「そろそろ戦力の増加、できれば軍クラスの使い魔を呼び出す魔法の研究を始めたいと思う。」
家の居間でのいきなりの俺の発言、それを聞いているのはギャルゲーで真美子というキャラの攻略をしている『すべての式』リード。現在俺の使い魔であり相棒なんだが…
「ふーん」
ゲームコントローラー両手に画面見続けていて聞き流すってどう思う? せめて「なんで?」とか聞いてくれよ。聞いてくれなきゃ理由が言えないじゃないか。
「で、いくら強力な転生者でも物量で来られちゃ、精神的・体力的に疲れてきてやられる。兵法でも数は力なりとかあったからな」
「へー」
「一番いいのは俺が強くなる事だ。幸い王の財宝で武器は限りなくあるし、後は自身の技量とか極めていかなきゃいけないんだけど9歳児で血のにじむような修練とかしたくないし、今からしてもどのくらい強くなれるか不安だし、それにリードが『ニンゲン』を『ニンゲンa』に変えたように俺を強く書き換えればいいだけの様な気がするし、最悪強い奴を見て観察してその動きをまねればいいだけの様な気もするし―――」
「はぁー、…ふぇー…おっ、ここで選択肢。となるとここでセーブをしなきゃいけないなぁ。」
「おい、聞けよ。命令するぞ、こら。」
俺の話を聞けぇぇえええええ、みたいな。ここまでゲームに夢中になるとは思わなかった。
「だって魔法の話でしょ。面白くないよ」
「お前、全ての式を編み解く事ができるやつだろうが。興味ないっておかしくねぇか? 宝具とか興味ないのかよ」
「だって僕には一度見ただけでそれが改良できたり、複製したりできるし、見なくてもオリジナルの魔法とか宝具とか創れるし。そもそも持っている物に興味がなくなっていくのは人間も同じで、僕は何千年も魔法をいじっていたらそりゃ飽きるよ。
それよりまなタンの攻略が僕の中じゃ最優先だよ! この子ストーリがシリアスで選択肢1つでも間違えるとBAD END直行っていう気が抜けない状態なんだよ!」
「ネットで攻略法探して攻略しろよ!」
「自分で進行してこそのゲームじゃないか! これだから効率ボウは!」
「ゲームより自分の命どうにかしようとか考えないの!? 現実世界じゃ12月あたりにBAD ENDじゃなくてDEAD ENDなんだよ!」
「そんなの知らないよ! だいたい僕が居る時点で闇の書なんて『すべての式を解く』力で無に帰せばいいだけじゃないか!」
「そしたら俺が死ぬだろうが!」
「あ」
「あってなに! 『今気付きました』みたいな驚いた表情して!」
「いやでも、転生者居なくなったから闇の書は暴走しないんじゃないかな?」
「あれ?」
そうだ、この前のジュエルシードに因る転生者の暴走で高町なのは側の転生者は死んだはず、となるとそのほかの転生者が居る可能性があるのだが。
現在確認されているのはフェイト側の転生者、EREMENTRA GEREDの金髪の白コートの少年だけなのだが…。いや、管理局側に転生者が居る可能性がある。もしくは原作キャラが憑依しているとか。他にも学校に転生者があの2人のせいで近づけず、遠くから眺めていた者もいるんだが。
「いろいろ可能性があるから強くならなきゃいけないんだよ! 前転生者同士が争って共倒れとか嫌なんだよ! 俺も転生者という理由で殺しに来るやつとかいそうだ嫌なんだよ!」
「僕の全ての式の力で構成書き換えればいいだけの様な気がする。」
「……」
そうじゃね? 『ニンゲン』を『ニンゲンa』に変えたように久遠の『祟り』を俺の中で『力』に変えたように闇の書の祟りに似た性質を俺の中に入れずリードに変えてもらえば……
それに『転生者』は見た目は普通の人なので『特典』に細工して使えないようにしたりできるんじゃないか? 現に俺は転生者から『特典』奪ってるじゃないか。
「いや、お前あれやりながら他の事できたの?」
そう、わざわざ俺の中に入れたのは久遠が暴れまくるせいで祟りに手を付け加えられないから、リードはその時「祟りを取りだすと爆発するから祟りの行き先を決めなきゃいけない」と言っていたはず。リードが捕縛術を何重にも久遠に掛け、リードが俺の中に祟りを入れていき、俺が祟りを制御して暴れ出すのを防ぎつつ、リードが祟りに手を加え安定させる。
リードは3つの事を同時にやっている。これ以上の事は出来ないんじゃないかと思われるのだが。
「できるよ」
と当たり前の様に言う『
「だって、永久持続の防御なんて簡単に作れるし、言ったでしょ? 何千年も魔法いじっていたけど飽きたって」
「いや、それは極めたと言うと思うんだけど」
「そう?」
「というかなんで魔法を教えてくれなかったし」
「だって黒兎精霊の使い方とか、眼をあげたら『自分で研究する』とか言って没頭してたもの、で僕が手を加えるとなんか怒り出したし。」
そういえばそうだった。集中している所になんか話しかけられると嫌にならない? 前に研究に行き詰って「教えよっか?教えよっか?」とうざったく聞いてくるので、意地になって「自分で解くからあっち行け!」とか言った気がする。たぶんリードが凄過ぎて嫉妬に似た感情を持っていて居たんだと思う。
「ごめん。」
「いいよ、いいよ。僕も拗ねてゲームに没頭していたし。初めてのお友達だしね。そのくらい許す。」
「ん? でも、なんで俺の中に祟りを入れたんだ?」
「黒兎凄い魔法が使いたいって言ってたでしょ。僕の力を分けて入れるって聞いたら「お前が弱くなったら俺を守れないから駄目だ」みたいなこと言って、ちょうど久遠の祟りが封印してあったから、貰おうと思って『力』を組み込んだってだけ。人間のままじゃどうしても限界が来るし。」
「えー、俺の中に祟りを入れたのは…」
「うん、ニンゲンを超えるため、だから久遠の祟りを力に変えて入れさせてもらいました。」
前に、空間爆砕を何回も、何回も使った記憶がある。明らかに人間が起こせる回数じゃない。
いつの間にかリードに化物にされてました。まぁ転生者はみんなバケモノじみた能力持っているしね。気にするこたぁない。
「あれ? 俺なんにもすることなくない?」
だって、闇の書をリードが手を加えればどうにかできるらしいし、闇の書の力の行き先を俺にすれば俺は闇の書の力を手に入れられるんじゃ?
