超次元ゲイムネプテューヌ~星の導き者~   作:風狼龍Ⅱ

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どうも、お久しぶりです。
待っていてくれた人がいるかは謎ですが、久々に投稿します。
それではどうぞ!


違和感があったら、疑おう

次の日の昼。

俺はラステイションの教会でゆっくりとしながら、窓から外を見ていた。

後ろではノワールが仕事をしており、ユニはそれを手伝っている。

ルプスは俺の中で未だに眠っている。

 

「早めにコマの事件が解決してよかったわね」

「あぁ……」

「三等兵っていうわりには、そこまで強くなかった気もするわ」

「あぁ……」

「お姉ちゃんの言う通り、他の星座の方が強かった様な気がする」

「あぁ……」

 

俺は二人の話を聞きながらも、頷くしかなかった。

どうしても、あの違和感が拭いきれない。

あの感触は何処かで感じた事がある。

知っている……ホントは気付いている。

あの感覚は……アレだ。

 

『……相棒、コマの事が気になるのか?』

 

俺の考えを聞いていたのか、ルプスが語り掛けてくる。

 

「まぁな……」

『確かにおかしな部分があったな。感触は我はどれも変わらぬとは思うが、黒星座にしてはおかしな部分があった』

「あぁ、やっぱりそうだろうな……」

 

ルプスも気付いているのだろう。

コマがおかしいというのに感づいている。

そう、おかしいと言えるべき場所はアレしかない。

俺は外を見るのをやめると、ラステイションを見渡す。

奴は……コマはまだ生きている!

 

「ノワール、ちっと出かけるわ」

「え?いいけど、一体どこに行くのよ?」

「……ちょっとした調査」

 

それだけ言うと、俺はラステイションの教会を出る。

外に出ると、辺りを見渡す。

さてと、コマを倒したところにまずは向かうとするか。

倒したなら、コマは黒い光となって消えているハズだ。

俺が歩き出そうとした時だ。

 

「待ちなさい、浩平」

「ん?ノワール」

 

声に反応して振り返ると、そこにはノワールがいたのだ。

さっきまで仕事をしていたのに、どうしたんだ?

 

「なんだよ?俺は今からちょっとした調査すんだから」

「その調査って、何の調査なの?コマなら倒したじゃない」

 

そう言えば、説明していなかったな。

仕方ない、一人で調査するよりかは捗るハズだ。

 

「いや、コマは死んでいないと思う」

「え?どうしてよ?あの時、確かに」

「違う。黒星座にしてはおかしな部分があるんだよ」

「おかしな部分?」

 

ノワールは俺の言葉に首を傾げる。

そう、今までの黒星座たちとの決定的な違い、それは。

 

「奴は『血を流した』んだ」

「それのどこがおかしいのよ?淳平だって、血を流すわ」

「それは『元人間』だからだ。それに兄貴は黒星座ではなくなったから、限りなく人間に近い存在になった。と言うよりかはお前等と同じ女神よりだな。だから、血を流す」

「だから、どこがおかしいのよ?」

「今まで戦ってきた黒星座を思い出してみろ。アイツ等の傷口から出てきていたのは何だ?」

「それは黒い星の光……まさか!?」

「そう、黒星座に『血はない』んだ。奴らは星座そのものだから、黒い星の光が血の代わりの様なものなんだよ」

 

そう、コマから感じた違和感。

それは『血』なのだ。

本来、黒星座は血を流すのではなく、黒い星の光が出てくるのだ。

だが、コマを攻撃してきたのは全て血だった。

だからこそ、おかしいと感じたのだ。

 

「つまり、私達が戦ったのはコマじゃないって事!?」

 

ノワールが叫ぶと、ルプスが黒い星の光となって、俺の中から出てきて、人の姿で現れる。

 

「いや、黒の女神。奴は間違いなくコマだ。ニオイや力の波動は奴そのものだった。だが、我はあくまで動物系統の頂点だった存在。『髪の毛座』は管轄外だ。だからこそ、それは奴の能力にあると見ている」

「でも、ニオイはないんでしょ?」

「あぁ、なかった。だが、我が黒星座を探せるのは黒星座が持つ『星の光』のニオイで感じ取っているのだ。それを一瞬仮死状態で消す様な事はできる。それで我は気付かなかったのだ」

「つまり、コマは一度仮死になって、私達を欺いたって事!?」

「いや、それに近い事をしただけかもしれん」

 

ルプスがそういうとノワールは首を傾げる。

もし、俺の考えが正しければ、俺は大変な事をやらかしたかもな。

 

「それを確かめるために調査に向かうんだよ。ノワール、手伝ってくれるか?」

「え?し、仕方ないわね。コマが生きているなら見逃せないし、ラステイションの人達を護る必要があるものね。別に浩平と行きたいからとかいうわけじゃないから」

「ハイハイ、ツンデレ乙」

「誰がツンデレよ!」

 

俺はケラケラ笑いながら歩き出し、その後を追う様にノワールとルプスも来るのだった。

 

 

 

 

俺たちはコマと戦闘した場所まで来た。

そこに来ると、コマらしきものの死体はなく、血の跡も消えていた。

だが、代わりに……誰かがいたという感じで、道路に人型の影の跡の様なものがある。

まるで、その場で誰かが溶けて消えた様な。

 

「死体がない……?」

「血もない。あるのは……コマが倒れた時と同じ態勢の影の跡だけだ」

 

俺は屈んでそれを確かめる。

やっぱり、アイツは生きている。

そして、これは……身代わりか何かの様なものか?

