超次元ゲイムネプテューヌ~星の導き者~   作:風狼龍Ⅱ

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道というものは自分で切り開くものである。
というわけでそれではどうぞ!


対となる力

ここはネプテューヌ達が捕まっている場所。

そこでコルヴスは一人、座り込んで、女神たちを見ていた。

ネプテューヌ達は何かを話している様だが、コルヴスは特に気にしない。

だが、自分たちの妹の話をしているのを聞いて、コルヴスはピクリと眉を潜める。

 

「お前も……来るのか。浩平」

 

コルヴスはそう呟いて、悲しそうな目をする。

まるで誰かに自分を止めてほしいと願っている様な目。

自分を殺してくれる人を探している様な目だ。

 

「それよりも、コルヴス!」

「ん?」

 

コルヴスはネプテューヌの声に反応して見る。

ネプテューヌ達はコルヴスを見ており、どこか怒りさえ感じる。

 

「こう君はどうなるの?」

「奴に死を与えた。『死』を与えられた者は徐々に蝕まれ、死に至る……」

「そんな!?」

 

コルヴスは冷静に答えると、それにノワールは驚く。

 

「今頃は死の淵を彷徨っているだろうな」

「だ、大丈夫よ。浩平の生命力なら」

「生命力が強かろうと関係ない。どんな存在だろうと、最後は『死ぬ』のだからな。これは絶対だ。終わりなき命など、悲しいだけだ」

 

コルヴスはそう言って、立ち上がると、とある方向を見る。

それと同時にワレチューがレーダーで何かを捉えたのか、反応する。

 

「来たっちゅ。案の定、女神の妹が仲間を連れて戻ってきたみたいっちゅよ」

「ふん、あんな者たちに何ができる?ここに辿り着く事すら敵うまい。そうは思わないか?」

 

マジェコンヌはそう言って、ネプテューヌを見る。

コルヴスは黙り込んだまま立ち上がると、その場から姿を消す。

 

「ほぉ、アイツが行くか。なら、後は任せるとしよう」

「コルヴスが!?」

「だ、ダメよ!私達や浩平でも敵わないのよ!?あの子たちが勝てるハズがないわ!」

 

ネプテューヌは驚き、ノワールは声を荒げる。

いや、ブランとベールだってまずいと言う予感はしている。

もし、コルヴスと戦えば……殺される。

ネプテューヌ達は冷や汗を流しながら、ネプギアたちの心配をするのだった。

 

 

 

 

ネプギアたちがモンスターたちと戦闘を開始し、コルヴスはそれを上空から見ていた。

 

「……」

 

戦えてはいるが、まだどこかぎこちない四人の女神候補生。

コルヴスはそれを見ながら、手に黒いオーラを出す。

それは死のオーラであり、当たれば……死という名の無へと帰る。

そして、ネプギアが気付いていない後ろから襲い掛かるモンスターに……そのオーラを当てた。

ネプギアは後ろから感じた死の力に悪寒が走り、振り返る。

そこには黒いオーラがあり、それに直撃したモンスターは消滅する。

そして、ネプギアの目の前に鴉の翼を広げたコルヴスが降り立つ。

 

「コルヴス……さん」

「……」

 

コルヴスは相変わらず黙ったままで、ネプギアを見ている。

だが、ネプギアは笑みを浮かべて、コルヴスを見る。

 

「助けてくれたんですか?」

「……」

 

コルヴスは何も答えないが、ネプギアは微笑む。

ネプギアは知っている。

浩平の双子の兄だという事がわかるほど、彼は優しいのだと。

確かに浩平を死の能力で苦しめているが、何か考えがあってかもしれないと。

コルヴスはそれを見て、刀を構えると、ゆっくりと振り下ろす。

明らかにネプギアでも見える速度で。

それにネプギアは反応し、ビームソードで防ぐ。

 

「何を!」

「……」

 

ネプギアは聞くが、コルヴスは答えない。

その代わり、目が語っている様な気がした。

 

『ここから立ち去れ』

 

そう言っている様な気がした。

そして、周りのモンスターを見ると、手から黒いオーラを出し、展開する。

それはモンスターたちだけに当たり、全てのモンスターは消滅する。

それにネプギアだけでなく、周りも驚く。

 

「あ、あの男……。なぜ、モンスターを!」

「大方、邪魔とでも思ったっちゅかね」

 

マジェコンヌは怒りを覚えるが、ワレチューはそうであろうと考え答える。

確かに女神候補生たちの相手をするのにモンスターたちが邪魔だったという理由なら納得が行く。

だが、コルヴスの本当の意思を知る者はいない。

いや、一人だけいた。

 

「皆を助けてくれるんですか?やっぱり、貴方は」

「……去らないなら、殺す」

 

ネプギアは微笑みながら言うが、コルヴスは拒絶するかの様に言う。

だが、ネプギアは首を横に振って、優しい顔でコルヴスを見る。

 

