ただ水を操るだけだと思う事なかれ!
それではどうぞ!
俺はアクアリウスを構えると、そこから水の塊を放つ。
その水は凄い勢いで飛んでいき、かなりの水圧がかかっている。
星の水なので、まずありえないほどの水圧があるだろうけど。
「ハッ!当たらなければ!」
アプスはそれを軽々とかわし、俺はそれを見ると、ベルトについている瓶を二つ取る。
「瓶……?アレは」
ネプギアは不思議そうにこちらを見てくる。
俺はニッと笑うと、その二つの瓶の栓を抜くと、それを水瓶……アクアリウスの中に入れる。
それを投げ捨てると、さっきなくなったハズの瓶の二つがベルトにまた新しく入った状態で戻ってくる。
「え?瓶がまた新しく……。あ、なくなったのはすぐに補充されるんだ!?」
ネプギアは理解したかの様に叫ぶ。
そう、さっき使った二つを捨てた理由はすぐに新しいのが作られるから。
だから、俺の星力が続く限りはいくら使い捨てしても大丈夫だ。
俺はアクアリウスを構えると、そこから灰色の水の弾が連続で撃ちだされる。
「水が灰色!?」
「ぬっ!灰色の水は……やばい!」
アプスは何か理解したのか、すぐに回避していくが、この量……避けきれないだろ。
(チッ、数が多い!だが、この水に触れるわけには……しまっ!?)
その内の一発がアプスの翼に直撃する。
すると、その水は固まり、それにより翼を動かせなくなったアプスに次々と灰色の水が直撃していく。
「ぐあああああああああ!」
それにより、アプスは地面へと落ちて、激突する。
砂煙が巻き上がった場所を見ながら、俺は瓶を一つ手に取ると、アクアリウスの中に入れる。
それを構えると同時に砂煙の中から翼が灰色の水によって固まったアプスが走りながら、姿を現したのだ。
所々、灰色の水で固まっており、動きにくそうである。
「どうだ?『石化の水』は?」
「クソがァァァァ!」
「次は『熱湯』でも如何!」
そう言った瞬間、アクアリウスから湯気が出ている水が放たれる。
まぁ……星の水だから太陽ぐらいの温度はあると思うけど。
その熱湯がアプスに直撃し、ポンプの様に放たれた熱湯に押し飛ばされていく。
「ぐああああああああああ!?」
「まぁ、太陽並の温度はあるのでご注意をってな」
「太陽並って……それ、普通の人相手には火傷じゃすまないよね!?」
「相手は星座であり、神様だ」
「あ、そうだね……」
ネプギアは納得した様に頷く。
アレ、それでいいのかお前。
「そ、それにしても……その水瓶座って、水を操る能力じゃ」
「ん?まぁ、水は司ってるぜ。ただ、それは基本能力だよ。コイツの本当の能力は『配合』さ」
「は、配合?」
俺はネプギアの答えに頷くと、瓶の方を指さす。
「そうそう、液体なら何でも配合しちまうんだよ。で、俺の腰にぶら下がってるものを使って、色んな水を生み出すのさ。熱湯にするだけなら、さっき使った『熱の水』を。で、あん時の灰色の水は『石化の水』って言って、当てたところを固めて、石化させてくれるんだよ。配合の仕方次第で色々なもんを生み出せるんだよ」
「す、凄い!なら、色んな攻撃方法が!」
「と言っても、毒とかは無理っぽいな……。やっぱ、毒はスコーピオンなのか……」
俺はぶつぶつと呟きながらも、二つの瓶を取り出す、それをアクアリウスに入れると、そこから水を出し、俺はそれを飲む。
「え?どうして自分で!?」
「見てればわかる」
「導き者ぁ!遊ばずにすぐに殺すべきだった!死ね!」
アプスは風の弾丸を放ってくる。
俺はそれを見ても動かず、立ったままでいる。
「!? 浩平君、避けて!」
ネプギアが叫ぶと同時に俺の体に風の弾が直撃する……。
だが、当たった場所は水となり、通り過ぎていく。
次々と風の弾が当たるが、血が出るのではなく、そこが水となって通り過ぎていくのだ。
「え?え!?こ、浩平君に当たって。え?でも、何もなって……」
「今のは俺に使うために配合したのだよ。今ので『液体化の水』ができた。今の俺の体は水そのものだ」
「す、凄い……!」
「俺の意思次第で解除も可能だ。更に」
俺は自分の体を水として、砂の中へと潜り込む。
