双子なのに、何故こうも性格が正反対なのだろうか
「浩平、仕事は終わっているとはいえ、そんなにグータラしていたらダメじゃないか」
「兄貴、これが俺のいつもの生活スタイルだ。気にしないでくれ」
俺は今、音楽を聴きながら、グータラしていた。
ネプテューヌはゲーム、ネプギアは機械弄りをしている。
で、兄貴は掃除をしたりと色々していた。
俺と違って、真面目な兄貴は色々と俺にも言ってくる。
ダメだ……落ち着いて音楽も聴いてられん!
「体を動かす事も大事だ。そうだ、キャッチボールをしよう!浩平と離れ離れになってから、ずっとしたいと思っていたんだ!」
「やだ、メンドくさい」
「……」
「見事にじゅん君が玉砕したよ」
兄貴が目を輝かせて叫んだが、俺が断った事によって、石の様に固まってしまった。
それをネプテューヌは苦笑いをしながらゲームをやっている。
ネプギアに機械弄りに夢中で気付いていない様だが。
「浩平、兄弟は仲良くするものだ。ほら、ネプテューヌ達姉妹はとても仲がいいじゃないか。これまでの十八年間を取り戻そう!」
「ゆっくりしながら取り戻そう~」
「浩平はどこでこんなメンドくさがりで、マイペースになったんだ……」
「人というものはそういうものだ。気付けばそうなっているものだ」
そう言って、音楽プレイヤーの再生を止めて、兄貴を見る。
まったく、兄貴って意外と気にしてたんだな、兄弟としての事。
敵の時とは大違いだぜ。
「そうか。なら、話でもしよう。それくらいなら構わないだろ?男同士の会話というのもいいじゃないか」
「あぁ、そうだな。秀司じゃ、到底話できる様な奴じゃねぇからな。つうか、アイツまた消えてるし」
「相変わらず神出鬼没だよね~」
「俺はアイツほど意味不明で理解不能な奴を見た事はない」
「ほとんど同じ意味な様なのを使ってるよ」
「それほどよくわからん奴だという事だよ。何考えてんのかもわかんねぇし」
つうか、リーンボックスでも、途中から姿を消していたしな。
まぁ、アイツの話はどうでもいいか。
また勝手にフラッと姿を現すだろう。
「なら、どんな話をしようか」
「んじゃ、『スターゲイザー』ってのを聞きたいな。俺がそう呼ばれる理由を」
「……俺も詳しく知っているわけじゃない。ただ、ちょっとした事しか」
「ちょっとした事でもいい。教えてくれ」
「何々?何の話?」
ネプテューヌは興味を持ったのか、ゲームをやめて話に加わってくる。
ネプギアも機械弄りを終えており、俺たちの元へと来る。
「どうしたの?」
「ん?いや、星座共が俺を『導き者』だけじゃなく、『スターゲイザー』と呼ぶ理由が知りたくてな。『星を見つめる者』なんて呼ばれたら気になるだろ?」
「そうだね」
俺の疑問にネプギアも同意すると、俺たちの視線は兄貴へと向く。
「よくはわからないんだが、何でも全ての次元の厄災であり、禁忌の様な存在である『黒星座』が最も恐れる存在……らしい」
「それだけじゃ、よくわかんねぇよ」
「俺もよくは聞かされていない。恐らく、こうなる事を恐れてだろう。なんでも、黒星座たちが禁忌の存在であり、厄災なのならば、『導き者』は守護者なんだが……。『スターゲイザー』を持つ者は『先駆者』となるらしい」
「先駆者?どういった意味で?」
ネプテューヌは兄貴に聞くと、兄貴はそれに答える様に口を開く。
「全ての者たちの常に先を立ち、導く者となる。迷える者を、立ち止まった者を、苦しむ者やそれ以外の人達の先に常に立ち、導く存在だという事だ。つまり、浩平は言うならば全ての次元の中でも、黒星座を抜きにすると道の先を歩いているというべきだな」
「こう君が……導く者?」
兄貴の言葉にただただ驚くしかない俺たち。
だが、ネプギアは「そうかもしれない」と呟いたのに、俺たちは反応する。
「だって、お姉ちゃんたちが捕らわれた時だって、浩平君の言葉のおかげで気付く事が出来た事もあった。立ち止まっていた私の手を引いてくれた。きっと、他にも影響を与えてるよ」
「思えば、こう君のおかげで変わったところも少しはあるもんね」
二人は色々と思い出す様に呟く。
そうなると、俺は本当に『先駆者』となっているのか?
