「……ん?」
俺はゆっくりと目を開けると、太陽の光が目に刺さる。
俺は眉を細めながら、起き上がると何があったかを思い出す。
ネプギアを攻撃から守るためにケトゥスの攻撃をレオで防いだのはよかったが、今の段階では衝撃まで弾く事が出来ず、ネプギアと一緒に海面に叩き付けられたって事か。
アイツの攻撃の威力……馬鹿げていた。
レオで威力を全て無効化していなければ、ネプギアの体はまず、粉々になっていただろう。
俺もただではすまなかったハズだ……。
それと同時に思い出す。
ネプギアの姿が見えないのだ。
「ネプギア!?」
俺はすぐさま立ち上がって、辺りを見渡す。
まさか、俺だけここに流されてきた?
すぐさま、俺は鼻を動かし、ニオイを探ろうとする。
だが、その時だった。
「あ、浩平君!起きたんだね!」
「ネプギア……」
ネプギアは枝を手に抱えながら、こっちに歩いてきており、俺はそれを見て安堵の息を吐く。
よかった、無事で。
もしも、何かあったら嫌だったしな。
ネプギアは俺の近くまで来ると、枝を置く。
「一応、火を点けるために薪を集めてきたけど……」
「そうか……。まぁ、ネプギアも無事で何よりだ」
「浩平君が護ってくれたから」
ネプギアは微笑んで答えると、俺もそれにつられて笑みを浮かべる。
護れてよかったと……。
「後、少し歩き回ってみたんだけど、ここ……小さな島みたい。さっき一周して戻ってきたんだ。中は森の様な感じだから言ってないけど。無人島みたい」
「なるほどな。と言っても、飛んで戻れるんだからさっさと戻ろうぜ……。と言いたいとこだが、どこら辺に流されたかわからねぇからな。闇雲に飛び回るのは危険だな。俺の星力が持つかどうか」
それに海に危険な気配を感じるしな。
おおよそ、奴らが放った星屑か何かだろう。
下っ端よりも弱いとはいえ、消耗した体力で行くのは得策ではない。
地上には上がってこれないからだろうか、海の中でずっと泳ぎ回っている様だ。
ボランスみたいに水の弾は放ってこれないのか。
もしくは射程距離が短いのかだな。
戦いながら、国に帰るよりも、場所がわかってから帰った方がいいか……。
だが、それだと時間がかかる。
どうにかして手っ取り早く知る方法はないか。
とりあえず、食料は確保だな。
釣りでもすりゃ、釣れるだろう。
俺は立ち上がると、ネプギアもそれに反応して立ち上がる。
「どうしたの?」
「食料確保からだな。腹が減っていて、いざって時に何もできないのはやばいからな。適当に……」
俺は辺りを見渡し、ちょうどいい木の枝を見つけると、ツルも見つけてそれで釣り竿を作る。
後はミミズでも結び付けて。
ミミズを結び付けているのを見ていたネプギアは少し俺から離れていた。
まぁ、気にしない。
俺はそれで海の近くの岩に座り、投げ込む。
星屑の奴らも浅瀬までは来ない様だし、そこまで深くなけりゃ、普通の魚は釣れるハズだ。
「……」
「浩平君って、サバイバル知識もあるんだね」
「まぁな。何かあった時には便利だぜ。サバイバルの知識ってのは」
俺はそういいながら、竿の反応を見て、引っ張る。
すると、一匹の魚が釣れる。
特に問題はない様だな。
俺はそれを確認すると、また新しい餌を結び付けて釣りを開始する。
「あ、私は果物とかないか見てくるね?」
「あぁ。あ、気を付けろよ。毒蛇とかいるかもしんねぇから。俺たちの姿、水着だから結構肌晒してるし」
「うん」
ネプギアは俺の言葉に頷くと、森の中へと入っていく。
ルプスからは聞いたが、星座の気配は感じないそうだ。
星屑共は本当に俺らを探しにきただけみたいだな。
ここからどうしたものか……。
俺は考え事をしながら、釣りをするのだった。
☆
しばらくしてから、ネプギアが果物をいくつか持ってきていた。
一応、ニオイを嗅いだりして、毒がないか確かめたりもした。
だって、見た事ないのもあるんだもん。
そりゃ、ニオイを嗅いで確かめるでしょ。
そうやって、見た事がない果物のニオイを嗅いでいると、ネプギアはクスッと笑う。
「ん?なんで笑うんだよ?」
「いや、浩平君が犬みたいだな~って」
「悪かったな、嗅覚が優れ過ぎていて」
「ううん、凄いな~って思って。人の五感じゃありえないもん」
「……まぁ、五感が優れてるってのも悩みもんだがな」
嫌な噂まで聞こえてくるし。
まぁ、今じゃ気にしてねぇからいいけどよ。
こっち来てからはそういうの聞かないし。
そろそろ日が暮れてくる。
もしかしたら、寒くなるかもしれない。
俺は立ち上がると、釣れた魚を手に歩き出すと、ネプギアもすぐに果物を手に取ってついてくる。
少し歩いたところで俺は足を止める。
ネプギアも足を止めて、俺の視線の先にあるものを見ると驚く。
「え……?家!?」
「魚釣れてから少し時間が余ったからな。少し木を集めて、作った」
「浩平君が!?」
「え?うん」
と言っても、簡単な家だがな。
そこにあったのは木で作られた家である。
中は寝れるだけのスペースしか作ってないが、ここではそれくらいでちょうどいいだろう?
