少年は、ある日転生した。その時、神様と呼ばれる存在に『特典』を与えられた。そして前世の記憶を持って、力も持っていることから自分は特別なんだ、自分はオリ主で原作介入して物語をいい方向に進める事ができるんじゃないか? とか思っていた。『道具作成』のスキルで単なる包丁が伝説級の耐久と切れ味を持った武器になったりして、自分の力に酔っていた。
「くっそ! くっそ! あいつら特典が『王の財宝』とか『投影』とかありかよ! 俺なんて何にしようか悩んでたらいきなり『サーヴァントのクラススキル』のみってあんまりじゃねぇかよ!」
だがそれは所詮妄想でしかなかった。自分が物語をうまく進める? 高町なのはに近づこうとしただけで、転生者2人に校舎裏に呼び出され話を聞く間を与えず、圧倒的な力を見せつけられ膝がガクガク笑っていられるのに。そのことを嘲笑われているのに何もできず「次は近づいたら殺す」とか「君は脇役でしかないんだよ」とか言われて何も言い返せなかった。悔しかった。だから『狂化』してパワーを上げて襲いかかっても一蹴されただけで気絶しまって、理性を失う代償を得ても敵わなかった。
それだけ『特典』に差があった。
だから、力が欲しい力が欲しい。あいつらを圧倒的に倒す力が、誰にも負けない力が欲しい。といつも心の中で叫んでいた。『狂化』が解けても狂ったように心の中で叫び続ける。いや、『狂化』したからこそかもしれない。今までは狂化があってもON・OFFができる様な仕組みになっていると転生させた奴が言っていた。その通りに前狂化した時は制御出来たのだがあの転生者2人に負けてから心の感情が怒り一色に染められていた。
しかし、だからと言ってそう簡単にものすごい力が手に入るわけでもない。しかし少年はいつも、いつも、強く、強く、誰よりも力を望んでいた。
そんな時たまたまジュエルシードの近くを通ってしまい。少年の願いを叶えてしまう。力を与える、というところまでは叶ったがそこから願いが歪んで、『サーヴァントのクラススキル』の全てのスキルが際限なく上がってしまった。『サーヴァントのクラススキル』中には『狂化』があり、転生者への憎しみが膨れ上がる。
しかし、ジュエルシードの発動は探知できない。なぜなら『気配遮断』があるからだ。溢れ出ているその魔力を誰にも探知できない。
家にあった『道具作成』で作った包丁を持ち出し、まだ、転生者の住んでいる自宅へと押し込んでくる。ドアを蹴り飛ばし、ギルガメッシュ似の自宅に入ってきた。
「なんだ!?おま―――!」
ギルガメッシュ似の部屋に勢いよく入り、相手の言葉すら聞かず喉を前に『道具作成』で作った包丁で掻っ切る。
あれほど力の差があると思っていた奴があっさりと不意を突かれ死ぬ。あっけないほどに無抵抗で死んだ。ギルガメッシュ似の転生者は自分の力に酔いしれていたが、前に現れた転生者の対策を考えていたところをあまりにあっけなく、首を飛ばされた。
頭が跳びはね、どうあっても死んでいるにのに『狂化』した転生者は体を包丁で裂いたり、串刺しにしたりして還り血を浴びても気にせず、部屋が赤色になるまで裂き、叩きつけ、刺していた。
そして、攻撃して『気配遮断』が消えたのかジュエルシードの発生が感じ取れるようになり、赤アーチャー似の転生者が来た。
前にギルガメッシュ似・赤アーチャー似以外の転生者が居るのを思いだしていただけるだろうか?
