ギャグを書かせろォォォォォ!
何故叫んだかは謎です……。
それではどうぞ!
ルウィー教会。
その一室で大量の機械で心音や呼吸などを計っている。
それを心配そうに見ているロムとラム。
顔を俯かせているブランがいる。
「浩平……」
「浩平お兄ちゃん、ボロボロ……」
「私のせいだわ……。私があんな奴に捕まったから。私が捕まらなければ。私を庇わなければ」
「お姉ちゃん……」
ブランの後悔をしている顔を見て、ロムとラムは悲しそうな顔をする。
医者に見せたところ、医者は驚いた顔をしていた。
『生きているのが奇跡だと言っていい。普通なら死んでいてもおかしくない』
そう言われたのだ。
奇跡なのか?とブランは考えたが、それを否定した。
最初、浩平が現れた時もだが、やたら打たれ強い体。
そして……今回見た人間にはありえない身体能力と運動能力。
洞察力、考察力、行動力……ありとあらゆるものが人間ではありえない動きを見せていた。
そして、そこから導き出せる答えは……生命力も人間のそれではないという事だ。
星の導き者とやらに目覚めたおかげで手に入れた力なのかと考えるが、それなら目覚める前に来たあの時の浩平の説明がつかない。
考えられる答えは一つ。
生まれつき、人間のスペックを遥かに凌駕していた。
それしか考えられない。
鬼を思わせる様な力、狼を思わせる様な速度、人間としての考察力と行動力、ゴキブリ並か、それ以上の生命力、固い甲羅に覆われたかの様に打たれ強い体。
それには驚くしかない。
だが、遺伝子的にも、生物的にも人間であるのは変わりない。
人間にはリミッターがかかっており、百パーセントの力を引き出せてないと言われている。
実際に火事場の馬鹿力などがそれだ。
本当に発揮すれば、片手で車をひっくりかえせるほどの力を見せる。
だが、それをも凌駕しているだろう浩平の力。
考え付く答えがもしかしたら、浩平は常人のリミッターが外れた状態で、リミッターがかかっている状態なのでは?という事である。
それはあくまで、憶測なのだからわからない。
「浩平お兄ちゃん……大丈夫かな」
「大丈夫よ!だって、浩平は空から落ちてきてもピンピンしてたんだから!」
「そうだよね……」
「浩平……」
ブランは浩平に近づくと、浩平を見る。
体中に包帯を巻いており、少しだけ乱れている呼吸をしている。
あばら骨も何本か折れていると医者は言っていたが、それと同時に言っていた。
『そこから……回復まで始まっているんです。軽い骨折でも、一ヶ月はかかるのに、彼の場合は早くて一週間で治ってるでしょう』
その脅威の回復力にも驚いたものだ。
もう体が人間ではないと語っている様にも見えるが、浩平が人間なのには変わりがない。
「何で私を護ったの……」
『理由なんざ知らねぇよ。俺が聞きてぇぐれぇだ』
「理由もわからないのに、どうして……」
『誰かを護るのに理由なんているのかよ?』
「たった……数時間しか関わっていない。知り合い程度の私をどうして……」
『時間なんて関係あるのかよ』
『大切な人たちに手を出したな……』
「貴方は……なんでそんな単純な理由だけで動けるの……!」
浩平の言葉を思い出しながら、そういう。
本当の意味……浩平は本当に単純な理由だった。
周りからすればバカかもしれない。
だが、そんなバカな行動だからこそ、不思議と聞きたくなる。
理由なんてなくても動ける浩平が凄い……。
何か理由がないと動けない者たちとは違う。
それほど己の信念を貫いている。
それほど……自分の『ルール』を大事にし、『魂』を輝かせている。
己の命を顧みず、敵に挑む姿はまさに……文献でしか読んだ事のない『侍』そのものだった。
彼の剣術は独特ではあるが、侍の様な戦い方を思わせる瞬間もあった。
浩平の志もどこか侍そのものだった。
「浩平……戻ってきて。死ぬなんて許さないわ……」
ブランは涙を流す。
何故、自分も数時間しか関わっていない人をここまで心配するのだろうか。
不思議だった……だが、今でも一番あの言葉が残っている。
『俺の大切な人たち』
そういった事が一番残っている。
数時間しか会ってない自分をそうまで言ってくれた浩平。
浩平は不思議と人を引き寄せる。
そういう体質なのかもしれない。
彼がそう思っているのに、自分はどうだろうか?