「貴方は本当はこんな事したくないんですよね?」

「……うるさい」

 

そう言って、刀を振り下ろそうとした瞬間、コルヴスは振り返って、刀を振るう。

金属同士がぶつかり合う甲高い音がする。

そして、コルヴスの足元に落ちたのは真っ二つにされた銃弾だった。

コルヴスはある方向を見ると、そこには銃を構えているユニがいた。

 

「前の様にはさせない!貴方を倒せば、浩平だって立ち上がる!」

「無駄だ……。お前達じゃ、俺を殺せない」

「やってみないとわからないじゃない!」

「浩平お兄ちゃんに酷い事をした罰……!」

 

そう言って、ロムとラムが氷の魔法で攻撃してくる。

だが、コルヴスはそれを刀の一薙ぎで打ち消す。

そして、近くにいたネプギア目掛けて蹴りを叩き込む。

 

「うっ!」

 

ネプギアは歯を食いしばりながら吹き飛び、そのまま転ぶと、コルヴスは一瞬でネプギアの元に移動し、刀を振り上げる。

 

「じゃあな……」

 

そう言って、振り下ろそうとした瞬間、暗い夜を照らすかの様に空から届く光に包まれる。

それに驚いた皆は空を見上げると、そこには矢の形をした金色の星力がコルヴス目掛けて大量に襲い掛かってきたのだ。

コルヴスはそれに目を見開き、死のオーラを当てる。

力とて、死を与えれば消えてしまう……が、その矢は消える事なく、コルヴスに直撃する。

 

「ぐぅ!?」

 

コルヴスは何とか耐えきり、ネプギアから離れる。

何故消えなかったのかという疑問もあるが、星の力での攻撃が来たという事は……。

 

「よぉ、楽しいパーティーやってんじゃないの。俺も混ぜてくんない?」

「岩崎……浩平!」

 

高い場所で、弓を構えて立つ浩平がいた。

その弓は棒の部分が金色で、燃え上がる闘志を表すかの様な炎の装飾を施されており、弦の部分は銀色に輝いているのだった。

 

 

 

 

俺はその場から飛躍して、ネプギアの元へと降り立つ。

驚いた様な顔でネプギアは俺を見ており、俺はニッと笑ってみせる。

 

「待たせたな。長い夢から覚めてきたぜ!」

「浩平君……!浩平君、無事だったんだ!よかった!」

「おっと……」

 

ネプギアは涙を流しながら、俺に抱き着いてきた。

……俺が勝手にした約束なのに、コイツは気にしていたのだろうか。

なら、余計な心配かけちまったな。

俺は優しくネプギアを抱き返すと、頭を撫でる。

 

「待たせて悪かったな」

「ううん、無事で……無事に帰ってきてくれてよかった……!」

 

俺はその言葉に微笑むと周りにユニたちが来ているのにも気付く。

 

「浩平お兄ちゃん、よかった……!」

「浩平、無事でよかったぁ~!」

「どわぁ!?」

 

ロムとラムも抱き着いてきて、ロムは涙を流している。

……これほどに心配してくれてたんだな。

ユニは安堵の笑みを浮かべており、アイエフとコンパも笑みを浮かべている……が、アイエフがとある事に気付く。

 

「って、ちょっと待って。アンタ、死の淵を彷徨ってたハズよ。自力で戻ってきたの?」

「YES。それは肯定させてもらおう。ちなみに言うと、死の能力ももう受けてねぇよ」

「それ、どういう事?」

 

ネプギアは離れて、首を傾げて聞いてくる。

俺はそれに答えるかの様に弓を見せる。

 

「それは……」

「これは黄道十二星座の一つ、『射手座(サジタリウス)』だ。コイツのおかげで死の能力を打ち消せた。と言っても、俺の精神力が死の能力を上回ったから~とか言ってたな」

「死に打ち勝ったですか!?」

 

コンパが驚いた様に言うが、そういう事になるらしい。

俺は立ち上がると、サジタリウスを構える。

 

「よぉ、今度こそテメェを倒してやるよ」

「……それは『射手座』か。という事は俺の能力とは相性が悪いな……」

「どういう事よ、浩平?死に打ち勝ったのも、それのおかげって言うけど」

「あぁ、それはな。『射手座』の能力……『死』の真逆の力、『生』の力のおかげだからだよ」

「せ、『生』の力!?」

 

ユニは驚いた様に言う。

 

「な、なんで射手座で『生』の力なんです?どちらかというと射的系の様な」

「それは基本能力だ。ちゃんとした能力は『生』の能力」

 

コンパの質問に俺が答えるが、何故そうなるのかわかっていない。

すると、ネプギアが何かを思い出す。

 

「思えば、浩平君が書いてくれた星座ノートに射手座の事で……。射手座の上半身と弓の一部で『南斗六星』という星を繋いだのがあるって」

「その『南斗六星』かしら?それとどう関係しているのよ?」

 