それによりアプスはすぐに地面目掛けて風を叩き込もうとしてくるが……。
俺は新しく瓶を三つ手に取ると、それをアクアリウスへと入れる。
そして、俺は砂の中からアプスの目の前に姿を現すと同時にアクアリウスを向ける。
「速っ!?」
「くらえよ!『星酸』!」
「しまっ!?」
アクアリウスから放たれたのは黄色い液体。
それは酸であり、星の力があるもの。
アプスは急いでかわすが、それが翼の片方に直撃した瞬間……ジュッという音と共にその翼が消滅する。
そこから黒い光が溢れ出し、アプスはそれにより転んで苦しみ出す。
「ぐあああああああああああッ!翼がァァァァ!」
アイツ等に硫酸を浴びせたって、効きはしない。
だが、星の力がある酸なら別だ。
星の酸ならば、星一つ溶かす事さえ可能なのだ。
星そのものである奴らにはダメージを与えられる。
俺は液状化を解除し、元の姿へと戻る。
俺はアクアリウスを背中に背負うと、腕を上にあげる。
「クソ……がぁ……!たかが液体使いなんぞに!」
「あんまし、水は甘く見ない方がいいぞ」
俺はニッと笑うと、アプスは俺目掛けて風を放とうとしてくる。
だが、その前に地面が揺れる。
「え?地面が揺れてる?」
「ネプギア!空高く飛べ!」
「え?」
「いいから、早く!」
「う、うん!」
ネプギアは俺の言葉に頷くと空へと飛ぶ。
それもできるだけ高く。
そして、俺の後ろにはとあるものが現れる。
それは海の水によって、巨大な龍の姿をした水なのだ。
「な……に……!?」
「水瓶だけの水がコイツの力じゃねぇ。水さえありゃ、操れる。全ての水は俺の思いのままさ」
そう、水を司る星座なのだから。
俺はその手を振り下ろすと、水龍はアプス目掛けて襲い掛かる。
「クソが……最弱の癖にィ!」
アプスは風で障壁を生み出し、それで水龍の突撃を防ぐ。
それと水龍が押し合いをはじめ、アプスはニヤッと笑う、汗を流しながら。
「アハハ!こんなものか!俺の障壁さえ壊せないとは、やっぱり最弱」
「汗も液体って気付いてっか?」
「はぁ?急に何を言って」
「テメェ等には血液がねぇから、血液操作して内部からってしたかったんだが、できねぇんだよな。だけど、汗をかくなら……それを利用できる」
俺がそう言った瞬間、アプスがかいていた汗がいきなり棘となり、アプスの顔に次々と突き刺さる。
「ぐああああああああ!?な、なにィ!?」
それにより、風の障壁への力が抜け、そのまま水龍が風の障壁を破壊して、アプスに直撃する。
「がああああああああああああああ!」
水龍の中は想像できないほどの水圧があり、星だろうとダメージを与える。
水龍は天に上り、消滅すると、中からアプスが出てきて落ちてくる。
アプスは地面に激突すると、体から黒い星の光を出しながら立ち上がる。
「クソがァ……!俺がこんな下等種族なんぞに!」
「人間ナメんなっつう事だよ。さっさと終わらせる!」
俺はアクアリウスを再び出すと、三つの瓶をアクアリウスに放り込み、そこから水を出す。
水の鞭の様なものが出てくる。
それはまるで生きている様に動き、俺が見るとその水もこっちを見てくる。
「『生ける水』……成功だな」
「クソがァ……ふざけるなァァァァ!」
「行け!アイツを倒せ!」
俺が指示を出すと、その水は先が鋭くなり、アプスへと襲い掛かる。
アプスは走り出し、風で剣を作ると、生ける水とぶつかり合う。
生ける水は突きを放つが、それを風の剣で弾かれ、剣を振り下ろして水を斬る。
「アハハ!これでもう、コイツは!」
「……水を斬る事はできねぇよ」
「何を言って……!?」
そこまで言った瞬間、斬られた場所から複数の水の棘の鞭が飛び出し、次々とアプスを突き刺した。
それにアプスは目を見開き、俺を見てくる。
「なんだと……!?」
「生きてるって言っても、そいつ等は結局水だからな。いくら斬ったって無駄さ。水を斬るのは不可能だからよ」
「クソがァァァァ!」
アプスは体に水が突き刺さった状態で襲い掛かってくる。
それじゃ、これで終わらせようじゃねぇか。
俺は全ての瓶を手に取り、中へと放り込む。
すると、アクアリウスからは金色の光が溢れ出す。
