超次元ゲイムネプテューヌ~星の導き者~   作:風狼龍Ⅱ

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ルプスとの戦闘を開始する浩平。
その先にあるのは真実への道なのか、虚無への穴なのか。
それではどうぞ!


喰うか喰われるかだろうが!

俺が目の前まで来るとルプスが浩平目掛けて爪を振り下ろしてくる。

それを横に動いてかわし、ヴィルゴをルプスの頭目掛けて振り下ろす。

 

「ふん」

 

ルプスは俺の攻撃を軽く笑うと、その巨体からは想像できないほどのスピードでかわされる。

そして、いつの間にか俺の後ろに回り込んだルプスは右の前足を横薙ぎに振るってくる。

俺は振り返っている途中のため、回避が難しい。

だが、受け止めるのはナンセンスだ。

コイツはこれでも星座神だ。

受け止めたら、ダメージはある程度受け流せてもダメージが大きい。

俺は振り返っている途中とはいえ、無理な体勢から足に力を入れて、飛躍する。

そのまま後ろと前……どっちと言えばいいのだろうか。

とりあえず、傾いている方に飛べば負担はないのだろうが、俺は上に飛んでかわす。

 

「バカめ!あの態勢から上に飛べば、足を痛めるだけ」

「ソラァ!」

「蹴りだとォ!?」

 

ルプスの顔面に蹴りを叩き込み、その攻撃に驚くルプス。

通常の人間なら足をひねったりして痛めるだろう。

それこそ、人間なら無理だろうと思える体制からの上への飛躍だ。

筋肉に負担が大きいのも確かだ。

だが、ルプスから距離を取る方が命取りになるに決まっている。

だからこそ、体の負担など考えてられない……いや、俺にはこんなもの、負担にすらならない!

 

「浩平ェ!」

 

ルプスが俺目掛けて爪を振り下ろしてきて、俺はそれをヴィルゴで受け止める。

だが、力の差は歴然だ。

俺は押し負け始め、足が白い地面にめり込んでいく。

そして、クレーターまででき始め、俺の筋肉は悲鳴を上げ、骨は軋む。

歯を食いしばり、押し負けまいと耐えるしかできない。

 

「潰してくれる!」

「うぐっ……!」

 

俺はすぐさま横に飛んで、何とか回避し、その手は地面に叩き付けられる。

それにより大地震の様な振動が起き、叩き付けられた地面は大きく抉れる。

その振動でバランスを崩しながらも、何とか立ち上がる。

 

「ほぉ、人間がかわすだけでなく、この振動で立ち上がれるとはな。ここまで揺れていると人は立てなくなると聞くが」

「人間ナメんじゃねぇぞ、コノヤロー」

「いや、お前が規格外なだけか」

「人間だよ、俺は」

 

俺はサジタリウスへと武器を変えると、星力で矢を生み出す。

それを構えると、ルプス目掛けて放つ。

その矢が一つから二つ、二つから四つと次々と増えていき、最後には千はあるだろうという量の矢が襲い掛かる。

 

「ふん、貴様の攻撃など。ウォォォォォォォォォ!」

 

ルプスは雄叫びを上げると、それによって起きた衝撃で全ての矢が打ち消される。

オイオイ、マジかよ!?

俺は雄叫びによって起きた衝撃に耐えるので精いっぱいである。

そして、ルプスは走り出してきて、俺はすぐさまサジタリウスからレオに持ち替える。

そのまま体当たりをしてきて、俺はレオで何とか防ぐが、防御はできても力を受け流す事は出来ない。

俺はそのまま吹き飛ばされ、何とか足を地面につけると、滑っていって止まる。

そして、前を向いた瞬間、ルプスが俺の目の前まで来ており、顔を横に向けていて、大きく口を開いていたのだ。

俺はすぐに両手を左右に伸ばして、掴んで止める。

 

「このまま胴体を食い千切ってくれるわ!」

「ふぬぐぐぐぐぐぐぐ……!」

 

俺の腕は震えており、耐えきるので精いっぱいだ。

さすが、幹部の一人ではある。

俺は星力で棒を生み出すと、それを挟んで、すぐさま脱出する。

脱出と同時に星の棒は折れてしまい、そのまま噛み砕かれてしまう。

ヤベェ……星を噛み砕くほどの顎の力ってどんなんだよ。

まんま、世界を飲み込むとまで言われたフェンリルみたいじゃねぇか。

さすが、獣の中でも代表的な存在だ。

 