ネプギアの言葉にユニが俺に聞いてくる。

まぁ、ネプギアのノートに詳しく書いたが、まだそこまで理解はできていないか。

 

「『南斗六星』はとあるものを司るとされているんだよ」

「とあるものって、まさか」

「そう、それは『生』を司るとされている。だからこそ、このサジタリウスは『生』の能力を持っている」

 

アイエフが何かに気付いた様なので、俺が続いて言うと、皆は驚いた顔をする。

ちなみに、その対となる存在である『死』を司る『北斗七星』があるが、それはまた今度話そう。

俺は射手座の弓……サジタリウスを構えると、コルヴスを睨みつける。

 

「さぁ、覚悟しろ。コルヴス……。お前は俺が倒す!」

「……『空間の乙女』『護りの獅子』『貫く山羊』『優しき牡羊』『相容れぬ双子』。そして……次は『生命の射手』を手に入れるか。これで半分……か」

「あぁ、おかげで今まで以上の力が溢れ出してくるぜ。今なら太陽三個分は行けるかもな」

 

俺はニヤッと笑うと、コルヴスは冷たい目でこちらを見てくる。

俺はそれに反応して前に出て、皆に背を向ける。

 

「行け。ここは俺が何とかする。その間にお前等はネプテューヌ達を」

「でも、浩平君がまた!」

「大丈夫だよ」

 

俺は微笑んで振り返る。

もう誰も失うわけにはいかない。

 

「後は俺に任せろ。お前等はネプテューヌ達を助けろ」

(浩平君……また死ぬ覚悟で戦うんだ。私がいても邪魔だろうし……。でも、浩平君がまた……。お姉ちゃん……私、どうすれば)

「ネプギア……。悩むんじゃねぇ」

「え?」

 

俺の言葉に反応して、俺を見てくる。

 

「迷うな、悩むな。お前はお前のやりたい事をすればいい。それが正しいかなんてわからねぇ。けどな、それはテメェで決めた道なんだ。そのまま、その道を突き進めばいい。ネプテューヌに……姉に頼ってばっかじゃなくてよ」

「!」

 

ネプギアは何かに気付いたかの様に目を見開く。

何処か姉に頼ってばかりのとこがあったから言ってみたが、悪かったかな。

俺は兄弟と暮らした記憶なんざないから、アレが普通なのかもな。

 

(そうだ……。一瞬、考えてた。お姉ちゃんなら浩平君とどうにかしてくれるんじゃないかって。コルヴスさんの事だって、どうにかしてくれるって……。でも、そうじゃない。だけど……私なんかが)

「……何を考え込んでるか知らないが、一言だけ言える事がある。お前等が変身できねぇ理由は知らないが、何かに怖がってんじゃねぇのか?怖がるな……。お前は、お前達は一人じゃねぇ。俺たちがいるから、そんな恐怖、受け入れろよ」

 

俺はそれだけ言って歩き出し、コルヴスと向き合う。

それと同時にネプギアが何かに気付いたのか、ネプギアから凄い力を感じて振り返る。

 

「私、お姉ちゃんにずっと憧れていたかったんだ。だけど、お姉ちゃんを取り返すためなら、私!誰よりも強くなる!」

「おぉ、そう来ましたか」

「……目覚めたか」

「ん?」

 

俺はネプギアが変身し始めたのに驚くと同時にコルヴスのつぶやきに反応する。

コルヴスは何処か優しい笑みを浮かべながらネプギアを見ており、そして期待の眼差しでユニやロム、ラムたちも見ている。

コルヴス……お前は一体。

そして、ネプギアは俺の隣へと降り立つ。

すると、いつの間にかコルヴスの顔はいつもの無表情で冷たい目へと変わっていた。

さっきの顔は……見間違えだったのか?

俺は首を傾げながらも、ネプギアを見る。

 

「女神化、おめでとさん。お前ならできるって信じてたよ」

「浩平君……。ううん、浩平君の言葉で気付いた事でもあるから。だから、一緒に戦おう!」

「……おう」

 

俺は笑顔で頷くと、サジタリウスを構え、ネプギアは新しい武器を構える。

俺はチラッとユニとロム、ラムを見る。

コイツ等も……何かきっかけがあれば、女神化できる様になるハズだ。

だから、その間は……。

 

「どのみち、俺を倒さねば、女神たちの元へは行かせない」

「テメェを倒す!」

「覚悟してください、コルヴスさん!」

「……来い」

 

そう言って、コルヴスは挑発するかの様に手をクイクイと動かすのだった。




どうも、風狼龍です。
こういう感じでよかったのだろうかと思いながらも書きました。
浩平が目覚めた星座は『射手座』です。
能力のヒントは本編で出てきた通り、『南斗六星』です。
それではまた次回!
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