超次元ゲイムネプテューヌ~星の導き者~   作:風狼龍Ⅱ

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最近はpixivに出没してばっかの風狼龍です!
楽しんでいただける様に頑張ります!
お気に入りも気付けば増えていて嬉しいです。
それではどうぞ!


真実は霧であり、虚無は存在せぬ者

ルウィーに来て、一日が経った。

俺は窓から差し込む日差しで目を覚まし、体を起こすと大きな欠伸をする。

 

「ふぁ~、眠い……」

 

たくっ、ブランとの話で盛り上がったな。

後でロムとラムも来て、遊び相手をする事になったけど。

小さい子は元気だね……俺はおじさんだよ、もう。

小さい子の遊ぶ気力にはついていけねぇわ。

 

「にしても、兄貴も小さい子には好かれやすいんだな」

 

ラムはともかく、ロムも懐くんだからな。

思えば、ブランも俺の時は驚いてたっけか。

兄貴も意外と人に好かれやすいタイプなのかもしれないな。

それが黒星座としていたから、薄れていただけで。

 

「さっさと起きて」

「浩平お兄ちゃん、起きてる……?」

「ん?おう」

 

ロムが扉を開けて、俺が起きているのか見てくる。

早起きだな……と言いたいが、朝十時の様だ。

俺が寝すぎだな……まぁ、眠たいからいいよね!

早起きは三文の得とかいうけど、俺はそう思えないね!

ロムは部屋に入ると、俺の元まで来る。

 

「おはよう、浩平お兄ちゃん」

「おはようさん。どうした?」

「遊びたいから、来たんだよ……」

「またか……。ラムは?」

「淳平お兄ちゃんと遊んでる」

 

兄貴は面倒見いいから、ラムの相手は務まるかもな。

子供は嫌いではないが、メンドくさがりな俺じゃ、どうもついていけねぇ。

自分で言うのもなんだがな、メンドくさがりって。

 

「んじゃ、ブランは?」

「お姉ちゃんは仕事があるって……」

「なるほどね。で、俺の元に来たと?そのまま兄貴とラムと一緒に遊んでりゃいいのに」

「浩平お兄ちゃんと遊びたかったから……」

「ん~……ハァ」

 

まぁ、ロムだったら、そこまで動かないし、いいかもしれねぇな。

俺は頷くと、ロムは嬉しそうな顔をする。

こういう子どもの純粋な笑顔っていいよね、癒されるよね。

言っておくが、決してロリコンではないぞ!

ロムは一旦外に出ていくと何かを持ってきた。

見てみると、クレヨンと白い紙である。

 

「お絵かきしよう(ニコニコ)」

「いいぜ」

 

俺は笑みを浮かべながら頷くと、ロムとお絵かきを始める。

と言っても、俺が描いたらお絵かきってレベルじゃないけどな。

もう十八の男がお絵かきは難しいから……ロムのでも眺めとくか。

ニコニコしながら、絵を描くロムを見て、笑みが零れる。

 

「こういう日々も悪くねぇな……。星座たちと『奴』という存在との決着がついたら……平和に暮らせるかな」

「それが君が求める真実かな?」

「真実……とは少し違うな。最後にはそうなりたいという感じかな」

「それをも『真実』というのさ。七代目」

「……誰だァァァァァ!?」

「え?今更?」

 

俺の隣にいつの間にか白いフードマントに姿を隠した少女がいた。

ルーフス達と同じ服装であり、当然ながら顔も見えない。

だが、いつも不思議な事に瞳だけは見える。

水色に輝く瞳が俺を見据えている。

ロムは俺の声に反応して、白の少女を見てから、すぐさま俺の傍に来る。

 

「お前は……誰だ?」

「自己紹介がまだだったね。僕の名前は『アルブス』……。僕は『真実と虚無』の『アルブス』だよ」

「アルブス……」

 

やっぱり、どこかで聞いた事がある。

コイツ等は知らないが、コードネームとしているのだから、何かが元のハズなのだ。

何だっけか……思い出せない。

 

「君を『真実と虚無』に誘いに来たよ。僕は『真虚』。真実は霧を掴む様なものであり、虚無は存在があるのかないのかもわからない。貴方は真実を知りたい?それとも虚無に身を任せたい?」

「……何を言いたい?」

 

コイツの言っている事がよくわからない。

真実を知りたいだとか、虚無に身を任せたいだとか。

それと同時に扉が開いて、反応して振り返る。

そこからブランと兄貴とラムが入ってくる。

 

