超次元ゲイムネプテューヌ~星の導き者~   作:風狼龍Ⅱ

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というわけで今回で脱出です!
それではどうぞ!


大切な人たちを護る思いで人は強くなる

朝……日が昇ってきた。

 

「フフフ、アハハ……太陽の光が綺麗だなぁ……。アハハ」

 

俺はアレから素数を数え続け、その後はお経を唱え、その後は羊を数え……邪心を追い払っていたけど、おかげで眠れなかった。

ネプギア?

眠ってますけど、何か?

顔を見てみたけど、スゲェ幸せそうだったよ。

しかも、その間に何回かギュッと強く抱き着いて来たりしたんですよ。

そのせいで余計に意識しちゃってさ……。

それにお互い水着だから、ネプギアの肌の感触とかも……さ。

意識するなってのが無理なんですよ。

俺だって十八の健全な男なんだから、気になっちゃうもんなんだよ。

だが、俺はそんなもので理性は途切れたりしない!

ホント、よく耐えたよな……俺。

何度心臓がバクバクと鳴ったか……。

朝になるまで耐えきれた俺を誰か褒め称えてほしい。

キスの次に、間違いまで起きてしまったら、俺はもう生きてられないね。

その場で穴でも掘って、生き埋めになってやるね。

キスは事故だったとはいえ、ネプギアには悪い事したしなぁ……。

 

「ん……?」

 

ネプギアの声が聞こえる。

どうやら、起きた様だな。

ネプギアは俺の体に回していた腕を退けると、起き上がる。

俺も腕から解放されたのを確認すると起き上がる。

いやぁ、やっと解放された。

俺、ホントによく耐えた。

ネプギアの方を見ると軽く笑みを浮かべる。

 

「おはようさん、ネプギア」

「あ、おはよう……浩平君」

 

ネプギアは目を擦ってから挨拶をしてくる。

俺は立ち上がると、ネプギアも完全に目を覚ましたのか、立ち上がって、一緒に外へと出る。

 

「ふぁ~……」

「浩平君、眠たそうだけど……」

「ん?いや、眠れなかっただけだ。気にするな」

「そうなの?も、もしかして……私の事を意識して?」

「え?いや!?ん、んな事あるわけねぇだろうが!」

「そ、そうだよね……」

 

アレ、なんでシュンとなるんですか、ネプギアさん?

もしかして、女性として自信が、みたいな感じですか?

いや、すいません……変な見栄を張りました。

 

「ま、まぁ……意識はしちまったかな」

「そ、そうなんだ」

 

何で赤くなるんだよ。

恥ずかしいと思うなら、落ち込んだりすんなよ。

俺まで恥をかいちまったし……。

え……何、この空気。

やばい、何か嫌な予感しかしないんですが。

 

(こ、浩平君……意識してたんだ。女性として見てもらえてるんだ……)

 

こういう時はさっさと島から出て、国に帰った方がよさそうだな。

 

「ネプギア、そろそろ島から出るぞ。早くプラネテューヌに帰らねぇとな」

(こ、告白すればうまく行くかな?ううん、もう少し考えてからの方が)

「……ネプギア?」

「え?あ。な、何かな。浩平君」

「あぁ、さっさとプラネテューヌに帰ろうぜって話をだな」

「う、うん、そうだね。でも、島の周りには星屑っていうのがいるんじゃ」

「なぁに……どうにでもなるさ」

 

俺はニッと笑うと、腰にベルトが現れ、そこに瓶があり、背中にはアクアリウスを背負っている。

今更だが、水着でこの姿って……結構シュールなんだろうな。

俺は手を海水につけると目を閉じる。

水は星の命の源……。

アクアリウスの探索能力はある意味、ルプスとは違うタイプだ。

いうならば、海を……水を通じて、島やその先に何があるのかを探知できるタイプだ。

水の中の生き物、水に入っている生き物さえ探知できる。

そして、俺は海を通じて世界全体を確認する……。

見つけた……。

俺はゆっくりと目を開けると、ネプギアを見る。

 

「ネプギア、見つけたぜ。プラネテューヌ」

「ホントに!?」

「あぁ。そう遠くはない。飛んでいけば速いだろうが……海には星屑共がいる。それにでかい生体反応もあった……。恐らく、ケトゥスだ。アレほど巨大な生き物はいないからな。それに星の生命力を感じたから余計にだ。あ、ボランスの反応もあった」

「なんだか、ボランスがついでみたいだね」

 

まぁ、ついで扱いしてるつもりはないんだがな。

アクアリウスさえあれば、こっちのもんみたいだしな。

だが、ケトゥスの実力……ボランスの言葉から考えるに奴は幹部クラス。

それも水棲生物系星座の頂点だと考えられるだろう。

兄貴が鳥だった……と考えたいが、怪しいところだ。

そして、ドラコは幻想生物系星座の頂点。

ピクトルは文房具系星座の頂点と考えるべきか。

ホロロギウムは……家具系、そんなにあったか?

