とある複眼の式   作:中二ばっか

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魔法の実演

 とれあえず身体強化のリスク削減は保留となった。で今俺は昨日の神社前に来ている。神社の階段前には黄色いテープが張られており。仮の階段が作られている、近々工事しないと参拝者が来なくなるだろう。

 

 「あわー、すごい穴だらけだね」

 

 「転生者は尋常じゃない力持ってるからなー。お前みたいに」

 

 「僕は転生なんてしてないけどね」

 

 「あーそうだな、じゃぁチート貰えるとしたら何がいい?」

 

 リードは顔を上げ唸りながら

 

 「うーん、沢山の友達とかかな」

 

 「…カリスマが欲しいってことか?」

 

 ランクA以上だと呪いの域になるあれか?

 

 「いやいや、黒兎みたいに一緒に遊んだり話したりする友達が欲しいってこと、カリスマは人を束ねる能力でしょう?」

 

 「うーん俺が友達か、まぁ悪魔と友達て言うのも悪くはないんだが、それチートなのか?」

 

 「僕にとっては限りなくチートだよ。友達が1人でもいる。僕は何年か前までずっと1人だったから、これほど幸せなことはないよ」

 

 今の話でわかった人がいるかもしれないがリードは『狂った勇者』に逢う前の『悪魔』だ。ずっと孤独でいる辛さとは何なのだろ。俺も前世では数年間誰とも会わない状態があった。でも外に出ればお隣さんや店の店員、話しかければ返事くらいはしてくれるだろう人たちがいた。だがリードは、本当に自分以外誰もいない世界で孤独で、ずっと、何万年も過ごしてきた。それほどの地獄とはどのくらい辛い場所なのだろう。

 俺にとって孤独とは外に出れば解消される問題。だからリードの辛さがわからない。いや誰の気持ちもわからないのだ。察する事はできるが、個人の気持ちなんて、その人ですら言葉にできない感情がある。無意識で変わるものがある。

そんなのどうやってわかる? 確かに俺は『すべての式を見る眼』を持っている。それで感情を読もうとしても、複雑で、歪で、異常で、正常で、常々変わるもの、としかわからない。

 たくさんの情報で戸惑うのと同じ、それほどの情報を『ニンゲン』は持っている。これは神様も計算外だろう。自分が作ったものにすごい物が入ってる、何て。

 

 

 

 

 上って行き八束神社に着く。見まわすが人が居ない。

 

 いや、人はいないがキツネがこちらを見て駆け寄ってくる。そしてその名前を久遠と人から言われており、ただのキツネではない。

 

 「くぉん、クロとリード、…おひさしぶり」

 

 このように喋るのだから。

 

 「那美さんは? いつも一緒じゃなかった?」

 

 「…受験勉強」

 

 あー俺も前世で苦労した。親からはいい所入れとか、勉強しろとかさんざん言われた。まだ今は、小学生だからいいけどいつか言われるようになるのか?

 

 「…今日も魔法の練習?」

 

 「というよりも現状確認。なんかここで事故があったらしくてさ、心配になってきて見に来た。」

 

 白々しいと自分でも思う。昨日使い魔を通して戦闘の様子を見ていたので誰も傷ついていないことは確認済みだ。けど、心配だったのは本当だ。久遠はキツネでいる事が多いので、巻き込まれたのではないか? とか後になって思い出した。

 親しい知り合いが居なくなってたら嫌じゃない? 動物だけど

 

 『リリカルなのは』の元になった『とらいあんぐるハート』というゲームがあったらしい。前世で『リリカルなのは』夢中だったころ、ウィキで調べていたら出てきたので開いてみると高町さんのお兄さんが主人公のゲームらしい。そんなに詳しく見てなかったせいか記憶があいまいだが、疑問に思う事がある。

 

 

 

 転生者はどうしてここを見逃がしているのかと! だってここ有名なんだ。二次小説でも結構出てきたりするし、この久遠っていう子(孤?)は話題になっていいはずなのに!

 

 もしくは、原作以外に興味ないとか? A‘s終わったらどうする気なのよあんたら。

 

 

 

 森の中に入り観客は子(孤?)1人だけのサーカスが始まる。俺は火の輪をくぐったり、リードは電気の鳥を何羽も手から出してみたり、空を飛んでみたり。ものすごい霧を発生させた後はでかい馬の彫刻ができていたり。

 

 週に一回はやるこのサーカス、前まで2人がこの劇を見ていたのだがかれこれ一年近くやっている。というかここに遊び感覚で来ている。昔懐かしく子供が裏山で遊ぶように。しかし、やっているのは魔法の研究であったり実演である。

 

 久遠はいつものように眼を輝かせている。だが俺の魔法の考察に入ると途端に「…面白くない」的な眼になり目を他の所にやっていたりする。そんなに面白くないか? もしくは理解できないとか?

