそんなゲームで遊ぶのだった。
★
海岸の方で一人の女性とネズミの姿があった。
そんな一人と一匹を見ているコルヴスがいた。
コルヴスは歩き出し、その一人と一匹に近づく。
「ん?誰だ、貴様?」
女性はコルヴスに気付き、振り返る。
コルヴスはその女性が持っている『とあるもの』を見てから、女性を見る。
「お前達は女神を倒すのが目的なのだな?」
「あぁ、そうだが?それがどうした?」
「お前達だけじゃ、無理だろうな」
「何ッ!どういう事だ!」
コルヴスの言葉に怒りを覚えたのか、食ってかかる。
コルヴスは相変わらず冷たい目で、無表情のまま女性とネズミを見ている。
「女神には守護者ともいえる奴がいる。それは岩崎浩平……。星に選ばれし者で、女神とはまた違った力を扱う」
「だから、それがどうした?それだけで負ける理由になるというのか?」
確かにその通りだ。
もし、邪魔をしにくるのならば、排除すればいいだけの話。
だが、コルヴスはそれを聞いて、ため息を吐く。
「星に選ばれた者は星一つをも潰す力を持っていると言ってもか?」
「なっ!?」
「そ、そんな力があるっちゅか!?」
一人と一匹はコルヴスの言葉に驚く。
確かに浩平の能力はそうである。
超圧縮した攻撃を放てば、星一つなど壊す事はできる。
「身体能力は女神に匹敵するほどだが、能力は上と言ってもいい。どうだ?ここは俺と手を組まないか?俺は星そのものなんだが」
「何……?それは本当か?」
コルヴスの言葉に女性は目を細める。
信じ難いというところもあるのだろう。
「あぁ。だから、奴の相手は俺がしよう。女神はお前達がどうにかすればいい。そのアイテムでも使ってな」
「……いいだろう。そういう事なら乗ってやる。ただ、何も出来なかったら」
「大丈夫さ……。俺は『烏座』。幹部の一人なのだから」
コルヴスはそういうと、空を見る。
日が暮れ、もうすぐ夜が来る証である……星々が煌めく夜が。
(さぁ、浩平……。ここがお前の墓標となるかどうか……それはお前次第だ)
そういうと、コルヴスは女性とネズミ……マジェコンヌとワレチューと一緒にどこかへと行くのだった。
☆
俺たちはしばらくそのゲームで対戦をしていたが、ドアがノックされて、ベールさんが何かの話を聞いている。
どうやら、何かあった様だ。
それに気づいたノワールはゲームを止め、俺たちは元の姿に戻ると、ノワールがベールさんに近づく。
「何かあったの?ベール」
「いえ、ズーネ地区にある廃棄物処理所に多数のモンスターが出現したという報告があったのですわ」
そういうとベールさんは調べる様にノートパソコンを開く。
ズーネ地区って、なんでござんしょうか?
「ズーネ地区……。確か、離れ小島だったわね。引き潮の時だけ地続きになるという」
アレ?そういうとこ、日本にもあった様な。
まぁ、異世界だし、似たところがあっても当たり前か。
「モンスターぐらい、どこにでも普通に出るっしょ」
「そうだよな。モンスターぐらい、ほっといても」
「国が管理している場所ですから、そんな事はありえませんわ」
あり?そうだったの?
