ダイス神様のお導き(泣)   作:名無しのごんべい

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 テンプレ? テンプレなのか?





初接触と第三話

 

 幼稚園の時、友達にキャッチボールを誘われたことがある。

 

「おれ、しょうらいはやきゅうせんしゅになるぜ!」

 

「おう、頑張れよ」

 

『技能ロール』

 

『投擲ロール。ゆっくり投げているため30の補正』

 

『投擲(25+30→25)』

 

 なんてキャッチボールするたびに技能ロールしなきゃならんのだ……。いい加減慣れてきたこととはいえ、いつ失敗するかヒヤヒヤする。

 

「おまえはなにかないのか!」

 

「何も考えてないなぁ」

 

『投擲(25+30→14)』

 

 って言うかいつの間にか夕暮れ時か……そろそろ帰らないとな。

 

「次で最後にしようぜー」

 

「おう、こい! ぜんりょくでな!」

 

 そう言って野球選手を夢見る園田君は腰を落として捕手の構えをとる。

 そこまでされては俺も応えねばなるまい。

 

「おっしゃ! 行くぜ!」

 

『投擲ロール。全力投球のため補正無し』

 

 あ。

 

『投擲(25→72)』

 

『失敗。幸運ロールどうぞ』

 

『幸運(40→32)』

 

『成功』

 

 俺が投げたボールはあらぬ方向に飛んでいった。

 ふぅ、よかった。幸運ロールに失敗してたらどうなっていたか……どっかの窓に突っ込んでたかもな。

 

「どこなげてんだよー!」

 

「ごめん! 取ってくる!」

 

 そう言って俺はボールが飛んでいった方に走る。そこは公園の端のブランコ。一人の少女の前に二人の少年が陣取っており、ボールは少年たちの間を転がって少女の足にこつんと当たってから止まった。

 

「ごめん! 怪我してないか!?」

 

 そう言いながら駆けよると、少年たちがこちらを振り向く。

 ……ないわー。これ絶対転生者だわー。だって片方銀髪オッドアイの超絶イケメンでもう片方がこれまた整った顔立ちの赤髪イケメンさん。そして俯いて顔がわかりにくいがあの揺れるツインテールはなのはちゃんだろう。

 

 つまり、俺はテンプレに関わってしまったと言う事である。

 

「あ? なんだてめーは?」

 

 踏み台臭のする銀髪オッドアイが俺を睨む。赤髪も口には出さないけど何か言いたげだった。

 

「いや、ごめんな。キャッチボールしてたら投げそこなっちまって……」

 

「ふん。なんだモブか」

 

「おい、なんで君はそんな風に他人を見下すんだ。良くないなぁ、そういうのは」

 

「知るかよ! 俺が何しようが俺の勝手だ! 指図すんなよモブ!」

 

 おーおー、オリ主と踏み台が言い争いをはじめちまった。

 どうしようかと悩んでいる中でふと一言も話していない少女を見ると、目が合った。

 するとおそらくなのはちゃんと思われる少女は足元にあったボールを拾って汚れを払うと俺に差し出してくる。

 

「はい、どうぞ」

 

「ありがとう。当たったりしてないか?」

 

「ううん、ころがってきたし止まりかけだったから大丈夫なの」

 

 少女からボールを受け取るついでに世間話。これが二次創作でよくある漁夫の利である。

 

「あの二人は友達?」

 

 今だに言い争いを繰り広げる二人を見ながら聞く。すると少女は困惑気な表情になる。

 

「ううん、ちがう。1人であそんでたらいきなりきたの。そしたらそのままケンカしはじめちゃって……」

 

 なんとテンプレ。大方寂しくしているなのはちゃんと幼いころからフラグを立てようと思ってたんだろう。だが、俺がいる限りそうはいかん。ユーなの以外は認めない!

