超次元ゲイムネプテューヌ~星の導き者~   作:風狼龍Ⅱ

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今回は蟹座の大活躍!
これで目覚めてない星座は残り四つ!
それではどうぞ!


切り裂く蟹

「キャンサー……蟹座?この土壇場で!?」

 

コマは焦りを覚えたのか、俺を睨みつけると、手をこちらに向けて星力の弾を連続で撃ち出してくる。

俺はそれを見ながらも、突っ込んで行く。

 

「浩平!?危ないわ!?」

「問題ねぇよ。分離!」

 

俺がそう言った瞬間、キャンサーの鋏はガキャン!と言う何かが外れる音が響き渡る。

俺は左右の持ち手を持ち、左右にずらした瞬間……キャンサーは鋏から双刀へと変わったのだ。

 

「ぶ、分離した!?」

「切り裂く!」

 

俺は剣となったキャンサーを振るい、次々と星力の弾を斬っていく。

真っ二つに斬られた弾は爆発せず、そのまま消滅してしまう。

それを見たコマは舌打ちし、俺は二つを合わせて、元の鋏の形態へと戻す。

 

「もしかして、キャンサーの能力は二種類の武器っていう事なの?」

「いや、違う。鋏の形状だからな。ほら、鋏の中央の止めてる部分あるだろ?あそこ取ったら、剣みたいな感じになるじゃん」

「じゃあ、それは武器に備わってた機能ね……。じゃあ、能力は?」

「さっき見せたじゃねぇか。星力の弾が斬った後、爆発しなかっただろ?それは能力を使ったからさ」

 

俺はニヤッと笑うと、コマを見る。

まぁ、なんてたってキャンサーの能力はコマにとっては天敵だもんな。

 

「キャンサーの能力は『全てを切り裂く』能力!どんなものだろうと、コイツの前では無意味だぜ!」

「見た感じまんまね……って、それと爆発しなかったのがどう関係してるのよ?」

 

ノワールの言う通り、能力で切り裂いたとしても爆発するだろう。

だが、さっきも言った通り、全てを切り裂く力だ。

俺はキャンサーを肩に担いだ状態で、ノワールを見る。

 

「そのまんまさ。『全てを切り裂く』力だぞ?つまり……『力そのものを切り裂いた』んだよ。そして、念のために『爆発する概念』も切り裂いてやった」

「なるほど……力そのものや概念を……え?」

「ん?」

「え?いや、え?」

「んだよ?そんなに目を白黒させて」

「させるわよ!?概念を切り裂いたってどういう事!?まだ、力なら納得いくわ!だけど、概念そのものを切り裂くって、ありえないわよ!?」

 

あぁ、そこまで大声で言わなくても。

まぁ、概念を切り裂くっつう事は『理』自体を切り裂いている事になるからな。

コイツ等、理やら、森羅万象やら生み出した星そのものだし、可能だろう。

 

「コイツ等は星座だ。それくらいできてもおかしくねぇよ」

「いや、それを普通に扱う浩平もありえないわよ……」

「まるで俺が人じゃないみたいな言い方だな」

「あら?違うの?」

「テメェ……!」

 

コイツ、バカにしてるだろう!?

そうこうしている間に後ろから殺気を感じ、俺は振り返る。

コマが髪をうねうねと動かし、剣や槍の形状などに変えていたのだ。

そんな髪がうねうね動いているのだから、ちょっとホラーっぽいな、オイ。

 

「私を無視するな……!」

「まぁ、落ち着けよ。綺麗にカットしてやるからよ。あ、もちろんスキンヘッドへとな」

「できるものならやってみなさい!」

 

コマはそう言って、髪の剣や槍で攻撃をしてくる。

俺はキャンサーを両手で持つと、走り出す。

そして、鋏と同じ要領で開き、振り下ろされてきた髪の剣を切り裂く。

切り落とされた髪は黒い星の光となって消滅し、斬られた部分からも黒い星の光が溢れ出してきている。

 

「ああああ!?私の髪が!?髪がァァァァァ!?」

「生えてくる事はない。キャンサーによって切り裂かれたんだからな」

「まだ……。まだよォォォォォォ!」

 

コマは槍の髪で突きを放ってくる。

俺はそれをキャンサーで受け止めて、鍔迫り合いの状態になる。

 

「蟹座の力に目覚めたくらいで!そんな裏切者の力くらいに!負けるハズがない!たかが人間なんかに!」

「だから、毎回毎回言わせんな……。人間、ナメてんじゃねぇぞ!」

 

俺はキャンサーを持つ手に力を入れて、槍の髪を上へと弾き、鋏を開いて、それで槍の髪を切る。

さっきと同じ様に切り落とされた髪は消え、傷口からは黒い星の光が溢れ出す。

それにコマは苦虫を噛み潰したかの様な表情を浮かべ、俺を睨みつけてくる。

 

「私の……。私の自慢の髪を!よくもォォォォォォ!」

「オイオイ、テメェでやっといて、そりゃねぇだろ?」

 

俺は苦笑いを浮かべながら言うと、鋏を分離させ、双剣の状態にして走り出す。

 

「串刺しにしてやるわ!導き者ァァァァ!」

 

そう言って、髪を触手の様に動かし、鋭い突きで放ってくる。

髪の攻撃速度まで光速なのは驚きだが……見えないわけじゃない!