まぁ、文房具とは別の道具系星座の頂点と考えるべきか。

なら、まだ幹部は他にもいると考えるべきか?

いや、幹部がそれ系の頂点に立つから、それだけとは考えにくい。

力だけでのし上がった奴らがいてもおかしくはない。

だが、動物系星座の頂点、ルプスがこっち側にいるという事は他の何かがすり替わっている可能性が高い。

 

『我の代行か……。まぁ、考えている通りだ。そういう系統の星座の頂点に立つ者が幹部になっている。我は獣系だったが……今では別の奴だろう。それに烏座が幹部だったのは奴の実力だ。鳥系星座の頂点は別にいる』

 

なるほどな……。

となると、怪しいのはあの星座だろうか。

とりあえず、幹部クラスの人数は大体想像がついてきた。

幹部クラスがわんさかいても困るしな。

 

「とりあえず、ケトゥスは幹部クラスだ。接触したら、まず勝てない。これはできるだけ逃げ回る方がいいと考えよう」

「あ、あの……ケトゥスっていう星座は何座なの?さすがにまだ全部覚えてないし」

「ケトゥス……奴は『鯨座』だ」

「へぇ、鯨……え?クジラ!?」

「あぁ、クジラ」

 

ネプギアはそれを聞いて、驚いた表情のまま固まっている。

そりゃ、そうだろうなぁ。

まさか、アレがクジラだなんて誰が想像できるだろうか。

アレはクジラというより、どこかの生き物だろう。

それこそ、神話の怪物。

 

「まぁ、あの姿は……化けクジラと言われるには相応しい姿だな」

「ば、化けクジラ?」

「あぁ、鯨座の神話でな。その星座の元が化けクジラなのさ」

 

俺は苦笑いを浮かべながら言う。

誰もアレがクジラだなんて言っても、信じないだろうな。

まぁ、化けクジラだから向こうの姿の方がそれらしいんだけどな。

俺はアクアリウスの力で水を操ると、巨大な波を作り、ネプギアを見る。

 

「さぁ、行くか」

「え?行くって……その波は」

「こういう事だよ」

 

俺はネプギアの手を引き、波の一番上に乗ると座り込む。

ネプギアは水の上に立てているのに驚いている。

 

「な、なんで!?水の上に立ててる!?」

「俺が操ってる水だぜ?それくらい容易いもんだよ」

「そ、そうなんだ。星の力ってなんでもありなんだね……」

「おう、何でもありだな」

 

ネプギアの驚きの顔を見ながらも、俺はニッと笑う。

さてと、行きますか。

 

「行くぞ、プラネテューヌに!」

 

そう言うとその巨大な波は津波の様に動き出し、移動を開始した。

星屑たちが反応して襲い掛かろうとするが、星の津波には勝てるハズもなく、簡単にやられていく。

それにネプギアは驚いた様に次々と倒されていく下の星屑たちを見る。

 

「す、凄い!次々と星屑たちを飲み込んで倒して行く!」

「まぁ、水ってのは結構恐ろしいもんだからな。遊ぶ時も気を付けた方がいいぜ」

「う、うん。そうだね」

 

改めて、水の恐ろしさというものを認識したのか、ネプギアは頷く。

少ししてから陸地が見え始める。

 

「あ、陸が見え始めたよ!」

「あぁ、あそこが俺たちがいた岸だな。だが……ここまで星屑たちだけってのも怪しい。嫌な予感がする」

「それはそうだね」

 

ネプギアも怪しいと感じたのか、それに頷く。

それと同時に背後から殺気を感じ、振り返る。

そこにはスキンヘッドで、青い目をしている男が拳を作って、こちらを見ていたのだ。

 

「戻ってこなければ、よかったものを。死ね、導き者!女神候補生!」

「! ネプギア!女神化して飛べ!レオ!」

 