それにちゃんとドアだって、作ったし、部屋だって二つに分けて作ったんだ。
これで間違いとかは起きん。
「す、凄い……。人一人のスペースだけだけど、ドアもちゃんと作られてる。それに頑丈そう……。凄く時間かかるんじゃ」
「え?いや、これくらいなら一時間ありゃ」
「浩平君のスペックが凄すぎだよ!?普通は無理だよ!?」
うおっ!?そんなにツッコミを入れる必要ないでしょうが。
そう言われても、できるもんはできるんだから仕方ないじゃないか。
「一応、隣同士にはなってるし、何かあれば俺を呼べば駆けつけられる。まぁ、ただの一つの家を壁で区切っただけだがな」
俺は得意げに説明すると、ネプギアはポカーンとした顔で俺を見ていた。
まぁ、驚いているのはおいといて。
俺は火を起こすために枝と板を用意する。
所謂キリモミ式の火起こし方法であり、先人の人達が行っていた方法だ。
これ、やっても点けられないってのがほとんどだが……そう難しくもないぜ?
俺はそれで火起こしをはじめ、しばらくボーとしてたネプギアは意識が現実に戻ってきたのか、ハッとする。
「あ、私も何か手伝うよ?」
「ん?なら、魚に木の枝でも刺しておいて。焼くからさ」
「うん」
ネプギアは見た目通りの優等生だから、そこら辺の方法もわかってんだろうな。
これがネプテューヌだったら、何をしていたか……想像したくもねぇ。
そして、火が起こす事ができ、俺はすぐに薪木へと火を移し、風で更に燃え上がる様に息を送り込む。
そして、燃え上がってきたのを見ると、俺はネプギアの方を見る。
「ネプギア、終わったか?」
「うん、終わったよ」
ネプギアはそういうとこっちへと持ってくる。
そのまま火の近くに刺し、焼けるのを待ちながら果物を食べていた。
しばらく沈黙であったが、ネプギアが少し身震いしているのに気付く。
思えば、少し冷え込んできてるな。
「大丈夫か?ネプギア。もう少し火に近づいた方が」
「え?だ、大丈夫だよ。浩平君も寒くない?」
「いや、大丈夫だ。いざって時にはルプスの状態になりゃ……。あ、そうだ。オイ、ルプス」
『……』
オイ、コイツ無視してんのか?
つうか、もしかして寝てんのか?
え?冗談だよね?
こんな状況で俺より先に寝るなんて冗談だよね?
バカじゃねぇの、コイツ!?
それと同時にネプギアの体の震えが少し大きくなってきている。
少し冷たくなるのが早い……おかしい。
つうか……火元の近くなのに確かに少しも暖かくもねぇ。
これは少しおかしいぞ。
俺は吐く息が白くなってきているのにも気付いた。
いや、怪しすぎる!
これは星座の仕業に違いない!
「さ、寒い……」
「チッ、ルプス!」
俺は自分からルプスの状態になり、狼の耳と尻尾が生えたのを確認する。
瞳の瞳孔も縦になっており、さっきまで感じていた寒い感覚もなくなっていた。
まぁ、この状態だと毛皮に覆われた様な状態みたいな感じらしいからな。
俺はすぐさまネプギアの元へと行くと、ネプギアの前に座り込む。
「浩平君……?」
「……ゆ、許せ!ネプギア!お前のためだ!」
「え……?」
そう言って、俺はネプギアに抱き着く。
それにネプギアはビクッと反応する。
今、俺たちが着ているのは水着だけ……。
だから、ネプギアの肌に触れた時、冷たいと感じたのだ。
これほど冷え込んでいたとは思わなかったのだ。
「え……?え……!?こ、ここここ!?浩平君!?」
「今、俺はルプスの状態だ!俺の肌は毛皮の様なもんになってる!暖かいハズだ!」
「え……?う、うん!あ、温かいよ!?暖かいけど……!?」
俺はネプギアの方をチラッと見てみると、顔を赤くしているネプギアがいた。
アレ、暑すぎた?