 

「なら、このまま帰っちまえばいいんじゃないか?」

 

「え? でも……」

 

 そんななのはちゃんの視線は再び二人の方へ。おそらく喧嘩している二人を放っておけないと言ったところだろうか? そうだとしたら優しい子である。

 

「あの二人なら俺が仲直りさせるよ。それに時間も遅くなっちゃうしお母さんとかが心配するんじゃないか?」

 

 そう、この時期のなのはちゃんを考えれば少し意地悪な言い方をする。

 確かこの時期のなのはちゃんは家のことで手いっぱいな家族に心配を掛けたくないと言う理由で必死にいい子になろうとしていたはずだ。そんなこの子にこういえば……。

 

「それはだめ! ……でも、ほんとうにいいの?」

 

「ああ。任せろ! こう見えて、俺は仲直りの達人だ!」

 

 ビシッとポーズを決めながら言う。気分は武装錬金! 転生特典核鉄でもよかった……だめだ、ファンブルが怖い。

 

「ふふっ、なにそれ!」

 

 そう、なのはちゃんは笑みをこぼす。そしてお礼を言いながら帰っていった。

 さて、あとこの2人だが……。

 

「おいモブ! なのははどうした!?」

 

 ん? 気付いたか。さて、どうしようかね。

 

『選択』

 

 は?

 

『説得。言いくるめ。キック』

 

 おい、最後待て。

 

『1D3でロール。1なら説得、2なら言いくるめ、3ならキック』

 

 まて! ダイスロールはそんなことの為にあるんじゃない! 待ってくれ! マジ待ってお願いせめて二択に……。

 

『(1D3→1)』

 

 セェェェェェェェフ! セェェェェェェェェェェェェェェェフ!!!

 

『説得ロール。初期値15』

 

 まだピンチは続くと言うのか!! 畜生!!

 

『説得(15→33)』

 

 ですよねー。知ってたよ。ごめんねなのはちゃん、仲直りの達人にはなれなかったよ。

 

「おい、何とか言ったらどうなんだよモブ!」

 

 胸倉掴まれた。勘弁してくれ……。

 

「あの子ならもう帰ったよ……」

 

「あんだと!? てめぇ!!」

 

「おいやめないか。君はそんな子供にまで手を出す気か?」

 

 あなた達も子供なんですがそれは……いや、頑張ってくれオリ主君! 君の行動に俺が無傷で帰れるかどうかがかかっている!

 

「うるせぇな、俺に指図すんなって言ってんのがわかんねぇのかモブ……」

 

 そんな銀髪オッドアイの両手にはあら不思議、いつの間にか夫婦剣が! 『無限の剣製』かよ。『王の財宝』じゃねえのかよ。

 

「それを持ち出すとは……よくないなぁ……」

 

 そんなオリ主君の手にはいつの間にか携帯電話。そして腰にはベルト。……なるほど、カイザになった奴は心まで草加っていくんだ! オリ主君のようにな!

 

『転我はいきなり目の前で幼稚園児が殺気をむき出しにして殺し合いを始める光景に恐怖を感じた。SANチェックどうぞ』

 

 だー! ふざけんなよおらー!

 

『SAN値(40→98)』

 

『失敗。SANチェックの為ファンブルは無し。1D6の喪失ロールどうぞ』

 

『(1D6→1)』

 

『(40-1=39)』

 

 これが振出しに戻るってやつですね、わかります。誰かこのダイス神様叩き壊してください。

 

「おーい! てんがー? ボールまだかー?」

 

「悪い、今行く!」

 

 おっと、園田君が呼んでいる。じゃあねお二人さん! 俺は逃げる!

 

『逃走判定。DEX×5でロールどうぞ』

 

 おい、バカやめろ。叩き壊してなんて言ったの謝るから!

 

『逃走(10×5→13)』

 

『成功』

 

 うおおおおおお!!  もうこんな生活嫌だぁぁぁぁぁ!!

 

 

 

 

 

 

 

 って言っても小学生に上がった今もダイス神は俺と共に有った。

 

 

 





 現在のSAN値 39
 他のステータス 変動なし。

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