俺がそういうと、ネプギアはすぐさま女神化して飛び、俺はアクアリウスからレオへと持ち替える。

その瞬間、足場の波は消滅し、俺も星の翼を展開して飛び、レオで攻撃を受け止める。

だが、ケトゥスの時の様に威力は相殺できても、衝撃は相殺できない様であり、そのまま吹き飛ばされるが、すぐに空中で態勢を立て直して、止まる。

相手はそのまま水の中に飛び込むと、顔を見せ、隣にはボランスが姿を現す。

 

「さすがケトゥス様だぜ!例え、レオを装備した導き者が相手でも吹き飛ばしてしまうとは!」

「……ふん、違うな。アレは奴がまだ未熟だからだ。レオは威力も衝撃も、攻撃に対する全てを相殺する事ができる『絶対防御』を持つんだからな」

「じゃあ、今世の導き者が最弱って話は本当なんだな!ケヒャヒャ!ざまぁないぜ!」

 

ケトゥス……アレが人間状態のケトゥスの姿なのか。

あの巨大な力を人間サイズにとどめたのなら……結構やばいな。

攻撃力も破壊力も、何もかも化け物だろう。

それこそ銀河系一つくらい簡単に消し去ってみせるだろう。

だが、それを行わないのは俺を警戒しているから。

そして、今までやられてきた恨みを返したいという思いがあるのだろう。

 

「『スターゲイザー』の力を持っていても、所詮はアイツほど恐れる必要もないっすよね~!導き者としても、スターゲイザーとしても、歴代最弱!これほど恐ろしくもない宿敵ってのも笑えるな~!」

 

ボランスはバカにする様に言ってくる。

 

「だが、歴代の導き者にやられてきた恨みを返してくれるぜ。死ねよ、導き者!」

 

そう言うと水弾を放ってくるボランス。

俺はすぐにアクアリウスへと変えると、手を前に突き出す。

すると、全ての水弾は動きを止める。

 

「なっ!?その力はアクアリウス!?」

「さっきまで出していたのに見ていなかったのかよ。どこか抜けてるな」

「み、水を統べ、支配する者……水を司る星座!?」

「全ての水は俺の思い通りのままだ」

 

そう言った瞬間、水弾は方向を変え、ボランスとケトゥス目掛けて飛んでいく。

そして、素早く瓶をアクアリウスへと二本放り込む。

 

「チィ!だが、俺が生み出した水だぜ!打ち消せる!」

 

そう言って、全ての水弾をただの水へと戻すと同時に俺はボランスの目の前まで移動する。

 

「なっ!?速い!?」

「水の刀」

 

俺がそう言って、アクアリウスに手を伸ばすと、水が柄の形をしたものがアクアリウスから出てきており、俺はそれを掴んで引っ張り出すと、水が刀の形をしたものが姿を現す。

 

「『武器化の水』……」

(コイツ……純粋な身体能力でこれか!?)

 

俺は水の刀を振り下ろすが、ボランスは海に潜ってかわす。

だが、それと同時に水の刀は海を斬り、十メートルくらいだが、海が割れる。

そして、水がなくなった事にボランスは驚き、海が割れているのに気付く。

 

「な、なにィ!?に、人間の力じゃねぇ……。こ、コイツ……星座の影響を受けずにこれって……人間じゃねぇ!人間の力じゃねぇ!まるで……奴じゃないか……」

「人間をナメるな。神にだって、星にだって抗えるんだ!人間は!」

「く、クソがぁ!」

 

ボランスは水弾を飛ばそうとしてくるが、その前にビームが飛んできて直撃する。

 

「ぐっ!?」

 

ボランスはそれに驚き、ビームが飛んできた方向を見る。

そこにはネプギアがおり、M,P,B,Lをボランスに向けていた。

 

「女神だって、成長するよ。浩平君」

「だな……。この世界、あまり甘く見るなって事だ!」

「何が最弱だよ……。アイツがただ星座の力を完全に引き出せてないだけで、身体能力は人間のそれじゃねぇよ……。人の皮を被った何かだ……!」

「さっきまでの強気はどうした?体が震えてるぜ?」

 

俺は海の上に立ってみせると、ニヤッと笑う。

星の翼はしまい、割れた海が元に戻り始める。

 

「その程度……か」

 

ケトゥスの言葉はとりあえず無視。

やろうと思えば、奴は海の水を全てなくす事など容易いのだから。

海を十メートル割れるくらいじゃ、恐ろしくもさほどないだろう。

そして、ボランスは水面から顔をのぞかせ、俺を睨んでくる。

 