原作開始に俺の様に覗き見していたのなら自分の戦闘能力があまりない事に気付き、この町から逃げ出しそうなのだが、なんかその転生者達が動き出したらしい。
目に六芒星を浮かべて見てみるがなんかすごく強化されているんですけど。
前まで、『サーヴァントのクラススキル』の『狂化』を除く全てがAランクだったのが、EXになっており,
その中には当然『狂化』のスキルもあるわけでして、理性と引き換えに能力すべてが異常なほど上がっていてパラメーターに表してみるとこんな感じ。
筋力EX
耐久EX
敏捷EX
魔力EX
幸運C
宝具C
クラススキル
対魔力EX
狂化EX
騎乗EX
単独行動EX
陣地作成EX(狂化のせいで発揮されていない)
道具作成EX(狂化のせいで発揮されていない)
気配遮断EX(攻撃をする前まで発動できる)
「……」
言葉が出ないとはこんな事だろう。基本パラメーターの4つがEX《規格外》ってどういう事だよ。いくらジュエルシードの魔力が凄いからって上がりすぎだろうが。
まぁ、狂化のせいで陣地作成とか道具作成が意味をなさなくなっているんだがな。しかし、こんなふざけた状態になっても気配遮断でジュエルシードの気配を消すとかどんだけなんだよ。おかげでギルガメッシュ似はのんびりしていたところをバッサリだよ。
以後この転生者をバーサーカーと名付ける。だってそれしか言えないもん。
「耀! 貴様が耀を殺し「がぁあああああああ!!」―――!」
相手に理性はないため、話しかけても待ってはくれずいきなり包丁で突進してきた。赤アーチャー似はすぐに『
吹き飛ばされた赤アーチャー似を追うようにしてバーサーカーも跳ぶ。跳んでくるバーサーカーに手にある干将・莫耶を投げるが、包丁で叩き壊される。
着地して左に転がるようにバーサーカーから遠ざかる。バーサーカーは突進することしか頭にないのか、様子見などせず突進してくる。
赤アーチャー似はそれに対し宝具を何個も投影して、発射する。しかし、飛んでくる剣をバーサーカーは最初に来た剣を掴み、包丁と剣を乱暴に振り回す。剣から起きた衝撃波が剣を吹き飛ばしながら進んでくる。それはもう生きた剣撃の台風としか言い表せない。
赤アーチャー似は『
しかし、熾天覆う七つの円環で時間を稼いで弓と『
そこで、高町なのはが
「え……。いやぁあああああああああああ!」
高町なのはの目には、頭が繋がっているはずの首から血が噴き出しつづける赤アーチャー似の体と心臓が貫かれて死にかけのバーサーカー。
そしてバーサーカーは頭が落ちても立ち続けている赤アーチャー似を殴り飛ばし、高町なのはに近づいていく。
高町なのはの頭の中は恐怖で一杯であった。そして、赤アーチャー似が落ちた音で、逃げなきゃいけない、逃げなきゃいけない、と頭の中ではわかっているのに体がすくんでしまい動けない。
バーサーカーが一歩一歩近づきながら何か言っているが聞き取れない。手には血が滴る包丁と、赤アーチャー似が投影した剣。胸には風穴があいて血がどくどくと零れているのがわかる。
しかし、近づいていく間に体の力がなくなって高町なのはの手前で倒れてしまう。その時、体からジュエルシードが出てきた。
体はガクガク震え高町は、恐怖の色が顔に出ている。
「…ユーノ君、これはジュエルシードが原因なんだよね。私が速く駆けつけていればこんな事ならなかったんだよね?」
「なのは…」
「私なんにも出来なかった! 私を助けてくれる人を助けられなかった!」
「なのは! 僕は発掘中に僕の友達が死んだんだ。」
「…え?」
突然ユーノが昔あった事を言い出した。たぶんなのはを落ち着かせるために言ったのであろう。
「その友達はすごく優しかった。でも事故で死んじゃって、僕も事故に合って死ぬんじゃないのかって思ってた。けどその人のやり残した仕事が僕の使命の様な気がしたんだ。だからその人の発掘現場で仕事をしようとしたんだ。当然みんな反対したけど、同伴付きで何とかその人が発掘しようとした物を発掘したんだ。
僕となのはじゃ状況が違うけど、今ジュエルシードを放置しとくとまたこんな事件が起きるかもしれない。だから、なのはには負担掛けて申し訳ないけど」
「わかってる。わかってるよ。ユーノ君、心配掛けてごめんね。」
そうして、バーサーカーから出たジュエルシードを封印しその場を離れた。帰る時の足は何かの枷が付いたように重かった。
「私決めた。もうこんな悲劇を繰り返さないって」
「なのは…」
その時俺は浮き足立っていた。だって、3つも特典が入ったんだぜ? 念願の遊び道具が無料で手に入って嬉しがらないやつはいないだろう?
え? 転生者達は気にしないのかって? なんで赤の他人の死を悲しまなきゃいけないの? 新聞で人が死んでいる欄を見て普通悲しむか? いや確かに血が跳んで内臓が見えたりとかして気持ち悪かったけど、そんだけ。転生者が死んだ事にはあまり関心がなかったな。
それよりもさっそく特典を解析していこうと思う。手に入れたのは『王の財宝』に『投影』。
『王の財宝』の中身を見て『投影』して複製。笑いが止まらんな。『サーヴァントのクラススキル』の中にある『道具作成』も使えばすごい事になりそうだ。『狂化』はON・OFFも出来る仕様とかかなりのお得。
だがその前に闇の書をどうにかする宝具を探さなきゃいけないんだけどね。
「さて、探すとしますか」
かなりやり過ぎな感があります。せめてAぐらいに収めておくべきでしたかね?