「そういうわけだ。お前の行動は、言葉は、少なからずとも影響を与える。常に手を引いていっている」
「そうなると、こう君……ますます何者?」
「俺が聞きてぇよ」
「でも、そうなると浩平君って凄い人なんだな~って思えるね。星座も宿しちゃうし」
「あぁ、俺は特に何も思わないが」
ネプテューヌは首を傾げながら俺を見てきて、ネプギアは微笑みながら言ってくる。
俺は一体、何なんだろうね。
「その第一覚醒として出てきたのが『星の翼』だ。『想い』を力へと変える能力を持つ」
「マク○スとかじゃないんだから」
「後は元黒星座大幹部の十二星座たちを宿しているんだから、よけいに頑張れよ」
「あぁ……。って、大幹部?」
「あぁ、そうだ。黄道十二星座は元々幹部以上の実力を有していたんだ。俺たち幹部より強かったらしい。俺はよく知らないがな。だが、大幹部は一人、まだ向こうにいる」
「それは?」
「……俺も会った事がないからわからない。ただ……ピクトルやドラコ、ホロロギウムに勝るとも劣らない強さらしい。大幹部なだけあって、それ以上の可能性もあるがな」
何か……やばそうなのがいるのね。
俺は苦笑いを浮かべながらも、項垂れる。
俺は後、どれだけ頑張ればいいのだろうか。
まぁ、考えても仕方ねぇか。
「とりあえず、俺が知っている事は全部話したつもりだが、思い出したらまた話す」
「あぁ、それでいいよ。とりあえず、今日は何処か出かけようかなとも思ってるしな」
「そうか。なら、国巡りをしたいんだが、案内してくれないか?」
「えぇ、メンドクセェなぁ」
「そうか。さすがにもう無理は言わない。俺が悪かったよ。行く時がある時に行こう」
え?なんでそんな悲しそうな目するの?
ネプテューヌとネプギアも可哀想だよって言う目で見ているの?
待て、待つんだ……俺は悪くない!
俺はメンドくさいんだ……メンドくさいんだ!
「メンドくさがり屋な弟に頼るわけにもいかないな。お前なら女神たちにも顔が利くかなと思っていたんだが」
何で、そんな悲しそうな笑みを浮かべるんだァァァァァ!
やめてくれェェェ!
俺が悪いのかもしれないけど、その笑みと目をやめてェェェ!
ネプテューヌとネプギアもそんな目で見ないでェェェ!
こ、これぞ正しく四面楚歌!?
「やめろよ……や、やめろよ、そんな目!そんな目されても、い……いか……」
俺はそこまで言うと、ネプテューヌとネプギアの視線が強くなる。
俺は……俺はァァァァァァァ!
「あい……行こうか、国巡り」
「ホントか!すまないな、浩平」
「うん、気にしなくていいよ……。俺たち、双子の兄弟じゃないか。HAHAHAHA」
「浩平君、目が笑ってない」
俺が笑っていると、ネプギアが苦笑いを浮かべながら、ツッコミを入れてくる。
とりあえず、誰かに連絡でもして、教会に泊めてもらえる様にしよう。
個人的にも、リーンボックスとラステイションでゆっくり過ごした記憶がないし、ちょうどいいかもしれない。
「兄貴、どこから行く?」
「ルウィーは少し歩いた程度。ラステイションもそうだな。リーンボックスは襲撃の時だけだからな……。まぁ、浩平に任せるさ」
「ん、了解」
俺はそう頷くと、まずはラステイションから行こうと思い、ノワールに連絡を入れるのだった。
☆
俺と兄貴はバイクを走らせながら、ラステイションへ向かっていた。
「で、ノワールは許可をくれたのかい?」
「ん?まぁな。相変わらずツンデレだな。『し、仕方ないわね!どうしてもって言うなら泊めてあげるわよ!』って言ってた」
「浩平もツンデレだからね」
「断じて違う」
誰がツンデレだ、誰が。
俺は決してツンデレではないぞ。
そう言っている間にもラステイションに到着する。
その時に誰かを待っているのか、ユニの姿が見えて、バイクから降りる。
「ユニ、誰かと待ち合わせか?」
「あ、来たわね。迎えに来たのよ」
「おぉ、それは律儀にどうも」
「わざわざ迎えに来てもらっちゃって悪いね……。後、あの時はゴメン」
兄貴はラステイションであった事を思い出してか、ユニへと謝罪する。
ユニは少し睨むが、首を横に振る。
「もういいです。アタシだって、浩平を勘違いして攻撃しようとしてしまいましたし」
「仲間との信頼……それをどれほど築かせる事ができるか試してみたかった。そしたら、会ったばかりの相手に信頼を寄せられるほどとはな。人に好かれやすいタイプの様だよ、俺の弟は」
「やかましい」
俺は頬をポリポリと掻くと、ユニを見る。
「まぁ、乗れよ。どうせ、教会まで行かなくちゃならないんだ」
バイクのヘルメットを差し出すと、ユニはそれを受け取り、俺の後ろに座る。
俺はそれを確認してから、バイクを走らせて教会へと向かう。
教会に到着すると、俺たちは中へと入り、ノワールがいるであろう場所を目指す。
そして、中に入るとノワールがおり、俺たちを見ると嬉しそうな顔をするが、すぐに引き締める。
「よぉ、ノワール。遊びにきたぜ」
「そ、そう!いらっしゃい、ゆ、ゆっくりしていくといいわ」
「今までぼっちだったから、友達来たのが嬉しいのはわかるけど、そんな焦った言い方はおもs「誰がぼっちよ!」グファ!?」
「浩平!?」
俺はノワールからドロップキックをくらい、そのまま吹き飛んで壁に激突する。
痛い……凄く痛いです。
「まったく」
「アハハ、浩平もやめてあげなよ?ゴメンね、浩平が」
「いいわ、別に。いつもの事だし」
「いつもやられてるのに懲りてないのか」
それが俺ですが、何か?