「『水瓶座の水』を見せてやる」
「導き者ァァァァ!スターゲイザーァァァァァ!」
「跡形もなく吹き飛びやがれェ!」
俺がそう叫んだ瞬間、アクアリウスから金色の水が吹き出し、それは弾丸の様に飛び出し、アプスに直撃する。
アプスは水に押し飛ばされていき、体から黒いオーラを出しながらどんどん体が壊れていく。
水圧は……星一つ潰すのなんて造作ない威力だぜ。
アプスは崩壊していく自分の体を見て驚く。
「ありえねぇ……この俺が……最弱と呼ばれる導き者なんかに!たかが人間なんかに!」
「人間の無限の可能性、甘く見るんじゃねぇよ。人は時に神を超えるのだから」
「クソがァァァァァ!」
アプスは叫び声を上げながら、黒い星の光となって消滅する。
俺はそれを確認すると、アクアリウスを消すと、ネプギアが俺の元に降りてきて、女神化を解除する。
「こ、今回は色々と凄かったね……」
「確かに色々と凄かった」
アクアリウス……意外と強い。
水と配合ってのは、甘く見ちゃいけねぇかもな。
つうか、配合……間違えれば、爆発とかありえたりすんのかな。
何か、使うのが少し怖くなってきたぞ、アクアリウス。
「まぁ、それよりもだ。アクアリウスを使えば、帰れるかもしれねぇぞ」
「え?ホントに!?」
「あぁ」
アクアリウスは水を司る星座だ。
海の水を使った際に、俺はこの島がどこら辺か確かめたのだ。
そこから俺たちがいた海岸までの場所を探った。
少し遠いが、そこまで問題でもねぇ。
アクアリウスで水の波を起こし、そのうえに乗っていけば、星屑の奴らに襲われる事もないだろうし。
「まぁ、今日はもう遅い。明日になったら行こうぜ」
「うん、そうだね」
「ちゃんと葉っぱとかで布団を作ったから寒くはないと思うからな」
「え?う、うん……」
ネプギアは頷きながら、何か少しを考えている。
すると、ネプギアは考えがまとまったのか、俺の方を向くと、恥ずかしそうに指と指をツンツンとしながら、チラチラと俺を見てくる。
頬も赤い。
「あ、あのね……浩平君」
「なんだよ?」
俺は頭をボリボリと掻きながらネプギアを見る。
眠たいから早く寝たいんですが。
明日に備えて、寝ておかないと。
「その……ま、まだ寒いから」
「え?そうか?」
「さ、さっきほどじゃないけど!寒いから……その、一緒に寝てほしいな~って」
「……は?え?今、何て言いました?」
気のせいでしょうか。
この子、凄い事言った様な気がする。
「だ、だから……一緒に寝てほしいなって……」
「ハイ、アウトォォォォォォォォォォ!」
「ひゃっ!?」
俺が叫び声を上げると、ネプギアが驚いた様にビクッと震える。
この子、何言ってんの!?
「何言ってんの、お前!?さすがにダメに決まってんだろうが!間違いなんて起こさないけど!起きたらどうすんの!」
「……こ、浩平君ならいいよ」
「何か言った!?」
「う、ううん!でも……ダメ、かな?こんな恰好だし」
そう言うとネプギアはまた上目遣いで俺を見てきたのだ。
オイ、それは絶対わざとだろ。
そんなわざとらしいもので俺がやられるわけ……。
「浩平君……」
やられるわけ……。
「ダメ……だよね」
パキッ!という音が心から聞こえた気がした。
ようはね……負けました。
「いいよ、もう……別に」
「ほ、ホント!」
「あぁ、ただ……俺はお前の背中向けるからな」
「それでもいいよ」
何だってこうなるんだ……。
そして、部屋では俺は寝転んでおり、ネプギアは俺の背中にピッタリくっついていた。
それによってね、胸が背中に当たってるんですよ。
俺……今日寝れるかな。
ネプギアはどうやら眠ったらしく、そういう息の音が聞こえてくる。
俺は寝ようとするが、その……背中に当たる感触が気になってね?
「眠れねぇよ……。やばい、落ち着け……。間違いが起きちゃいけない。そうだ、素数を数えるんだ。1,2,3,5,7……」
俺は素数を数え始めるのだった。
どうも、風狼龍です!
オチが思いつかなかった……。
というわけで意外と扱いが難しそうなアクアリウスです!
ですが、配合次第で色んな水が生み出せるという。
それではまた次回!