「ちょこまかと……!鬱陶しい奴め!」

「大人しく喰われてたまるかってんだよ!」

「好きなだけ逃げ回ればいい。我の狩りはまだ始まったばかりなのだからな」

 

ルプスは不気味な笑みを浮かべ、俺はそれに顔を引きつるしかなかった。

生きて帰れるかな。

それだけの不安だけだった。

 

 

 

 

その時、淳平たちは浩平を心配そうに見ていた。

 

「アルブス、浩平がもし……ルプスを受け入れる事が出来なかったらどうなるの?」

「ん?気になるのかな?白の女神様?」

「……当たり前じゃない。仲間よ?」

「そこは好きな人の事だから居ても立ってもいられなくて!みたいな事言わないのかな~?」

「……誰が」

「ツマらないな~。う~ん、僕の目から見たら、君は七代目に好意を持ってる様に見えたんだけどな~。後は紫と黒かな!あ、紫の妹もだね!」

「今はそんな話は関係ない。っていうより、どこで見てるのよ……」

 

アルブスの口から次々出てくる言葉にブランはため息を吐きながら聞く。

それを聞いたアルブスはニコッと微笑む。

 

「それは企業秘密だね。僕たちの秘密をバラす訳にはいかないからね」

「そう……」

「で、アルブス。もし、浩平が負けたらどうなるんだ?」

「もちろん、表に出てくるのはルプスだよ。そして、浩平の精神は……意思は消滅する」

『!?』

 

アルブスの言葉に四人は驚愕する。

つまり、今……浩平は危険な賭けをしている。

幹部クラスのルプスを相手にわかり合うために、戦いながらしているに違いない。

淳平に勝てたとはいえ、アレは淳平が途中で負けを認めたからこそだ。

浩平の実力は本気を出した幹部クラスには到底勝てない。

つまり……浩平は死ぬ可能性が高いのだ。

淳平はアルブスを睨みつけると、立ち上がる。

 

「そんな危険な賭けをなぜ!」

「言ったじゃない。分かり合えたら『真実』へ、やられたなら『虚無』へ堕ちるだけだって。つまり、七代目の人格が出れば『真実』の道を歩み始める。そして、ルプスの人格だった場合は『虚無』へと堕ちる。そう、この世界を『虚無』へと還すためにね」

「浩平お兄ちゃん……死んじゃうの?(うるうる)」

「僕はそうは言ってないよ」

「そういってる様なもんだ!浩平はまだ幹部には勝てない!死ねと言っている様なものだぞ!」

「嫌だな~。僕は誰もルプスに『打ち勝て』とは言ってないじゃないか」

 

その言葉に淳平たちはピクッと反応する。

確かにそうだ。

アルブスがずっと言っているのは『分かり合える』かどうかだという事だ。

つまり、勝たなくてもいい。

負けずに分かり合えれば、何とかなるハズだ。

ブランは浩平の頬に手をそっと添える。

 

「浩平……信じてるわよ。帰ってくるって」

 

それを見ていたアルブスはニコッと微笑む。

 

(人とは帰るべき場所、護る存在などがいてこそ真の力を発揮する。神々は人を自分たちの姿そっくりに作ったという。それは神の代行者として作ったから。そして、普段は人の力は完全に引き出されておらず、リミッターがかけられている。それは体が耐えきれないから。さぁ、浩平……。人の真の力を発揮してみてよ)

 

アルブスはそう考えると、浩平を見るのだった。

 

 

 

 

「人の子がァァァァ!」

「チッ!」

 

ルプスは口を開けると、そこから一筋の黒い閃光を放ってくる。

俺はそれを飛躍してかわすと同時に目の前にルプスが現れたのに反応する。

ルプスは俺目掛けて爪を振り下ろしてきて、俺はレオで何とか防ぐが、そのまま吹き飛ばされて、地面に叩き付けられる。

 

「カハッ……!」

 

肺の空気が全て漏れるが、すぐに態勢を立て直して、身構える。

レオからアリエスに持ち替え、傷を治す。

 

「諦めろ、人間。貴様たち人間が勝てるハズがないのだ。星であり、神である我にはな」

「ナメ……んなよ。俺は諦めがワリィんだ。諦めなきゃ、この手は届く!この足は届く!俺は足掻いてやる!どれだけ惨めだろうとな!」

「アリエスでいくら傷を治そうと精神的限界はその内来るのだ。人は所詮、下等種族。劣等種と言ってもいい。本来の力も引き出せず、力もうまく制御できぬ劣等種よ。所詮、我らの足元で怯え、命乞いするしかない存在なのだ」