「テメェ……もう怒った。アクアリウスがなんだ。水を操るのはテメェだけじゃねぇんだよォ!」

 

そう言うとボランスは水柱を生きている様に動かしながら、俺へと放ってくる。

俺はそれを見て、手を伸ばすと水柱はピタッと動きを止める。

 

「そ、そんな……。昨日までは俺にさえ勝てなかった奴が」

「一日もあれば、十分だ」

「異常だ……。人間の領域を超え、成長速度もバカにならねぇ……。クソが……クソがァァァァ!死ねよ、導き者ァァァァ!」

「これで終わりだ」

 

俺は手を軽く動かすと、水柱は方向を変え、ボランスへと襲い掛かる。

だが、ボランスが腕を伸ばすと打ち消される。

まぁ、そこまで予想済みだ……。

だから、アクアリウスには全ての瓶を放り込んでおいた。

いつの間にっていうのはなしだぜ……。

 

「瓶をアクアリウスに入れなきゃ、星の水を放つだけだ!瓶を入れる前に!」

「残念ながら、もう瓶は放り込んでいる。それも全てな!」

「い、いつの間に!?」

 

だから、言うのはなしって言ったのに。

 

『いや、心の中で言っただけだろうが』

 

ルプス、それを言っちゃいかんよ。

俺はアクアリウスを突っ込んでくるボランスへと向ける。

アクアリウスからはまた金色の光が溢れ出す。

 

「覚えとけ、ボランス!戦いってのはいつも二手三手先を考えてやるもんだぜ!」

「クソォォォォォ!」

 

ボランスが俺目掛けて飛びかかると同時にアクアリウスから金色の水が飛び出し、ボランスに直撃する。

そこから想像できる水圧は……まぁ、前にも言ったが、星をも壊すほどだ。

ボランスの体は崩れ始め、黒い光が溢れ出す。

 

「クソ……がぁ……!人間なんかにィィィィィィィィ!」

 

そう叫び声を上げながら跡形もなく消し飛んだ。

俺はそれを確認すると、星の翼で再び飛び上がり、ネプギアの元へと行く。

 

「浩平君、やったね」

「あぁ、後はケトゥス……と言いたいが」

「……」

 

ケトゥスはずっとこちらを見ており、殺気を当てられただけでも、もう気を失いそうだ。

殺気だけで星破壊できるんじゃねぇか、アイツは。

俺はネプギアをチラッと見ると、ネプギアもわかったのか、頷く。

 

「逃げるが勝ちだぜ!」

「う、うん!」

 

俺とネプギアはすぐさまケトゥスから逃げる様に飛び、俺は少ししてからチラッと後ろを見る。

ケトゥスはずっとこっちを見てるだけで襲い掛かってくる気配はない……殺気はぶつけられているが。

何故追ってこない……どうして。

俺は不思議に思いながらも、そのままプラネテューヌへと飛んでいくのだった。

 

 

 

 

浩平とネプギアが飛んでいった後。

ケトゥスは浩平とネプギアをジッと見ていた。

手を出さなかったのではない……『出せなかった』のだ。

理由は簡単だ。

 

「うん、まぁ……それで正解だよ。ケトゥス。もし、手を出していたら、君はもう跡形もなく吹き飛んでいただろうからね」

「……混沌者!」

 

そう、如月秀司がずっと、ケトゥスに殺気をぶつけていたのだ。

秀司は背中から灰色の翼を出して飛んでおり、ニヤニヤしながら、ケトゥスを見る。

 

「神と星への反逆者め……!」

「アハハ、ここで浩平をやらせるわけにはいかない。彼は希望だからね。君たち黒星座を終わらせる」

「ふん……。まぁ、いい。今回は見逃してやる。だが、次は貴様が現れる前に必ず奴を仕留めてやる……。必ずだ!」

 

ケトゥスはそういうとワープホールを作り出し、その中へと消えていき、それを秀司は見送るとニヤッと笑う。

 

「浩平、君の成長速度は異常なのは確かだ。このままいけば……『奴』に……。いや、『奴ら』に勝てるハズさ」

 

それだけ言い残すと、その場から秀司は姿を消すのだった。

その後、浩平とネプギアは無事にプラネテューヌへと帰ったのだった。




どうも、風狼龍です。
秀司の実力は相変わらず未知数でございます。
そろそろ残り五つも出さないと……。
それではまた次回!
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