血を流したという事は人間だという事になるが。

俺はそう考えていると、とある事に気付く。

 

「ノワール……」

「何よ?」

「昼だってのに、人がまったくいないんだが、ここは人通りが少ないのか?」

「何言ってるの?ここは普通に……アレ?」

 

ノワールも俺の言葉で気付いたのか、辺りを見渡す。

すると、ルプスはピクッと反応して、警戒するかの様に歯を剥き出しにする。

 

「来るぞ!相棒、黒の女神!」

 

そう言った瞬間、ルプス目掛けて何かが突っ込んでくる。

ルプスはその突っ込んできたものを掴むと、投げ飛ばしてから、星の光となって俺の中へと戻る。

戦闘態勢ね、わかりましたよ。

投げ飛ばされた相手を見ると、そこには……長い髪を持つ不気味な女性がいた。

貞子みたいだ……。

 

「フフフ……やっぱり、来たわね。導き者に黒の女神」

「コマ……やっぱり生きていたか」

「えぇ、わざと違和感を残したけど、予想通り来てくれたわね」

 

コマはニヤニヤと笑いながら、俺たちを見てくる。

アレが奴の本当の姿と言うわけか。

長く、綺麗な髪で顔が隠れており、肌は青白い。

髪以外はまるで死人の様だ。

 

「なぁ、一つ聞きたい」

「何?」

「お前の能力……それは『髪だけになる事ができる』だろう?」

「……そうよ。私の本体は髪だもの。この体も髪から構築されているの」

「そして、もう一つ。『鬘の様に被らせる事で、体を乗っ取る』事ができるんだろ?」

「正解よ。星の導き者」

「え?それって……つまり、浩平が倒したのって!?」

「ご明察よ!導き者、貴方が倒したのはそこら辺にいた『一般人の女性』よ!」

 

コマはニヤッと笑いながら、俺を見てくる。

やっぱり、俺が殺したのは人間だったか。

 

「貴方達は私を倒したつもりだったんだろうけど、実際に殺したのは人間よ。私はその時、髪となって憑りついていたから、見ていて愉快だったわ。それらしく見せて、人間を殺させて、その後気付かせる。そして、ここに来た時に真実を告げるのよ」

「どうして、そんな事を!?」

「決まってるじゃない。黒星座は倒すべき対象だとか割り切ってるけど、人間を殺してしまったという罪の意識を背負わせるためよ!」

「……」

 

コマは愉快そうに笑いながら、俺を見てくる。

 

「今までの星の導き者たちを見てきてわかったわ。私が人を盾に使うと奴らの攻撃はどれも止まった。そして、傷つけた時はどいつも困惑していたわ。初代以外はね。貴方の先代もそう。私が盾にした人間の右腕を切り落としてしまったのに罪悪感を感じ、しばらく戦えない状態に追い込めたもの」

「貴方……まさか、浩平の人を殺してしまったという罪悪感を利用して、戦意喪失を!?」

「そうよ。星の導き者は色々いたけど、どれも『心優しい』存在ばかりだった。『人を殺した』と言う罪悪感を与えれば、この代の戦意は完全に喪失する!そこでトドメを刺せば、私は勝てる!」

 

コマは高笑いすると、俺を見てくる。

そして、ニヤッと笑うと、髪が触手の様にうねうねと動き出す。

 

「さぁ、絶望したでしょ?貴方の手で人を殺してしまった事を。苦しいでしょ?罪悪感に捕らわれるのは。今、楽にしてあげるわ。私が神の裁きをしてあげる」

「させないわ!」

 

ノワールは剣を取り出すと走り出し、コマへと斬りかかる。

だが、コマは髪の数本をノワールの剣に絡みつかせ、そのまま投げ飛ばす。

 

「きゃあ!?」

「黒の女神は後でいいのよ。今は戦意喪失した導き者を殺す!」

 

そう言って、コマは俺の目の前まで来る。

そして、髪を全て束ねると巨大な突起の様なものへと変える。

 

「ヘアーランスよ。さぁ、これで貴方を殺してあげるわ」

「……」

「罪悪感から解放させてあげる。じゃあね、みちびk「ふん!」あがっ!?」

 

そう言って、髪の槍を振り下ろす前に俺は拳をコマの顔に叩き込み、殴り飛ばす。

コマは目を白黒させながら吹き飛び、髪を地面に突き刺す事で吹き飛ぶ事を止めて、着地する。

 