(こ、浩平君がだ、抱き着いて……!?こ、これは私が寒がっていたから、温めてくれてるだけで……!で、でも……えへへ)
何だ、急に嬉しそうな笑みまで浮かべたぞ。
すると、俺の背中にネプギアが腕を回してきて、抱き着いてきた。
俺はそれにビクッと反応してしまう。
「ね、ネプギア?」
「こ、こうした方がもっと暖かいから……。ダメ……かな?」
「いや、別に……」
俺はネプギアの方を見てみたが、思いっきり上目遣いでこっちを見てきてるんだよ。
何それ、ロムといい、ネプギアといい、俺の心をへし折るのが得意なんですか?
そうなんですか?
それとね、ネプギアさん。
貴方が抱き着いてくるから、俺の体にまだ成長中であろう胸が当たってます……。
俺、こういう展開ってどう対応すればいいのかまったくわからないから、そういうの当てるのはやめてほしいです。
俺だからよかったけどね、他の男だと襲われてるよ、君。
「……」
「……」
「「……」」
その後は沈黙である。
え?なんで黙ってんの?
ねぇ、何か喋ってよ。
俺、沈黙とか嫌なんですが、凄くこの状態が恥ずかしいんですが。
いや、待て……そんなネプギアを責める様な事言ったら可哀想だ、ネプテューヌならともかく。
こんな時は俺から話題を振るべきだな。
「な、なぁ。ネプギア?もうそろそろ魚が焼けたんじゃねぇかな?」
「そ、そうだね!それじゃ、離れて」
ネプギアがそう言って離れた瞬間、またブルッと震えはじめる。
オイ、まだ寒いのかよ。
一体、誰の仕業だ。
俺はため息を吐くと、尻尾を見てみる。
これをマフラー代わりにすれば、少しでも温める事も可能か……。
ルプスが起きていてくれたらな……。
「あの……浩平君。また寒いから」
「ん?あぁ、俺の尻尾を……」
俺が自分の提案を言おうとした時、ネプギアから凄い発言が飛び出てきた。
「さっきのじゃ、食べにくいから……そ、そのうえに座ってもいいかな!?」
ネプギアが言った場所とは……俺の膝の上である。
……え?大声で何言ってるんですか?
しかも、勇気を振り絞りましたって感じなんですが。
いや、男の人の膝の上に座るのには勇気いるでしょうね。
え?いや、なんで俺の膝の上なの?
え?いや、なんで……? え?
「ダメ……かな?」
ネプギアが上目遣いの目でこちらを見てくる。
だから、そんな目で俺を見るなァァァァァァァァ!
俺はガクッとうなだれると、コクリと頷く。
すると、ネプギアの表情が嬉しそうになる。
何で嬉しそうにしてんのさ、ネプギア。
そして、ネプギアは俺の膝の上に座ると、背中を俺の体に預けてくる。
いや、あの……凄い密着率なんですが。
「さ、魚も焼けてますし、食べましょう!」
え?これ、今回不幸と言えますか?
いいえ、言えません……少し幸せです。
変な事が起きずに、こんな風に女の子と肌を密着させられるなんて思わないでしょうが。
俺の不幸体質……さらばだね!
やっと、俺の努力が報われたんだよ!
『……鈍感だな』
アレ?ルプスの声が聞こえた気がするんだが。
『……』
気のせいか。
コイツ、寝てるしな。
俺たちは魚を食べ終えてから、未だにこの状態でいる。
う、動こうにも、ネプギアがのかないと動けないんですぜ!
ネプテューヌなら無理矢理にでも立つが、ネプギアにはちょっとな。
それと同時にルプスの耳がピクッと反応し、俺は上を見る。
それは冷気を纏った風がこちらへと迫ってきていたのだ。
「ネプギア!」
「え?きゃっ!?」
俺はネプギアの体に腕を回し、横に飛んで回避する。
そして、地面を転がり、ネプギアを下にして止まる。
「いつつ……大丈夫か、ネプギア」
そこまで言って起き上がった瞬間、右手からムニュッと何か柔らかいものを触っている感触がした。
「あ……!こ、浩平君……!」
「……」
あぁ、やっぱり何も起きないなんてありえないんだよね!