 

「コマァァァァァ!」

 

俺は次々と双剣となったキャンサーを振るい、髪を切り裂きながらコマに近づいていく。

コマは俺が近づいていく度に猛攻が激しくなる。

 

「く、来るなァァァァァ!私の髪を切り裂くなァァァァ!」

「なら、攻撃しなきゃいいだろうが!」

 

俺は切り裂きながらも、コマに近づく。

コマは手をこちらに向けると、星力の弾をマシンガンの様に連射しながら放ってくる。

光速でそんな攻撃をされたら、ひとたまりもないだろう。

だが、俺には見えている!

俺は次々と飛んでくる星力の弾の間を縫って移動し、コマへと迫る。

 

「ちょこまかと!」

「覚悟しろ、コマ!」

 

俺は間合いをつめると、コマ目掛けてキャンサーを振り下ろす。

コマはそれを髪の剣で受け止めようとするが、髪の剣を切り裂き、そのままコマを斬る。

 

「そ、そんな……!?」

「言ったハズだぜ、全てを切り裂くって。まぁ、所謂防御不可って奴だ。レオくらいだろうな、防げるのは」

「ありえない……。星の歯車の一つにしか過ぎない人間にやられるなんて。ちっぽけな部品なんかにやられるなんて!」

「人間、甘くみるなよ?」

 

そう言って、キャンサーを鋏の形態へと戻し、俺はコマの体を挟み、押していく。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

「私が……星であり、神である私が!人間なんかに!」

「コイツで終ェだァァァァァァァ!」

 

俺はキャンサーの鋏を閉じる。

それにより、コマは上半身と下半身と分かれ、真っ二つになる。

そのまま、生命力も切り裂いた!

 

「そんな……私が……消える?そんな……!?」

「ついでに今まで奪ってきた髪を返してもらったぜ」

「私の……私が集めた綺麗な髪が……!?私の髪がァァァァァ!?」

 

そう言って、コマは黒い星の光となって消滅した。

それと同時に金色の光が大量に現れ、それが色んな方向へと飛び散っていく。

これで奪われた髪は戻っていくだろうな。

俺はそれを確認すると、キャンサーを消す。

 

「今度こそ勝てたのね」

「ん?あぁ、だな。ルプス、どうだ?」

『奴の消滅は確認した。倒したと見て、間違いないだろう』

 

ルプスはそういうと、少し軽い欠伸をする。

 

「消滅確認ってな……」

「なら、今度こそコマの事件は解決ね」

 

ノワールは俺の言葉にホッと安堵の息を吐く。

まさか、倒したと思っていたコマが生きていたんだから、そりゃ驚くだろうな。

それと同時にNギアが鳴っているのに反応し、取り出して見てみる。

誰からか確かめてみると、ネプギアからの通信の様だ。

俺は出るボタンを押す。

 

「よぉ、ネプギア」

『あ、浩平君!朗報だよ!』

「あぁ、大体わかる。髪を失った人たちの髪が戻ってきたんだろ?」

『え?うん、そうだけど……。やっぱり知ってるのって、浩平君がコマを倒したから?』

「それ以外何があんだよ。ついでに言うと新しい星座に目覚めたぜ」

『ホントに!?次はどんな星座が目覚めたの?』

「蟹座だな」

『蟹座……。なんだか、あまり強そうなイメージはないね』

「まぁ、蟹って聞けばな」

 

蟹って言われたら、そういう想像しちゃうよな。

よく食べている様な蟹を。

 

『あ、ネプギア。もしかして、こう君と連絡してるの?変わって変わって!』

『え?お姉ちゃん!?』

「変わらなくていいぞ、ネプギア。喧しい事この上ない事になるからな」

『あ!?』

『ヤッホー、こう君!元気にやってる?ノワールとは仲良くs』

 

そこまで聞いた瞬間、俺は電話を切った。

よし、これでいいだろう。

そう考えると、再びNギアが鳴り、出る。

 

『こう君!?いきなり切るなんて酷いよ!?私とも会話しt』

 

そこまで聞いてまた切る。

そして、電源も落としておく。

よし、これでネプテューヌから電話がかかってくる事はないな。

 