「浩平、ロムと仲良くしてるかい……って、君は?」

「誰……?」

 

兄貴とブランはアルブスを睨みつけ、アルブスはクスッと笑う。

 

「どうも、女神様と烏座さん。僕の名はアルブス。『真実と虚無』を司る者さ」

「ルーフスの仲間か?」

「うん、そうだよ」

 

フードから見える口元はニコッと笑っている。

ルーフスの仲間……か。

まぁ、フードマントをしている時点で気付いてはいたけどさ。

そして、俺たちの方へと手を向けると、そこから白銀の光が出ている。

 

「それじゃ、早速行こうか。僕が案内してあげるよ。『真実と虚無の間』へ」

 

そう言ったと同時に俺の視界は白銀の光に包まれる。

ロムが俺の服を掴んでいるのに気付く。

どうやら、これをされたのは俺だけじゃねぇみてぇだな。

そして、白銀の光が消えると、俺は広い部屋へと出ていた。

どうやら、また遺跡に飛ばされた様だな。

白銀の光も恐らくは星の力の一つだろう。

辺りを見渡すと、今回は全員いる様だ。

 

「ここは……あの時の遺跡にあった部屋にそっくりだけど」

「どうやら、ルウィーにある遺跡に飛ばされた様だな」

「ルウィーに……?まさか、プラネテューヌ以外にもあったなんて」

 

俺の説明を聞いて、ブランは納得した様に頷く。

そして、拍手が聞こえ、俺たちはその音の方へと視線を向ける。

そこには拍手しているアルブスがおり、拍手をやめると、微笑む。

 

「ようこそ、『真虚の遺跡』へ。君はここで『真実』を掴めるかな?それとも『虚無』を彷徨うか……。七代目、導き者としての素質、見させてもらうよ」

 

そう言った瞬間、白銀の光を俺目掛けて放ってくる。

俺はそれをかわそうと思うが、かわすな……と星たちが告げている気がした。

そのまま、俺は白銀の光に包まれる。

 

「君の『真実』は一体どうなのかな?導き者としての真実を知り、君自身の中に眠る真実も知った。なら、残るは……君の行き着く先の『真実』。君が望む『真実』だよ。それを直視できるの?」

 

アルブスはニヤッと笑い、白銀の光に包まれながら倒れる浩平を見る。

倒れていく浩平を見て、すぐに淳平は掴んで、倒れるのを阻止する。

そして、心配して、四人は浩平を見る。

白銀の光は消えて、眠っている浩平がその場にいた。

 

「浩平に何をしたんだ?」

「少し真実という名の冒険を与えたのさ。真実というのはありそうでない。なさそうである。そして、人は真実から目を背ける。なぜだかわかる?理由は簡単。真実を知るのが怖いからだよ。だからと言って、虚無にも堕ちれない。人間はその間にいる事で平穏を望む」

 

アルブスはそう説明すると、浩平の元に近づき、屈みこんで浩平の顔を覗き込む。

 

「ホントそっくり……」

 

アルブスの小さな呟きに誰も気付かない。

そして立ち上がると、再び淳平たちを見る。

 

「導き者は導く者として、真実を受け入れる覚悟が必要なんだよ。彼の真実……それは『ルプス』と共にあろうとする事だよ。今の彼からすれば、『完全に受け入れてはない』んだよ。その証拠に瞳しか出ていない。第一形態しかね」

「そんな……あの時、浩平は受け入れて」

「違う。アレは『闇』を受け入れただけ。『ルプス』自体は受け入れてないのさ。そして、ルプス自身も浩平を認めていない」

「つまり……浩平が受け入れたところで『ルプス』に認めさせなければ意味がないって事ね……」

「そういう事♪」

 

ブランの言葉に嬉しそうな声で頷くアルブス。

そして、アルブスは浩平を見ると微笑む。

 

「さぁ、『ルプス』を認めさせるんだよ。そしたら、君は『ルプスと共に真実』を追う力を手に入れられる。私がするのは『真実へ行く道』へと導く事。真実を追う人と虚無を背負う狼……この二つが揃ってこそ、『真理』へといけるんだよ。さぁ、唯一光と闇の両方を持つ導き者」

 

クスッと笑うアルブスだった。

 

 

 

 

俺は白い空間の中に立っていた。

その白い空間は何もなく、俺だけしかいない。

まるで真実も何もない……虚無の中にいる様な。

 

「虚無の中から真実を見つけろって事なのか?」

 

俺は辺りを見渡していると、ゾクッと体が震える。

この感覚……黒の力だ。

それも幹部に匹敵するほどの力を感じ取れる。

俺は反応して振り返ると、そこには紅い瞳を光らせる黒い狼がいた。

狼にしては大きく、俺より大きい。

大体二mくらいか。

俺は苦笑いを浮かべると、黒い狼はその紅い瞳で俺を見てくる。

 

「我の生まれ変わりよ……」

「喋ったァァァァァ!?」

「驚くとこそこか?」

 

狼なのに、喋ってやがりますよ!?