知り合い程度にしか見ていなかったが……あの時に考えが変わった。
ロムやラムと同じ様に大切な人の一人になった。
友達だと思えた。
そんな浩平が眠ったままなのだから、心配なのだ。
そんなブランの涙が浩平の顔に落ちる。
「ん……?」
「浩平……!?」
浩平の瞼がピクリと反応し、目をゆっくりとあけると、薄目でありながらも、ブランを見てくる。
「よぉ……おはようさん」
「浩平……!」
何とも気の抜けた第一声だが、ブランはそれを見て、笑みを浮かべる。
浩平はそれを見ると笑みを浮かべると同時にロムとラムが突撃する。
「わ~い!浩平が起きたァ!」
「浩平お兄ちゃん……生きてた……!」
「オイオイ、勝手に殺すなっての。簡単に死んでたまるかよ。あの世の閻魔様ぶちのめして帰ってきてやったぜ」
「浩平ならやりかねないわね……」
「だろ?」
浩平はニヤッと笑うと、ブランはそれにため息を吐きながらも笑みを浮かべるのだった。
☆
次の日。
いやぁ、昨日は酷い目に遭いましたな。
ホントに生死の狭間を歩いていたよ。
アレだからね、綺麗な花畑と川の先に爺ちゃんが手ェ振ってたからね。
危なかったよ、アレ絶対三途の川だよ。
俺、危うく死ぬところだったよ。
「普通なら死んでるわ……」
「どぅわ!?ブラン!?」
「おはよう……」
「お、おはようさん……」
驚いた。
いきなり後ろから声が聞こえるもんだから驚いちまったじゃねぇか。
俺は頭をボリボリと掻くと、ブランは俺をジィーと見てくる。
「何見てんだよ……。ハッ!?まさか、私の体が目的なの!?嫌ぁ!」
「あ?」
「いえ、何でもないです。悪乗りしてすいません」
ちょっとおふざけで自分の体を隠す様に手をやっただけじゃねぇか。
そんな怖い目をなさらないで。
一瞬ハンマーが見えたのも気のせいだと思おう。
いや、きっと気のせいだ……そうに違いない!
俺は冷や汗を浮かべ、顔を引きつりながらも言う。
さてと、ホントに殺されるかと思ったぞ。
「それにしても、動き回っても大丈夫なの……?包帯も手足のはとってるみたいだし」
「ん?まぁな。あばらの骨は何本か逝ってたが、他は回復した。昔から傷治るの速いからさ」
「そう……(やっぱり人間のスペックを超えている。浩平……あなたは一体)」
俺はブランと一緒に歩きだし、会話をしながら歩く。
「それにしても、前ので目覚めた星座は二つでいいのかしら……?」
「『乙女座』と『獅子座』だな。まぁ、そうだが……」
「後、目覚める星座の予想はついているの?」
「俺のここでの予想だが……恐らく『黄道十二星座』だと思う」
「『黄道十二星座』……?」
「あぁ、その名の通り、十二の星座がある。『乙女座』『獅子座』『牡牛座』『牡羊座』『山羊座』『双子座』『水瓶座』『魚座』『天秤座』『射手座』『蠍座』『蟹座』の十二だな。それがあると考えていいが、そう考えると相手は『七十六』もいる事になるかもしれねぇな」
「な、七十六も……!?」
「星座は全てで『八十八』ある。その内、十二星座が味方してくれているのなら、相手の残りは『七十六』となるわけだ。結構な人数いるな……気が遠くなりそうだ」
まぁ、なる様になるだろ。
あ、でも小犬座は倒したわけだから『七十五』か。
うわっ、それでもかなりの数じゃねぇか。
俺は頭を押さえながらため息を吐くが、やるしかねぇかと思う。
それに女神様達がついてくれているんだ、心強いしな。
と言っても、交流があるのはプラネテューヌとルウィーだけ。
他の女神はあの式典でほんの少し話した程度。
ブランは出会うきっかけができたが、他にそういうのはない。
ネプテューヌがその内連れて行ってくれるのを待つしかなさそうだな。
「浩平はこれからどうするの?」
「もう少ししてから帰るさ。もう少しルウィーの事を知ってからな」
「そう……」
「何か用でもあんのか?」
「……少しお茶でもどうかしら?」
「? いいぜ」
ブランは少し恥ずかしそうにしながらもそういったのに、俺は頷く。
お茶に誘う事がそんなに恥ずかしい事だろうか。
俺はブランの部屋に来ると、椅子に向かい合う様に座り、メイドがお茶と茶菓子のクッキーを持ってくる。
それを置くと、部屋から出ていく。
「「……」」
沈黙。
何これ……なんで黙ってんの?