「浩平も苦労してるのね……」

「別に、今更だし……」

 

ネプテューヌに苦労してんのは毎度の事だしな。

俺は歩き出すと、ノワールもその後についてくる。

これで七つの星座に目覚めた。

新たな星座、『蟹座』……『切り裂く蟹』。

後残るは五つの星座。

『魚座』、『蠍座』、『牡牛座』、『天秤座』の四つのみ。

後、もう少しで全ての十二星座に目覚める事ができる。

もし、全ての十二星座に目覚めれば、どうなるのだろうか。

そして、スターゲイザーとしての力も目覚めるという事だろうか。

俺は手をグッと握って、拳を作る。

 

「あ……」

「ん?」

 

ノワールの声に反応して、俺はノワールを見てみる。

ノワールは俺を見て、何かに驚いていたのか、そんな顔をしている。

だが、すぐに目を擦ってから確かめる様に俺を見てくる。

 

「気のせい……?」

「あ?どうしたんだよ?」

「え?あ、なんでもないわ……(今、星の力が浩平の体に纏わる様についていた。まるで羽衣の様に)」

 

何だってんだ。

まぁ、事件は解決したし、さっさと帰りますか。

 

「んじゃ、プラネテューヌに帰るとするわ」

「え?ちょ、ちょっとくらいゆっくりしていきなさいよ!お茶くらい出すわよ」

「ん?いやぁ、もう疲れたっつうか、兄貴にも新しい星座の事、報告したいしな」

「そ、そう……」

 

俺の言葉にノワールは少し落ち込んだ様になる。

俺はそれを見ると、ため息を吐く。

 

「いいよ、ちっとくらい」

「ほ、ホント!?」

「あぁ、当たり前だろうが。友達からの誘いを断るわけにはいかねぇからな」

「そうそう、友達は大切だよね~」

「ま、まぁ、そうよね!友達の誘いを断るなんてありえないわよね!」

「いや、無理な時は断るから」

「そうそう、いくらなんでも全てに付き合えるわけじゃないからね。ねぇ、浩平」

「そうそう、秀司の言う通り……え゛?」

 

俺は頷きながら言っていたが、とある事に気付く。

俺とノワールは確かめる様に声がした方を見てみると、そこには見覚えのあるモノクロ青年……如月秀司がいたのだ。

相変わらずニコニコとしており、何を考えているのか読めない飄々とした雰囲気を醸し出しながら。

 

「てめっ!?今更、何しに来た!?」

「なんだよ~。俺は神出鬼没なんだよ?いつ現れようと俺の勝手なのさ!」

「相変わらず、よくわからないわね。貴方」

「褒め言葉として受け取っておくぜ!」

「褒めてねぇよ!」

 

コイツ、相変わらず人をイライラさせる奴だな!

秀司はニコニコと相変わらず笑ったままだ。

 

「と言うわけでノワールちゃん!俺もお茶会に参加していいかな!」

「え?べ、別にいいけど」

「アレ?もしかしてダメだった?あぁ、なるほど!浩平と二人っきりの方がよk「誰がよ!」おっと!」

 

秀司がそこまで言った瞬間、ノワールが蹴りを放つが、秀司は後ろに飛んでかわす。

相変わらず、余裕でかわす男だな。

秀司は俺を見ると、「なるほど」だけ呟いて、何度か頷く。

 

「まぁ、八つ目の星座覚醒おめでとう。残りの四つも目覚めるといいね」

「お前、なんでそこまで知って」

「俺は神出鬼没の混沌者さ。知らない事は……まぁ、あんまりないかな。ルーフスほど物知りじゃないからね」

 

ルーフスの事まで知っているのかよ。

ホントに秀司は一体、何者なんだよ……。

 

「さぁ、お茶をするんだろう?早く戻ろうよ。またしばらくは浩平と行動するからさ。よろしくね」

「ハァ……その内、またどっかに消えるんだろ?」

「さぁね……それは俺の気分次第かな」

「神出鬼没と言うよりも、放浪者ね」

 

確かにノワールの言う事にも一理あるかもな。

コイツ、知らない間に消えて、知らない間に現れるからな。

秀司は「そうかもしれないね」とだけ呟いて、歩き出す。

相変わらず、ニコニコとした顔を崩さない奴だな。

そう思いながら、俺とノワールも歩き出すのだった。

 

「おめでとう。スターゲイザーとしての第二覚醒ももうすぐだよ」

 

秀司がそんな呟きをしているのにも気付く事なく、歩くのだった。




どうも、風狼龍です!
今回で髪の毛座は解決です!
と言っても、敵としての星座はまだまだいっぱいいるんですよね~。
それではまた次回!
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