 

 原作のように魔法を使うより、こんな風に魔法を使う方が数倍楽しいと思わないか? 俺はそう思う。戦いだけに使われる魔法、手品のように人を楽しませる魔法、どちらも同じ魔法だが雲泥の違いがあると思うんだ。

 

 まぁ、今は『闇の書』の暴走で世界が崩壊する方法を模索しなきゃいけないんだけどね。久遠の時の方法でどうにかなるかもしれないが、あの方法めちゃくちゃ嫌なんだ。

 

 

 「クオン…次」

 

 どうやらうちのお姫様はもっと他の魔法を見たいらしい。

 

 「へいへい、トレース・オン」

 

 投影で出したのは花、しかし量が自分の周り直径5メートルは花だらけになるほどの量。ただし造花だが。

 

 その花畑を駆け回る久遠。和むねぇ。リードは座敷と団子を投影し、茶を入れている。俺も座敷の方に移動してリードが入れた茶を啜り始める。『投影』マジ便利、リードのもつ『虹の涙の瞳』を持っているからはっきし言って見たものはなんでも投影できる。スーパーに行って食品を観察し、魔力はそこに漂っている精霊を使えばいい。…精霊は『ニンゲン』のなれの果てだから、人を食っているという事になるのだろうか?

 

まぁ、お金がもったいないからな。 貧乏症? せっかくあるもの使わなくてどうするか! 

親から送られている金は? もっぱら魔法の研究と学費に充てられています!

 

 まぁ、味については問題ないと思う、フェリスのような美食家にはどうかわからないが。というか、大抵の食事は投影で出した食料なんだけどね。

 

 俺の使うのはあくまで一般の投影、劣化が激しく時間がたてば消えるというやつ。ほら、前に『特典』が劣化するって言ったそれのせい。

 

 俺の投影の持続時間なんて10分行けばいい方だ。その証拠にさっき出した花園が霧の様に消失していく。

 

 リードにとって衛宮士朗の『投影』なんて下中の下の魔術だろう。

 

 俺らの使う『投影』は違う。士朗=リードで表すと

 

 

 創造の理念を鑑定=『虹の涙の瞳』ですべてを理解

 基本骨子の想定=基本骨子を理解

 構成された材質を複製=構成された材質を複製

 製作に及ぶ技術の摸倣=製作に及んだ技術を再現

 成長にいたる経験に共感=成長に至った経緯を理解

       蓄積された年月を再現

ランクダウンもしない宝具の複製、『剣』以外の武器、槍、鎌、銃、果てにはゲームに出てくるような武器も作り上げてしまう。それどころか改良したり、新しい能力を入れてしまったり。

 俺の場合3番目の複製が難しい。まえ、ステンレスのナイフを投影したら、純鉄のナイフが出来上がった。

 

 花園が消えてしまったので久遠がこっちにきて、皿に口を突っ込み食べ始める。これは犬のえさ皿ではないのだが、まぁ、いいか。

 

 白谷 黒兎がいて、リードがいて、久遠が同じ場所に居る。

 最初の出会ったときのような雰囲気になる。俺に物語があるのならそこから第一章が始まりそうだ。

 

 でもそれを語るのは、他の時にする。いろいろ考えていて疲れているんだ。まぁ、単にめんどくさいというのもあるが。

 

 その時魔力の波動? みたいなものを感じる。あー嫌だ嫌だ。また、あれが暴走しているのか。確か次は、町が『緑の王』みたいに『植物異常大殖』(プラントバースト)がおこるんだっけ?

 まぁ、転生者諸君が頑張ってくれるだろうし、俺はのんびり茶でも飲みながら過ごすとしますかねぇ。

 

 

 

 

 

 お茶会から帰ってくると町の道路に亀裂やら断層やらあり、家は壊れかけている家もあればひびですんでいたりするところもあり、復興工事が大変そうだなとか他人事に思っていた。

 

 他人事ではなかった。俺の家も半壊していた。

 

 

 労災保険入ってたよな? 

 




久遠との出会いは、そのうち書きます・・・たぶん
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