ブランから誘ったんだろう?
お前から切り出すのが普通だろう?
え?まさか、俺に切り出せって言ってるの?
何を話せばいいの?
ブランって、どんな話するの?
俺にはさっぱりわからんないんですが。
え、どうしてほしいの?
「……」
なんか言ってくれよォォォォォォ!
頼むからなんか言ってくれよォォォォォ!
何この空間!
凄い居にくい!
ブランも俺をチラチラと見ながら、何してるの?
ねぇ、何を考えてるの?
教えて、教えてください!
もう誰でもいいから、この現状を打破してェェェ!
「……浩平」
「ん?」
や、やっと口を開いた!
この現状がどれだけ辛かったか、お前等想像つかないだろう!
いや、俺だけなのか?
ずっと無言の空間にお茶を飲む音とクッキーを食べる音だけだぜ?
なんだか、虚しい気がするわ。
すると、ブランが手を伸ばしてくる。
その手は何かを握っている様で、俺を見てくる。
「何?」
「手を出して」
「ハイハイ……まさか、虫とかないよな!?」
「ないわよ……」
「まさか、鋭利なものとか!?」
「私が手を切ってるわよ……」
「まさか、そのまま拳で俺の手を」
「いいから出せ!」
「ハイ、すいませんでした!」
俺はすぐに手を出す。
すると、ブランは何かを渡してくる。
それは赤黒く光るクリスタルだった。
「なんだこれ……?」
「ダンジョンで偶然見つけたものよ……。私にはいらないから、昨日助けてくれたお礼よ……」
「……そうかい。そんじゃ、ありがたくもらっておくとしよう」
俺はそのクリスタルを首飾りとしてつける。
ふむ、悪くねぇな。
「ありがとよ、ブラン」
「……別にお礼なんだから気にしなくていいわ」
そういいながらも、恥ずかしそうにしてますが。
意外と可愛いとこあるのね。
「ルウィーも悪くねぇかもな」
「? どうしたのよ、急に……」
「いや、ずっとネプテューヌ達の世話になるのもなって思ってさ。その内、どこかで住もうかと思ってさ」
「そう……。ルウィーは悪くないでしょ?」
ブランが少しというべきか……とりあえず、チラチラと期待の籠った目で見てきている。
まぁ、確かに悪くはない。
「悪くはないよな。雪も降ってて綺麗だし、毎日が楽しそうだし」
「それなら」
「けど、ずっと寒いのもな~。俺、嫌なんだよな~。でも、悪くねぇしな~」
「そう……」
「まぁ、ゆっくり考えるさ。さてと、またルウィーの探検でも行くか」
「なら、私も行くわ……」
「マジで?」
「えぇ、街を案内してあげるわ……」
「おぉ、おすすめの場所とか教えてくれよ」
「私のおすすめでいいなら」
「それで構わねぇよ」
俺はブランと話しながら、街へと出る。
それを見ているたったひとりの人物……それはあの時のモノクロの青年だ。
「あのまま死ぬんじゃないかと思っていたけど、心配は無用だった様だね。いやぁ、よかったよかった」
「見つけたぞ……貴様!」
「ん?あぁ……星座に改造された『星人(ほしびと)』か」
「貴様を殺せば、私はもっと上へといける!」
そういうとモノクロの青年に男は飛びかかる。
だが、青年はニコニコと笑ったまま、デコピンの構えをした手を飛び込んできた相手の額に当てるとピタッと止まる。
それに男は冷や汗を流す。
「や、やはり……『星の導き者』より貴様が危険だ……」
「まぁまぁ、雑魚にはこれで十分だ」
「これでも人間以上なんだぞ……。女神に届かなくても、戦う事くらいはできるくらいの」
「知らん」
そういった瞬間、デコピンにしては重く、鈍い音が響き渡り、男の頭は……消えていた。
そのまま黒い星の光となって消える。
そして、青年は浩平の方を見る。
「いつ頃……君とまた出会えるかな」
それだけつぶやくと、その場から去る様に歩き出すのだった。
どうも、風狼龍です。
浩平復活しました。
恋愛もあるから……書いていきたいな。
気付けばハーレムになってそうだな……。
それではまた次回!