なら、モンスターが出てきたのなら対処しないといけないよな。
「でも、事実の様ですわね」
ベールさんは確認を終えたのか、ノートパソコンを閉じると立ち上がる。
これは退治に行く流れですかね。
「私、今から行ってきますわ」
「私も行くよ~!」
ネプテューヌは動向する様だな。
まぁ、仲良くするのは良い事だよな。
「ですが、これは私の国の事ですから」
「こうして、私達がいるのも、何かの縁だしさ。手伝わせてよ」
「またお決まりの友好条約を結んだ以上は仲間~って言う奴?」
「まぁね~!」
ネプテューヌは相変わらずっつうか、何つうか。
まぁ、それがネプテューヌらしいか。
「私も手伝う」
「何、ブランが!?」
「それ、どういう意味?」
「すいません、軽い冗談です」
俺がわざと驚いて見せると、ブランにギロッという音が聞こえるほどの勢いで睨まれた。
怖いです……凄く怖いです。
「誘拐事件の時の恩を返す良い機会だから」
「よぉし!じゃあ、三人で」
「わ、私も行くわよ!貴方達だけじゃ、どれだけ待たされるかわからないもの」
仲間外れが嫌だったのだろうか、ノワールが叫ぶ。
やれやれ、相変わらずですなぁ、ノワールは。
正直に仲間外れは嫌と言えばいいのに。
「皆さん……わかりました。では、四人で参りましょう」
女神四人でねぇ……。
モンスターメンドクセェけど、どうしようかな~。
俺が考えていると……。
「あ、あの!」
「ん?」
声がした方を見てみると、ネプギアが真剣な目でいた。
「私も行きます」
「え?あ、アタシも!」
「私も!」
「私も……!」
女神候補生四人もついていくという。
姉についていこうとしているんだろうか。
まぁ、八人で行くなら俺はいらないかな。
「貴方達はダメ。遊びじゃないの」
「えぇ~」
「ユニも当然、留守番よ。貴方、まだ変身もできないんだから」
「ネプギア、ここはお姉ちゃんに任せといて!たまにはいいとこ見せないとね!」
たまにはっつうか、星座の時は凄いカッコよかったけどな。
どうやら、妹組は行かない様だ。
俺はそれを見て、ため息を吐くと、後頭部を乱暴に掻く。
「あぁ、メンドクセェなぁ!なら、俺が行くよ。それでいいだろ」
「浩平君……」
「へへへ、強敵ばっかで疲れてたんだ。たまにはモンスターの相手でもしてやろうじゃねぇか」
「こう君も来るの?」
「あぁ……。それにこういうのを好機と見た黒星座が来たらどうするよ?メンドクセェ事になんぞ?そん時用だと思えばいいさ」
俺がそういうと、四人は頷く。
どうやら、俺の同行は許可してくれるみたいだな。
そう言って、外に出る。
「それじゃ、変身!」
ネプテューヌが叫ぶと、四人は光に包まれ、消えると女神化した姿で現れる。
空を飛んで、向かおうとしているが、とある事に気付く。
「そういえば、こう君って飛べなかったわね。運ぶわ」
そう言って、ネプテューヌが来ようとすると、俺は首を横に振る。
それに首を傾げると、俺は足の裏から星力を出して、宙を浮く。
それに秀司以外は驚いて、俺を見てくる。
「どうやって飛んでるんだ?」
「足から星力を噴出させて飛んでるんだよ。まぁ、ロケットみたいなものさ。手で方向を変えたりしてさ。まぁ、秀司がやれって言ったんだけどな」
「いやぁ、ちょっと前に言った事を一発で成功させるとは!さすが浩平!無駄な才能持ちすぎ!」
「あん?」
「ゴメンなさい」
俺が睨むと、秀司はすぐ土下座する。
つうか、笑顔のまま謝っているだろう。
それはどう見ても謝る気がない様に見えるんですが?
「では、皆さん。参りますわよ」
そう言って、四人は飛んでいき、俺はそれを見てからネプギアを見る。
何処か不安そうな顔をしている。
「ネプギア、お前が何かに不安を覚えているのはわかる。俺も嫌な予感だってしてるからな。まぁ、だからさ……俺に任せてくれよ」
「……うん、浩平君」
「んじゃ、行くぜ」
俺は足から星力を噴出させると、ネプテューヌ達の後を追う。
嫌な予感……か。
安心しろ……ネプギア。
テメェの姉ちゃんはちゃんと守ってやるよ……もう誰かを見殺しにはしない。
例え、この命を賭けてでも……例え、獣になってでもだ。
俺はそう決意して、ネプテューヌ達に続くのだった。
どうも、風狼龍です。
如何でしたでしょうか。
最近仕事が忙しくて、なかなか更新ができていませんが。
それではまた次回!