俺の右手はネプギアの胸を触っており、ネプギアは顔を真っ赤にしていて……。
「あの、ネプギア……」
「きゃあああああ!」
「ぐぼらぁ!?」
殴り飛ばされました。
綺麗な右ストレートです!
俺はそのまま木に頭をぶつける。
それと同時に空から緑色の翼を羽ばたかせながら、男が一人現れる。
「少し冷気の風を送り込んで様子を見ていたが、何イチャイチャしてんだ?テメェ等?アホか?」
「い、イチャイチャなんてしてません!」
「そ、そうだぜ。してないぜ。やっと、姿を見せたな!黒星座!出るならもうちょっと早く出て来いよ!良い思いしたけど!」
「え?」
「いや、気にするな」
やばいやばい……。
不幸なしの体験があまりにも嬉しかったものですから。
ネプギアは女神化をし、俺はルプスの武器であるクローを呼び出すと構える。
「お前は何ていう星座だ?」
「俺か?俺の名前は『アプス』だ!」
「『アプス』……確か『風鳥座』ですよね?」
お、珍しくネプギアが答えた。
俺が上げたノートでそれなりに勉強しているっつう事か。
俺は頷いて見せると、アプスはニヤッと笑ってみせる。
「今のお前の実力じゃ、『三等兵』には勝てねぇ。それにはわかってんだろ?」
「……」
「お前が成長しなければ、女神たちだって、俺たちを傷つけるのは敵わない。残念だなぁ!後、一つか、二つ……星座が目覚めればダメージを与えられるかもしれねぇのになぁ!もしくは……無理矢理にでも目覚めている十二星座の星の力を完璧に引き出すか?」
「何?」
ヴィルゴ達の力を完全に引き出す?
思えば……おかしいとは思っていた。
十二星座は大幹部に属していた存在だ。
その一つ一つの武器が三等兵たちにダメージが通らないというのはおかしい。
むしろ、大ダメージを与えられるハズの武器のハズだ。
つまり……俺がコイツ等の完全な力を引き出せていない?
認められていても……。
「まぁ、お前如きが引き出せば簡単にその力に押し潰されるだろうな!幹部クラスの星の力をも超えた星の力なんざ受け止めたらよ!歴代最弱のお前が受け取ればよ!」
そう……なのか?
幹部クラスで……ブラックホールさえ生み出せるという。
そして、頭はビッグバン……。
なら、大幹部はその間……どれほどの星力があるのか?
「大幹部は『ノヴァ』って呼ばれる星力でな!」
「『新星』?」
それがノヴァの意味だ。
確か、急激に数万倍も明るさを増し、次第に薄れて、元の明るさに戻る変光星の事だ。
これから意味を察するに……コイツ等は凄い可能性を持っている?
「そう!『大幹部』は下手すりゃ、『頭』さえも超えかねない力を持っていた!それが敵となった今、『頭』は危険視してんだよ、十二星座も、導き者も。だが、今回の導き者は危険視する必要はなさそうだ。なんせ、最弱だからな!」
「チッ」
俺は舌打ちする。
ダメだ……コイツの口車に乗っちゃ。
落ち着け……心を落ち着かせろ。
そして、冷静になれ。
こんな軽い挑発に乗る俺じゃないだろ。
「さてと、抗ってもいいが……俺たちにテメェ等の攻撃は通らねぇ!」
そう言って、アプスが手を振るって鎌鼬を放ってくる。
ネプギアは上に飛んでかわし、俺はクローで弾く。
それと同時に俺は飛躍し、アプスの元まで飛ぶと蹴りを放つ。
だが、受け止められてしまう。
「チッ!」
「無駄無駄。見えてんだよ。つうか、痛くもねぇなぁ!」
「ぐっ!?」
俺はそのまま振り回されると投げ飛ばされ、地面に叩き付けられる。
俺は口から血を吐き、それに驚く。
たった一撃でこれかよ……!