 

人が弱いと誰が決めた。

人の強さは力じゃないのは確かだ。

だが、他にはない確かな強さを持っている。

 

「人間の勇気はどんな種族よりも凄いんだ。ナメるんじゃねぇぞ」

 

俺は拳を構え、ニヤッと笑うと、ルプスは鼻で笑う。

 

「勇気と無謀をはき違えるなよ、人間。貴様がやろうとしている事は無謀な事なのだ。それを勇気とは呼ばん。そもそも勇気など存在せぬ。全て、無謀な事だ」

「人の知恵と勇気をあんまし甘く見てっと、酷い目遭うぜ?」

 

俺が舌をベッと出していうと、それにルプスはビクッと反応する。

小馬鹿にされたのに少しキレたか?

俺は警戒しながら身構えると、ルプスは俺を睨んでくる。

 

「人間、貴様は血肉一つも残さん。その血肉を全て我に捧げよ」

「俺の体は現実にあるけど?」

「訂正しよう……。貴様の精神を我に捧げよ!」

「断る!」

 

ルプスが走り出そうとした瞬間、なぜか走り出す事なく、その場で止まってしまう。

いや、止まっているのではない。

動けないだけだからだ。

 

「こ、これは一体……」

「罠ってのはバレねぇ様にやるもんだ」

「罠……?ん?これは……星の糸!?」

 

そう、ルプスの周りには星の力で作った細長く、強固な糸を張ったのだ。

そう易々と千切れるものでもねぇし、目を凝らさないと見えないほど細い。

それが例え、どれだけ目がいい存在でもな。

 

「これほど細く、それでいて強固な星の糸を作るだと?これはかなりの集中力と精神力とコントロールが必要なハズだぞ。なら、維持するためにお前は動けない」

「誰が、んなので動けないと決めた?」

「何!?」

 

俺はルプスの目の前まで来ており、拳を構える。

俺の一撃をこの拳に!

 

「打ち抜けェェェェェ!」

「がっ!?」

 

俺は拳を突き出し、それがルプスの顔を捉える。

そのまま振り抜いて、自分よりも大きく、重いだろうルプスを殴り飛ばす。

ルプスは凄い勢いで飛んでいき、そのまま壁に激突する。

だが、それと同時にルプスの傷は回復する。

それに驚いたルプスは立ち上がると、俺を睨む。

 

「どういうつもりだ……。我を回復させるとは。情けのつもりか?」

「情けだぁ?んなもん、テメェにかける必要ねぇだろうが。情けなんてかけるつもりもねぇよ」

「なら、何故だ。我を倒すのが目的ではないのか?」

「……だから、テメェは決め過ぎなんだよ、勝手に。んなもん、俺はする気はねぇよ」

「何……?ならば、何故貴様は」

「いい加減、どっちが自分の体だなんて言い合うのやめね?」

「……覚えているのか?」

 

俺の言葉にルプスはピクッと反応する。

思い出したと言った方が正しいだろうか。

一年置きに俺に問いかけてくる声の正体は知らなかったが、決まった文句ばかりだった。

 

『我の体を返せ』

 

これだけだ。

これを一年おきに聞いていて、なんで気付かなかったんだろうな。

いや、もう怖くて覚えていなくなかったから、勝手になかった事にしたんだ。

だが、この世界に来て、それがルプスだと知った。

 

「どうでもいいじゃねぇか、んなもん。体は俺のであり、テメェのもんだろ?」

「だから、どうしたのだ。我の体を返せと言っているのだ。貴様は邪魔だと言っているのだ」

「それはできない申し出だ」

「なら、我に消えろとでも?」

「誰もそうも言っちゃいねぇよ」

「何……?なら、どういう事だ」

 

ルプスの反応を見て、俺はニッと笑うと、ルプスを優しく抱きしめる。

 

「お前も俺も……元は一つなんだ。通常、人は光と闇の感情があってこその釣合が取れていて、存在ができる。俺たちはただ、それが分かれた様な存在なんだ。闇はお前で、光は俺で。そのせいで、他の人より異常に強かっただけなんだ。いや、お前が光なのかもしれねぇな」

「何を言って……」

「俺とお前は同じ体にいるだけだ。魂が二つある様なもんさ。テメェと俺、どちらかが消えれば、どちらかが一気に襲い掛かって、消滅するだけだ。闇を受け止めたと言っても、テメェが残っているのはまだ闇がいるからだろ?」