コイツ、一体何者でありますか!?

口調がおかしくなっちまってるけど、気にするな!

それよりも、我の生まれ変わり、と言ったな。

 

「お前はルプスか?」

「如何にも。我は『狼座』の『ルプス』だ。貴様の前世であり、再び黒星座としてよみがえるハズだった。だが……貴様の裏切り者である『黄道十二星座』の力が宿り、導き者となった。そして、我はその力で奥底へと封印された。元は大幹部だ。幹部の我が勝てるハズもなかった」

 

ルプスはふんっと軽く笑うと、俺を睨んでくる。

本来なら、俺という『意思』は生まれず、成長すれば『ルプスの意思』になっていたのだろう。

それこそ、破壊と殺戮、苦などを与える存在に。

 

「この空間……一体何かは知らぬが、貴様と向き合える時が来るとはな。今のお前は『精神体』だ。貴様を殺せば、我が表になり、体を取り戻せる。返してもらうぞ、我の体を」

「オイオイ、前世なだけで何言ってんだ。お前の体じゃねぇよ。俺の体だ」

 

俺はニヤッと笑って見せると、ピキッという怒りを表す様な音が聞こえてきた。

 

「その飄々として憎たらしい笑み……そして、その顔。奴を思い出す。我を犬の様な扱いをしたあの憎たらしい宿敵を……」

「何を言いたいのかさっぱりだが、俺は殺されるつもりはねぇ」

「黙れ!」

 

ルプスは吠えると、それによって起きた突風に俺は足に力を入れて踏ん張る。

コイツ……吠えただけでこれとは、マジで化け物だ。

 

「我は『星座神』だぞ?『人間』が『神』に勝てるとでも思っているのか?『星』に勝てるとでも思っているのか?」

「くだらねぇ。もう聞き飽きたよ、そういうの。どうも、黒星座の奴らは慢心な奴らばかりで困る。たまには他の種族を認めたらどうだ?」

「くだらん。人間も、動物も、虫も、魚も、女神さえも……我にとっては『喰い物』にしか過ぎん。腹が減れば喰う……。それだけのな」

「……」

 

ルプスはニヤッと笑ってみせる。

コイツは……本当に狼というべき存在だろう。

気に入らない者は食い殺し、邪魔な者は引き裂く。

まるで……一匹狼と呼ばれていた頃の俺を体現しているかの様な奴だ。

昔の俺は例えるなら、そうだったから。

さすがに食い殺す様な事はしないけどさ。

 

「我に喰われる覚悟はできたか?」

「ふざけんな。誰が喰われてたまるか」

 

俺は冷や汗を流しながら、身構える。

ルプスの力を引き出せない理由……それはルプス自身が俺を否定しているから。

そして、俺自身もどこかでルプスを否定している。

俺が受け入れたのはルプスがため込んだ闇だけだった。

だからこそ、ルプスの力を完全に引き出す事が出来なかったんだ。

 

「我は世界をも喰らう。我を止められる者など存在せぬ」

「テメェの牙が全てを喰らうなら、俺もその牙を持って、喰らってみせる。

 

俺がヴィルゴを呼び出し、構える。

それに反応してルプスも身構える。

 

「我の体を返してもらうぞ!七代目、星の導き者よ!」

「だから、前世の奴が人様の体を乗っ取ろうとするなっての。来い……。テメェに喰われるわけにはいかねぇんだよ。だから……言ってやる。テメェも俺の元へ来い!」

「笑わせるなァ!」

 

ルプスの起こした雄叫びと同時に俺は走り出すのだった。




どうも、風狼龍です。
如何でしたでしょうか。
それが今回の浩平の向かうべき真実です。
ルプスと分かり合えれば、真実の道へ、食い殺されれば虚無へと堕ちる。
さぁ、どうなるのでしょうか。
それではまた次回!
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