俺はすぐに態勢を立て直すと、空を見る。
「ハァァァ!」
「甘い!」
ネプギアがM,P,B,Lを振り下ろすが、手で受け止められてしまう。
俺はすぐさま星力の球を作り投げつけるが、翼の一薙ぎで破壊される。
そして、ネプギアはそのまま振り回されて投げ飛ばされ、地面へと激突する。
「きゃっ!」
「ネプギア!」
「他人を心配してる暇あるのかよ!」
「うぐっ!?」
いつの間にか目の前に来ていたアプスに顔に拳を叩き込まれ、吹き飛ぶかと思うと、足を先に捕まれ、そのまま逆方向へと投げ飛ばされた。
その先にあった木に激突して、俺は血を吐く。
さっきより……血の吐く量が多い。
「うぐ……」
「……確かにお前の身体能力はそれだけの星力の割りには凄い。元のスペックがありえなかったんだろうな、お前。人としての領域を超えていて」
「……うぐっ」
「更に打たれ強さも人間かよ。星の加護があるとはいえ、普通なら死んでるぜ。星の拳をくらってたりするんだからさ。人間か?」
「人間……だよ……。諦めのワリィ人間だよ」
俺は立ち上がるとニヤッと笑い、それを見たアプスは黙り込む。
「気に入らねぇな……その目。やっぱり希望を捨てねぇ導き者は気に入らねぇなぁ!」
「くっ!」
アプスが走り出そうとした瞬間、目の前をビームが通り過ぎる。
それに反応して、アプスはとある方向……ネプギアの方を見る。
ネプギアがM,P,B,Lを向けており、どうやらビームを放った様だ。
それに反応したアプスはネプギアの目の前に一瞬で現れる。
「速っ!」
「遅い!」
「きゃあ!」
「ネプギアぁ!」
ネプギアは殴り飛ばされ、俺はすぐにルプスの速度を活かし、瞬間移動かと思えるほどのスピードでネプギアの元に現れ、受け止める。
「次だ」
「!」
俺はその声に反応して、アプスの方を向くと、そこには巨大な風の球を作っているアプスがいた。
あんなものが直撃すれば……ひとたまりもない。
俺は舌打ちすると、ルプスを解除してレオを構える。
「レオ……か。確かにその絶対防御なら防げるだろう。だが」
そう言った瞬間、アプスがその場から消し、後ろから気配とニオイ……そして、風の集まる感覚を感じたのだ。
振り返るとそこにはアプスがいた。
「盾で防げなければ、その能力も発動しない。背後は無防備なんだよ!」
「クソ!」
俺はネプギアだけでもと思い、遠くへと投げる。
それと同時に背中に風の球がぶつかり、その中で大量に起きていた鎌鼬が襲い掛かる。
「があああああああああ!」
「アハハ!終わりだァ!導き者ぁ!これだけの攻撃をくらえば、お前も死ぬ!」
「あ……こ、浩平君んんんんんんん!」
ネプギアは起き上がって、俺の方を見て叫ぶ。
俺は体中に切り傷ができていき、血が噴き出す。
せめて、頭だけでも思うが、それも辛くなってくる。
死ねるかよ……このまま死ねるかよ。
ジェミニで……無効化を!
させようとするが、ジェミニをうまく呼び出せない。
このまま……死ぬのか?
……俺はアイツ等を守り通せずに死ぬのか?
それだけは……嫌だ。
まだ死ぬわけにはいかねぇ。
黒星座全員を倒すまで死ぬわけにはいかねぇ!
だから、だから!
『……わかったわ。わかったから、落ち着いて。冷静に』
声……?
『水の様に静かに落ち着くの。凄いわね……。貴方。どんな状況でも冷静であろうとしたその姿を認めて出て来ようとしたけど、仲間の事になると熱くなる。水でもあり、お湯でもある。いいわね、あの人にそっくり。面白いわ、私は貴方を認めるわ。さぁ、私を呼びなさい!』
あぁ、ありがとう。
そして、これで奴らに仕返しできる!
『勘違いしないで……。私達は力を与えているにしか過ぎない。気付いてる?あなたの身体能力や運動能力、打たれ強さなどは全て……貴方の元々のスペックなのよ』
え?何それ?
俺、人間なんですけど!?
いや、もうつべこべ言ってらんねぇな。
俺の体から金色の光が発せられると風が打ち消され、それにアプスとネプギアは驚く。
俺は傷だらけの肩で息をしながらもニヤッと笑う。
「まさか……目覚めたのか!?新たな星座に!?」
「あぁ、そうさ……。だから、テメェをぶちのめしてやる!来い、『
俺がそう叫んだ瞬間、俺の腰にベルトが現れ、そこには水が入っている複数の瓶がぶら下がっており、手には蒼く、黄色の線が真ん中に引かれており、そこに紅い宝石がはめ込まれた水瓶を持っている。
「アレが……浩平君の新しい力」
「『アクアリウス』だと!?また厄介なのに目覚めやがって!」
「さてと……鳥公。水浴びをさせてやるよ。それとも、熱いのがお望みかな?」
俺はニヤッと笑うのだった。
どうも、風狼龍です!
遂に新たな星座に目覚めました!
アクアリウス!水瓶座です!
それではまた次回!