「うん、ないね」
「マジで?」
「マジ」
「久遠の時感情が気持ち悪かったんだけどあれはどうするの?」
「我慢して」
無理。あんなの受け続けていたら気が狂う。何というか感情の吹雪に何の装備もなく突っ込まれたような感じだった。あんなのを30秒以上耐えろとか無理です。
「無理、たすけてリードもん。」
「無念無想って言うのがあるんだけど、それすればいいんじゃない?」
「他から感情が来るから無理だろ。あれって自分の感情を消して力を安定させる技術じゃなかった?」
確かドラゴンボールとか、結界師とかであったんだがあれ…? 前者は力を抑えて気を消して隠れるための技術じゃなかった? 後者は本来の抑制されている力の解放じゃなかった?
まぁ、自分の感情を安定させるならできると思う。俺の特典の『どんなに能力を持っても自滅せず、制御できる事』で、感情と言う俺の元々ある力を制御すればいいのだから。ただ他から来る感情をどうにかしないといけない。
「大丈夫だと思うよ。僕もそれなりに考えているし」
「どんな方法だ?」
「少しづつではなく一気に入れて書換える」
「俺死……なないのか? いや、気が狂うと思うのだけど?」
主にリードが闇の書の力を書換えるのに時間がかかって、俺が闇の書の祟りに似たやつを制御するのに時間がかかりかなりの時間苦しむと思われる。一気に器に入れてしまえば時間は短縮できるが痛みが半端ないと思われる。
「僕が黒兎の『魂』を安全な所に移動させておいて、黒兎の『器』に闇の書の力を一気に入れて書換えてしまえば感情は来ない。器はなんにも感じないし思わない。そして、安全になった所に魂を器に入れて、はい完成。」
「……魂の保存場所は?」
「君の奥底。」
「……?」
「君の特典を『』という枠で表すと他の転生者の特典を『』という枠に『特典』という風に入れている。なら『』の中に『黒兎の魂』の枠を創り入れる。そして僕が闇の書の力を書換えるまで奥深くに『黒兎の魂』という枠を置いておき、書換えを終えたら本来あるべき場所に戻す。」
「つまり俺の特典の中に自分の魂を入れるってことか」
「そういう事、自分の中にあるから失ったりしないし、時間が経ってくれば目は覚める。要は魂に麻酔を使い眠らせて痛みを和らげるってことかな?」
なんかもうそれでいい気がしてきた。
「闇の書の力を一気に入れるってことできるのか?」
「八神はやてが防衛プログラムを闇の書本体と分けた所に僕の魔法で入れてしまえばいいんだよ」
「どんな魔法?」
「黒兎が僕に作らせた『特典』を奪う魔法をアレンジしたやつ、ちなみにもう闇の書の書換えた力を入れる『』とか黒兎の魂を入れる『』とかもう作ってあるし。」
「え」
いつ間に、ってか魔法でリードに敵うやつなんていないだろう。なんせ前に世界を滅ぼす魔法、世界を創る魔法とか編みだしていたって言っていたし。
「もう、闇の書の問題はリードにまかせてOK?」
「まかされよ」
もうなんかやる気なくした。まぁ、今日は
「そのゲーム後で貸してくれよ」
「一緒にやればいいのに」
「ギャルゲーを2人でプレイとか聞いたことねぇよ! 1人専用ゲームだろうがそれ。」
魔法の研究はやめるかね。リードの凄さを見せつけられてなんかやる気なくした。料理でもしてみるか? まぁ前世でもあんまりいい線いってなかったと思うが、投影した食べ物じゃなく、本物の食材で一回創って見よう。
あれ? じゃあなんで馳 条威君は世界の崩壊するってイメージが出たんだろう?スーパーに行く途中、そんな事を思う。まぁ、逃げ道がある僕らにはどうにかなる話だよな。