反応が面白いからやるんじゃないか!
その代わり、毎回蹴り飛ばされるのは勘弁願いたいがな。
「あ、お世話になるからと思って、これ」
兄貴は持っていた紙袋を出すとノワールに渡す。
「別に気にしなくても」
「いやいや、俺の気が許さないんだよ。受け取ってもらわなくてもいいよ。後で出すから。浩平作のケーキ」
「あ、なんで俺が作ったのもってきてんの!?つうか、作らせた理由はそれか!?」
「それ以外何がある?俺よりもお菓子作り上手じゃないか」
「いや、それは知らないけどさ」
俺は首を傾げながらも、ノワールへと近づく。
「つう事でしばらく世話になるぜ。仕事の手伝いは兄貴がしてくれる」
「お前もするんだよ」
「なん……だと……!?」
「そのリアクションはいいわよ。今日は特にないから、自由に過ごしてもらっても構わないわ」
今日の仕事はない……自由に過ごしてよし。
となると、教えてもらった俺たちの泊まる部屋に行き!
「グータラするだけだな!」
「「何でだ(よ)!」」
「ダブル踵落とし!?」
「ハァ……」
ノワールと兄貴に踵落としを叩き込まれ、頭を押さえて蹲る。
お、俺が一体、何をしたって言うんだ!
ただ、グータラしようとしていただけなのに!
ユニもため息を吐くんじゃねぇよ!
「グータラしすぎだ、浩平。しっかりと動け」
「メンドい」
「そのメンドくさがり直したらどうなの?……いざって時はカッコイイのに」
「? なんか最後言った?」
「言ってないわよ!」
「理不尽!?」
ノワールの拳が俺の顔にめり込み、そのまま殴り飛ばされる。
二度目の壁に直撃で、俺はそのままずり落ちると倒れた状態になる。
何これ……俺の不幸体質のせい?
ことごとく呪うよ、この体質。
何で聞いただけで右ストレートが飛んでくるんだよ。
しかも、なんで綺麗に顔面の中央に叩き込まれるんだよ。
俺が一体、何をしたって言うんですか!
いや、今回はホントに……何をしたって言うんですか。
ホント……泣いてもいいかな。
「とりあえず、今日は自由行動だね。浩平、どうする?」
「しばらく自分の不幸に泣きたいからそっとして……」
「あ……アハハ……」
俺、床に顔伏せてるからわかんないけど、兄貴苦笑いしてるだろ。
神様はそんなに俺が嫌いか。
そんなに俺を不幸な目に遭わせたいのか。
神って……酷いんだ。
「フフフ……アハハ……フフフフフフフフフフフフ……アハハ……」
「あ、壊れた」
「そんな簡単に言っていいんですか!?」
兄貴とユニが何か言っているか知らないけど、スゲェ笑いたくなってきた。
もう泣きたいのか、笑いたいのかわかんなくなってきた!
「とりあえず、そんな時はそっとしておくのが一番だ」
「どうしてよ?」
「こういうのは浩平が後で恥ずかしかったと後悔して、何やってたんだろう俺という自己嫌悪に陥って終わるから」
「詳しく言う必要ありますか!?というより、なんでわかるんですか!?」
「双子……だから?ニュータ○プみたいに?」
「ありえないから!」
そんな言い合いが繰り広げられているとはいざ知らず……俺はしばらく壊れていたらしい。
で、兄貴が言った通り、恥ずかしかったと後悔して、自己嫌悪に陥って一日を終えるのだった。
どうも、風狼龍です。
兄弟国巡り編、スタートです!
これから何が起きるのか!
それではまた次回!