「貴方……どうして?」

「人を殺しちまった……か」

「そうよ。なのに、どうして!?戦意が消えてないの!?罪悪感を感じてるでしょ!?」

「あぁ、罪の意識はある。だがな、俺はもう……数えきれないくらいの罪を背負った。人を殺し過ぎた……」

「なっ……!?」

「だから、俺は……今更、自分の手が汚れても怖くなんかねぇ。罪を背負って、俺は生きていく。俺はお前が思ってるよりもずっと前から、血で汚れてんだよ」

「い、今までの導き者にはいないタイプ……!?」

 

俺は自分の手が一瞬、血で汚れている幻覚を見てしまう。

瞬きしてから、もう一度見ると、そこには血などなかった。

俺はギュッと握りしめると、コマを睨みつける。

そして、ヴィルゴを呼び出すと、構える。

 

「だから、んな策で俺を止められると思うなよ?コマ!」

「なら……力でひれ伏せてあげる!」

 

コマは髪を伸ばしてきて、触手の様に動かしながら鋭い突きを放ってくる。

俺はヴィルゴを振るって、髪を斬る。

だが、空間ごと斬っても、斬られた髪は新たに伸びて襲い掛かってくる。

チッ、やっぱり三等兵クラスと言う事だな。

俺は一旦後ろに下がって、ノワールの元に行くとサジタリウスへと変えて、星の矢を装填して構える。

 

「『流星』!」

 

星の矢を放つと、それは流星の様に放たれ、光の速度でコマに襲い掛かる。

コマはそれを止めようとして、髪でバリアを張るが、流星の矢は貫き、コマに襲い掛かる。

だが、再生能力が高いのか、すぐに新たな髪を絡みつかせる事で止められ、消滅させられる。

再生能力を操作してやるか。

俺は手を前に出し、コマの髪を見た瞬間だった。

 

「生命操作はさせないわ!」

「いだっ!?」

 

いきなり髪が上に引っ張られ、痛みを感じて集中力が切れてしまう。

どういうわけか、髪が勝手に動いているのだ。

 

「浩平、髪の毛が重力に逆らってる様に立ってるわよ!?」

「イダダダダダダダダダダ!?禿げる!?禿げるゥゥゥゥゥ!?」

「アハハ、私の髪の一部を忍ばせておいたのよ。それが貴方の髪を操ってるわ」

 

マジで禿げるゥゥゥゥゥ!?

俺の髪はコマの髪の一部により、操られている様だ。

 

『えぇい!何を手間取っている!我の力を使え!捕食すれば、生えてこん!』

 

最初っから言ってくれない!?

俺はサジタリウスを消して、ルプスの力を引き出そうとした時だ。

 

「人殺しの導き者が人を導けるの!笑えるわね。貴方も私達黒星座と変わりないわ」

 

コマがいきなり言い出した事に俺はピクッと反応する。

 

「貴方は歴代導き者の中でも汚点の様な存在ね。人を殺して生きてきたんだもの」

「……まぁ、裏世界に関わってたからな」

「罪を背負って生きていると言ったけど、それをどこまで耐えられるの?貴方にも限界があるハズよ」

「貴方、まだ浩平を!」

 

ノワールはコマを睨みつけるが、コマはそれを無視する。

 

「だったら、今までの罪を償うつもりで、私に殺されたら?星座の神である私に」

「いや、遠慮するわ。俺は今までの罪を背負って生きるって決めたんだ。友達の死も、殺してしまった奴らの死も。罪を背負って生きるって。だから、どれだけテメェが言おうと俺は戦う!だから、俺は戦う!この命がある限り!」

 

そう言った瞬間、俺の頭に声が響く。

 

『罪を背負って生きるっすか。だけど、背負いすぎるのもよくないっすよ』

 

頭に声……?

この感覚、まさか!?

 

『だけど、いいっすね。断ち切らないで背負い、前を向く。どんな人間でも、罪から逃げたがるもんっすよ。まぁ、俺の力で……因果くらいは断ち切ろうっすよ。さぁ、俺を呼んでくださいっす!』

 

それを聞くと、俺はニヤッと笑う。

それと同時に俺から金色の光が溢れ出し、それを感じ取ると手を前に出す。

 

「目覚めたの……!?十二星座に!?」

「あぁ、そのまさかだ。テメェの天敵とも言える星座がな!来い『蟹座(キャンサー)』!」

 

俺がそう叫んだ瞬間、金色の星の光は形を作っていく。

それは剣くらいの大きさがある鋏であり、柄と言うべきだろうか。

持ち手の部分は紅く、刀身は星の色を表すかの様に黄色い刀身。

俺はそれを構えると、コマは怯えた様な表情をする。

 

「か、蟹座……!?」

「さぁ、お前の髪を綺麗に散髪してやるよ」

 

俺はニヤッと笑い、走り出すのだった。




どうも、新たな星座です!
久々に書いたもんですから、難しかったです。
それではまた次回!
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