「……だから、我と分かり合いたいと言いたいのか?我は破壊と殺戮の黒なのだぞ?」

「お前は違うと思ってるよ。一緒に十八年間、過ごしてきたじゃねぇか」

「……」

 

俺は優しく撫でる。

お前がお前である様に、俺も俺もでありたい。

どちらかが消えればいいなんて思わない。

俺とお前で一人なんだから。

 

「……ふん、くだらん。実にくだらん……」

「……そうか?」

「くだらんが、その考え……ノってやってもいいだろう。黒にいるより、貴様といる方が楽しそうだ」

「……そうか」

「我を手懐けたからには……それなりの覚悟をしてもらうぞ、相棒よ」

「あぁ、相棒。テメェがいてくれたら、負ける気はしねぇ。なんせ、俺は『一匹狼』だからな」

「ふん、そうか」

 

ルプスから離れるとお互い微笑む。

ルプスの黒い毛並は青色に変わり、毛先は白い。

そして、黒いオーラは透き通った色になる。

これが……純粋な闇。

そして、俺の中にあった闇はルプスへと戻っていく。

それを見て微笑む。

 

「頼むぜ、相棒。お前と俺でこの世界を救おうぜ」

「ふん、救うだけではツマらん。なんなら、黒星座と奴を徹底的に破壊しようではないか!」

 

俺たちはお互い微笑むと、白い空間から消えるのだった。

そして、目を覚ますと、目に入ったのは兄貴たちの顔だった。

 

「皆……」

「浩平!浩平なんだな!」

「よかった!浩平が戻ってきた!」

「浩平お兄ちゃん、分かり合えたんだね……(ニコニコ)」

「あぁ、まぁな」

 

俺は微笑んで頷くと、誰かが抱き着いてきたのに反応する。

見てみると、ブランだった。

 

「ブラン……」

「よかったわ。無事で……お帰り」

「……あぁ、ただいま」

 

俺は微笑みながら言うと、拍手が聞こえてくる。

その方向を見ると、アルブスが拍手していたのだ。

 

「おめでとう。君は『真実』へと歩み始めた。そして、『虚無』をも受け入れた。君は真実へと歩み始めている。これからどうなるのか楽しみだよ」

「……」

「でも、この先の部屋はまだ行かせられない。また来てね」

 

そう言ったと同時に浮遊感を覚え、下を見てみると穴ができていた。

俺はそれに顔が引きつる。

 

「アルブス、テメェ!?」

「また会える日までだね」

「覚えて……あああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ」

 

俺たちはそのまま落ちていった。

そして、そのままルウィーの教会の俺の泊まっている部屋に投げ出されるが、俺は一回転して着地する。

 

「さすがにもう同じ事は「浩平、後ろ」グフッ!?ガハッ!?ぐぶっ!?やっぱりかぁ!?」

 

四つの突撃をくらい、俺はそのまま倒れてしまう。

それに笑っているラムやロムはそれを注意しており、兄貴は恐らく苦笑い、ブランは無表情だろう。

コイツ等……。

 

「相棒、そんなものでは困るぞ。これから我らは共にあるのだからな」

「あぁ、そうだな。こんなんじゃ……ん?」

「ん?」

 

俺は隣から聞こえてきた声に反応して見てみると、そこにはルプスがいた。

俺はしばらく黙り込んでから冷や汗を流す。

 

「何で、ここにいんの?」

「基本は現実世界にいる。相棒と分かり合えたからか、この体でも出る事が可能になったからな」

「えぇ……何それ」

「それにしても、白の女神の教会か」

 

ルプスは辺りを見渡しながら言う。

ねぇ、そんなのありなの?

 

「わぁ、大きい犬だぁ♪」

「わんちゃん……(ニコニコ)」

 

ロムとラムはルプスに抱き着き、それにルプスは反応する。

 

「むっ!我は犬ではない!狼だ!それに抱き着くな!鬱陶しい!」

 

振り落とそうと動き回るが、逆にそれは二人を楽しめるだけだった。

それを見ながら、ブランと兄貴は俺に近づいてくる。

 

「アレがルプス……」

「まさか、現実世界にそのままの姿で具現化するなんて」

「まぁ、いいんじゃねぇか?アイツが外にいる間はルプスの力は使えないみたいだが……頼もしい味方さ」

 

俺はニッと笑いながら、ルプスを見るのだった。




どうも、風狼龍です。
ルプス戦は終了です。
さぁ、これからどうなるのか。
それではまた次回!
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